インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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話と部屋決め

「え、知り合い?」

 

「ああ……まあ、お隣の姉弟同然に育った人でね」

 

休み時間、トイレに向かいながら義之と一夏は話していた。最初は転校生のシャルルのことだったが、次に新任教師として来た音姫のことになったのだ。

 

「へー……」

 

「しかし、ロンドンに行ってたはずなんだが……」

 

音姫はロンドンにある王立魔法魔術学園、通称風見鶏に行ってたのだ。

 

(……後で聞くしかないか……それに、あのシャルルって子も、なーんか気になるんだよなぁ……)

 

そう思いながら用をたした二人は、教室に戻った。

そして、昼休み

 

「……杉並か?」

 

『同志桜内、久し振りではないか。女の園は如何かな?』

 

昼食を終えた後、義之は校舎裏に来てある人物。風見学園に居る悪友。杉並に電話を掛けた。

 

「色々と気遣うわ。それより、ちょっと調べてほしいことがあるんだが」

 

『ほほう』

 

「今朝がた、俺の居るクラスに新しく転校生が来たんだがな。ちょっとキナ臭いんだ。という訳で、調べてほしい」

 

『ふむ、名前は?』

 

「シャルル・デュノア。フランス人」

 

『期限は?』

 

「ASAP」

 

『心得た。得た情報は、パソコンに送ろう。では』

 

通話を終えると、義之は携帯をポケットに仕舞った。

非公式新聞部に所属する悪友、杉並。フルネームは不明。しかし、その情報収集能力は非常に高い。気付けば、個人情報すら杉並は得ている。

 

「あいつなら、外国の人間の情報だって、得られると確信しちまうんだよな」

 

義之はそう言いながら、教室に戻ろうとした。

すると

 

「弟くん、ちょっと」

 

と音姫に呼ばれた。

 

「音姉……」

 

「改めて、久し振り。弟くん」

 

どうやら教師モードではないらしく、見慣れた笑みを浮かべている。

 

「ところで、どうして音姉がIS学園(ここ)に居る? ロンドンの風見鶏に居た筈だろ?」

 

「うん。女王の鐘による命令だよ」

 

女王の鐘。それは、風見鶏に在学している学生に出される命令で、女王から様々な命令が出されるのだ。

特に成績優秀な生徒となると、困難な命令が出されることもあるのだ。

 

「ISに、魔法技術が使われてるんだけどね……」

 

「ISに!?」

 

音姫の言葉に、義之は驚きの声を上げた。

だが、同時に納得もした。それならば、自分の適性値が高いのも頷けると。

義之の適性値は、AAランク。並の代表候補生を越えているのだ。

 

「開発した篠ノ之束博士……さくらさんの推薦で、一度短期間だけど風見鶏に居たことがあるの……」

 

「束さんが……」

 

束が風見鶏に居た。それも、さくらの推薦を得て。

 

「ISに魔法技術が使われてること自体は、風見鶏は見逃す方針なんだけどね……問題が一つあるの」

 

「問題?」

 

「……ISを狙う組織……それが、過激派魔法使い組織なの」

 

過激派魔法使い組織。魔法使いこそが世界を支配すべきだと考える魔法使いによって組織されており、度々テロを起こしている。

音姫は何回か、その犯人を捕まえたことがある。

 

「……そいつらにとっては、IS学園は格好の狩場ってことか……」

 

「うん。だから、IS学園の学園長さんと女王陛下の間で協議が行われて、何人か魔法使いが常駐することになったの。私は教師として……」

 

「生徒と教師としてか……」

 

義之の言葉に、音姫は頷いた。

 

「特例として、元風見鶏の生徒だった子にも協力が要請されてるの……」

 

「それってもしかして、セシリア・オルコット?」

 

「知ってたの?」

 

「前に、音姉から聞いた挨拶を言ってたから、もしかしてってな」

 

「彼女、かなり優秀な魔法使いなんだよ。一度は、私も面倒見てたから知ってる」

 

音姫の話から、どうやらセシリアは優秀な魔法使いらしい。音姫も近代では天才的魔法使いと呼ばれていて、面倒見も良いから慕われているようだ。

 

「一応、弟くんにも魔法使いの生徒の名前を教えておく?」

 

「……頼む。もしかしたら、助けを借りるかもしれないから」

 

「ん、分かった……その人は、IS学園三年生。ダリル・ケイシー。それと、最近転校してくる予定のベルベット・ヘルとヴィシュヌ・イサ・ギャラクシーの三人」

 

義之はその名前を何回か頭の中で反芻し、覚えた。

そして放課後、一夏にISの知識を教えていると

 

「あ、織斑君と桜内君。二人共、まだ居てくれてたんですね」

 

「桜内は……織斑に教えているのか。助かる」

 

山田先生と、千冬が現れた。

その後ろには、シャルルが居る。

 

「急で申し訳無いんですが、デュノア君をどちらかの部屋に入居させてほしいんです」

 

「二人は二人部屋に、一人で住んでいるだろ。どちらかに入れるしかあるまい」

 

確かに、その通りだろう。下手に女子と同室にする訳にもいかない。

 

「あー……だったら、俺の部屋でいいですよ」

 

と先に言ったのは、義之だった。

何となくだが、一夏と一緒にするよりもマシだと思ったのだ。

 

「わかった。デュノアもいいな?」

 

「はい、構いません。よろしくね、桜内さん」

 

「今は同じ一年生だ。好きに呼んでくれ」

 

自己紹介で義之の方が年上と知っているので、シャルルは義之をさん付けで呼んだが、義之は好きに呼んでほしいと願った。

その後、義之はシャルルと一緒に部屋に戻った。

 

「それで、桜内君はどっちで寝てるの?」

 

「俺は内側だな」

 

「ん、分かった」

 

義之の話を聞いて、シャルルは自分の荷物を窓側のベッドに置いた。その後は食堂で夕食を終えて眠ったのだった。

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