インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

21 / 110
授業

「さて、これより実機訓練を行う」

 

と告げたのは、ジャージ姿の千冬だ。

その千冬の前には、一組と二組の生徒。約60名が整列している。一夏からしたら、かなり目のやり場に困る姿。ISスーツを着ている。ISスーツはISを装着する時には必ずと言っても過言ではないレベルで着るスーツで、見た目は最早水着に等しい。しかも、かなりピッチリしているので、各人のスタイルが際立つ。

 

「オルコット、鳳、前に出ろ」

 

そう言われて、セシリアと鈴が前に出た。すると、二人が

 

「何をするのですか?」

 

「まあ、何でもやるけど……」

 

「そう急くな……これからお前達には」

 

セシリアと鈴の問い掛けに、千冬が答えようとした。そこに

 

「ひゃあぁぁぁ! ど、退いてくださぁい!?」

 

と何やら情けない声が聞こえた。それを聞いた義之は、反射的に声が聞こえた方向を見た。すると、バランスを崩した様子の山田先生が墜落してくる。

それに気付いてないのは、一夏のみであった。

 

「一夏、グッドラック」

 

義之はそう言って、急いで離れた。

 

「は? ……って、そういうことかぁぁぁぁ!?」

 

一夏が気づいた時には、時既に遅し。一夏が居た辺りに、ラファール・リヴァイヴを纏った山田先生が落着した。

落着の際に発生した土煙で一、帯が見えなくなっていたが、少しすると見えた。

奇跡的に、一夏は大した怪我もなく無事だった。

しかし、問題が一つ。どういう訳か、倒れた山田先生の上に一夏が覆い被さっていたのだが、山田先生のその胸に一夏は顔を埋めていた。

 

「う……」

 

「お、織斑君……その、こういう場で無ければ応えたいところなんですが……」

 

山田先生は一体、何を言っているのか。しかし、ようやく我に帰ったらしい一夏は、自身がどういう状況か把握し

 

「す、すいません!」

 

と慌てて、体を起こした。その直後、何やらガシャンという音が聞こえた。

具体的に言えば、鈴の機体。甲龍の武装。双天牙月の合体音が聞こえた。

 

「い・ち・かぁ!?」

 

「待て待て!? 死ぬぅ!?」

 

双天牙月を連結させた鈴は、一夏に狙いを定めて、全力で投擲した。それを見た一夏は、上体を某映画張りに大きく反らして回避。

何とか回避した一夏は、安堵した。しかし、すぐにあることを思い出した。

連結させた双天牙月は、くの字になり、ブーメランのように戻ってくるのだ。

それを思い出した一夏は、振り向いた。すると、投げた双天牙月が大きくUターンして戻ってきていた。

一夏は回避しようとしたが、それより早くに押し倒されて

 

「当てます」

 

と山田先生の声が聞こえた直後、二発の発砲音が響き渡った。

そして、山田先生が撃った二発の弾丸は、見事に双天牙月に命中。撃ち落としたのだった。

 

「織斑君、大丈夫ですか?」

 

「は、はい……ありがとうございます……」

 

起き上がった山田先生に答えながら、一夏は立ち上がった。すると、千冬が歩み寄り

 

「山田君は、これでも最高クラスの代表候補生だったんだ。今程度の事は造作もない」

 

と告げた。

 

「あはは……結局は代表候補生止まりでしたけど」

 

千冬の言葉を聞いた山田先生は、困ったような笑みを浮かべながら、頭を掻いた。その間に、鈴は双天牙月を回収。セシリアと一緒に来ると

 

「それで、結局何をするんですか?」

 

と千冬に問い掛けた。

 

「何、簡単なことだ。二対一で模擬戦をする。お前達対山田君だ」

 

千冬のその言葉を聞いて、セシリアと鈴は固まった。確かに彼女達はまだ学生だが、そこまでは弱くないと思っているからだ。しかし、千冬は

 

「なに。今のお前達ならば、山田君の相手にならん」

 

と告げた。

それを聞いたセシリアと鈴は、ムッとした表情を浮かべた。そこまで弱いとは、思っていないからだ。

 

「では、構えろ」

 

千冬がそう言うと、セシリアはブルーティアーズを展開しライフルを構え、鈴は腰を軽く落とした。そして山田先生は何時もからは予想出来ない真剣な表情で、両手に銃を構えた。その直後

 

「試合開始!」

 

という千冬の宣言が響き渡り、三人は同時に一気に上昇。空中戦を開始した。それを見ながら、千冬は

 

「デュノア。丁度いいから、山田君が纏っている機体の説明をしろ」

 

と近くに居たシャルルに言った。

 

「あ、はい。山田先生が使っているのは、フランスの企業。デュノア社が開発した、第二世代ISのラファール・リヴァイヴです」

 

千冬に言われた通りに、シャルルは模擬戦を見ながら、ラファール・リヴァイヴの説明を始めた。

義之はそれを軽く聞き流しながら、模擬戦を見ていた。

模擬戦は終始、山田先生が有利に進めていた。

セシリアと鈴は、セシリアが後方から支援。鈴が切り込んでいた。それ自体は、別に何ら不思議ではない。

しかし山田先生は、鈴の動きを上手く誘導し、セシリアの攻撃を妨害。そして、二人に適宜攻撃。

そして、攻撃を外した鈴に至近距離でショットガンを連射。吹き飛んでセシリアにぶつかると、ショットガンを消して、連装式のグレネードランチャーを展開した。

 

「ああ、説明ご苦労。そろそろ終わるぞ」

 

千冬がそう言った直後、山田先生が二発のグレネードが二人に直撃。二人はそのまま、地面に落ちた。

 

「此のように、IS学園に居る教師は、大体が腕利きの元代表や元代表候補生だ。敬意を持って接するように」

 

千冬のその言葉の後、多少のトラブルは起きたものの、実機訓練は無事に終了した。

しかし義之は、ラウラが一夏を終始睨んでいることに気付いていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。