インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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提示される選択肢

食事が終わり、食器をクーが持っていくと

 

「さてと……シャルロットちゃん」

 

とさくらが、シャルロットの名前を呼んだ。

 

「は、はい!」

 

「ボク達は、君に対して3つの選択肢を与えることが出来る」

 

さくらがそう言うと、まずはアイシアが

 

「一つ目は、マロース家に戻ってくること。ISだかなんだか知らないけど、どうとでも出来る」

 

と告げた。その話し方からは、ISのことをどうとでも思ってないことが伺える。

 

「2つ目、現状を維持しつつ、何らかの方法でEU政府の魔法を知る議員に亘りを着けて、助けてもらうか」

 

EUの魔法を知る議員となると、イギリス辺りが濃厚だが、それをまだシャルロットは知る由が無い。

 

「そして3つ目……入っていいよ」

 

「失礼します」

 

さくらに呼ばれて、一人の男性が入ってきた。年齢的には、10代後半から20代前半というところだろうか。

 

「こちらは、用意が出来ました。さくらさん」

 

「ありがとう、冬也くん……」

 

男性、神代冬也(かみしろとうや)が差し出した紙をさくらは受け取った。そして冬也は、一同に軽く頭を下げて

 

「日本守護が一つ、神代家現当主。神代冬也と言います」

 

「え、まさか……神代って……参議院議員!?」

 

冬也の名前を聞いて、麻耶が驚きの声を上げた。

神代冬也、現政権の中で数少ない無所属の参議院議員にして、ISが台頭してからは数少なくなってきた男性議員の一人だ。

 

「知っていただけて、ありがとう……確かに議員だが、俺はこの日本を守る守護12家の一つ。神代家の現当主……そして、さくらさんの教え子の一人だ」

 

「にゃはは、冬也くんは優秀な生徒だったからねぇ。今は政府の国防に関する分野で頑張ってもらってるよ」

 

さくらの説明の後に、冬也は軽く会釈。そしてさくらは、冬也から受け取った紙をシャルロットの前に置いて

 

「そして3つ目は……日本に亡命すること……一応、保護責任者はボクか、冬也くんになるかな……」

 

と告げた。

 

「もちろん、選択権は君にある……こちらは、あらゆるバックアップを約束しよう……EU政府に掛け合うことも十分に出来る……」

 

「そこまで……」

 

まさかそこまでしてもらえるとは思わず、シャルロットは驚いた。見ず知らずの自分のために、様々な人達が出来ることをやり尽くそうというのが、シャルロットにも分かった。

 

「どうして、そこまで……」

 

「まあ、大人の義務だよね。困った子供が居るなら、手を差し伸べないとね」

 

シャルロットの問い掛けに、さくらは微笑みを浮かべながらそう告げた。

今までシャルロットの回りには、さくらやアイシアのような優しい大人は数少なかった。

特に、母親が死んでからは。

 

「…………」

 

「まあ、すぐに決められることでは無いだろう……初音島に居る間、ゆっくりと考えなさい」

 

シャルロットが黙考していると、冬也はそう言って立ち上がった。すると、さくらが

 

「あ、冬也くん。シャルロットちゃんを冬也くんの家に預かってほしいんだ」

 

と冬也に言ってきた。

 

「自分の家に……ですか?」

 

「うん……ボクの家、今は麻耶ちゃんの家族を受け入れて、結構ギリギリなんだよ。布団の予備も、今はアイシアが使ってるし」

 

「う、ごめんなさい……」

 

今現在、芳野家には沢井家と束、クー、アイシア、裕也が住んでいる。芳野家は大きいほうだが、二階は主に裕也と義之、麻耶で手一杯。一階も、沢井家と束、クー、アイシア、そして家主のさくらで限界である。

 

「……別に、自分は構いませんが……彼女が、なんと言うか……」

 

「あの、その……ボクは、大丈夫です……ホテルに泊まれれば……」

 

シャルロットはそう言うが、冬也が

 

「いや、今からではもう無理だろうな……初音島には、ホテルは一ヶ所しかない。それに、初音島は年がら年中何らかのイベントが行われている……確か今は……ああ、天枷研究所主催の技術展覧会があったか……恐らく、その展覧会参加者と見学者で、部屋は埋まっているはずだ」

 

と説明した。

天枷研究所、日本が世界に誇るロボット最先端研究所。そこ主催の技術展覧会となれば、興味がある技術者達ならば、世界中から訪れることだろう。それを考えると、確かに埋まっている可能性は非常に高い。

 

「じゃ、じゃあ……その、お世話になります……」

 

「ん、わかった……外に車が停まっているから、荷物を乗せよう」

 

シャルロットの言葉に、冬也はそう言ってシャルロットの荷物を持った。

 

「お願いねー!」

 

さくらのその言葉を背中に受けながら、二人は芳野家を後にしたのだった。

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