インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

31 / 110
遅くなりました



進路

シャルロットが初音島に来て、数日が経過。GWも明日で終わりで、そろそろIS学園に戻らねばならない。

しかしその前に、決めなければいけないことがあった。

 

「それで、決められたかな?」

 

「……はい」

 

芳野家の居間には、シャルロットの他にさくら、義之、麻耶、冬也が居た。今からシャルロットは、此れからの身の振り方を話すことになっている。

 

「ボクは……日本に亡命します……フランスには、友達も居ないですし」

 

シャルロットがそう言うと、冬也とさくらは頷き

 

「わかった。こちらも、その線で動きます」

 

「お願いね、冬也くん……さて、保護責任者は……ボクでいい?」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

「住居は、自分の所にしましょう。芳野家は、既に手狭です」

 

シャルロットの決定から、トントン拍子に話が進んでいく。その光景を見ながら、シャルロットは気づいた。

 

「あの……アイシアさんは?」

 

今この場に、アイシアの姿が無いのだ。

 

「ん? アイシアなら、今はちょっとお仕事でイギリスに行ってるの。少し、手こずってたみたいだけど、近い内に帰ってくるから。大丈夫だよ」

 

「イギリス……?」

 

どうやらアイシアは、イギリスに行っているらしい。一体何をしているのかは、シャルロットにはわからないが、大事な要件なんだろう。

 

「では、この書類にサインを」

 

「はい、わかりました」

 

冬也が差し出した書類を受け取ったシャルロットは、その書類にサインしていく。

すると、冬也が

 

「そういえば、彼女は専用機持ちでしたね」

 

とさくらに視線を向けた。

 

「あ、そうだね。シャルロットちゃん、専用機の待機形態を机の上に置いてくれるかな?」

 

「はい」

 

さくらに促されるままに、シャルロットは専用機。ラファールリヴァイヴ・カスタム2を机の上に置いた。

 

「流石に、専用機はフランス政府に返却することになる。各国の所有出来るISの数は、アラスカ条約で決められているからね」

 

冬也はそう言いながら、ラファールリヴァイヴ・カスタム2を掴んで、懐から出した端末と繋いだ。

 

「あの、なにを……」

 

「この機体から、君のデータを吸い出している。恐らくだが、君は企業所属の専用機持ちになるだろう。その時、データの有無は機体の開発やファーストシフトに役立つ……よし、終わった」

 

シャルロットの問い掛けに、冬也は答えながら端末を操作。終えると、その待機形態を横に置いてあった小さなケースに仕舞ったが

 

「ああ、そういえば……確か、IS学園で専用機によるタッグ戦があるんだったか」

 

と呟いて、取り出した。

 

「タッグ戦?」

 

「ああ……少し前に、IS学園に所属不明のISが侵入。攻撃してきただろ? それを警戒して、連繋の特訓も兼ねてタッグ戦をやるんだそうだ」

 

義之が首を傾げると、冬也はそう説明した。

 

「ああ、あの無人機か……そういえば、さくらさん。束さんは関わって?」

 

「ないよ。まあ、ボク達が知る束ちゃんはね(・・・・・・・・・・・・)

 

義之の問い掛けに、さくらはそう告げた。その答えを聞いて、シャルロットは少し困惑した。その言い方ではまるで、稀代の天災科学者の篠ノ之束博士が、二人居るようだと思った。

 

「それに関しましては、こちらも全力で調査中です……では、こちらは一度君に渡しておく。後日、俺がIS学園に赴いて、回収しよう」

 

「わかりました」

 

「そんじゃあ、シャルロットちゃんとは俺が組むことにするか……下手したら、シャルロットちゃんが女の子だってバレて大問題だ」

 

「それに関しては、仕方ないわね……義之、近い内に私も行くからね」

 

「……マジかよ」

 

麻耶の言葉に、義之は思わず頭を抱えた。

 

「当たり前でしょ? 今、天枷さんの内部を熟知してるのは私よ?」

 

「……確かに」

 

麻耶のその言葉に、義之は同意した。義之も知っているが、それはISの機能が追加される前のことだ。ISの機能が追加された今の内部機構は、把握しきれていない。

 

「それじゃあ、義之君。シャルロットちゃんをよろしくね? 一応、義理だけど妹になるんだから」

 

「ああ、確かに……よろしくな」

 

「あ、はい……えっと、義兄さん」

 

シャルロットがそう呼ぶと、義之はシャルロットの頭を撫でた。そして翌日の早朝に、義之とシャルロットは初音島を発って、IS学園へと戻った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。