インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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一日目 前

「7月のサマーデビルと呼ばれた私のサーブ、受けてみよ!」

 

「ピンポイント過ぎないか、その二つ名」

 

何処からか聞こえた声に、義之は思わず突っ込みを入れていた。ただいまIS学園一年生は、臨海学校である場所の花月荘裏手の海で遊んでいた。

ビーチバレーをしたり、ビーチフラッグをしたりと、各自が自由に遊んでいた。

 

「ふむ……ここも、初音島と同じ位海が綺麗だな」

 

「お、おかえり……って、遠泳にしては早かったな」

 

美夏を出迎えた義之だったが、遠泳で沖合いのブイ辺りまで行ったにしては、美夏はたった10分程で戻ってきた。

 

「なに、海水があるから冷却を考えなくていいからな。少々高出力モードにして泳いだのだ」

 

「無理するなっての……」

 

「ん……新規投入した防水技術、問題なさそうね」

 

義之の隣では、端末を見ている麻耶の姿がある。どうやら、その端末には美夏のコンディションが表示されているようだ。

 

「あ、先生達が来た」

 

と呟いたのは、たまたま近くに居た一人の女子だった。視線だけを動かしてみれば、水着に着替えた教師達が来ていた。その中で、千冬と山田先生のスタイルが際立っていた。それを見た義之は、思わず

 

(あれは……音姉は精神的に死んだかな……)

 

と察した。

朝倉音姫、今やIS学園一年生から絶大な人気の新人教師となった音姫。付き合いやすさ、優しさ、ルックスととバランス良いのだが、音姫本人からしたら、胸にコンプレックスがあった。

簡単に言えば、胸の小ささである。

特に、風見学生時代には回りにスタイル抜群の生徒が多数居たので、ひとしおだったが。

そして義之は気付いた、教師達の最後尾。そこに、目が死んだ音姫の姿があった。

 

(遅かったか……)

 

「ねえ、義之……音姫さんが……」

 

「言ってやるな……今本人は、必死に隠してるつもりだろうし」

 

麻耶が音姫を見ながら問い掛けるが、義之は首を左右に振った。要するに、言わぬが華というやつである。

しかも、IS学園の生徒達にもスタイルが際立った生徒が結構居る。

箒を筆頭にシャルロット、セシリア、本音と挙げたらキリが無い程に。

 

「まあ、なんだ……時間が経てば復活するさ」

 

「そうなることを祈るわ」

 

義之の言葉に同意して、麻耶は立ち上がった。それと同時に、義之も立ち上がり

 

「さてと、泳ぎにいきますか」

 

「そうね。でないと、海に来た意味がないわ」

 

二人で、泳ぐことにした。その頃、一夏は、千冬を交えてビーチバレーに興じていた。一夏も善戦したものの、千冬の身体能力の高さに負けた。

 

「あー……疲れた……」

 

「お疲れ様でした、織斑君」

 

そんな一夏を労ったのは、右手にスポーツドリンクを持ったヴィシュヌだった。一夏は、スポーツドリンクを受け取り

 

「ああ、ありがとう……」

 

「見てましたよ。織斑先生、凄いですね……私も勝てないと思います」

 

「千冬姉は、昔から運動神経は凄かったからな……男子にも負けなしだったしな……」

 

ヴィシュヌは一夏がスポーツドリンクを飲んで落ち着くまで待ってから、一夏と一緒に千冬を見た。

その千冬は、どうやら泳ぐ気らしく、軽く準備運動をしている。

そして一夏は、昔を思い出しているのか、目を細めている。どうやら千冬は、昔から運動では負けなしだったようだ。

 

「だからまあ、千冬姉は昔からあんまり友達も居なくてな……束さん位しか付き合いなかったみたいだし……彼氏も居なかっ……ぶおっ!?」

 

「お、織斑君!?」

 

昔を思い出していた一夏は、自分に向かって投げられたバレーボールに気付かず、顔面に直撃を受けた。

 

「織斑……何やら、失礼なことを話していないか?」

 

「な、なんでもありません!!」

 

千冬が凄みと共に睨むと、一気に立ち上がった一夏は敬礼しながら否定していた。千冬はしばらく睨むが、埒が明かないと思ったのか、海に泳ぎに行った。そして一夏は、近くのチェアーに座った。そこにヴィシュヌが、タオルを持って

 

「織斑君、鼻を冷やしてください……鼻血が……」

 

「あ、ありがとう……助かる」

 

ヴィシュヌから水で濡らしたタオルを受け取り、一夏はチェアーに寝転がり、鼻を冷やすことにした。

こうして、一日目は過ぎていく。

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