インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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第四世代

臨海学校二日目

場所は、砂浜。そこに、一年生全員が集まっており、その前に千冬が立っていた。

 

「これより、臨海学校二日目。IS実機練習を行う! ……が、その前に……おい、遅刻者」

 

「は、はい!!」

 

なんと珍しいことに、今朝はラウラが寝坊したのである。恐らくだが、こういった経験が初めてだから、興奮して寝れなかったのかもしれない。

 

「ISの機能の一つ、双方向通信ネットワークに関して説明してみろ」

 

「はい! 双方向通信ネットワークは……」

 

千冬に指摘され、ラウラは言われた項目の内容を言った。そして、言い終わると

 

「ふむ。模範的な説明だな。今回の遅刻は不問にしておこう」

 

千冬のその言葉に、ラウラは安堵した表情を浮かべた。

 

「では実機訓練を開始する前に、訓練機組と専用機組に別れろ。訓練機組は、あちらに居る教師達の所に集まれ」

 

千冬に言われ、一年生達は専用機組と訓練機組に別れた。のだが、何故か専用機組の中に箒の姿が有った。

 

「あの、織斑先生……なんで、箒がこっちに……」

 

箒が居ることを不思議に思い、簪がそう問い掛けた。すると千冬は、渋面を浮かべながら

 

「それはだな……」

 

と説明しようとした。その時

 

「ちーちゃーん! 箒ちゃーん!!」

 

となんとも、喧しい声が聞こえた。その声を聞いた千冬は、深々と溜め息を吐いた。千冬の後方、崖の方からあの束が土煙を上げながら走ってきている。

千冬は振り返ると同時に右手を上げて、飛び込んできた束の頭を掴んだ。

 

「やあやあ、ちーちゃん! 久し振りだねぇ! さあさあ、ハグをしようか! ハグを……グエェェェ!?」

 

束は千冬と抱き合いたいらしく腕をジタバタと動かしていたが、頭蓋骨から鳴ってはいけない音が響き渡り、呻き声を挙げ始めた。

 

「束……私は言った筈だ……私は静かに目立たずに来いと……それがなんだ、あのニンジンロケットは……! 中庭に落として……! あの中庭の修理代を、誰が支払うと思っている……!?」

 

「そんなこと、束さんが知ったことじゃ……アアアアァァァァァアァアァァァ!?」

 

束の言葉に怒ったのか、千冬は血管を浮き上がらせる程の力を込めて、束の頭にアイアンクローを叩き込みながら、高々と持ち上げた。それから少しすると、束から力が抜けたので、千冬はそんな束を投げ捨てた。

 

「ち、ちーちゃん……前より、握力上がってない……?」

 

ダメージが大きいのか、束はフラフラと立ち上がると、そんな束の頭を掴んで

 

「なに……今までお前に痛め付けられた胃のお返しをしようと、秘かにな……ハッハッハ、その甲斐があったと言うものだ!」

 

「まさかの再度!? 待って待って!? 束さんの頭は、リンゴじゃなアアアアァァァァァアァアァァァ!?」

 

その後、千冬が落ち着くまで数分を要した。

 

「さて、篠ノ之。前に出ろ」

 

「は、はい!」

 

千冬に呼ばれ、箒はフラフラしている束のほうに近寄った。すると束が指を鳴らし、その直後に地中から一つの金属製の箱が出てきた。

箒がその箱に視線を向けると同時に、箱が開いて中から一機のISが姿を見せた。

赤い紅いISだった。

 

「箒ちゃん専用、第四世代(・・・・)IS。紅椿……箒ちゃんの為に造った、まさに唯一無二の機体だよ」

 

「だ、第四世代!?」

 

「今ようやく、世界中で第三世代の開発が軌道に乗り始めたばっかりなのに!?」

 

束が告げた言葉を聞いて、専用機組は驚愕していた。

しかし、無理もない。今シャルロットが言ったように、世界各国でようやく、第三世代ISの開発が軌道に乗り始めたばかりだというのに、束はその一世代先の第四世代ISを開発し、出してきたのだから。

 

「第四世代は、単独で換装機能(パッケージ)も必要なく、展開装甲が経験値で独自に進化していく……だから、最初は同じでも、使い手によりどんな進化をしていくかは変わる……さあ、新たな時代の到来だよ……」

 

束がそう言った時、義之は嫌な予感をヒシヒシと感じていた。

まるで、取り返しのつかない場所に、足を踏み入れたように。

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