インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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という訳で、少しの間初音島サイドになります


見学

一年生一同がIS学園に帰還してから少しすると、IS学園は夏休みに入った。この夏休みになると、学生の過半数がIS学園から居なくなる。帰省してのんびりするか、本国に戻って新たな装備の試験や確認をする者と様々である。

そんな中で、義之達は初音島に戻っていた。

そして義之は、天枷研究所で美夏の検査をしていた。福音戦で大分酷使してしまったので、負荷が掛かってないか確認していた。

麻耶が修理したと言っていたが、やはり現場での修理には限界があるものだ。

 

「ふう……今のところ、異常無し……っと」

 

義之はモニターに表示されてる数値を確認しつつ、次の準備を始めた。その時、部屋の電話が鳴って

 

「はい……見学者? ……あら、彼女達が……はい、分かりました。通してください」

 

麻耶が出て応答し、受話器を戻した。

 

「麻耶、どうした?」

 

「見学希望者ですって。二人」

 

「見学希望者? しかも、二人? 珍しいな」

 

しかも、自分達が担っているのはロボットの開発と研究分野。今の注目はISな為に、少々珍しい。

 

「まあ、知ってる人達よ」

 

「は? 知り合い?」

 

麻耶の言葉に、義之は首を傾げた。その時

 

「はーい、見学者二人を連れてきたわよー」

 

と火の着いてないタバコ片手に、水越舞佳(みずこしまいか)女史が入ってきた。その後ろには、セシリアと簪の二人が居た。

 

「あれま……簪はまあ分かるが、セシリアも?」

 

義之は部品を机に置いて、思わず首を傾げた。

簪は理啓かつ前々から美夏のことに、興味津々といった様子だった。するとセシリアは、スカートを僅かに持ち上げる貴族の挨拶をしながら

 

「実は、この天枷研究所に出資する額を増やすことにしまして、そのご挨拶に伺いました。そうしたら、芳野博士がついでに見学してって、とおっしゃいまして」

 

「ああ……さくらさんが言ってた海外の出資者って、セシリアだったのか」

 

セシリアの話を聞いて、義之は納得した。実は初音島に帰ってた時、さくらから

 

『実は、海外の出資者さんから出資額の増額をしたいって連絡があったんだ!』

 

と嬉しそうに話されていたのだ。最近、IS方面に出資者が流れていき、他の工学は資金が先細りになり、中には研究を断念し、統合かまたは廃墟となった研究所も数知れず。それは天枷研究所も例外ではなく、義之がIS学園に編入される頃には研究所の一部閉鎖も考慮されていたのだ。

だが、さくらの交渉術で上手くIS開発の権利と一緒に資金を貰うことに成功し、ロボット技術のISへの転用という形でなんとか、研究所の一部閉鎖は免れた。

そこに、更に出資額の増額。天枷研究所は暫くは安泰だろう。

その時

 

「お茶をお持ちしました」

 

と和服を着た女性が来て、義之と麻耶にはコーヒーを置いて、簪とセシリアには紅茶を出した。

 

「ありがとう、美秋さん」

 

「何かあったら呼ぶから、それまで待機をお願いね」

 

「はい」

 

美秋と呼ばれた女性は頷くと、隣の部屋に消えた。すると、簪が

 

「今の……μ?」

 

と首を傾げた。

 

「まあ、正確にはそのプロトタイプだな」

 

「ええ……ようやく、復帰出来た私の大事な家族ね」

 

「ロボットにしては、まるで美夏さんみたいに表情が豊かでしたわね……」

 

「まあ、天枷さんは色々と例外なんだろうけど……」

 

「美秋さんは、天枷を基にした後継モデルでな。麻耶のお父さんが開発したんだ」

 

義之の説明に、簪とセシリアは麻耶を見た。まさか、親子で開発に携わっているというのは、予想外だったようだ。

 

「まあ、詳しい話は今度にして……天枷研究所、見学するんでしょ? 行きましょうか」

 

麻耶はそう言って立ち上がり

 

「美秋、天枷さんの数値の確認をお願い。何か異常があったら、直ぐに私達の端末に連絡してね」

 

「分かりました。いってらっしゃい」

 

麻耶の指示を受けて、美秋は頷きながら四人を見送った。

そして、四人の天枷研究所見学が始まった。

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