インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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非公式会談

「よっと……ごめんね、急にこんな部屋に連れてきて」

 

「いえ、それは大丈夫なのですが……」

 

「……大事な話とは、なんですか?」

 

義之と麻耶の二人と別れた後、さくらはセシリアと簪を伴ってさくらの部屋に来ていた。さくらの部屋は広く、様々な研究設備が置いてある。

幾つかは稼働しているために、何らかのデータを収集しているのだろう。最初は簪も興味深そうだったが、さくらからの話を思い出して、席に座った。

 

「うん……はっきり言うね……IS学園、何人の魔法使いが居るか、分かる?」

 

さくらがそう言った直後、セシリアと簪の目付きが変わった。そして最初に、セシリアが

 

「私が知る限り、一年生には4人……私を入れたら、5人になります」

 

「……二年生、三年生を入れても、大体10人前後の筈ですが……」

 

セシリアの後に、簪が答えた。二人の説明を聞いて、さくらは

 

「うん……確かに、十蔵君からの話とも一致するね……ただ、僕の予想だけど……過激派が何人か潜入させてると思ってる……」

 

と告げた。それを聞いて、セシリアは

 

「分かりました……私から、女王陛下に連絡し、対応を検討します」

 

「うん、お願いね。セシリアちゃん」

 

セシリアの言葉に、さくらは頷いた。実を言うと、さくらも英国女王たるエリザベスとは知り合いではある。

なにせ、エリザベスは王立魔法魔術学園の校長でもあり、さくらはかつて非常勤として一時は在籍していたこともあるからだ。

しかし、個人的に連絡出来るかと言うと、答えは否である。なにせ、相手は一国の女王だ。幾ら世界的に有名な科学者とはいえ、簡単に知れる訳がないのだ。

 

「……実は、当主から手紙を預かってます」

 

そう言って簪は、さくらに手紙を差し出した。さくらは受け取ってから一読し

 

「……なるほどね……江戸川家とホームズ家が……」

 

と呟いた。どうやら、何らかの家が動くらしい。

 

「うん、分かった……ありがとうって、伝えてくれるかな?」

 

「分かりました……」

 

簪が頷くと、さくらは少しの間顎に手を当てて

 

「一応聞くけど、二人は何処まで状況を知ってるのかな?」

 

と二人に問い掛けた。さくらが言っているのは、世界でのことだろう。二人は、僅かに間を置いてから

 

「……最近はですが、過激派が勢いづいてきてます……」

 

「そこからですが、裏にて大きな組織が動いていることは確実です」

 

二人の言葉に、さくらは満足するように頷いた。そして、最後に

 

「本当は、子供達にこんなことをさせるのは、ボクの主義に反するんだけど……ごめんね、セシリアちゃん、簪ちゃん……義之君や麻耶ちゃん達が心配だから……」

 

と頭を下げた。さくらにとって、義之は唯一の子供で、麻耶はその嫁である。心配にならない方がおかしいだろう。それを理解したからか、セシリアと簪は

 

「いえ、大丈夫ですわ。芳野博士」

 

「……貴女の思いも、理解出来ますから」

 

とフォローした。その言葉に、さくらは感謝するように頭を下げて

 

「そう言ってもらえると、ありがたいかにゃー……最近、女性権威主義者も頻繁に初音島に来てて、IS学園にまで注意を向けられないよだよねぇ」

 

とため息混じりに呟いた。義之は気付かなかったが、よく見ると、さくらの目元には隈が出来ている。疲れが溜まっているようだ。

 

「確かに……この初音島は、世界でも唯一と言える男女平等の地……」

 

「女性権威主義者からしたら、面白くないのは確実……此方からも、支援を回せるようにします」

 

「本当にありがとう……あ、何か使いたい技術は有る?今なら、ボクが差し込んでおくよ」

 

さくらのその言葉に、二人は悩み始め

 

「……では僭越ながら……噂の人工島の素材を……教えてもらえませんか?」

 

と先に、セシリアが問い掛けた。すると、さくらは少し驚いた表情で

 

「うにゃ? もしかして、義之君達から聞いたのかな? まあいいや……えっと、これだね」

 

さくらはそう言って、セシリアに一つのUSBを差し出した。

 

「それに、組成データが入ってるよ。あ、ただしデータ送信はしないようにね? 念のために、送信されると相手のパソコンにウィルスが仕込まれるように組まれてるから」

 

「分かりましたわ……確実に手渡しますわ」

 

セシリアがそう言うと、簪が入れ替わりに

 

「……私には、補助AIを頂けませんか?」

 

「ん? どういう……ああ、あのマルチロックオンのミサイル?」

 

簪の言葉の意味を、最初は分からなかったさくらだが、すぐに察した。すると、簪は頷き

 

「……今は、脳波コントロールしてますが、負担が大きく、多用が難しいんです……」

 

と説明した。

 

「うにゃー……また、危険なことを……それ、最悪は廃人って分かってる?」

 

さくらが心配そうに問い掛けると、簪は頷いた。脳への過負荷の代償は、脳へのダメージだ。

そして、さくらは満足そうに頷いて

 

「それじゃあ、見学を再開しようか」

 

と言って、立ち上がった。

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