インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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再開します
お待たせしました


驚きと買い物

「は、え……え!?」

 

音姫からの予想外過ぎた言葉に、一夏は驚きで固まった。すると、音姫は笑みを浮かべて

 

「流石に、知り合いで教え子を放置は出来ないからね。それに、昔は弟くんも住んでたから、大丈夫!」

 

自信満々といった様子で、そう断言した。由夢は、仕方ないなあ、といった風体でため息を吐いている。一夏は

 

「で、でも、由夢ちゃんは嫌じゃない? 知らない男が家に泊まるなんて!?」

 

と由夢を見た。すると、由夢は

 

「もう、仕方ないかと……今一夏さんが頼れるのは、教師のお姉ちゃん位でしょうし……」

 

と受け入れる方針らしい。確かに、初音島唯一のホテルは既に満員。もしかしたら民泊があるかもしれないが、それを探すのも時間が掛かり、最悪は何らかのトラブルに巻き込まれかねない。

どちらにしろ、最早考える時間は無いと分かった一夏は諦めた様子で

 

「すいません……お世話になります……」

 

と頭を下げた。すると、音姫は

 

「じゃあ、由夢ちゃん。献立変更だよ」

 

「ん、分かった。それじゃあ、一夏さんも来てください。食べられないのがあったら、教えてもらいますから」

 

「ありがとうございます……基本、何でも食べられるから、気にしないでくれ……」

 

そうして一夏は、二人と一緒にスーパーに向かった。

そうして、スーパーに着くと

 

「そういえば、織斑君は何日間泊まるつもりだったの?」

 

「二泊です……え、まさか」

 

「うん、泊まって大丈夫だよ」

 

「まあ、ホテルは向こう一週間は空かないみたいですし、仕方ないですよ」

 

一夏が困惑していたら、由夢が音姫の考えに賛同した。確かに、改めて調べてみれば、ホテルは最低一週間は空きが無い状況だ。一夏としては、明日にでも帰ろうと思ったが、音姫と由夢は泊まらせる気らしい。

好意を無下にする訳にもいかず、少し考えた一夏は

 

「すいません……本当にありがとうございます」

 

「大丈夫! 私に任せてね!」

 

一夏が頭を下げると、音姫は自信満々に(無い)胸を張った。(血溜まりに沈む作者)そして、カートを押す由夢と吟味しつつヒョイヒョイと食材をカゴに入れる音姫。買う物を見ていた一夏は

 

「……今日は、グラタンですか?」

 

と確信しながらも、問いかけた。

 

「あ、分かるんだ」

 

「まあ、家事は俺が一手に引き受けてたんで」

 

一夏の言葉を聞いて、由夢が

 

「一夏さん、料理出来るんですか?」

 

と問いかけてきた。すると一夏は、由夢に視線を向けて

 

「まあ、千冬姉が家事全般がてんでダメだったからな……自然と俺が引き受けてな……一応、かなり自信あるぞ」

 

「……兄さんと言い、一夏さんと言い……最近の男性は料理もデフォルトなんですか……」

 

一夏の話を聞いて、由夢は何処か黄昏た様子になった。実を言うと、由夢は料理があまり上手ではない。最近は多少出来るようになったが、それは音姫が家を離れるから一生懸命覚えたからである。(昔は、由夢が作った料理で意識を失った人物も居た程)

 

「自慢じゃないが、DIYも得意だ」

 

「手先器用そうですよね……」

 

「あはは、そこも弟くんそっくりだ♪」

 

義之も、手先は器用な方になる。料理もだが、芳乃家には義之が作った本棚があり、今は絵本や料理に関する本が収まっている。

 

「あ、音姫に由夢ちゃん! 久しぶり!」

 

そこに現れたのは、音姫の親友のまゆきだった。

 

「あ、まゆき! 久しぶり!」

 

「本当に久しぶりだね! 音姫がイギリスに留学に行った以来だ!」

 

親友のまゆきと久しぶりに再会したからか、音姫はかなり上機嫌だ。すると音姫は

 

「そうだね! そういえば、聞いたよ? 裕也君と付き合い始めたんだって? おめでとう!」

 

「あはは、ありがとう」

 

音姫の言葉に、まゆきは少し恥ずかしそうにした。その時、一夏に気付き

 

「んー? 君、なんか見たことあるような……?」

 

「高坂先輩、兄さんと同じISを使える男性の織斑一夏さんですよ」

 

由夢の説明を聞いて、思い出したと言わんばかりにポンッと手を叩いた。

 

「ああ、そういえばそうだ! で、なんで初音島に?」

 

「観光だって。昔から気になってたんだってさ」

 

「ほうほう、なるほど」

 

音姫の説明に、まゆきは興味津々という感じで一夏を見た。一夏から見たまゆきは、箒に近い印象だが、箒よりかは活発かつコミュニケーション能力が高いように見えた。

 

「えっと、初めまして。織斑一夏です」

 

「初めまして! あたしは高坂まゆき。日本体育大学で陸上選手やってるよ」

 

「日体大ですか!」

 

日本体育大学の名前は、一夏も知っている。数多くの優秀な各分野の選手を排出してきた大学だ。

 

「まゆきはね、陸上選手の強化選手に選ばれてるの」

 

「短距離走と走り高跳びです」

 

「はぁ……運動神経凄いんですね……」

 

「あっはっは。得意分野だからね」

 

一夏が感心していると、まゆきは快活に笑った。

嫌みを感じさせない笑みで、まさに体育会系の女子だった。

 

「まゆきも買い物?」

 

「そ、裕也と一緒にね。今裕也は、荷物をバイクに載せてるとこ」

 

まゆきが外を指差すと、一台の大型バイクに一夏と同年代らしい男子が荷物を載せている。

 

「わ、裕也君。いつの間にかバイクの免許取ったんだ」

 

「そ。二人乗り出来るようにって、サイドカーも付けられるやつ。裕也手先が器用だから、自分である程度整備してるんだよ……あれ、元々は廃車同然だったのを少しずつ部品集めて直したんだって」

 

「それは凄い……」

 

そうこうしてる間に荷物を積み終わったらしく、裕也が手を振っている。

 

「んじゃ、あたしは帰るね。また会おうね、音姫、由夢ちゃん!」

 

「またねー」

 

「はい、また」

 

まゆきは二人に手を振ると、流石の速さと身軽さで人混みを抜けていき、バイクに乗った。

それを見送ってから、音姫は

 

「さて、買い物を再開するよ! 織斑君も手伝ってね」

 

「はい、わかりました」

 

そして三人は、夕食の買い物を再開したのだった。

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