インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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幕間 シャルロットの買い物

一夏が朝倉家で過ごしていた時、同じように彼女。

シャルロットも、神代家で過ごしていた。

広い和風家屋にも、ようやく慣れてきて、それと同時に初音島での生活にも慣れてきた。

今や世界的に喪われた男女平等、その最後の地。長い間陰謀に揉まれてきたシャルロットは、久しぶりに穏やかに過ごしていた。

 

「やあ、シャルロットちゃん。今日も買い物かい?」

 

「あ、はい。今日は何が安いですか?」

 

シャルロットは自転車に乗り、近くの商店街に来ていた。今しがた話しかけてきたのは、八百屋の店主のおっちゃんだ。

 

「今日は茄子とキュウリ、トマトが安いよ!」

 

「じゃあ、それらを買います」

 

「まいど!」

 

シャルロットが頼むと、おっちゃんは手早く野菜をシャルロットが差し出した袋に入れていく。そしてシャルロットが渡したお金と引き換えに、袋を渡した。

 

「ありがとうございました」

 

「おう、また来なよ!」

 

シャルロットは袋を自転車の前籠に入れて、次の目的地に向かう。次は、冬也から頼まれていた買い物だ。

 

「えっと……あ、この本屋さんだ」

 

昨日手渡されていた予約の紙に書かれてある店名から、目的の本屋を見つけて入った。

かなり大きい本屋で、シャルロットも買う事にした。

気になった小説と料理の本。そして少女漫画を手に持ち、レジに並ぶ。自分の本の支払いの前に、冬也から預かった予約証を店員に手渡し、予約の本と一緒に精算。

帰路に着く。

 

(……暖かいな、初音島って……)

 

優しさに溢れる地。

シャルロットは、初音島をそう思っている。

さくらや冬也だけでなく、街行く人々も優しい。

その証拠に

 

「あら、シャルロットちゃん。買い物?」

 

「あ、はい。今日の夜ご飯用の野菜と、本です」

 

と花より団子の店長が話し掛けてきた。

初音島でも、屈指の老舗。花より団子。和菓子の販売と店内外での食べられるお店で、最近ではシャルロットもよく飲むようになった緑茶の販売もしている。

 

「ふふ、偉いわね。あ、そうだ。ちょっと待ってて」

 

店長はそう言って、一度店内に消えた。そして少しすると、ビニール袋を持って現れて

 

「これ、持っていって」

 

とシャルロットに中が見えるように、差し出した。ビニール袋の中には、それなりの数の和菓子が入っていた。

 

「え!? これって……」

 

「実は、今日予約されてたんだけど、急に来れなくなったって、キャンセルされちゃった品なのよ。このままじゃ廃棄になっちゃうから、持っていって」

 

「けど……」

 

店長の言葉に、シャルロットが困惑していると

 

「いいからいいから」

 

と店長は、シャルロットの自転車の後ろの籠に入れた。

今乗っている自転車は、神代家にあった自転車だ。

 

「じゃあ、貰います……ありがとうございました」

 

「じゃあね」

 

店長は笑みを浮かべながら、シャルロットを見送った。

予想外の和菓子に、シャルロットは

 

「結構な量だったから、さくらさんの家に渡しに行こうかな」

 

と帰宅の予定だった道を変更し、芳乃家に向かう。

最早慣れた道を進み、芳乃家に到着した。すると、ドアが開いて、中から小さな男の子。

麻耶の弟の優斗が出てきた。

 

「あれ、シャルロットおねえさんだ」

 

「やっほ、優斗くん。さくらさんか義兄さん、居るかな?」

 

「義之おにいちゃんがいるから、よんでくるね」

 

「ありがとう」

 

優斗が中に入って少しすると

 

「おお、シャルロット。どうした?」

 

と義之と麻耶が出てきた。

 

「さっき、花より団子で和菓子を貰ったんだけど、量が多いからお裾分けに」

 

とシャルロットは、和菓子の袋をから二人分の和菓子を取り出してから、義之に手渡した。

 

「おお、ありがとうな」

 

「ありがとう、シャルロットさん」

 

二人は中身を確認してから、シャルロットに感謝の言葉を言った。そして、シャルロットが自転車に乗ると

 

「またねー!」

 

と優斗が元気に、手を振った。

そして改めて、シャルロットは神代家への帰路に着いた。

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