インフィニット・ストラトス・桜花舞う   作:京勇樹

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特別教育チーム

一夏が数日ぶりにIS学園に戻ると、寮内に十数体のμが配備されていて、掃除や自販機の補充をしていた。

恐らく、二年生寮や三年生寮もだろう。

 

「これで、第一陣って言ってたな……総数で何体なんだろ」

 

一夏はそう呟きながら、自室に入った。すると、机の上に何やらメモが置いてある。そのメモには、《至急、生徒会室に来られたし》と書いてあった。

 

「……生徒会室?」

 

一夏は不思議そうに、首を傾げた。

念のために制服に着替え、生徒手帳のマップ機能を使ってIS学園生徒会室を目指した。

校舎はとても広く、一夏はまだマップ機能を使わないと何処にどの教室があるか分からず、迷ってしまう。

 

「本当、IS学園って無駄に広いな……」

 

マップを確認しながら一夏は、少しずつ生徒会室を目指した。

 

「えっと……こっちか」

 

そして、幾つ目か分からない曲がり角を曲がると、ようやく目的地たる生徒会室を見つけた。

そして、ノックすると

 

『どうぞ、お入りください』

 

「失礼します」

 

中に入ると、一夏を数人の少女達が出迎えた。

知っているのは、簪と本音位だ。

 

「えっと、メモを読んで来たんですが……」

 

「ええ、確かに呼んだわ。ごめんなさいね、いきなりで。私はIS学園生徒会長の更識楯無よ。宜しくね。織斑一夏くん」

 

「私は、書記兼会計の布仏虚です」

 

「書記の布仏本音なのだ~」

 

「のほほんさん、書記だったの!?」

 

本音が生徒会役員という事にも驚きだったが、書記という事に一夏は驚いた。

 

「字は綺麗なんだよ~? はい、証拠」

 

「マジで綺麗だ」

 

本音から証拠と見せられたノートには、かなり読みやすく様々な注釈も添えられていた。

すると、簪が手を叩いて

 

「一応自己紹介……生徒会じゃないけど、更識簪……よろしく」

 

「あ、ああ……よろしく」

 

簪が自己紹介すると、一夏も軽く頭を下げた。

すると、楯無が

 

「さて、これで一通りは自己紹介が終わったって事で……本題に入るわよ、織斑くん」

 

と切り出した。

 

「織斑くん……はっきり言って、君は弱い……」

 

「……確かに、弱いですね……」

 

「あら、認めるのね」

 

一夏が認めるとは思っていなかった楯無は、少し驚いた表情だった。すると一夏は

 

「……鈴やヴィシュヌさんに比べたら、俺はまだまだ素人同然……義之みたいに頭も良くない……恐らく、今IS学園の専用機持ちの中では最弱って言っても良いでしょう……しかし、そのままで居るつもりはない!」

 

と宣言した。それは、今の一夏の嘘偽り無い心情だろう。

 

「見事よ、織斑くん……じゃあ、この子達を呼んだのは正しかった訳ね」

 

楯無はそう言って、鈴を鳴らした。すると、一夏が入ってきたのとは別のドアが開いて、数人の少女達が入ってきた。

一人は、一夏もよく知るヴィシュヌ。そして二人目は、初音島で初めて出会った飛鳥。そして三人目は知らない少女だった。

 

「今日君を呼んだのは、君を鍛える特別チームを編成したからよ。まず一人目は、よく知ってるでしょう? ヴィシュヌ・イサ・ギャラクシーさんよ」

 

「よろしくお願いしますね」

 

「あ、ああ……よろしく」

 

楯無が紹介すると、ヴィシュヌと握手した。

次に、飛鳥が前に出て

 

「まだ正式じゃないけど、二人目は夏休み明けからIS学園の生徒になる五条院飛鳥ちゃん」

 

「今度からは、私もIS学園の生徒です」

 

「ああ、よろしく」

 

そして再現に、短く切った黒髪に理知的な印象の少女が歩みより

 

「最後に、同じく夏休み明けからIS学園の生徒になる江戸川杏花(えどがわきょうか)さん。彼女は整備士ね」

 

「よろしくお願いします」

 

「江戸川!? あの名探偵の!?」

 

「それは、先祖ですね。実家は人形師です」

 

江戸川の名前は、一夏も知っている。

江戸川乱歩、かつて幾つも難事件を解決した名探偵だ。彼女はその子孫らしい。

 

「そして時々、私や虚ちゃん。簪ちゃんや本音ちゃんも手伝うわ。これが、織斑くんを鍛える特別チームよ」

 

ヴィシュヌ、飛鳥、杏花、楯無、虚、簪に本音。中々に豪勢なチームである。一夏一人を教育するには、過剰に思えた程だ。

だが、一夏も強くなりたい。

 

「……よろしくお願いします」

 

だからこそ、一夏は受け入れた。何時までも、弱いままでは居られないから。

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