ひきこもり大戦記   作:丸木堂 左土

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第六話

 今、何時くらいなのだろうか。ふとそう思い、公園の中央にそびえ立つ時計台を見ると、針は午前一時半を知らせていた。いつの間にか、涼子と約束した時間はとうに過ぎていた。

 明日は平日だ。社会人の皆様方はお仕事だろうし、それにあらかじめ不在のメールは送ってある。彼女も帰ったに違いない。賢い彼女が、僕を待つような無益な行動はとるまい。

 ホッと胸をなでおろすのも束の間、ピリリと走った頬の痛みが、安寧に浸ることを許さなかった。

 先ほど繰り広げた真夜中のマンチェイスを思い出し、げんなりする。果たして、どちらの不幸がよりマシであったのか、今となってはわからない。

 現在、僕はとある公園のベンチにぽつねんと座っていた。住宅街の中にある、ありふれたつくりの公園だ。昼間はたくさんの子どもで賑わっているのだろうけど、深夜という時間帯もあってか、今は不気味なほど静まり返っている。今日は風もほとんどないので、寒さはさほど厳しくない。かえってあのボロアパートよりも暖かいくらいで、居心地は悪くなかった。

 けれど、心の居心地は最悪だった。自室を出てからずっと、まるで親戚の家に預けられた子どものような、所在ない不安に苛まれていた。全力疾走による肉体的な疲労もあってか、どうも精神が安定していない。

「まるで、平均台の上を歩いているみたいだ……」

 独り言が多いのはひきこもりの悪癖だ。咄嗟に口を閉じ、辺りを見回したが、誰がいるはずもなかった。せいぜい塗装の禿げたパンダの遊具が、意味のない微笑みを浮かべているくらいだ。

 こうして見ると、本当に特徴のない公園だった。少しの遊具と、少しのベンチと、少しの芝生。敷地面積自体はそこそこあるのだが、いかんせん中身がすっからかんなので寂しい印象を受ける。遊具を増やすための税金もないのだろう。

 すべり台の近くに、汚れたサッカーボールが転がっていた。最後にサッカーをしたのは何時だったっけか。ぼんやりと考える。

 その時、緩やかに吹いていた風が止まった。

 風が凪げば、心も凪ぐ。

 おそらく、油断してしまったのだろう。

 あのボロアパートの一室のように、雑音のない、孤独な環境に戻ったせいで、つい心のガードを緩めてしまったのだ。

 急に、サッカーボールが左右に揺れ始めた。生命を宿したかのような、肉感を持った動きだった。そして、徐々に、徐々に、その動きは大きくなり、同時にボールの体積も大きくなっていく。通常サイズであったものが、次第にバランスボールくらいの大きさに、そして大玉転がしの玉くらいに、遂にはすべり台を超すサイズになっていく。

 巨大化したのは、サッカーボールだけではなかった。自分の周りにある全てのもの、ベンチが、電灯が、時計台が、多種多様の遊具が、自動販売機が、全て巨大化し、僕を見下ろしてくる。いや、それとも不思議の国のアリスのように、僕が小さくなったのか。

 発作だ。

 そう気づいた時には遅かった。

 ――お前は、一体何をしているのだ?

 誰かが、僕の耳元でささやく。反射的に耳を塞ぐが、そんな薄い装甲で声を防げるはずがなく、容赦なく貫通する。

 ――お前は今、どこにいる? 外だ。広くて、冷たい、外の世界にいる。これは、いかん……これは、いかんよ。本来なら、お前の世界はあのシェルターの中で完結しているじゃないか。だというのに、今はどうだ? 外の世界にいる! これは、とてもバカげていることだ……急速に世界が広がりすぎているよ! 

 声は黒い手となって、塞いだ手の甲をすり抜け耳殻をなでた後、耳孔を通り鼓膜に触れた。そのあまりに悍ましい感覚に、爪を立ててしまう。

 ――いいかい、武井ヒロシ? 井の中にいる蛙はまず、大海を知る前に井の中を狭いと思わなきゃならない。けれど、お前は一度でもあの安普請を狭いと思ったことがあるか? ここから抜け出したい、外に出たいと切望したか? いいや、思ってない。これっぽっちも願っていない! あの小さい女にそそのかされて、一時的に気が大きくなっただけさ。

「……やめろ」

 震える声で呟くが、僕のささやかな抵抗はかえってヤツの嗜虐心を煽ったようだ。ささやき声はもう抑えきれないといった様子で、次第に声量を増していった。

 ――いかんよ、これはいかんよ! お前の許容量を大きく越えてしまっている……ほら、見ろ! 背伸びをしすぎて、足がちぎれそうになっているじゃないか。人間、無理をするものじゃないね。勘違いしないよう忠告しておくが……お前は、弱者だ。どうしようもなく、弱者だ。そして、弱者は強者と違った生き方をしなくてはならない。与えられた場所で、ひっそりと生きる……重石の下で生きる虫のように、弱者は弱者らしく生きなくてはならない。それが、弱者のせめてもの矜持じゃないか。だというのに、お前は……ああ! 言わんこっちゃない! ほら、あそこを見てみろ!

 顔を上げると、そこには闇があった。巨大化している電灯でも、到底太刀打ちできないほどの完全な闇。その闇は、大量の虫が這っているかの如くもぞもぞと蠢いていた。

 闇から、白い楕円形のものが、一個、二個、三個と次々に浮かび上がっていく。それは僕が瞬きをする度に倍増していき、遂には数え切れないほどになった。

 生理的な嫌悪感で、一気に肌が粟立つ。

 それは眼だった。異様に黒目の大きい眼が、獲物を探すようにギョロギョロと四方へ動いている。そして、ウサギのように震える僕を捉えた。全ての眼が、僕を見る。見る。見る。見る。見る。

 ――見えるだろう?

 声がする。

 ――あそこにいるのは、いわば世界の眼だ。ひとつやふたつじゃない。無数の眼が、お前を見ている。はっは、指をさして嘲笑っている者もいるね。眼が指をさすだなんて、いかにも滑稽な言い回しだがね……要はお前を異物と見なしているのさ。どれだけお前が世界を望もうと、世界はお前を望まない。外の世界に飛び出すなんて、はなから無謀なことだったのさ。

「……妄想だ」

 僕は呟く。

「これは、全て僕の妄想だ……外に出たせいで不安定になっている神経が、暴走しているだけだ……だから、恐れる必要なんて微塵もない。これは妄想の産物……僕の産み出した、妄想だ」

 ――妄想じゃないさ。これは現実。圧倒的なまでの現実さ。ひきこもりニートのお前が世界に受け入れられると考える方が、よっぽど妄想じゃないか。

 冬だというのに、僕は大量の汗をかいていた。歯がカチカチと音を立て、視界がぐるぐる回りだす。粗悪な密造酒に酔ったかのような、悪質な酩酊に耐えきれず、強く目をつぶる。身体を丸くし、防御の体勢をとる。が、それはあくまで外部からの攻撃に備えるものであり、内部からの攻撃に対しては有効でない。ささやき声は容赦なく僕を責め立てる。

 ――無理だ。無理なんだよ。ひきこもりニートのお前が、外に出ようたって無理さ。真空の世界で呼吸をするような無謀さだ。お前は、世界にとって必要のない存在だ。誰もお前の存在を肯定してくれやしない。あの小さい女だって、本心では何を考えているかわからないぞ。塵芥のお前にムダ金を費やされている妹なんて……嗚呼、こんなことは言うのも野暮だ!

 心がひび割れ、欠片が膝の上に落ちていく。僕は狂気の淵に立っていた。目の前の奈落はぱっくりと大口を開けて、僕が飛び込むのを待っている。

 ――お前は必要のない、必要とされない、邪魔にしかならない存在だ。さあ、訊こう? お前のような存在が、果たしてどのような生き方をするべきなのか……いや『生き方』というのは語弊があるか。正しくは……いいや、これも野暮だ。これ以上は野暮ってものだ。お前だって、本当は、知っているのだろう?

 狭くなった視界の端に、パンダの遊具がちらついていた。先ほどまでの意味のない微笑みが嘲笑に代わっていて、歯茎を剥き出しにして僕を笑っている。口を広げすぎているせいで口の端が裂け、血とヨダレが混じった粘性の液体が、ポタポタと砂利に垂れている。

 もう、限界だった。

 僕が、そのまま奈落に身を投げる――その寸前だった。

「武井くん?」

 頭上から降ってくる声があった。

 顔を上げると、OLさんが眉根を寄せ、心配そうに僕を見ていた。

「どうしたの? ひどい汗じゃない。それに、顔色だって……」

 彼女はポケットからハンカチを取り出し、額の汗を拭おうと手を伸ばす。

 寸でのところで、身を後ろに引く。

「だっ……大丈夫です。い、い、いつものことなんで……いや、正確には、いつもじゃないんで、すけれど……た、た、たまに、こうなるっていうか……いえ、と、とにかく、大丈夫なんで」

 結果として、彼女の優しさを拒否する形になったが、OLさんは別段気を悪くした風ではなく、相変わらず気をもんでいるようだった。差し出したハンカチをどうするべきか迷い、結局ポケットの中に戻した。

 こめかみの血管が、ドクドクと脈を打っているのがわかった。昂った気を静めるために、深呼吸をする。冷たい空気に肺が痛むが、身体の震えと汗は止まった。手の甲で、汗ばんだ額を拭う。

 発作は収まっていた。いつもならもっと尾を引くのだが、なぜか狂気の残滓はすっかり取り除かれていた。

 世界も元通りになっていた。周りのものは巨大化していないし、もちろん僕も小さくなっていない。遊具のパンダも同様だ。

 まさか幻覚幻聴のダブルパンチとは……これほどひどい発作は久々だった。おそらく外に出たことに起因しているのだろう。己の豆腐メンタルを呪いたい……。

 僕が一応の平静を得たのを確認すると、OLさんは手に持っていたコンビニのビニール袋を差し出した。正直受け取りたくなかったが、立て続けの拒否は気が引けたので、おそるおそる受け取ると、中にはガーゼと消毒液が入っていた。

 ――そしてOLさんはそのまま僕の横に腰かけて、すり傷の治療を開始する。頬に塗られた消毒液が染みて「いてて」とか痛がってみると「男の子なんだから我慢しなさい」と母性感じる微笑みと共に――なんてことはなかった。普通に僕の前で腕を組んで立っていた。

 どうやら自分で治療しろということらしい。……おかしいな。僕が普段見ているアニメや漫画やライトノベルだと、こんな展開にはならないのに。

 仕方がないので、ひとり寂しく治療を開始する。いてて。消毒液が染みるなぁ。

 雑な治療を一通り終えると、どこに持っていたのか、OLさんの手には缶コーヒーが二つあった。

「ん」

 一つ差し出され、反射的に受け取る。既にぬるくなった缶コーヒーのラベルは真っ黒で、『ブラック無糖』の文字があった。すぐにでも返却したかったのだが、そんな勇気が僕にあるわけない。カイロ代わりに手の中で弄ぶことにする。

 カコッ、とプルタブを引き上げる乾いた音がした。OLさんはうっすらと口紅のついた唇をフチにつけて、缶コーヒーを傾ける。

 月をバックにしたその姿は、あまりにも絵になりすぎていて、「ああ、この人って綺麗だったんだな」と僕は素朴に感心していた。

 初めて会った時は、目も当てられない酔いどれ状態だったので、どうにも変なイメージが固着しているが、なんて言えばいいのだろうか。連続ドラマなんかによく出てくる、有能キャリアウーマンをそのままテレビから連れてきた感じ。

 スラリと伸びる手足。キッチリと着こなした黒のパンツスーツ。なぜか羽織っている男物のコートのせいか、やや中性的な印象を受ける。ひとつに結んだ長い髪だけが、唯一の女性らしい要素だった。

 こういう、いかにもキツそうな感じの女性は苦手だった。というか、女性が苦手だった。なんなら男性も苦手だった。……僕って人間向いてないな。草や木に生まれたかった。

「悪いことをしたわね」

 一瞬、何を謝罪されているのかわからなかったが、頬に貼られたガーゼを見ているので、おそらく僕に怪我をさせたことに対してだろう。

「でも、どうして逃げたりなんかしたのよ。待ってくれって、わたし言ったじゃない」

 ライオンに追いかけられているゼブラが止まったりするでしょうか。あの時の恐怖感を三十分スピーチしたところで、彼女には三分の一も伝わらまい。理由なんて伝えようがなかった。

 うんともすんとも言わないで、口をもごもごさせているのを返答の拒否ではなく思索の過程と受け取ったのか、OLさんからは待ちの気配が伝わってくる。

 妙な沈黙が、僕の背中をじりじりと焼き付ける。

『地獄とは他人のことである』

 学生時代に読んだサルトルの戯曲にそんな言葉があったが、その通りだった。OLさんから向けられるまなざしは、まさに地獄としか言いようがない。

「ぼ、ぼ、僕は……」

 辛うじて出た無意味な一人称は、夜の静寂に波紋ひとつ起こさないで、無意味に消えていく。

 そして、沈黙。

 ああ、嫌だ嫌だ。この空気は嫌だ。会話ひとつまともにこなせない自分の無能さをまざまざと思い知らされる。それに僕は、治療用品を受け取った時も、缶コーヒーを受け取った時も、何も言わなかったじゃないか。お礼のひとつくらい、言うべきだったろうに。

 先ほどの汗が、着実に体温を下げていくのを今頃になって感じ始めた。厚手のジャケットは、かえって内部の冷たさを閉じ込める役割を果たした。

「まずは報告」

 痺れを切らしたのか、口火を切ったのはOLさんからだった。

「先週のあの二人組の男、覚えているわね?」

 忘れられるわけがなかった。僕の心に消えない傷跡を残し、ほとんどトラウマと化しているのだから。今朝にだって夢に出てきたくらいで、今だってあの二人に出くわさないかヒヤヒヤしているくらいだ。

「捕まったから」

「は?」

 間の抜けた声が出てしまった。

「つつつ、つ捕まったって……あ、え?」

 OLさんは僕の混乱を横目で流し、仕事の報告をするみたいに淡々と続ける。

「あの一件の後に、警察署へ行ってパトロールを強化してもらうようにお願いしといたのよ。あの二人の口ぶりからすると、あれが初めてってわけじゃなさそうだし、他にも被害者がいそうだったから。そしたら……最近の警察って意外に律儀なのね。昨日、あの二人組が捕まったって連絡をもらったのよ。強制わいせつ未遂で現行犯逮捕されたって。詳しく訊いてみると、案の定、初犯じゃないみたいで余罪もどんどん出てきているそうよ。執行猶予はなし。刑務所行きは、おそらく免れないわね」

 僕はなんてリアクションしていいかわからず、うろたえるばかりだった。

 なんとも、まあ、呆気ない結末である。僕を悩ませていた悪夢の種は、芽を出さぬうちに掘り出されてしまったというわけか。

 ざまあみろと思う気持ちが半分、それと、煮え切らない思いが半分。

 性犯罪は基本的に親告罪である。OLさんは余罪がありそうだと言っていたが、被害届を出さずに涙をのんだ被害者だって相当多いはずだ。消えぬ傷跡を、過去の悔恨の中に葬ってしまった人々を想えば、あの二人組が正当に裁かれているとは到底言い難い。実際に犯した罪の数に比べたら、ずっと軽い処罰で終わることだろう。

 しかし、その現実に思い至ることができても、僕の心は外気のように冷え切っていた。はなから、義憤を感じるような正義感なんて持っちゃいない。そもそも、この僕だって、罪人という意味では彼らと変わらない。

「そして、ここからが本題」

 センチメンタリズムに浸っていた僕の方へ、彼女が一歩距離を詰める。さあ逃がさないぞ、と言わんばかりだった。退路を塞がれたゼブラは、大人しく喉元を差し出すしかなく、僕は身を引くこともしないで大人しく彼女を見上げた。

 そして、開かれた口元からは、

「借りを返させて」

「へ?」

 今、なんて言った? 狩り? 狩りをさせて? ハントならもうしているじゃないか。精神的にいたぶられすぎて僕のライフはゼロだぞ。

「借りを返させて欲しいの。どういう過程であれ、結果としてわたしが助けられたのは事実だし、それに……我ながら面倒な性格だとは思うけど、借りを返さないと、なんていうか、気が済まないのよ。相手に弱みを握られているみたいで、気分が悪いから」

 本当に面倒な性格をお持ちですね……狩り、じゃなかった借りなんて返さなくてもいいのに。つーか、そもそも借りを返すって表現は、自分が受けた屈辱を相手に味合わせる的なマイナスな意味で使われることが多いのであって……。

「い、い、い、いいですよ、べっ、別に借り、とか、ほんと、いらない、いい、っていうか……」

 激しくどもりながらも即座に拒否をする。今更、クーリング・オフなんて許さないぞ! 特定商取引法反対!

「それだと、わたしが困るの」

 だが、返ってきたのは不服申し立て。

「で、で、も……」

 それでもなけなしの勇気を振り絞って、拒絶の意を示そうとすると、その気配を獣のような俊敏さで悟ったOLさんが、さらに一歩詰めてくる。

 ヒィ! 助けられた側なのに、なんでこんなに威圧的なんだこの人。人情モノ作品にありがちな「あっし、名乗るほどの者ではございませんので……」って言い残して格好よく去ろうとする主人公の肩を掴んで「いや、名乗ってください」と真顔で言い放って余韻をぶち壊すタイプの人間だなコイツ。つまりは空気読むの苦手な人間ってわけか。僕かよ!

 けれど、いくらビビりチキン野郎の僕でも、決して退けない一線というものがある。誰かと関係性を築く余裕なんてないのだ。涼子と大家さん。この二人でもう手一杯なのだ。だから、ここはキレイさっぱりお互いの関係性を清算しようじゃありませんか。ね? そうしましょう?

「絶対に嫌」

 端正な顔立ちは、不満に歪んでいる。彼女の意志をテコで動かそうとしたら、逆に僕の心が折れそうになっていた。

 時計台を見る。現在、午前二時半。おそらく、今夜は長くなることだろう。

 長期戦を確信し、僕はようやく手元の缶コーヒーを開けた。口をつけると、口内にはまどろみを吹っ飛ばす苦みが広がった。

 苦い。人生とブラックコーヒーってのは、いつだって苦い。

 どちらの方の不幸がマシだったのか。その答えは、今から出ることだろう。


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