俺は転生をした。
いきなり何を言っているんだ?と思うかもしれないが、したんだ。それが紛れもない事実。
しかし、転生した先が最悪だった。2110年。未来の日本に産まれた俺は
それは別にいいのだ。ただ、未来に転生しただけと言うならば前世よりも暮らしは良くなると思っていた。その通り、確かに暮らしはよくなった。ただ、それは俺が富裕層と言われる階級に産まれたからであった。
それに、既に地球は有毒な空気で覆われており、専用のマスクをつけていなければまともに外にも出れない最悪な未来であった。
ここでだ。俺は気づいてしまった。ここが、オーバーロードの世界だと。
一瞬は歓喜した。そう。ほんの一時期だけは。しかし、俺は貧困層の暮らしを、いや、労働環境を見てしまった。
それを一言で表すなら、奴隷。それが一番相応しいと思えるような労働環境だった。俺は吐き気がした。
俺の生きていた世界ならば、ここまでは酷くない。それこそ、ブラック企業と呼ばれるような会社でさえ、ここよりは数倍もマシに思える。
しかし、やはり富裕層に産まれたが故の使命だろう。やはり、俺は人を扱う立場の経営者となった。そう、父親の後を継いだのだ。その時俺は20歳。つまり、2130年。その時、『ユグドラシル』は最盛期を迎えていた。勿論、俺もやっていた。自分の心を癒すために。
もう、オーバーロードの世界だとかそんなのはどうでも良くなっていた。ただ、ひたすらにこの地獄のような世界から逃げたくて、ゲームにのめり込んでいった。
そんな俺を父親は可愛いがってくれた。俺が不安にならないように最大限のサポートをしてくれた。俺の手腕もあってか、父親のサポートもあり、俺の会社は日本でも有数のものになった。何故?それはこの世界で食料を生産したから。この、死の大地では植物は育たないが、専用の外界から隔離した栽培施設で育てたそれは、より良い食を求める人々に瞬く間に広まり、それは世界に及んだ。つまりはそう言うことだ。人間は食べ物には言うことを聞く。
半ば逃避するようにゲームに入り込んだ俺は、ゲームでは女のアバターを使った。何故?それは、現実と切り離す為。少なくとも、違う世界であると自身が認識するため。
だから、金もつぎ込んだ。幸い、金なら腐るほどある。何せ、社長だ。それも大企業の。だからだろう。俺の心には不思議と余裕があった。
だって、父親も母親も、こんな俺をとても愛してくれたから。それだけで俺の心は支えられた。だから、ゲームに安心してのめり込めた。
そうして、所謂廃プレイヤーと呼ばれる、最初期からプレイするプレイヤーとなった俺のメイン種族は“女神”。この種族に至るまで様々な苦労があった。
人間種から初め、下級天使に転生し、更にそこから
その条件、『七罪の魔王』の内、どれか一体の単騎討伐。
これが無茶苦茶だった。俺は原作の設定でこれらがワールドエネミーだと知っている。だから、これの単騎討伐がいかに無謀か理解している。今まで、俺が知る限りワールドエネミーは討伐されていない。
当初、女神への転生フラグを知った俺は舞い上がった。いや、正確には魂の昇華という設定だが。
だからこそ、俺はそのワールドエネミーを倒すために最大限準備と努力をした。
そのワールドエネミーと戦うに際して、一番幸運だったのは俺の主な
そして、成し遂げた。プレイヤースキルを要求されるのは勿論のこと、様々な回復アイテムやバフアイテム。このワールドエネミー戦だけで課金額が十万を越える。
しかし、俺は女神、『神』に至ったのだ。勿論、ゲーム内であるため偽りの神と言うのは確かだけど。
それでも、この女神と言う種族はぶっ壊れだった。先ず明らかに可笑しいのがこれの種族スキル。
『聖光の女神』このスキルだけで、信仰系の位階魔法と超位魔法の威力及び効果範囲に250%の補正。しかもパッシブだった。
他にも防御系だと『天界の加護』これは、相手の合計レベルに関わらず全ての物理的、魔法的ダメージを問わず30%カットする。それは防御貫通の攻撃も関係ない。これもパッシブである。
そして、俺のメイン職業は『神聖の神子』これも、取得条件が面倒だったがそれはここでは割愛する。その効果は主に信仰系超位魔法の回数制限撤廃。その代わり元々の上限回数以降の超位魔法発動は魔力を消費するが。それでも異常に強力だ。それに、私はガチガチの後方
神器『
武器はワールドアイテムを使わなくもないが、強力過ぎるため神器を普段使いしている。その名は『
他にも多数あるが、多すぎるのでここでは割愛しよう。
既に2138年。今年でユグドラシルは正式サービスを終了する。俺は最後までかつての仲間と共に造り上げたギルドに居る。果たして異世界に転移することが出来るかは分からないが、俺はその時を待つ。
そして、その時は─────────過ぎた。