私が書簡を送ってから大体1日位が過ぎた。
その私の元にはモモンガからお返しの書簡があった。
それには要約すると、このような内容だった。
次の朝、両ギルドの丁度中間地点で話をしよう。と。その際の条件としては、勿論のこと敵対は禁止。他に連れてこれるNPCは各1人のみ。他にも魔法の使用禁止等があった。
これで漸くナザリックと協力していけると思うととても嬉しく思えた。流石に、他にプレイヤーがいてそれと協力出来なかったら少し哀しい。なので、無事に話し合いが出来るようでとてもホッとしている
さて、勿論、連れていく1人は決めている。ミカエルだ。恐らくモモンガはアルベドを連れてくるだろうと思う。
そうと決まったのだから取り敢えずは対談に向けて準備することにした。
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モモンガは書簡を送り終え一息ついていた。
転移してから守護者及びプレアデスからとてつもない忠誠心を向けられているモモンガは気苦労が絶えないのだ。何故なら、わざわざ上位者ロールをしなければならないので、いつも気を張り詰めて気が気でないのだ。それに、アンデッドになった影響で気持ちの昂りは直ぐに抑制されるので落ち着かない。こうして、自室で一人でベッドに寝転んでいるのが至福の一時だった。
「ふぅ~。やっぱり、守護者達の忠誠心が重すぎるんだよなぁ。あれじゃあ俺が死ねと言ったら絶対自害するんだろうなぁー。それよりも、シエルさんに会うの楽しみだな。やっぱり敵対しなくて良かった。俺じゃ、多分太刀打ちすら出来ないからなぁ。やっぱりワールドエネミーの単騎討伐なんてヤバすぎなんだよなぁ。」
と、このように普段は見られない姿のモモンガがみられる。今は愚痴とかをこぼしているが。
「うーん。やっぱりアルベドを連れていくか、デミウルゴスを連れていくか・・・・・・アルベドでいいかな?いや、やっぱりデミウルゴスか?うーん、やっぱり安心出来るデミウルゴスにするか。アルベドには悪いけど・・・・後で俺が行ってあげれば大丈夫かな?」
と、デミウルゴスを連れていく事に決めたようだった。
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そして、次の日の朝。ここ、カッツェ平野のあるところ。ナザリックと界使の殿の丁度中間地点では不自然な事に4つの純白の椅子と1つの長机が用意されており、そこには人為らざる者が4名集まっていた。
その4人とは勿論、シエル、ミカエル、モモンガ、デミウルゴスの4名である。ここには話し合いのために集まっていた。
「初めまして。私がアインズ・ウール・ゴウンギルド長のモモンガです。こっちは守護者のデミウルゴスです。」
「ご丁寧にどうも。私は
「ありがとうございます。さて、こちらに来ていただいたと言うことは賛成ですね。」
モモンガが確認するようにシエルに問いかける。
「ええ、勿論です。現状私が確認している中で出会えたプレイヤーはあなただけです。モモンガさん。そして、プレイヤー同士で争えば被害が想像が付かないのは明白。それも、過去に10位以内に入っていた両ギルドが争えばそれはもう・・・・後は分かりますよね?」
「はい、はい。それはもう。ですから、このように対話で解決できてとても良かったですよ。さて、このような話しはここまでにして少しは雑談でもしましょう。私、こう見えてシエルさんに会うのを楽しみにしていたんですよ。」
モモンガのその発言はシエルに取っては意外なものだった。てっきり、シエルはモモンガはただ単に有名なだけの自分を知っているだけと思っていたからこのようにモモンガに興味を示されるのは想定していなかったのだ。尤も、有名さで言えばモモンガも負けていない。かの有名な1500人の対ナザリック連合。そしてそれを退けたナザリック。そのギルド長のモモンガともなればユグドラシルでも知らぬものは居ない。まあ、悪名高いが。
「へぇ!そうだったんですか!私も実はモモンガさんに会うのを楽しみにしていたんですよ!その、1500人の大部分を殲滅したモモンガさんに会ってみたかったんです。」
と、このように嬉々として会話の弾んでいる両者を見たミカエルとデミウルゴスはさぞ驚いた顔をしていた。両者ともここまで友好的に進むとは思っていなかったのだろう。だからか、二人に感化されたのか二人も話し始めた。
「デミウルゴスさん。私はあのように主が楽しそうに話すのは他の主と話す時だけだと思っていましたが・・・・デミウルゴスさんの主と話している主はとても楽しそうに見えます。」
「ええ、私も同じくですよ。ミカエルさん。我が至高のモモンガ様がここまで楽しそうに会話する所を見るのは他の至高の御方々と話している時以来ですよ。私としても、やはりこのように成功して良かったと思います。」
「同意します。やはり、協力していけると思いますね。両者がこのように友好的に出来ました。なのでこのまま上手くいきますよ。主を信じていますから。」
「ええ、同じく私もモモンガ様に忠誠を誓っておりますから。」
と、両名も中々ウマの合うようで会談はとても良い雰囲気で進むのだった。