「いやぁ、それにしてもまさか、シエルさんがこんなにも気さくだとは思いませんでしたよ。もっと、私の中ではクールで、厳格なイメージだったんですがね。」
モモンガは私のことをそう言ってくる。はっきり言ってしまうと、そう言われるのは予想外も良いところでそんなのは全く思っていなかった。確かにロールプレイでそんな風に捉えられてもおかしくは無いような気もしたけれどまさかモモンガがそう思っているとは私は到底思わなかったのだ。
「そうでしょうか?私としてはモモンガさんこそもっと、こう、なんと言うか怖いイメージがありましたけど?」
私が意趣返しにとモモンガにそう反撃した。すると、少々面喰らったようにモモンガは答えてくれた。
「そ、そうでしょうか?私も確かにそう言うロールプレイをしていたのでイメージ的にはそうなんでしょうけど・・・・私自身はそんな怖くはないと思いますよ?」
「確かに。そうですね。今話していてそんな怖い感じなんて全くしませんしね。むしろ、私としてはとても好意的に思いますよ。ええ、今まで出会ったプレイヤーの中でも上位に入るくらいには。」
私がそう言うとモモンガは嬉しそうに(と言っても表情は変わらないが)した。
「そう言って貰えると助かりますよ。なんせ外見が外見ですからね。今は複雑な気分です。」
まあ、そりゃそうだろうと思う。今はデミウルゴスが居るから言えないだろうけど、モモンガは元々人間なのだ。それが突然アンデッドになってしまい、寝ることも食べることもまして性欲すら失ってしまったのだ。まあ、私も似たようなものだが。寝ようと思えば寝られるが特に寝る必要はないし、こちらも食べようとすれば食べれるが食事の必要もない。性欲は・・・・微妙だが今のところそういう気分になることはない。元男とは言えね。
「それは、心中お察しします。私も似たようなものですからね。さて、そんなことよりもここからは情報交換と行きませんか?」
ここで私は話題を急転換させ一気に話題を変える。すると、モモンガも案外のってくれたようで応じてくれた。
「ええ、勿論です。と、言っても我々はまだ殆ど分かっていませんが・・・・」
「まあ構いませんよ。困ったときはお互い様です。取り敢えずは私からある程度の情報を提供しておきますね。」
と、前置きをしてから、私自身がミカエル達から受けた報告を重要なものを除いてモモンガに伝えていく。
「───────と、まあ、このような感じですね。私もまだまだ情報を十分には掴めていませんのでこのくらいしか分かりませんが。」
と、シエルはこのように言うが、モモンガとしては大変に驚くべきことであった。
少なくともまだ転移してから僅か2日だけなのにも拘わらず、周辺の地理や人間の都市、国家、勢力の情報をもたらされたのだ。
モモンガはその行動力と諜報能力にとても驚くと同時に感心していた。
「いえ、そんな。十分過ぎる程の情報ですよ!!逆によくそんな短時間でそれだけの情報を集めれましたね!!?」
と、モモンガはこのように驚いてせっついてくる。
「まあ、私のギルドに諜報に特化した天使が居るものですから、それくらいならば集められる範囲です。」
「それは凄い!────と、すみません。少し興奮しすぎました。」
「お気になさらず。私としてはどこかの国と関係を持ちたいと考えています。その方がより情報が手に入れられると思いますし、何よりも格段にこの世界で動きやすくなると思います。そこで、提案なのですがある程度この世界のことが分かってきたらバハルス帝国と縁を持ちませんか?」
「バハルス帝国、ですか?確かその国はこの世界で最も繁栄を謳歌している国でしたか?」
モモンガが確認するように尋ねてくる。
「ええ。そうです。何よりも私たちのギルドに最も近い国ですから。もうひとつ、リ・エスティーゼ王国もありますがそちらは貴族の腐敗に加え裏組織に国を牛耳られているような状態ですから、私としてはそちらから金を巻き上げる方針で行きたいですね。なんなら、国家を取り込むと言うような形で。」
私がそこまで切り込んだ計画をモモンガに暴露すると、彼はとても驚いたようだった。
「ええっ!?もうそこまで考えてるんですか?流石に早計じゃ・・・・まだこの世界の住人の強さもはっきりしてませんし、何よりもまだ情報が少なすぎます。」
「そりゃあ、ね。何も今すぐとは言ってないよ。然るべき時にね。ちゃんと準備し、情報を集めてからじっくりと。」
「まあ、そうですね。どちらにしろこの世界の国か人に接触しないといけませんからね。ともかく、我々はこれで一蓮托生です!これからは仲良く協力していきましょう!!」
「ええ!!勿論です!!さて、こうして同盟が決まったのだし少しそちらにお邪魔しても良い?」
私がそう言うと驚いたような彼だったが、少し思案した後に結論を出した。
「うーん、私としては構わないです。来てくれるのなら歓迎しますよ。そうだ!折角ですしお互いのギルドを親善訪問すると言うのは!?」
モモンガはこのように画期的な提案をしてくる。正直、私としてもそれはとても魅力的に思う。
「ええ!!そうしましょう!そうすればよりお互いに協力していけると思います!」
こうして未定ながらお互いの親善訪問が決まったのだった。