と、両者の会話を聞いていてミカエルとデミウルゴスはとても驚いたものだった。
普段あのように楽しげな姿を見せることがない両者。その純粋に会話を楽しんでいる姿を見るのはどちらともにとって新鮮で何よりも敬愛すべき主人が楽しまれているという事実にただただ心酔するのみなのだ。
それはそうとシエルとモモンガはもはやミカエルとデミウルゴスがいることも憚らず以前のペースで話してしまっているのでもはや何ロールとも付かない素が出てしまっている。今さら取り繕おうとも無駄なことだったが・・・・両名とも取り繕うことすら忘れているようで、それだけ話しに没頭しているということ。ので、別にミカエルとデミウルゴスが話してしまっても良いのだが二人はこの主人の楽しそうな状況に水を差さまいとして、頑なに話そうとはしない。とはいえ、内心では話したい気分でもあるのだが。
と、そこで漸く話が終わったのか急にミカエルに話しかけるシエル。
「ミカエルも、さっきから黙ってるようだけどそちらのデミウルゴスさんと話しても良いのですよ?多分、私達が話してたから話そうにも話せなかったのかも知れないけど、私達は気にしてませんよ。」
と告げた。続いてモモンガもデミウルゴスにこう言った。
「デミウルゴスも別にミカエルさんと話しても構わない。何、別に煩わしいなんぞとは思わんから存分に話すと良い。」
とこのように、両者とも何故かここだけ女神、魔王ロールプレイをするのだったが。それに気づかない様子のミカエルとデミウルゴスであった。
「お気遣い有り難う御座います。主よ。」
「モモンガ様。私ごときにそのような寛大な処置を・・・・・・このデミウルゴス、その慈悲深さに感涙を得ません。」
と、デミウルゴスの方は些か過剰な反応をしたからかモモンガは少し引いていたがそれは些細な問題なのだろうと思うシエルである。
ともあれ、主人からの直々の許しを得たのだ。そのご厚意を無駄にはしまいと、いや、無駄にしたら不敬に当たると考えた二人はやや唐突にではあるが話を始めた。
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やがて、話も終わりその頃には何故か夕方だったのは驚いたが、それだけ話し込んだということだろう。何せこれで
親善訪問の件はおいおい両ギルド間で調整するとし、一先ずは両ともに情報収集に努めしばらくはこの世界を観察する事に決めたのだった。
場所は界使の殿の最上階。神界の間。配下にとっては
そこにはやはり
神界の間の後方に膝間付く彼女らはこの
何とも長い名前だが仕方がない事だ。全力で考えた結果がこれなのだから。
と、その内容は
そんな技が成せるのもこのギルドのメンバーの少なさ故であり、他のギルド。それこそアインズ・ウール・ゴウンでさえ不可能だろう。何事にも限度があるのだ。それでは
因みにだが、エノク書の方の三天使はラグエル、ゼラキエル、レミエルである。
全てキリスト教からであり、シエルとしては別に天使の名を冠するのならどの宗教でも神話でも良かったのだが結局はこのような形になった。どういう経緯かはここでは省略しよう。まあ、一言で言うなれば他のメンバーの意向。とだけ。
そんな彼女らは実は(ミカエルを除く)
その『聖天の守護天使《ガーディアンエンジェル・オブ・ザ・ホーリーメイン》』の構成人員は先ず、シエルが作成したのがアテナ。ギリシャ神話に登場する軍神の名を冠している。他の名前もそうであり、ギリシャ神話の女神の名を冠している。
序列は無いが、名前順に綴ると、アテナ、エイレーネ、エリス、カリオペ、ガイア、クレイオー、デメテル、ニケ、ヘスティア、ヘカテー、ヘラである。
それぞれ順に軍神、平和の女神、不和の女神、雄弁・叙事詩の女神、大地の女神、歴史の女神、農業・豊穣・結婚・社会秩序の女神、勝利の女神、炉の女神、月・天地・下界・魔法を司る女神、結婚の女神だ。
勿論それに応じて能力構成がそうである訳もなくそれぞれメンバー好みの能力構成となっている。
そんな彼女らが今、たった一人になった主に膝間付いている。
設定盛りすぎましたかね?