光の女神   作:うどん麺

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8話 創造主と子

 

「よく集まってくれました。天使達。これから私が告げることは全て事実です。私は────トゥワイライト・オブ・ゴッズ(神々の黄昏)はアインズ・ウール・ゴウンと同盟を締結しました。相手のギルドはアンデッド中心ですが問題ありません。これからはこの世界を共に歩みます。なので相手ギルドに所属している全てに損害を与えることは禁止します。勿論敵対行為もしてはなりません。さて、セクト・エンジェル(七天使)は各自持ち場に戻って下さい。引き続き諜報も頼みますよ、ラファエル。」

 

「はっ。勿論です。我が主よ。」

 

そう言った後、セクト・エンジェル(七天使)はこの場を去り各自持ち場に戻ったのだろう。そして、この場に残るはガーディアンエンジェル・オブ・ザ・ホーリーメイン《聖天の守護天使》の十二天使である。

 

「さて、会うのは久し振りですね。アテナ、それに他の皆さんも。」

 

「はい。お久し振りで御座います。我が創造主様。」

 

うーん、創造主様って呼ばれるのはちょっと痒いかな?

 

「アテナ、私のことは普通にシエルと呼べば良いですよ。」

 

「分かりました。シエル様。」

 

「それは他の皆さんもそうですからね。」

 

と、他の天使にもそう伝えておいた。で、私がこのギルドの最高戦力である彼女達を召集したのにはちゃんと理由がある。現状、彼女達の火力はこの世界では過剰も良いところで正直言って使いどころに困るのが本音だ。だが、まあ、腐らせて置くのも勿体無い戦力ではある。なので別に全員を使うことはないと思うが私の守護天使であるアテナ位は側に置いておこうと思っている。

 

で、使い道としては主にこの世界で冒険者として活動する際のメンバーとしてだ。彼女達ほど強ければ私も安心できるし彼女達ならばこの世界のモンスター相手でも手加減が可能だ。セクト・エンジェル(七天使)はそれぞれに役職があるので共に行動するのは不可能だし、ミカエルは“アレ”の監視役なのでおいそれと連れ出す訳にもいかない。“アレ”もいずれ表に出すかもしれないがそれを出すのは本当に一度も無い方が一番良い。何せ“アレ”はナザリックの“第八階層のあれら”と同じくらい────いや、それ以上に代償も大きい。

 

ともあれ“アレ”は私ですら互角かそれ以上の戦力だ。現在はこの界使の殿の地下に封印しているが、ユグドラシル時代では一度だけその姿を表に出して戦力確認したのだが、それだけで雨あられのように運営にチートだと抗議が殺到したレベルだ。正直この世界で使うにはそれなりの準備をしてからか、それかこの界使の殿内で使うかの二択になる。

 

まあ、今はそれはどうでも良い。

 

それで、連れていくのはアテナは確定としてもう一人連れていきたい。

 

アテナは前衛のガチビルドなので出来ればバファーが良いのでヘカテー辺りが妥当だろうか。

 

「それで、皆をここに呼んだのは私と共にこの世界を冒険するのに選ぶためですが・・・・申し訳ありませんがその人数は私の方で二人と絞らせてもらいました。それも、その内の一人はアテナでもう一人はヘカテーにしようと思っているのですが・・・・どうですか?」

 

私が少し不安げにそう告げると、思っていたような反対は起こらずに意外とすんなりと受け入れてくれた。とても優しい。で、肝心のアテナとヘカテーはとても喜んでいる。

 

「はわわぁー!!わ、私がシエル様と一緒に・・・・・」

 

等とヘカテーが少し頬を赤らめてモジモジしているのは少し可愛いとは思った。

 

かというアテナも満更では無さそうに少し顔を赤くして嬉しそうにして、ぶつぶつと何か呟いているがそういう識別スキルを保有していない私には何を言っているのかは分からなかった。

 

「他の皆はご免なさいね。でも、私は皆のことは好きだからね。」

 

と、私が少し涙目になりつつそう言うと守護天使達のテンションは最高潮になった。

 

曰く、『涙目のシエル様チョー可愛えぇー!!』らしい。

 

私としてはそんなつもりで涙目になったのではないが・・・・あくまでも自然と湧き出た涙ではあるし。

 

「皆さん、ありがとう。さて、それじゃあ皆さん各自の居室に戻って下さいな。アテナはちょっと私のところに残ってね。」

 

と、少々女神ロールが崩れたが何とかその場をしのいだ。

 

 

 

そして、十一の天使が去った後残ったのは勿論私とアテナ。

 

「シエル様、私に何かご用でしょうか?」

 

「いえ、ちょっと貴女と話したくなってね。貴女は産まれたときの事を覚えてる?」

 

「ええ、ええ。勿論です。鮮明に覚えておりますよ。あの、光輝く中、シエル様に、他の主の方々に見守られながら産まれたのを。今ではとても喜ばしい出来事でした。私にとって一番の思い出です。」

 

そう、か。やっぱりこの世界になってから自我を持てばそれまでのゲーム内での記憶もある程度は引き継ぐというのか。

 

「そうでしたね。私も貴女を(つくる)ときの気持ちの昂りは今でも忘れられません。勿論、とても良い思い出です。ギルドの皆と協力して貴女達を作り上げ、全てが揃ったときには宴会もしましたか・・・・これからも改めて宜しくお願いしますね。アテナ。」

 

「はい。勿論です。シエル様の為にならば何処までも着いていく所存ですから。」

 

「ふふ・・・・そうね。」

 

私はそう言いながらアテナに軽く抱擁をした。

 

私の突然のその行為に少々驚いたようなアテナだったが直ぐに私のそれを受け入れ、アテナも優しく私に抱擁を返してくれた。

 

 

 


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