「やはり、受験生自体減っていますのね……このままでは浦の星は……」
「……そうだね。だけど、まだ時間がある。浦の星のために動けることもあるはずだよ」
黒澤ダイヤと橋本ゆうきは生徒会長、副会長だ。
3年生達も卒業ということでこのふたりが今は学校を支えている。
その2人が学校に来て受験生の数を数えていた。
その結果はやはり年々減っている。
「そうですわね……私達が諦めては生徒に示しがつきません!大切な思い出がいっぱい詰まった学校ですもの……今はまだバラバラですが、あのお2人とゆうきさんとの思い出はなくさせません」
「うん、それでこそダイヤだ。一緒に頑張ろうか」
(それに……来年度にはあの子も帰って来るし)
そうしてゆうきは微笑みながら、ダイヤ達幼馴染3人が笑い合っている姿を想像した。
* * *
ダイヤとゆうきは生徒会の仕事を終わらせ、2人で松月に来ていた。
ここは珍しく『みかんどら焼き』なるものがある。
普通のどら焼きのように見えるが白餡にみかん果汁が入っており、みかんの風味と白餡が絶妙なバランスで大変美味しい。
2人は、みかんどら焼きとみかんタルトを注文し、席に着いた。
「やっぱり、ここのみかん菓子は美味しいな」
「そうですわね。それにいい雰囲気ですので、いつ来ても落ち着きますわ」
「ほらダイヤ、あーん」
「えっ!?ちょ、ちょっと!は、恥ずかしいですわ……」
「あーん」
恥ずかしいと少し照れ気味で言うダイヤを無視しあーんを続けるゆうき。
何度も言い続けるゆうきに負けたのか口を開きタルトを食べる。
「もう、しょうがないですわね…………美味しい!これ、ゆうきさんも食べたらいかが?」
ゆうきは1度頷き、口に入れる。
「……うん、美味しい!やっぱり、内浦のみかんは美味しいね。名古屋の方はあまり美味しい果物がないから……」
「ですが、美味しい料理とかありますわよね?私はきしめんとか味噌煮込みうどんとか好きですわよ」
「うん、ありがと。ただ、あっちは人が多くてみんながみんな忙しないからね。やっぱりこっちの雰囲気が好きだな。だからさダイヤ、俺は感謝してるよ。ダイヤと出会えて、ダイヤと付き合えたから今こうして俺は沼津の内浦で過ごすことが出来てるんだから。ありがと」
「いえ、こちらこそありがとうございますわ。あの日、ゆうきさんと出会って、こうして一緒に過ごすことが出来るのがとても楽しいですわ。これからもよろしくお願いしますわね」
2人ともとても幸せそうな顔をしている。
それはやはり、こうして一緒に過ごすのが楽しいからなのだろう。
2人は、手を絡ませあう。所謂恋人繋ぎを机の下で繋ぎながら微笑み合う。
そして、唇どうしを合わせる。
自分達の息が切れるまでの時間、ずっと2人はキスをし続けた。
「ゆうきさん、愛していますわ」
「俺もだよ、ダイヤ。愛してる」
次回から原作やります!
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作者の好きにしやがれバーカ!