Dolls FrontLine - Missing link -   作:いろいろ

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A-10「UGB増し増しで飛んできました」
ケンジャキ「おいやめろ」


第13話:M4救出作戦

「どういうことですか将軍! 救出目標ごと爆撃するつもりですか!」

 

『鉄血の本拠地が判明し、ハイエンドどももそこにいるというならばこの機会に潰しておくべきではないかね?』

 

「しかし・・・」

 

『たった一体の人形と鉄血の殲滅、どちらがより重要かは

君がよくわかっているだろう?』

 

「くっ・・・ですが、救援部隊も巻き込みかねません!」

 

『それはこちらの感知する話ではない。 では失礼するよクルーガーくん。』

 

「将軍? 将軍! ・・・くそっ!」

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

同刻、鉄血支配区域上空

 

「・・・そろそろですね、皆さん準備はいいですか?」

 

「あぁ。」

 

「えぇ、大丈夫よ。」

 

「・・・・・。」

 

 

臨時編成のAR小隊をまとめることになりましたが・・・どうやらあまり馬が合うわけではないようですね。

同じ16lab製の人形部隊ではありますがAR小隊は表、404小隊は裏と言えます。さらにM16と416の確執、真意の読み取れない45、そして得体の知れない人間・相川始。

おそらく実力で言えばこれ以上ないほどの部隊でしょうが、その辺りが吉と出るか凶と出るか。

・・・初の実戦がこれって酷くないですか?

 

 

「RO635、と言ったか?」

 

「え? はいそうですが。」

 

「お前は仲間の命だけを考えていろ、こちらは気にしなくていい。」

 

「・・・どういうことですか?」

 

 

この中で唯一の、最も脆い『人間』である相川さんが、そう言ってきます。45と9曰く何か特別な力が使えるようですが、それでも人間であることにかわりはないはずです。

 

 

「今回の作戦は、おそらく一筋縄ではいかない。 そうなった時は迷わず俺を切り捨てろ。」

 

「ですが・・・」

 

「問題ないよ。」

 

 

不意に声をかけられびっくりしながらそちらを向くと、寝ていると思っていた11がこちらをみていました。

 

 

「問題ない、とは?」

 

「信じられないかもしれないけど、始さんはこの中の誰よりも強いよ。」

 

「ですが、人間ですよ。」

 

「いや、俺は・・・」

 

「その人間に、私たち404は手も足も出なかったんだけどね。」

 

 

そう言って薄く笑うと、帽子を深くかぶり直して再び眠ろうとする・・・あ、416に起こされた。

ですが本当でしょうか・・・あの404が手も足も出なかったなんて。

・・・彼は、何者なんでしょうか・・・。

 

 

 

 

 

 

「ん? あの煙は何かしら?」

 

「あの座標は・・・M4がいるはずの位置だぞ!」

 

「あれは、正規軍!? なんで軍が!?」

 

「パイロットさん、急いでください!」

 

 

窓の外、輸送ヘリのすぐそばを空軍の攻撃機部隊が通過する。

その翼の下に、積載量いっぱいの爆弾を乗せて。

 

 

 

 

 

 

 

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ドォーン

 

「うわ、また落としてるよ・・・。」

 

「もう更地じゃないか・・・ってまだやるのか!?」

 

「一真・・・大丈夫かな?」

 

 

私たちの基地・・・いえ、元基地から離れた山の麓。地下トンネルを通って脱出した私たちは、見るも無残な廃墟と化したかつての家を眺めています。M4と、一真さんを残して。

 

 

「・・・大丈夫です。 一真さんの丈夫さなら、私たちがよく知っているはずですよ。」

 

「あぁその通りだ。 心配いらないさ。」

 

「代理人、トラックの用意ができたよ!」

 

「わかりました。 では全員で荷物を積み込んでください、完了次第出発します。」

 

 

仲間に指示を出し、私もそこに加わる。もう一度だけ振り返り、あの炎の中にいるであろう彼の無事を祈ります。

 

 

「・・・・・一真さん。」

 

 

 

 

 

 

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『なんだこいつは・・・うわぁ!?』

 

『アックス6! どうした、何があった!?』

 

『アックス6ダウン! パイロットの脱出は確認した。』

 

『こちらアックス11! やられた、脱出する!』

 

『なんだあれは・・・』

 

『悪魔だ、悪魔が飛んでいる!』

 

 

くそっ、楽な任務じゃなかったのか!?

部下を率いて強襲したはいいものの、大した抵抗がないことに疑問を持つべきだった!あんな化け物がいるなんて聞いていない!

そいつは金色の翼を持ち、ありえない速さで飛び回っている。航空機よりも小柄なそいつに狙いをつけられず、逆にすれ違いざまに翼を切り落とされる。

 

 

「こちらアックス1! 謎の敵性航空戦力により被害甚大! 撤退の許可を!」

 

『アックス1、任務に変更はない、敵を殲滅せよ。』

 

 

ふざけるな!そう怒鳴ってやりたいがそうも言ってられん、ヤツがこちらに狙いを定めてきた!

まずい! 逃げられん!?

 

 

 

 

 

 

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「今のが隊長機だったのか。」

 

 

まだ飛んでいた攻撃機が高度を上げて去っていく。墜としたやつも脱出していたみたいだし、犠牲者0かな。

とはいえ、ギャレンやカリスみたいに遠距離攻撃ができないからちょっと大変だったな・・・戦闘機じゃなくてよかった。

 

 

「さて、そろそろ・・・来たか。」

 

 

ヘリが近づいてくる。グリフィンのマークがあるから大丈夫そうだけど、誰が乗ってるのかな?

ただこの感じ・・・あいつも来ているのか。

するとヘリは俺の前で止まった。なにやらパイロットに指示を出してるけど・・・げ、あの時の娘たちも来てたのか。

 

 

『こちらはグリフィン所属のAR小隊です。 そちらの所属を応えてください。』

 

 

あれ?意外と友好的だな、問答無用で撃たれると思っていたのに。と、ヘリの窓からあいつが覗き込んでくる。

やっぱりいたのか、始。

だけど肝心なことを忘れてる、

 

・・・・・・ここからじゃ叫んだって聞こえないんだよ。

仕方がないから手招きして下に誘導すると、伝わったみたいでついてきてくれた。

・・・俺が言うのもなんだけど、もう少し疑ったほうがいいんじゃないかな?

 

 

 

 

 

 

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ヘリを降りてすぐに、私たち(AR小隊)は銃を構えた。だが404は警戒こそすれど武器は構えず、始に至っては敵意もない。

 

 

「・・・久しぶりだな、剣崎。」

 

 

剣崎?それがこいつの名前か?というかコイツらは知り合いなのか?

その剣崎?とやらはベルトのバックルからカードを抜き取ると、突然光の壁が現れて姿が変わる。現れたのは、20代くらいの男だった。

 

 

「始・・・まだ日本にいると思ってたよ。」

 

「M4、という人形はどこにいる?」

 

「・・・こっちだよ。 始は・・・」

 

「わかっている、俺はここに残る。」

 

 

なんだ?なんなんだこいつらの会話は?困惑する中、剣崎は廃墟の方へと歩き出し、404も特に疑うそぶりもなくついていく。始だけはその場から動かない。

 

 

「・・・行かないのか?」

 

「! 皆さん、行きましょう。」

 

 

私たちも始を残して先に進む。

無事でいてくれ、M4。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「だから悪かったって。 いい加減機嫌なおしてくれよ・・・。」

 

「ふん! デリカシーのない剣崎さんが悪いんです!」

 

 

剣崎という男についていくこと十数分、廃墟の地下シェルターの中で私たちはM4と再開した。

・・・のだけど、M4は部屋で着替え中だったらしく、ノックもせずに入った剣崎に思いっきり平手を食らわせていた。・・・うん、あれはいい音だったわ。

そのあとは無事着替え終えて、今こうしてM4がヘソを曲げている。

 

 

「M4、無事でよかった。」

 

「姉さん、みんなも無事だったんですね。」

 

 

一番心配していたM16は涙目になりながら抱きついた。SOPもそれに乗っかるように抱きついて、私とROがそれを眺めている。

まだ少し時間がかかりそうなので、私は気になっていることを聞くことにした。

 

 

「剣崎、と言ったわね。」

 

「うん、えっと・・・」

 

「AR-15、コルトでも15でもいいわ。」

 

「わかったよコルトちゃん。 で、何かな?」

 

 

コルトちゃん!?初対面でいきなりちゃん呼びって何よ。ていうか見た目はそんなに歳も離れてないでしょうに。

 

 

「・・・あなたは鉄血側に人間、でいいのよね?」

 

「うん、そうだよ。」

 

「他の鉄血はどこに?」

 

「みんなはもう脱出してる。 場所は言えないけどね。」

 

「初めからM4を返すつもりだったようだけど・・・なぜ攫ったの? あのバケモノ、あなたでしょ?」

 

「・・・ほんと、君たちって鋭いね・・・でも、攫った理由は言えないかな。」

 

 

どこか飄々としてる風なのに、まるで考えが読めない。どこか得体の知れない感じがして、少し怖い。

と、そこに404が加わる。

 

 

「はじめましてね、404小隊の隊長のUMP45よ。」

 

「UMP9だよ! こっちはHK416とG11。」

 

「剣崎一真、一真でいいよ。」

 

 

へぇ、剣崎一真って言うのね。

 

 

「あなたが、始さんの言っていた『もう一人のジョーカー』ね?」

 

「ジョーカー? もう一人の?」

 

「こっちの話よ、あなたは知らなくていいわ。」

 

 

聞き慣れない言葉に反応するも、416が間に割って入ってくる。

・・・間違いない、404も相川始も何かを隠している。

 

 

「・・・そっか、始は君たちの部隊にいるのか。」

 

「えぇ、だから彼の親友と会えて光栄よ。」

 

「こちらこそ。 ・・・で、何が聞きたいのかな?」

 

「フフッ、あなたも十分鋭いわね。」

 

 

瞬間、45の目つきと纏う雰囲気が変わる。それに呼応するように、9も416も11も空気を一変させる。

対して剣崎の方は、なんでもないかのようにそのままだ。

 

 

「・・・鉄血の・・・いえ、()()()()()()()()()()?」

 

「・・・へぇ。」

 

 

剣崎も薄く目を細める。それに反応するように404は各自の武器を持ち直す。私とROも臨戦態勢に移って、M4たちは・・・あの3人いつまでくっついてんのよ!

一触即発の空気が流れる中、剣崎は口を開いて・・・

 

 

 

 

「一真ぁ!!!」

 

「ゴハッ!?」

 

 

横合いから飛んできた白い何かに吹き飛ばされる。え?ていうか結構やばい角度になってたわよ?

土煙が上がる中、地に伏す剣崎の上に跨ってガクガクと揺らしているのは、鉄血のちっこいハイエンド・デストロイヤーだった。

 

 

「一真! 一真!! 生きてるよね!? 死んでないよねっ!?」

 

「い、今まさに死にそうだよ(嘘)」

 

「デストロイヤー! 先に突っ込まないでとあれほどってきゃああああ一真さん!?」

 

「お、落ち着いてイントゥルーダーちゃん・・・なんともないから。」

 

 

人形の全力タックルを食らってなんともないなんて・・・じゃなくて、なんでここにハイエンドが2体も!?

今度こそ私たちは銃を構える。幸い2体とも武器を持ってきていないようだった。

だが、剣崎が前に出ることで攻撃を躊躇する。彼の腰には、すでにベルトが巻かれていた。

 

 

「・・・なんで来ちゃったの二人とも?」

 

「だって・・・一真が心配で。」

 

「この娘が飛び出して慌てて追ってきたもので・・・武装がないのはそのせいです。」

 

「・・・とりあえず、武器を下ろしてくれると助かるかな。」

 

「あなたのことは信用してもいいわ、けど後ろのやつらは別よ。」

 

「・・・どうしてもダメかな。」

 

「投降する、と言うなら考えてあげるわよ。」

 

「そうか・・・・・それは残念だよ。」

《 Turn Up 》

 

 

剣崎はベルトのレバーを引くと、次の瞬間には鎧をまとった姿になっていた。さらに2枚のカードを取り出し、今度は左腕のパーツに差し込む。

 

 

《 Absorb Q・Fusion J 》

 

 

するとさらに姿が変わり、先ほど見たあの姿へと変わる。

・・・あれはいわば強化フォームだったと言うことね。

すでに戦闘態勢に入り、いつでも攻撃可能な状況。私たちは引き金に指をかけ・・・

 

 

キィイイイイイン

「っ!? あああああああ!?」

 

「あ、頭が・・・うわああああ!?」

 

「な、なんだ・・・これは・・・」

 

「一真さん、今のうちに!」

 

「ぐっ! まて・・・!?」

 

 

突然頭に鳴り響く不快な音、まるで頭をかき混ぜられるようなそれに、私たちは揃って膝をついた。

奴らが逃げる、そう感じた私は再び銃を向けるが。

 

 

「なっ!? いない! どこに!?」

 

「じ、ジャミングだ・・・目も頼りにならないぞ!」

 

 

視界に嵐が吹き荒れ、音も正常に聞き取れない。敵も、それどころか味方も識別できない状況では誤射の可能性があり、誰も撃てなかった。

数分、もしくは数十秒程度だったのかもしれない。ジャミングが解けるとそこに彼らはおらず、天井に穴が開いているだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「・・・剣崎。」

 

 

廃墟の方で煙が上がり、Jフォームで飛び立つ剣崎が見える。アンデッドの知覚から他の人形たちは無事だとわかるが、この様子では交渉は失敗したようだな。

ふと、去り際のヤツと目が合う。

 

 

「・・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

 

互いに言葉は交わさない、それで十分だ。

ヤツは鉄血の仲間を抱えたまま高度を上げ、消えていった。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「ゴースト隊、配置についた。」

 

『ファントム隊、いつでもいける。』

 

「よし、作戦開始だ。 目標は必ず無傷で手に入れろ、目撃者は殺せ。」

 

 

 

 

続く




『アックス1、イジェーーークト!』

ギャグを挟まないと死んじゃう病かもしれないと思う今日この頃。
一真の腕をもってすれば不殺も可能だと思う。


ということで解説。

アックス隊
A-10で編成された空軍の対地攻撃部隊。
合言葉は「爆弾増し増し」

Jフォーム
一真の空戦モード。
戦闘機相手でなければ対処可能なほど早く、アンデッドの反射神経も合わせて無類の強さを誇る。
けして弱フォームでない。

ジャミング
イントゥルーダーの固有兵装(オリジナル武装)
グリフィンの人形にのみ作用するように調整され、レーダーや通信機器のほか視覚と聴覚を封じる。
一真を巡って喧嘩が起きた時の鎮圧兵装でもある。

ゴースト隊・ファントム隊
正規軍の特殊部隊。
対人・対人形のスペシャリストたち。
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