Dolls FrontLine - Missing link - 作:いろいろ
投稿ペースはお察しレベルですが、改めて宜しくお願いします。
また、今回から誰の視点かが分かりやすいようにしてみました。
前回のあらすじ
16labが壊滅&ペルシカ救助、そして一真たちはIoP本社にあるトライアルシリーズ工場へと攻撃をかける。
side:イントゥルーダー
『クソッ! クソォ!!』
『馬鹿な・・・なんでこんなところに鉄血が!?」
『警備の連中は何をしていた!!』
IoP本社、そこに併設された工場のそこかしこから悲鳴と爆音が響き渡る。それもそうだ、何もないところから突然現れたトラックが突っ込んできたら、誰だって驚く。
『誰か・・・・誰か助k』
『おい! 混線してるぞ!?』
『グリフィンの部隊はまだなのか!?』
垂れ流しになった無線から聞こえる声も、時間が経つたびにどんどん減ってゆく。混線の原因はもちろん私の電子妨害だけど、もうその可能性に気づかないほど混乱を極めているようね。
でも、私の目的は電子妨害ではない。
「どう? イントゥルーダーちゃん」
「いえ、まだ見つかりません・・・・・ごめんなさい、私にもう少し力があれば」
「ううん、気にしないで。 俺が無茶を言ってるんだし、負担もかけてるしね」
一真さんはそう言うと、眼下で燃えている工場を見下ろす。いくつかに分かれて工場を襲撃、トライアルシリーズの生産ラインを破壊するのが今回の目的だけど、まだ発見には至っていない。ただでさえ巨大な工場、それもおそらく隠された生産ラインを見つけるのは簡単なことではない。
けど、人を殺すことを嫌う一真さんが悩み抜いた末に決めた作戦・・・・・必ず成功させなければ。
『こちらウロボロス、ちと弾薬が不足してきたな』
『私もだよ』
「仕方ない・・・・ウロボロスちゃんとデスちゃんは戻ってきて」
『で、でも・・・・・』
『大丈夫だ』
『あとは私たちで探してやる』
処刑人とハンターがそう言うと、二人の反応がこちらに戻ってくる。近接装備の処刑人とハンドガンのハンターはまだ余裕がありそう、スケアクロウもビットの使用を要所要所にしてなんとか持たせてるけど、早く見つけないとそれも厳しくなる。
『イントゥルーダー!』
「アーキテクト? どうしたの?」
『まずいよ・・・・グリフィンの部隊が向かってる!』
『ゲーガーだ。 それもひとつや二つじゃない・・・周辺から集められるだけ集めたようだな』
不味い・・・もうこれ以上時間をかけられない!
『こちらアルケミスト、そっちはどうだドリーマー?』
『全然ダメ! どこも人形のラインばっかり!』
『どこだ・・・どこにある!?』
『別の方角からも接近中! これは・・・・・正規軍!?』
『嘘でしょ!?』
不味い・・・退路がなくなる!でもどうすれば・・・・
・・・・・一か八か。
「・・・・・ジャミング解除! レーダーを工場へ集約します!」
「イントゥルーダーちゃん!?」
ジャミングが消えたことで、おそらくこちらの戦力もグリフィンや軍に知られる・・・・・けどその前に見つけさえすれば!
演算能力全てを使って工場をスキャンしていく。不要な反応を切り捨て、捜索済みの場所を除外・・・・・もう少し・・・もう少しで・・・・・・
「見つけたっ!」
『イントゥルーダー、場所を!』
「代理人! あなたのいる場所の真下です!」
『地下か!?』
『テレポートシステム起動』
代理人の反応が一瞬消え、指定した座標に現れる。
お願い、当たって・・・・・
『一真さん、生産ラインを見つけました・・・・・ですが・・・・・』
「どうしたの?」
『・・・・・地下の搬入口を確認、もぬけの殻です』
「・・・・・わかった、撤退しよう」
『申し訳ありま・・・・っ!?』
「・・・代理人? どうしたのですか!?」
『ちょっと何よ今の爆発は!?』
地面を揺らすほどの爆発、それと同時に代理人のそばに反応が一つ増えました・・・・これは
「まさか・・・・トライアルです!」
「っ! 変身!」
《 Turn Up 》
一真さんがベルトを起動し、反応のあった場所へ向かいました。おそらく、トライアルを破壊するために。
けど、敵が迫っているこの状況では・・・・・
『イントゥルーダーちゃん、聞こえる?』
「か、一真さん・・・」
『みんなを引き上げさせて、すぐに逃げるんだ。 俺たちも後から追いかける』
「え? か、一真さん!?」
通信を切られ、茫然とする私。一真さんを置いていくなんて、そんなこと・・・・でも、それではみんなが・・・・
悩んだ末に私は・・・・・
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side:剣崎一真
アンデットとしての感覚が、みんなが撤退していくのを感じる。イントゥルーダーちゃんが伝えてくれたんだな。これ、帰ったらまた怒られるよなぁ。埋め合わせ、どうしようかな。
目の前で壁が爆ぜた。そこから転がるようにして出てきた代理人ちゃんは怪我こそなさそうだけど、やっぱり余裕はなさそうだ。
「代理人ちゃん!」
「一真さん!? どうしてここに・・・」
「危ない!!」
代理人ちゃんを抱えて横に飛び退く。さっきまでいた場所を衝撃波が吹き飛ばし、後ろの壁が大きく崩れる。
この攻撃は・・・アイツか。
「・・・代理人ちゃん、テレポートでみんなのところに跳べる?」
「可能です・・・けど、あなたを置いてはいけません」
「俺なら大丈夫だよ、だから「できません」・・・代理人ちゃん」
「絶対に、一人にはさせません」
代理人ちゃんはこうなったら聞かないからなぁ・・・・・仕方ない。
「わかった。 けどアイツの相手は俺がするから」
「・・・・・わかりました。 どうか、ご無事で」
それに黙って頷くと、俺は醒剣ブレイラウザーを引き抜く。土煙の中から現れたのは、予想どおりの相手だった。
「トライアルF・・・・・」
俺にとってはある意味因縁の相手かな・・・あの時は始が倒してくれたけど。
トライアルFはどうやら標的を俺に変えたようで、右腕のカッターと左腕のフィンを構え・・・・・俺とやつは同時に地を蹴った。
「っ!」
「くっ・・・」
上段斬りを受け止めると、蹴りを入れて距離を取る。トライアルFは衝撃波以外は近接用の武器しかないし、衝撃波も予備動作がある。そして、接近戦なら俺の得意分野だ!
《 Beat・Metal 》
「ウェイ! ウェェエイ!!」
『Beat』のカードで高めたパンチ力を、『Metal』で硬質化させてさらに威力を上げる。ついでに一時的ではあるけど俺の拳が盾代わりにもなる。連続で殴りつつ、ラウザーで切りつけて手数を稼ぐ。
時間に余裕がないから、このまま一気に・・・・・
「グルゥ!」
「しまった!?」
突然トライアルFが飛び退き、攻撃が空振った。そしてヤツはその隙を逃さず、衝撃砲の構えに移る。
直後、構えた腕に一抱えもあるコンクリート片がぶつかった。
「一真さん、今です!」
「! わかった!」
《 Absorb Q・Fusion J 》
トライアルFが怯んだ隙にラウザーからカードを取り出し、左腕のラウズアブゾーバーにカードを通す。イーグルアンデッドと融合して金色の翼が生え、全身に漲る力を感じる。そして一撃で決めるべく、続けてラウザーにカードをラウズする。
《 Kick・Thunder・Mach ・・・Lightning sonic》
飛翔能力を得たジャックフォームで発動し、奴の真上の天井を突き破って翔け上がる。そして空中で反転し、勢いをつけた蹴りを叩き込んだ。
「ウェェエエエエエエイ!!!!」
トライアルは両腕を交差させて耐えようとしたけど、それを無視して押しつぶす。直後に爆発が起き、トライアルは跡形もなく爆散した。
「あ、相変わらず無茶苦茶ですね・・・・」
「あはは・・・さて、帰ろっか?」
「えぇ・・・・・と言いたいところですが」
代理人が鋭い目つきで上を睨む。俺もアンデッドとしての感覚が知らせている。
どうやら、グリフィンの部隊に囲まれたらしい。さっき派手に飛んじゃったから、もうここにいるのはバレてるみたいだね。さっきから『投降しろー』とか聞こえてるし。
「どうしましょう・・・・・一応テレポートは一人まで連れて発動できますが、少々時間がかかります」
「俺が引きつけて・・・ていうのはダメなんだね?」
いい案だと思ったけど、代理人ちゃんが無言で睨んできたから却下。こう見えても丈夫なんだから信用してくれてもいいと思うんだけどなぁ。
「・・・・仕方ないか。 じゃあちょっとだけ時間稼ぎしようか」
「どうするんですの?」
「代理人ちゃん、ちょっと掴まってて」
「え? ひゃっ!?」
そう言って俺は代理人ちゃんを抱き寄せると、翼を開いて飛び上がった。ちょっと悲鳴が聞こえたけど、やっぱり怖かったかな?
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side:スプリングフィールド
『貴様らは完全に包囲されている。 直ちに姿を現し、武装を解除し投降せよ!』
リー・エンフィールドさんがメガホンでそう呼びかけていますが、私たちの不安は拭えません。つい先ほど、すでにボロボロになった工場から突然何かが飛び上がり、そしてそのまま急降下すると爆発が起きたのです。
ほんの一瞬でしたが、その何かには翼があるようにも見えました。もし飛べるのなら、私たちでは手に負えなくなります。
「ねぇスプリング」
「なんですかWA2000」
「・・・・さっきのあれ、敵なのかしら」
「・・・・・・・」
どうやらWAさんも、同じことを考えていたようです。グッと銃を握る手に力が入っているのがわかります。
もし敵なら・・・私たちは勝てるのでしょうか・・・・・
『全員、構えろ!』
「っ!?」
「ちょっ、嘘でしょ!」
言われた通りすぐに銃を構え、狙いをつけた私とWAは息を呑みました。
さっきの翼の人形?と、その隣にいる人物・・・・・資料でしか見たことのない、代理人という上級ハイエンド。
「これってチャンスなの、それともやばいの?」
「・・・・・わかりません」
いつでも撃てるようにしていますが、意識していなければ今にも震えてしまいそうです。数ではこちらが圧倒的なのに、それ以上のプレッシャーが押しかかっている気分です。
しばらく睨み合いが続いていました。それが数分なのか数十分なのかはわかりませんが・・・・・突然代理人の隣の人物がその手に持った剣を収めると、ベルトのバックルのような部分のレバーを引きました。
すると・・・・・
「・・・・・え?」
「お、男?」
「この反応・・・・まさか人間!?」
「な、なんで!?」
光の壁が現れ、それがスゥッと鎧の人物を通過しました。するとそこにはもう先ほどの人物はおらず、代わりに一人の男性が立っていたのです。
周囲に動揺が広がるのがわかります。私も何度もスコープを覗き込んで確認しましたが、紛れもなく男性のようです。それも、どうやら人形ではなく人間。
『・・・・・あー、あー、聞こえるかな?』
「!?」
「しゃ、喋った!?」
その方は代理人から小型のマイクをもらうと、こちらに話しかけてきました。その口調や仕草からはなぜか敵意が見えず、ただ話しかけているだけのようにも見えます。
『驚かせちゃってごめんね。 君たちは・・・・グリフィンの部隊、で合ってるかな?』
『そ、そうだ! お前こそ、そこで何をしている! なぜ鉄血と一緒にいるのだ!?』
『あ〜・・・・ごめん、それは言えないよ。 ただ、俺たちは君たちと戦う意思はないんだ。 だから通してくれると嬉しいんだけど』
一見ふざけたような態度にも見えますが、彼の表情からは本当に申し訳なさそうな雰囲気が伝わります。それに、傍の代理人が一言も発していないというのも気になります。これではまるで、代理人が彼に従っているようです。
『残念だが、そういうわけにもいかない。 情報では工場を襲撃したのは鉄血だと聞いていたが、どうやらお前もその協力者らしいな。 大人しく投降しろ』
『いや、協力者っていうよりも協力して・・・・あ、代理人ちゃん、もういいの?』
それまでじっとしていた代理人が突然会話を遮り、彼の袖を引きました・・・・・『代理人ちゃん』という呼び方なんですね。
『そうか、じゃあ今日はここまでだね』
『何? おい、妙な真似は・・・』
『あ、攻撃する意思はないよ。 ただちょっt』
『なっ!?』
突如、代理人が突然十字を切るような動作に入り、次の瞬間には二人ともその場から姿を消していました。どうやら、テレポートのようです。
まさか、代理人にあんな能力があるとは・・・・・
この後、二人を取り逃した私たちは工場周辺の人命救助を命じられ、被害調査は後から来た軍が行ないました。
なぜ軍がIoPの工場を調べるのかはわかりませんが、ただ何となく、不気味な印象を持ちました。
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side:???
むむむ、データは無事だったけど工場が潰れちゃうとは・・・けどまぁ、まだ無事な場所だってあるからね。
さてさて、それじゃあ日課の『16lab観察』を・・・・ん? んん!?
ちょ、ちょっと一真ぁ! た、大変だよー!!!
続く
申し訳ございません、一年近く休止してしまって( ^ U ^ )
これはもう書けないだろうと思って未完設定にしていましたが、色々考えた末に再開させていただきました!
今度こそ完結に向けて頑張ろうと思います。
では振り返りを兼ねて作中の現在の状況を。
相川始
現在は404小隊に身を置き、民間協力者という立ち位置。
ハートの他、ダイヤとクローバーのカードも持っている。
404小隊
表向きは存在しない部隊。とある一件でG11がトライアルシリーズに狙われることになり、それをきっかけにグリフィンやIoPへの不信感を募らせる。
AR小隊
ROを加えて現在五名。M4は鉄血に拉致られたことがあり、そこで一真からアンデッドの話を聞く。
ペルシカ
16lab所長・・・なのだが16labが壊滅してしまい、現在404小隊らに保護されている。
始から預かったギャレンとレンゲルを元に、あるものを作っていたようだが・・・・・
鉄血工造
剣崎一真と行動を共にしている。
本拠地は軍の攻撃を受けて壊滅、ハイエンドの生産ラインも失ったので、バックアップも新規製造もできない。
そのため、襲撃されたときには原作未実装だったジャッジの出番はない。
剣崎一真
鉄血工造に協力する・・・というよりしてもらってる。トライアルシリーズとそれを作っている影を追っている。
基本の変身やフォームチェンジに加え、ディケイド版でお馴染みの直接キングフォームや、ジョーカーへの変身も可能。
人を殺す場合はハイエンドたちが行っており、一真に人を殺させないようにしている。
トライアルシリーズ
アンデッドの細胞を使って作られた人造生命体・・・を再現したもの。
どっかの後書きでは『アンデッド』と明言していたが、正確にはそのデータを元にしているだけ。
この世界ではお馴染みのある物質を使用している。