Dolls FrontLine - Missing link - 作:いろいろ
あと、今更ですがサブタイトルには平成ライダー+ゼロワンのサブタイトルをモチーフにしたものを使うことがあります。
全てわかった人はきっと全ライダーの変身ポーズを真似できる人ですね!
side:UMP45
「どう45姉、見つかった?」
「えぇ。 さて、ぞれじゃあ撤収しましょうか」
回収したものをポーチの入れ、私と9は出口へと向かう。すっかり廃墟になってしまったけど、何度も訪れたこの研究所なら迷うこともない。
そう、私たちは今、16labの研究所へとやってきていた。正確には「元」研究所だけどね。
「でもよかったわ、機器がほとんどそのまま残ってくれてて」
「それにデータもね。 なんで回収されなかったんだろ?」
「基本的にデータは本社と共有しているし、目新しいものだってあんまりないからね。 あるとすれば例のベルトだけど・・・・・」
「ペルシカが逃げるときに全部消しちゃったもんね」
まぁペルシカ自身がコピーを持ってるし、そのおかげで『コイツ』が完成してくれたんだけどね。
右二の腕に取り付けられたラウザーを撫でながら、私はここへ来る前のことを思い返す。
「AR小隊のアップグレードデータ?」
「そうよ・・・・それを・・・・回収してきて欲しいの・・・・」
そう言ったペルシカは、一言で言えば満身創痍といった感じだ。心拍数は上がり息も荒く、ベッドの上でぐったりとしたまま鵜置くことさえままならない様子・・・・・といえば重症に見えなくもないけど、すべては己の不摂生が招いたことだ。
「・・・・・えいっ」ツンッ
「ひぁあああああ!!!!????」
「あはは! ペルシカすごい声だよ!」
「9、程々にね」
慣れない運動で全身筋肉痛のペルシカは、もともと必要最小限しかないような筋力も相まって身動き一つ取れないでいる。9がそのふくらはぎを突こうとも、悲鳴を上げて悶えるしかないのだ。
「これに懲りたら健康的な生活を送ることね」
「うぅ〜、後で覚えてなさいよ・・・・!」
「いいわよ別に・・・・・で、そのデータはちゃんと残ってるの?」
話を戻し、真面目な顔でペルシカに尋ねる。これで行って何もなければ完全にただの無駄足、むしろ彼女らにとって敵となってしまったグリフィンやIoPのお膝元に行くのだからそのリスクは計り知れない。
「確約はできないわ・・・・・でも、そうやら研究所はあの日から変わってないみたい」
使い捨てのドローンを使って偵察を行い、研究所自体はまだ形を留めているということで今回の作戦を依頼したのだ。
正直にいえば、45とてこんな危ない橋は渡りたくはない。それにAR小隊絡みだと416がものすごく不機嫌になる。だが・・・・・
「はぁ・・・・ま、しょうがないわね。 今は少しでも戦力を増やしたいんだから」
「ごめんね、無理言っちゃって」
現状、始さんとベルトが使えるペルシカ、そしてペルシカが召喚した二体のアンデッド・・・・・嶋さんと城さんがトライアルに対抗できるまともな戦力だ。が、ペルシカは見ての通りまだまだで、アンデッドの二人もトライアルには分が悪いらしい。まぁ元は対アンデッドとして作られたんだから当然っちゃ当然だけど。
それを除くと、もうまともに相手にできそうなのは限られる。私たちはアンデッドとの戦闘経験があるけど、4対1でなんとか時間稼ぎってレベル。今日までの訓練で一定の成果を上げているのが、唯一M4だけだ。
以前鉄血に拉致されたときに剣崎一真から指導を受けたようで、その動きは別格。おそらく彼女一人でも、トライアルの足を止めることもできるはず。
「構わないわよ。 それに、こういう任務は私たちの十八番だしね」
「それもそっか・・・・・じゃあよろしくね、報酬は・・・まぁそのうち」
「はいはい、まぁ気長に待ってるわよ」
「・・・・・姉! 45姉っ!」
「っ!? どうしたの9?」
「45姉がぼぉっとするなんて珍しいね・・・・ってそうじゃなくて!」
9が慌てた様子で端末を差し出す。そこには潜入前に周辺に仕掛けておいたカメラの映像が映し出されている。脱出の際に障害がないかを確認するためだったんだけど・・・・・
「うそ・・・・これって・・・・・」
4分割された画面の一角に、それは映っていた。黒と紫という毒々しい色合い、全身から生える鋭いとげ、そして槍のような武器を地面に突き立て周囲を窺っている。
間違いない・・・・・トライアルシリーズだ。
「まさか、見つかったの!?」
「いえ、まだバレたわけじゃないわ」
幸い、奴は辺りを見渡す仕草はしても何かを探しているというわけではなさそうだ。おそらく、この周辺を巡回しているのだろう。
G11を連れてこなくてよかったと、心の底から思う。以前の件でトライアルに狙われるようになったから、もしここにいればすでに見つかっていたかもしれない。
「ど、どうしよう45姉?」
「このまま何処かに行ってくれればいいんだけど・・・・・」
正直、あまり長いはしたくない。廃棄されているとはいえまだシステムの一部も生きているこの研究所は、当然監視カメラも機能している。一応見つからないように進んだけど、それでも異常を検知されるのは時間の問題よね。
そして、どうやら悪いことは立て続けに起こるみたい。
「っ! 45姉!」
「ちっ!」
モニターの映るトライアルが、まっすぐこちらを見ている。そしてそのままゆっくりと歩み寄り・・・・・カメラの一つを踏みつぶした。
そして同時に、外から恐ろしい雄叫びが聞こえてくる。
「まずいよ・・・・アイツが来る!」
「9、こっちへ!」
9の手を引き、研究所を走る。今はできる限り入り口から遠い場所へと向かい、奴をやり過ごす。幸いまだこっちの位置までは知られてないから、このまま奴が奥まで行っている間に脱出する。
「・・・・・っ!」
「ヒッ……」
9が小さな悲鳴を上げた。廊下の先、十字路を奥へと向かうトライアルの姿は、まさしく死神といったところだ。骸のような顔には当然表情なんてものはなく、ただターゲットを始末するためだけに行動する。
奴が奥へと歩いていき、その足音も小さくなる。今のうちだ。
「・・・よし。 9、行ける?」
「う、うん・・・・・大丈夫」
それがただの強がりだっていうのは分かってる。G11が襲われたとき、応戦して片腕を吹き飛ばされた時のトラウマがあるんだ。9は身を持ってトライアルの恐ろしさを知っている。
「行くわよ、足音には気をつけてね」
幾多の任務で、その程度のことは当たり前のようにできる・・・・でも、ここまで緊張を覚えたことはきっとない。
はっきりとわかる。見つかったら・・・・・死ぬ。
「出口よ・・・・9、外の様子は?」
「誰もいないよ、今なら大丈夫」
「よし、あと少しよ」
後ろを警戒しながら、私と9は研究所の扉を開ける。そして周囲に脅威がないことを確認すると、フゥッと息をつく。
直後、研究所の天井が爆ぜた。
見つかったんだ!
「っ!? 9!走って!!」
「う、うん!!!」
一目散に走り出す。この先に隠してある車両まで行ければ、振り切れる!
後ろを振り返ることもせずに走る私たち・・・・それを嘲笑うかのように、一瞬フッと影が覆いかぶさった。
「45姉っ!!!」
「なっ!?」
反射的に地面を蹴る。脚部に負担がかかるほど無理な姿勢で跳んだけど、お陰で致命の一撃はもらわずに済んだ。
空振った槍が、地面に深々と刺さる。それを軽々しく引き抜いたトライアルは、まっすぐ私を見据える。
「くっ! ・・・・・9! 行って!」
「45姉!?」
「時間は稼ぐわ・・・・早く!」
言いながらトリガーを引き絞り、スモークグレネードを投げる。この距離で全弾食らってもびくともしないどころか、まっすぐこちらに向かってくる。けどこれで、私をターゲットに決めたようね。
「45姉! 無茶だよ!!」
「無茶は承知よ! それよりも、データを持って早く!」
「っ!?」
9が加勢しようとするのを止め、怒鳴る。泣きそうな顔をされるのは心苦しいけど、今はこうするしかない。データを持っているのは9・・・・なら、どっちが優先されるかは9だってわかるはず。
9は悔しそうに唇を噛み、私に背を向けて走り出した。
「・・・・いい子ね。 さて、しばらく私と遊んでもらうわよ!」
やつから距離を離し、腰のホルダーからカードを抜き取る。
《 Full auto・Recoil・Magnum》
「喰らえっ!!!」
カードを3枚ラウズし、最大強化した銃弾を叩き込む。劣化カードはオリジナルに比べると効果は低いけど、このシステムでもコンボを作れるのが魅力だ。通常ではありえない連射で大口径弾を吐き出す。
劣化とはいえラウズカードを研究してつくられたもの・・・・・その威力は思った以上で、トライアルをよろめかせることができた。
「っ!? 危なっ!?」
けど、油断は禁物。槍を振りかぶったかと思うと、あの弾幕にさらされながらも正確にこっちに向かって投げ飛ばしてきた。とっさに避けたが、突き刺さった地面がシュウシュウと溶けている・・・・どうやら見た目通り、猛毒の持ち主のようね。
(9はもう出たかしら・・・・・そろそろ私も逃げるかな)
時間稼ぎは十分、あとはこいつを振り切るだけ。出し惜しみはせず、私はありったけのスモークグレネードをばら撒き、新たなカードをラウズする。
《 Gemini 》
「ほら、こっちよ!」
煙幕の中から飛び出した偽物が、銃弾をばら撒きながら走り去る。どうやらトライアルのおつむはそれほどよろしくないようで、そいつを追いかけて走っていった・・・・・どうやらうまくいったようね。
さて、囮がやられないうちにさっさとここを離れ・・・・・
「グルルルル」
「え? うわっ!?」
突然、横合から何かが飛んできた。何これ、チューブ?コード??
赤黒いそれはシュルシュルと戻っていき、そこにはさっきのやつとよく似た雰囲気の化け物・・・・・二体目のトライアルだ。
「これは・・・・・・まずいわね・・・・・」
虎の子の『Gemini』は使ってしまった。あとは劣化カードが数枚あるけど、逃げるにはかなり厳しい。それにさっきの攻撃・・・・アイツの身体中に張り巡らされてるコードは自由自在に動かせる触手みたいなものってことね。
「シャァッ」
「しまっ・・・ぅぐっ!?」
勢いよく飛ばしてきたコードに反応できず、身体中を絡めとられる。その細さでは考えられないほど強力で、しかも人形の私が手も足も出せないそしてそのうちの一本がゆるりと首に巻きつき、次の瞬間一気に締め上げてきた。
「あぐっ!? ぁ・・・かはっ・・・・」
ま、まずい・・・・これは・・・・まずい・・・・・
息が・・・・・・意識が・・・・・・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
side:???
「見えたっ!」
「くそっ、遅かったか」
「いや、反応は消えてないからまだ死んでない」
グリフィンの裏切り者・・・・UMP45の反応を追って来てみれば、そこにいたのはやはりトライアル。しかもUMP45が絞め落とされ、その体をぐったりとさせている。
そしてこちらに気がついたトライアルが、UMP45を捨てて敵意を剥き出しにした。
「・・・・・俺はGの方をやる、二人はアイツを頼むよ」
「おう!」
「まかせろ!」
「くれぐれも無茶はしないこと。 俺もすぐに戻るから」
《 Mach 》
そう言って一真はバイク・・・・・ブルースペイダーにカードをラウズし、一気に加速してトライアルDの脇を抜ける。
一真を追おうとするトライアルDだがそうはさせない。こちらに意識を向けるために銃弾をばらまく。
「へっ、お前の相手は俺たちだぜ!」
「油断するなよ処刑人・・・・こいつを使っての初めての実戦なんだ」
「わかってるさハンター。 けど一真たちが作ってくれたんだ、負ける気がしねぇぜ!」
ふっ、それもそうだな。
改めてトライアルに注視し、私と処刑人は腰に装着してある『ベルト』のバックルに手をかける。大丈夫、訓練通りにすればいいだけだ・・・・・。
「やるぞ、処刑人!」
「おう!」
「「変身!」」
《 Open Up 》
《 Open Up 》
続く
はい、M4たちのMOD化フラグが立ちました。とはいえ現状ではM4とAR-15、そしてM16(鉄血のアレ)の3人くらいですね。あとの二人をどうするか・・・・。
そして今回はアンデッド二体という豪華さ!これでもまだ中盤なんだぜ?
では、今回はいくつか解説するものがあるのでそれを。
劣化ラウズカード
ペルシカがラウスカードを参考に開発したもの。人形用の擬似ラウズシステム専用で、ライダーシステムには使えない。
主に人形の武器の性能を引き上げる。見た目そのままに大口径弾が撃てたりする。
『Full auto』
連射性能を飛躍的に高める。MGであればファランクス並みに、HGであれば某山猫隊長並みの連射性能になる。銃への負荷はない。
『Recoil』
反動を大幅に軽減する。RFやSGが片手でも撃てる。連射系はブレがほとんどなくなる。
『Magnum』
大口径化。単純に威力が上がる。これはグレネードランチャーにも適用され、その場合炸薬量も増える。
トライアルG
45たちが最初に遭遇したやつ。レンゲルの戦闘データを参考にしており、槍を使った接近戦と全身の毒針が武器。原作ではタイガーアンデッドをボコれるくらいに強かった。
トライアルD
一見無手だが、全身のコードを触手のように伸ばすことができる。また、液状化することでどんな隙間も潜り込める。
バイオライダーとどっちが優れているかは言うまでもない。
鉄血組の『ベルト』
coming soon
今更ですが、当作品でも質問箱を設置しました。目次のとこに置いてます。