Dolls FrontLine - Missing link -   作:いろいろ

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タグにもありますが、当作品には残酷な描写がございます。
また全国の春田さんスキーな指揮官の皆様、今回は本当に・・・・・










申し訳ございません( ^ U ^ )


第23話:敵か味方か

side:イントゥルーダー

 

 

『・・・・・以上が、軍の公式発表です。 そして恐らく、これが最後の報告になりますので、これをもって解体処分ということに・・・・お世話になりました』

 

「・・・・・・・・」

コンコン

「イントゥルーダーちゃん、ちょっと・・・・! ごめん、出直すね」

 

「っ! ・・・・いえ、大丈夫です」

 

 

涙を拭い、やってきた一真さんへと向き直る。気を遣わせてしまったことを申し訳なく思いながら、努めていつも通りに振る舞う。

 

 

「・・・・何かあったの?」

 

「・・・・・・部下からの報告を聞いていました。 クルーガー氏の死亡が確認され、グリフィンは軍の傘下に入りることが決定したそうです。 恐らく、軍が用済みとなった彼を・・・・」

 

「そうか・・・・・でも、君が泣いていたのはそれじゃないよね? よかったら、話してくれないかな」

 

「・・・・・・部下の、最後の部下の報告でした。 私がロールアウトしてからずっと支えてくれていた、最古参の部下です」

 

 

そして、彼女が最後の部下でもありましたと続ける。所詮は下級モデルの大量生産型、生産ラインが生きていれば何度でも製造可能な部下たち・・・・・本社を失い生産能力を失って初めて、替えが効かなくなって初めて、彼女たちのありがたさに気がついた。

残った部下たちを各地へ派遣し、情報の収集にあたらせていました・・・・日に日に報告数と反応が消えていき、そして今日、最後の一人との通信も途絶。

 

 

「感謝の言葉を言われました・・・・私は・・・・私たちは、彼女たちに何も報いてやれていないというのに・・・っ!」

 

「イントゥルーダーちゃん・・・・・」

 

「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・」

 

 

一真さんがそっと抱きしめてくれる間も、私はずっと謝りながら泣き続けました。後悔の念と、今まで流したことのない涙を、私は止めることができませんでした。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

side:剣崎一真

 

 

「・・・・ふぅ」

 

「お疲れ様・・・・イントゥルーダーは?」

 

「寝てるよ。 今は少し時間が必要なのかもね」

 

「そう・・・」

 

 

スケアクロウちゃんが不安そうな顔で扉を見つめる。イントゥルーダーちゃんが泣いたところなんて初めて見たけど、やっぱり誰かを失うのは辛いんだね。

 

 

「イントゥルーダーの諜報部隊は優秀だった。 失くしたのは惜しい」

 

「そうだね・・・・・でも彼女たちが命懸けで送ってくれた情報なんだ、その分俺たちが頑張らないと」

 

 

彼女の部下が送ってきてくれた情報は、恐らく大きな転換点になるであろうものだった。

G&K社の社長、クルーガーが死んだ。ニュースでは爆破テロに巻き込まれたって言ってたけど、報告にあった軍の動きの早さを見れば、誰が糸を引いたかは想像に難くない。

最高指導者を失ったグリフィンを、軍が吸収する・・・・・ただ、クルーガーの死はそのためではないらしい。

 

 

「爆破される前に、クルーガーはS09地区の指揮官と密会した。 これを偶然じゃないとすると・・・・・」

 

「報告にあったというグリフィンの部隊・・・・・このタイミング、このエリアへの哨戒任務なんて普通じゃないけど、どうする?」

 

「多分、その子たちは何かを運んでいるんだと思う」

 

「それも、クルーガーから指揮官へと渡された、重要案件モノだな?」

 

 

ふらっと現れたアルケミストちゃんが、そう言った。相変わらずどこから出てきてるんだろう。

 

 

「あ、そのベルト・・・・・」

 

「あぁ、私の分の調整が終わってな。 先程訓練で使ってみたところだ」

 

「そっか。 それで、感触は?」

 

「悪くない・・・が、まだ使いこなせているとは言えないな。 一真、そのグリフィンの部隊と接触するのだろう? 私も連れて行って欲しい」

 

「なら、私も」

 

 

アルケミストちゃんの提案に、スケアクロウちゃんも乗っかる。

・・・・・できれば今回は残っていて欲しいけど、きっと言っても聞かないんだろうな。

 

 

「わかったよ。 じゃあ早速で悪いけど、準備してくれる?」

 

「あぁ」

 

「わかった」

 

「ちょ〜っと待ったぁ!!!」

 

 

元気いっぱいに叫びながら走ってくる黒髪の少女。まぁここまでハイテンションな子って1人しかいないけどね。

 

 

「どうしたのアーキテクトちゃん?」

 

「これから出かけるんでしょ? ならこれの試験もしてきてくれない?」

 

「おいアーキテクト、お前また変なものを作ったのか? というかなんだこの玩具みたいな銃は?」

 

 

アルケミストちゃんがあからさまに怪しんでるけど、そんなに信用ないのかなアーキテクトちゃんって。

でも本当になんなんだろうかこれ。信号弾を撃つ奴に近いけど、装填されている弾もかなり特殊なものみたいだ。

 

 

「この前一真が言ってた予想があったよね? これがその答え・・・というか対抗策だよ!」

 

「この前? ・・・・・あぁ、あれか」

 

「「???」」

 

アルケミストちゃんもスケアクロウちゃんも首を傾げちゃってるけど・・・・確かに、これは一度試しておかないとね。

さて、それじゃあ出発しますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

side:M4A1

 

 

「えっと・・・これが起動スイッチで、照準はこれで・・・・」

 

「・・・・相変わらず真面目だなM4は。 訓練でも使ったし大丈夫だろ」

 

「ですが、実戦はこれが初めてですから」

 

 

そう返事を返し、私はもう一度目の前の『箱』に手を触れる。スイッチを押すと同時に識別コードが入力され、使用者を認識してパーツが展開される。大口径の銃口が出現し、トリガーとサイトがせり出して完成となる。

先日9たちが持って帰ってきてくれた大規模改修用のデータ・・・それによって長らく未完成だったM16姉さんのコンテナがついに完成した。それに合わせて部分的に改修を行った私の武装に設定され、さらにラウズシステムとも同期させて今に至る。

 

 

「あとは、試せていないラウズシステムだけですね」

 

「けど、今回は出番ないかもね。 ただ荷物を改修するだけなんだし」

 

「そうね・・・・・でも今回は相当危険なものだと思うの」

 

「・・・・・・・そうだな」

 

 

ペルシカから聞いた指示を思い返しながら、同時に今の彼女を案じる。

ペルシカの友人から今回のブツの話を聞き、改修作業を一時切り上げてAR小隊を回収へと向かわせることに決めたペルシカ。だが、その後の友人からの一言でその場に崩れ落ちた。

 

 

『・・・・・クルーガーが死んだそうよ』

 

「・・・・・・・え?」

 

『表向きはテロによる犯行。 でも確実に軍が絡んでるわ』

 

 

その後の話は、私が代わりに聞いた。ペルシカのことは心配だけど、始さんや404のみんながついてるから大丈夫だと思うけど。

 

 

「さて、もうすぐ目標ポイントね」

 

「RO、周囲の反応は?」

 

「目標地点に反応・・・・グリフィンのものです」

 

 

時計を見ると、約束の時間通り・・・・きっと隊長が優秀な人形なんだろう。本来なら直接ではなく置かれた荷物の回収だけなんだけど、クルーガーさんの一件がある以上はグリフィンの部隊だって狙われる可能性がある。いざという時は私たちが守らないと。

 

 

「ん? ・・・・・っ!? 新たな反応!」

 

「なんですって? ・・・・・SOP! 双眼鏡貸して!」

 

「う、うん!」

 

 

AR-15が双眼鏡をひったくるようにして掴み、覗き込む。トラックに積んだレーダーには、たしかにグリフィンの反応が4つに、動きの良い反応が1つ、2つ・・・・・・・・いや、3つ!

 

 

「見えた・・・・・トライアルよ!」

 

「姉さん! アクセル全開!」

 

「もうやってる! M4っ! この距離から撃てっ!!」

 

「はいっ!」

 

 

荷台から身を乗り出し、姿勢を固定して新兵装のランチャーを起動する。空いた手でポーチから必要なカードを抜き取り、たて続けにラウズし、トリガーを引いた。

 

 

《 Burst・Homing 》

「当れぇええええええ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AR小隊到着の少し前

side:WA2000

 

 

「くそっ! なんなのよこいつら!」

 

「Vector! 前に出過ぎです!」

 

「廃墟の瓦礫を利用しろ! 直撃されたらひとたまりもない!」

 

 

指揮官から言い渡された哨戒任務・・・・・に偽装した輸送任務。鉄血も撤退して楽な仕事だったはずなのに、突然現れた3体のトライアルがいきなり攻撃を仕掛けてきた。

初動が遅れたウェルロッドは左腕を負傷、すぐさま反撃に出たけれど、その頃には包囲されてしまっていた。右腕から飛び出す光弾の威力は凄まじくて、気がつけばその包囲網もかなり狭くなっている。

 

 

「ちょっとリー! 指揮官に連絡してよ!」

 

「・・・・・っ!」

 

「なんで黙って・・・きゃあ!?」

 

 

隠れていた遮蔽物が爆ぜ、飛び散る破片と共に吹き飛ばされる。咳き込みながらも急いで状況をつかもうと顔を上げて・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青白い死神(トライアルE)と目があった。

 

 

「あ・・・・・・・」

 

「ワルサーさんッ!!」

 

 

直後、スプリングフィールドの銃剣がそいつの目玉に突き立てられる。暴れるそいつにスプリングは銃を手放し、なんとかしがみ付きながら銃剣をねじ込んでいく。

けど、それもそう長くは持たなかった。別の1体が味方を巻き込む形で攻撃し、右腕を肩から持っていかれたスプリングはその場に倒れる。

 

 

「ぐっ・・・・・!」

 

「す、スプリング!?」

 

「ワルサーさん・・・・逃げて・・・・・」

 

 

ダメージが大きいのか、動くこともままならないスプリング。

その彼女の胸元に、味方に吹き飛ばされたトライアルが左腕のロッドを突き立てる。仕返しとばかりにねじ込まれるたびにスプリングは苦しそうに呻き、口から人工血液を噴き出す。

助けに行くこともできない私を嘲笑うかのように低く唸ると、ヤツはロッドを発光させ・・・・・・・・目が焼けるほどの電流を流し込んだ。

 

 

「ーーーーーーーーッッッッ!!!!???」

 

 

目を覆いたくなった・・・・それくらい惨い光景だった。体の内から焼かれ、あらゆる回路がショートし、沸騰しそうなほど熱くなった循環液が至る所から溢れ出す。

たった数秒、それだけで、彼女は見る影もないほどに壊された。

 

 

「グゥゥ……」

 

「ひっ!? い、いや・・・こないで・・・・」

 

「ワルサー! 立て! くそっ・・・誰でもいい! 援護できないか!?」

 

「こっちも手を離せないわ!」

 

 

みんなの声が、やけに遠く聞こえる。

・・・・・あぁ、私、死ぬんだ。

 

 

「っ!? あれは・・・・!」

 

「ワルサー伏せろっ!!!」

 

 

 

呆然としていた私が隊長の言うとおりに動いたのは、ほとんど無意識のことだったと思う。

その直後、私の目の前でそいつが爆ぜた。1体だけじゃない、他の2体も同時に。

 

 

「な、何が・・・・・」

 

「あ、あれ!」

 

 

片腕になったウェルロッドが指差す。

物凄い勢いで走ってきたトラックが急停車すると、中から見覚えのある顔ぶれが飛び出てきた。

彼女たちは・・・・まさか・・・・・・

 

 

「なっ!? 貴様らは・・・!」

 

「説明はあとです! ここは私たちに任せてください!」

 

「私とAR-15、ROとSOPで1体ずつやる。 そいつは任せたぞM4!」

 

「はい・・・・・皆さん、準備はいいですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「AR小隊、戦闘開始!」

 

 

 

続く




今更ながら、原作とはかなり口調が違うスケアクロウちゃん。
イメージするなら、アマゾンズのイユをもう少し感情豊かにした感じ。

そしてトライアルE×3とエンカウントするグリフィン一般部隊・・・・・書いといてなんだけど絶望的だなおい。


それでは今回も少し補足説明を。

S09地区 第一部隊
部隊長のリー・エンフィールド、副官にスプリングフィールドを置き、WA2000、ウェルロッドMkⅡ、Vectorで構成される部隊。
司令部の最古参部隊であり、その実力はかなりのもの。
グリフィンの規模縮小に合わせS09地区も最前線ではなくなり、この第一部隊以外の人形は異動、もしくは民生への解体処分となっている。

劣化ラウズカード
『Burst』
Full auto以上の連射速度の3点バースト。G11の連射性能を参考に開発されており、反動で手がブレる前に三発発射するため命中精度はいい。

『Homing』
銃弾に誘導性能を持たせる。といっても軌道修正といった感じで、ルナトリガーのやつみたいなことはできない。
遠距離からの先制攻撃を命中させる場合などにおすすめ。

M4『MODⅡ』
MOD化の途中段階。メンタルにも影響があり、一人称視点での口調がやや違う。




・・・・・なんで春田さんなのかって?
ダイス神の思し召しだよ。
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