Dolls FrontLine - Missing link - 作:いろいろ
本編とは一切関係ないので見なくても問題ありませんよ笑
「はぁっ・・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・・」
息を荒げながら走る。
無我夢中で走る。
振り向かず、全速力で走る。
「はぁっ・・・はぁっ・・・・!」
不意に感じた違和感に従い、地を蹴って飛び退く。さっきまでいたところを無数の銃弾が過ぎ去り、直線状に並んでいた木々を蜂の巣にしていく。
一瞬だけ振り返ると、鉄血の屑どもが群れをなして追ってくる。こんな状況でなければ、皆殺しにしてやれるのに・・・・!
「くっ・・・・・!」
再び走り出し、木々を抜け、山を登る。途中何度か撃たれたが、それでも足を止めずに走り続ける。
どれくらい走り続けたか、気がつけば敵の追撃は止み、少し開けたところに出ていた。元来た道には森、進んだ先には崖、そしてその中間には古ぼけた小屋がポツンと立っている。
ポツン、少し雨が降り出した。今夜はここで休もう。重なった疲労で自分では信じられないほど無警戒に扉を開き、中もろくに確認せずに閉める。
一気に疲れがやってきた・・・・・もたれかかったドアにズルズルと座り込み、重くなった目蓋を閉じる。
暗がりの中で、何かが動いたような気がしたが、彼女・・・・・M4A1はすぐにスリープモードに入ってしまった。
「・・・・ん・・ぅん・・・・朝・・・?」
小屋の壁の隙間から差し込んだ光で目を覚ます。スリープモード中にデータの整理も終わっていて、こういう時自身が人形であることをありがたく思う。
武器を確認し、起き上がろうと顔を上げて・・・・・
「よぉ、起きたか?」
「ヒィッ⁉︎」
突然目が合い、思わず小さな悲鳴が出る。
ボサボサの髪、鋭い目つき、蛇柄のジャケットなど、どう見ても山小屋の中にいる格好ではない。それ以前になぜか、人形としてではない第6感のようなものが告げていた。
ーーーーーこの男は、ヤバイーーーーー
「・・・・・だ、誰ですか?」
「俺か? んなこたぁどうでもいい・・・・それより、起きたんならさっと行くぞ」
「え? ちょっ、きゃあ!?」
無遠慮にM4の襟を掴み、引きずるようしてに小屋を出る男。人形だとか云々以前に女性の扱いが全くなっていないことに文句を言おうとしたM4だが、小屋の前に広がる光景に思わず息をのんだ。
そこに散らばっていたのは、見るも無残な姿になった鉄血の人形たち。そのどれにも銃痕など見当たらず、何かに叩き折られたか殴り飛ばされたようにひしゃげていた。
「こ、これって・・・・・」
「お前を追ってきたんだろ・・・・・あいつらみたいにな」
男がそう呟き、二チャリと獰猛な笑みを浮かべて視線をあげる。
その先には、十数体もの鉄血人形がゾロゾロと湧いて出ていていた。
「奴です、先遣隊の映像に写っていた男は」
「M4もいるな・・・・・所詮手負いの人形と人間だけだ、やれ!」
「くそっ・・・・!」
銃を構え、向かってくる鉄血を迎え撃とうとする・・・・・その手を、男は遮った。
「『餌』は大人しくしてろよ・・・・こいつらは俺の獲物だ」
「そんな、無茶です!」
無謀を通り越して自殺行為にしか思えない言動に、本気で止めようとするM4。だが男は臆することなく、ポケットから
そしてそれを足元の血溜まりにかざす・・・・・人工血液によってできたその血溜まりは、風のない今、まるで鏡のように男とその持ち物を写し・・・・・次の瞬間、血溜まりの中から機械的なベルトのようなものが飛び出し、男の腰におさまった。
「え・・・・・?」
「な、なんだ!?」
「くはは・・・・・変身ッ!」
突然のことに驚き、足を止める鉄血たち。
男はそのまま右腕を体の前に構え、まるで蛇の威嚇のように突き出すと同時に、箱のようなものをベルトのバックルへとはめ込んだ。
瞬間、ガラスを割ったよな耳障りな音とともに透明な影のようなものが男に向かい、それが重なると男の姿は変わっていた。
紫を基調とし、銀のアーマーのようなものを纏った戦士。その型のアーマーやマスクの意匠は、まるで鎌首をもたげたコブラを思わせ、その毒々しい色も相まって獰猛な印象を与える。
「あぁ・・・・・」
首をぐるりと回し、右腕を軽く振るう。まるで準備体操のように、これからの闘いが楽しみで仕方ないように。
「へ、変身した・・・・」
「っ! ひ、怯むな! 所詮人間だ!」
鉄血たちは一瞬たじろぐも、すぐさま武器を構えて引き金を引く
事は叶わなかった。
「かふっ!?」
「遅いんだよ・・・・はっ!」
数メートルの距離をあっという間に詰めた男の拳が、先頭にいた一体の鳩尾に食い込む。あの鎧には相当な力があるのか、明らかに体の半分まで減り込んだ一撃に、鉄血兵は人工血液を吐きながら倒れ込む。
「おい、さっさと戦えよ・・・・・イライラするんだよ」
《ソードベント》
男はどこからか取り出した杖の先端にカードを差し込む。するとこれまたどこからか大振りの剣が現れ、男の手に収まる。
そこからはほぼ一方的な蹂躙だった。
男が剣を振るえば、数体の鉄血兵がまとめて千切れ飛ぶ。そもそもどう見ても斬るというよりも叩き割るというような形であり、その一振りは人形の骨格を易々とへし折っていく。
おまけにどうやらただの戦闘狂ではないらしく、距離をとって銃撃を加えても、瀕死の鉄血兵を盾にして防いでしまう。
鉄血よりも残忍で、的確な殺戮・・・・・M4にはすでに、男が人間だとは思えなくなっていた。
「これで終いだ・・・・」
《ファイナルベント》
再び男がカードを使う。どうやらあのカードが男の力の根源でもあるらしい。
そしてまたもやM4の理解を超える事態が起きる・・・・・血溜まりの中から、胴回りだけでひと抱えもありそうな大蛇が姿を現したのだ。地面から、ではなく、本当に血溜まりの中から生えてきたかのように。
男は剣と杖を投げ捨てると、その場で大きく跳躍する。それに合わせて大蛇が鎌首をもたげ、男が顔の前まで来ると口から勢いよく何かを吐き出した。
「ハァアアアアアアア!!!!」
「ーーーーーっ!?」
吐き出された液体の勢いに乗って、男は鉄血兵に次々と蹴りを打ち込む。
装甲が弾け飛び、人工皮膚が千切れ、骨格がひしゃげる。それと同時にシュウシュウと音を立てて体の一部が溶け始める。
(酸・・・・あれは、酸だ!)
人形をも溶かす強酸を加えた蹴りをモロにくらい、鉄血兵はなす術もなく吹き飛ばされる。
それでも奇跡的に機能停止には陥らず、唯一自由のきく目だけで男の姿を追う。
その目が最後に捉えたのは、まるでブラックホールのように真っ暗な穴を覗かせた、大蛇の口だった。
「す、すごい・・・・・」
最後の鉄血を蛇が一飲みし、満足したのか血溜まりの中へと戻っていく。気がつけば男の姿は元に戻っており、心なしか機嫌が良さそうだった。
「あ、あの!」
「あ?」
「た、助けていただいて、ありがとうございます。 それで、もしよろしければ・・・・・私たちと一緒に戦ってくれませんか!?」
本来、人間を見つけたら保護しなくてはならない。しかしこの男は、その必要を感じさせないほどに強いのだ。
未知の力だが、この男の協力があれば、鉄血に優位に立てる・・・・・この時、M4は真剣にそう考えていた。
・・・・・・それが、最大の過ちであるとも知らずに。
「・・・・・俺は、お前を助けたんじゃない」
「え? でも・・・・」
「俺はなぁ・・・戦いたいだけなんだよ。 で、お前はこいつらに狙われてるんだろ?」
「え? えぇ、おそらくは」
ただの会話、そのはずなのに、M4のなかで嫌な予感が膨らみ始める。
逃げたほうがいい、そう告げられている気がしたM4だが、それに気づいた時にはすでに遅く、男の両手がM4の肩をがっしりと掴んでいた。
「んじゃぁ、お前を連れてけばこいつらみたいなのと戦えるよなぁ?」
「・・・・・・え?」
「お前、餌な」
えさ・・・・エサ・・・・・・・・・餌!?
「ちょ、ちょちょちょっと待ってください!? え、餌ってどういうことですか!?」
「あぁ? そのまんまだろうが・・・・お前を餌にして、あいつらを釣るんだよ」
親玉でも釣れりゃあ面白そうだ、男はそう言ってM4の襟首を掴みと、有無を言わせず引っ張り始める。
訳が分からないとばかりに抵抗を試みるが、変身していなくとも強いのか全く離してくれない。それどころか・・・・・
「なぁ・・・・俺は戦ってないとイライラするんだよ・・・・・お前、奴らの代わりに戦うか?」
こう言われてしまい、M4は泣く泣く男についていくことにしたのだッった。
M16姉さん、AR-15、SOP・・・・・助けて(泣)
続かない!
指揮官「M4を救出したらヤバそうな男もついてきた件」
仮面ライダーを代表する元祖ヤベーやつ。極悪ライダーとか悪役ライダーとかって結構いるけど、こいつほど人としてのタガも外れてる奴はいないと思うんだ。
特に続きはありませんが、作中の設定は契約モンスター3体の仕様。よって3連ファイナルベントもできるしユナイトベントも使える。
本文でカードの表現をカタカナにしている理由は、英語だとドラゴンナイトっぽくなるかなぁと思ったからです。
次回はちゃんと本編に戻ります。