Dolls FrontLine - Missing link -   作:いろいろ

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最近寝落ちが増えた気がするので初投稿です(大嘘)


第25話:真実は遠く

side:相川始

 

 

 M4たちAR小隊が帰還した。誰一人欠けることなく、目的のブツに加えグリフィンの部隊も救出したらしい。

もっとも、その部隊ではすでに犠牲者が出てしまっていたようだが。

 

 

「相川さん、ペルシカさん、ただいま戻りました」

 

「おかえりM4・・・それが、例の?」

 

「はい・・・・クルーガーさんが遺したものです」

 

「・・・・・改めて礼を言うよM4、本当にありがとう」

 

 

 まだクルーガーを亡くしたことへのショックがあるものの、無理やり笑顔を浮かべるペルシカ。だがそれもすぐに、キッと表情を引き締める。

その視線の先・・・・満身創痍とも呼べる損害を負ったグリフィンの部隊、その部隊長であるリー・エンフィールドに、ペルシカは手を差し出す。

 

 

「あなたたちが、アレを運んできてくれたのね・・・ありがとう」

 

「・・・・・それが任務ですから」

 

「そっか・・・・じゃあついてきて、応急処置程度だけど、修復施設はあるから」

 

「わかりまs「ペルシカ! 」・・・・WA」

 

 

 リーの言葉を遮るように前に出てきた女・・・・・WAの背中には、すでに機能を停止した人形が背負われている。スプリングフィールドというらしい。

 

 

「・・・・・恐らく、その損傷じゃ望みはないだろうけど・・・任務の礼だ、できることはしてみるよ」

 

 

 そう言ってM4たちに目配せし、M16とAR-15がスプリングを担いでペルシカの研究室に入っていく。続いてVectorとウェルロッドという人形が入り、比較的損傷の軽微だったWAとリーはその場に残った。

俯き、肩を震わせるWAに、M4が声をかけるべく近寄る・・・・・次の瞬間、振り返ったWAがM4の胸ぐらを掴み上げた。

 

 

「ぅぐっ!?」

 

「なんで・・・・なんでもっと早く来なかったのよ!?」

 

「やめろWA!!」

 

「そうすれば、彼女が・・・・スプリングが死なずに済んだかもしれないのに!!!」

 

 

 リーか無理やり引き剥がすまで、WAはまるで全てを吐き出すように叫び続けた。恨み言に罵倒、そんな感じの言葉だ。

だが俺を含め誰も、何も言わない。彼女がそれを本気で言っているわけではにことは、彼女の目を見ればわかる。

だが、同時にそれが本心であるということも窺える。

 

 

「スプリングは・・・・民生に解体されたら、カフェを開くって・・・・・その時は、一緒に働こうって・・・・・」

 

「WAさん・・・・・・」

 

「なんで・・・・・なんで彼女が死ななきゃいけないのよ・・・・・」

 

 

 M4の胸ぐらを掴んだまま、彼女の胸に顔を埋めるWA。仲間を失った事実が、今になってのしかかってきたということか。

いつの間にかリーも止めるのをやめ、その拳を強く握り込んでいる。それをフッと解くと、俺のほうに向かってきた。

 

 

「・・・・・なんだ?」

 

「いや、隊員が世話をかけましたから」

 

 

 その謝罪、ということか・・・・・・だがなぜ俺に?

 

 

「なぜ、ですか? 指揮官であるあなたに言うのが筋では?」

 

「・・・・指揮官? 俺がか?」

 

「え、違うのですか?」

 

 

 驚くリーに、俺も驚く。いや、まさか指揮官だと思われているとは・・・・・おいM16、笑っていないで説明しろ。

 

 

「相川が指揮官か、それはそれで面白いかもな」

 

「ちょっとM16、始さんは私たち404の所属よ」

 

「そうだよ! 始さんは私たちの家族なんだから!」

 

「・・・・・家族?」

 

「9、ややこしくなるから黙っててくれ」

 

 

 訓練が終わった404小隊が合流してしまった・・・・なんとも間の悪い。45は相変わらず修復中で、まとめ役の欠いた問題児部隊など何を言い出すかわからん。

 

 

「彼女たちが、例の404(存在しない)小隊か・・・・てっきり、一緒に指名手配されていたあなたが指揮官だと」

 

「生憎だが、俺は指揮官ではない。 彼女たちにも指揮官は必要ない」

 

「ええそうよ、私は完璧だもの」

 

「訓練では手も足も出なかっtフギャッ!?」

 

 

 余計なことを言うG11に鉄拳制裁が下る。

場違いな雰囲気であることは確かだが、おかげで少しだけ空気が軽くなった気がする。後で礼を言っておこう。

 

 

「いつまでも立ったままというわけにもいかないだろう。 奥に休憩室がある・・・・・聞きたいこともあるだろう」

 

「わかりました・・・・WAは」

 

「あ、WAさんは後で私が連れて行きます」

 

 

 さて、こちらもいくつか聞くことがありそうだ。

なぜ彼女たちはトライアルに狙われたのか・・・・トライアル3体を投入してまで奪いたいものはなんだったのか。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

side:ドリーマー

 

 

「ふぅ〜・・・・これで終わりね」

 

「お疲れ様、ドリーマーちゃん・・・・・はい、これ」

 

「あら、ありがと」

 

 

 差し出されたマグカップを受け取り、疲れが溜まったような気がする目頭を揉む。人間と違って疲労が溜まるわけではないけれど最近、どうも人間っぽい動作が増えた気がするのよね・・・・ま、いいけど。

とはいえ、忙しかった毎日もこれでひと段落。全員分のライダーシステムが完成したし、ついさっき終わった動作チェックのデータもまとめ終わった。実戦経験のある処刑人たちのシステムもアップグレードし、ハイエンドの性能も相まってパワーだけなら一真の通常フォームくらいには強くなってるはず。

 一真が淹れてくれた合成コーヒー・・・・通称コーヒーもどきを啜る。お世辞にも美味しいとはいえないけれど、不思議と悪い気はしないのよね・・・・・・ふふっ。

 

 

「ところでドリーマーちゃん・・・・例のは、もう?」

 

「・・・・あぁ、あれね。 ちゃんと解析済みよ」

 

「ごめんね、ただでさえ忙しいのに」

 

「それ、もう耳にタコができるくらい聞いたわ。 私が力になりたいからやってるだけで、一真が謝ることじゃないわよ」

 

 

 口調はうんざりと、そして彼からは見えない口元は少し緩みつつ、()()()()()()()()()()をまとめたものを差し出す。

それは以前、UMP45救出の際に撃破したトライアルの肉片を解析したデータだった。アンデッドを持たない彼らがどうやってトライアルを生み出しているのか・・・・・その答えの一つが、この中にある。

 

 

「・・・・・悪い予感ってのは、案外よく当たるものね」

 

「じゃあ、やっぱり・・・・・」

 

「えぇ・・・・・トライアルには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

崩壊液』が使われているわ」

 

 

 言いながら、該当する箇所を指差す。軍用人形に使われるような人工筋繊維、それを崩壊液によって活性化と強靭化を図り、銃弾を物ともしない体を手に入れている。そしてあの強力な再生能力の一端を、この崩壊液が担っているようね。

 もっとも、崩壊液だけでなくオリジナル同様にアンデッドの細胞も使われているようで、連中がこの細胞をどうやって入手したのかは不明なまま。

けどいわば、これは人工E.L.I.Dと言って差し支えないと思う。それも完全に制御可能、量産可能な不死身の兵士。もしアンデッド細胞の培養ができるのならば、崩壊液さえあればいくらでも製造できてしまう・・・・・そして、この世界で崩壊液なんて道端の石ころ並みに手に入る。

 

 

「幸い、使用されているのはごく低濃度、倒してもそこから汚染が広がることはないわ」

 

「なるほど、ね・・・・調べてくれてありがとう」

 

「どういたしまして」

 

 

 一瞬、一真の目が鋭くなる。人であることを捨ててまで人を愛した彼だからこそ、許せないものがあるのでしょうね。そして、それはきっとあの男も同じ・・・・・今後は彼を含め、グリフィンや軍から追われている連中とも協力することになるでしょう。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・それはさておき。

 

 

「ま、そのことは一旦置いておきましょう・・・・・ねぇ一真」

 

「ん? どうしたのドリーマーちゃん」

 

「私、ここんとこ研究室に篭りっぱなしで疲れてるの。 だから・・・・・・ベッドまで連れていって欲しいのよね」

 

 

 ニヤリ、と自分でも分かるほど悪巧みに満ちた顔になる。さっきも言ったけど、人形が疲れて動けなくなるなんてことはまず無い。

目的はただ一つ、一真が慌てたりキョドッたりする姿を見たいのだ。

 

 

(一真も大人しくしてたって男よ・・・・下心、とまでは言わなくても邪な想像くらいはするはずだわ!)

 

 

 私自身、自らの体型が優れているわけではないのは理解している。デストロイヤーに比べればまだ身長も胸もあるけど、他に比べるとやっぱり見劣りする。

よって、私の強みはそこではない・・・・・やや恥ずかしいのを抑えて足をわざとらしく組み直しているのはそのせいなのよ。

 

 

(ふふふ・・・・・さて、一真はどんな顔をしてくれるのかしら)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、わかった」

 

「・・・・・・・・え?」

 

 

 え、今なんて言った? わかった? そう言ったの?

ていうかなんでそんなに迷いもなくこっちに来て・・・・・ひゃぁっ!?

 

 

「ちょっ、ここここれって・・・・!」

 

「うん? 顔赤いけど、大丈夫?」

 

「だっ、大丈夫っ、よっ!」

 

 

 片腕は肩を抱くように、もう片方は膝下から掬い上げるように・・・・・これはいわゆる、お、お姫様だっこというやつ、よね?

まってまってまって、これってこんなに恥ずかしいの!? ていうか一真は平気なの!? ちょっ、廊下に出ないで! お願いだから誰にも会いませんようにっ!!!!

 

 

「着いたよ、ドリーマーちゃん・・・・・あれ? 寝てる?」

 

 

 寝てないわよ! 恥ずかしすぎて目を瞑ってないとどうにかなっちゃいそうなのよっ!!

そんなメンタル内の抗議など聞こえるはずもなく、一真は私をベッドに寝かせた。

 

・・・・・どうしよう、こんな場面は何度も想像したのに、体がぴくりとも動かない。 というか目も開けられない。

ここは私の部屋で、私と一真の二人っきり・・・・・こんなチャンスはそうないのに。

 

 

「じゃあドリーマーちゃん、おやすみ」

 

「ふぇ・・・・・?」

 

 

 自分でも間抜けだと思う返事は、扉が閉まる音で見事にかき消された。うっすらと目を開けると、明かりもない薄暗い部屋に私一人。さっきのはもしかすると夢だったのでは・・・・なんて考えてみるけど、さっきの感触は間違いなく本物。

 

 

(あぁもう・・・・・これじゃ寝れないじゃないっ!!!)

 

 

 多分、今の私は相当変な顔になってるでしょうね。悔しいような嬉しいような、怒ってるようなにやけてるような顔になってるはず。

 

 

 

 

 

結局そのあと、私は一睡もできないまま朝を迎えてしまうのだった。

 

 

 

 

続く




ダディ「ヒトヲオチョクッテルトブットバスゾ」
ドリーマー「あら、じゃあここまで来てみなさい」<芋砂
ダディ「ウワァァアアアアア‼︎‼︎‼︎」

・・・橘さんじゃ相性悪そうだな笑
あとドリーマーは主導権を握りたいけど握りきれない感じが似合うと思いますまる
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