腹にくくった“一本の槍”   作:あいうえおあおあお

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ソラやゼフの愛や教えをもとにサンジが自分を見つめ直す話です。時系列的には90巻の902話が終わった後の話。
芥川龍之介の杜子春https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/170_15144.htmlの後半も参考にさせてもらっています。その影響と舞台装置としての役割のため仙人的な老人が急に出てきますが、書いている本人もよく考えていないのであまり気にしないでください


元々pixivに投稿していた作品(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9601451
)なので勝手がわからないとこもあると思います、何か間違えていたらすいません。
今回で完結です。


ゲンジツ

 目が覚める。霧は晴れていて太陽が眩しい。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 

 ゆっくりと立ち上がり周囲を見渡しても、老人は当然見当たらず、いた痕跡もない。

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 全部夢だったんだろうと思う。おそらく、自分が疲れから座ってしまった時にそのまま眠って、そこで夢を見たんだと思う。あの老人とのやりとりは、自分を納得させるために夢の中で言い訳をしてただけなんだろうと思う。きっとチョッパーに夢の内容を話してもそう診断されるはずだ。だが、まあそれでもいい。多少なりとも気は晴れた。

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 太陽の光を浴びながら、体を伸ばす。大分寝ていたようだ。そういえば、練る前に煙草を吸っていたはずだと思い、床を見渡すも煙草は無い。風で海に落ちたか、それとも吸っていたのも夢だったのか。まあ、どちらでもいい。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 遅い昼飯の下準備でもしようかと思いキッチンに戻ろうとすると、ふとズボンのポケットに何か違和感を感じる。

 

 サンジは立ち止まってポケットに入ったものを取り出し、それを数秒見て海に捨てる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

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 再びサンジは歩き出す。ただし、行き先をキッチンからいまだに寝息がうるさい男部屋へと変えて。ルフィのポケットに入っているかもしれない“人の力”とやらを確認するために。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 中ほどで折れた煙草の亡骸は、そのまま波に揺られて消えて行った。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ




サンジが自分を見つめ直す話しはこれで完結です。ありがとうございました。

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