SSSS.GRIDMAN The Another Episode   作:赤星 傑

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終・末

 1

雨が降る6月の平日。宝田六花は雨が嫌いだった。雨が降ると何故か憂鬱な気分になってしまい、やる気が出なくなる。心の中で休みたいと思いつつも、学校に向かった。家からは近いが、このドシャ降りの中を歩けば確実に濡れると思った六花は、近くにあるバス停に行った。

次のバスが来るのは約5分と確認した六花は、スマホにイヤホンをさし、耳に付け、音楽を聴いた。1曲だけしか聞けないが、六花にとってはそんな事は関係なかった。曲がサビに入ろうとした時、六花を呼ぶ声がした。イヤホンを片方外し、声が聞こえた場所を向いた。

「あ、アカネ」

そこには、六花の親友である、新条アカネがいた。アカネは紫色のパーカを付け、透明な傘を持っていた。六花に近づき、傘を閉じた。

「六花もバスで登校なの?」

「うん、こんな雨の日に歩いたら風邪引いちゃうからね」

「そうだねー」

2人は笑い、バスが来るまで会話をした。幸いにも、バスが遅く来ても遅刻するにはまだ早い時間帯だったため、ゆっくりと会話ができた。

バスが到着したのは5分を少し過ぎた時間だった。雨の日の交通量は混んでいて、遅刻する生徒も多い。仕方ないと思いつつも、六花はアカネと一緒にバスの中に入った。中は意外にも少なく、携帯をいじるサラリーマン、子供と一緒に座る女性、六花たちと同じ男子高校生が席に座っていた。アカネと六花は相席になり、バスは出発した。さっきの話を続けた。2人は小学生の頃から一緒で、いつも遊びに行くときは、アカネの家にお邪魔し、ゲームや勉強会、恋バナなどをしていた。2人は仲が良く、周りのクラスからも、ベストフレンズと言われるぐらい、ずっと一緒にいた。だが、2人の他にも、もう1人の幼馴染がいた。しかしあまり目立っておらず、何処にでもいる普通の子で、六花はあまり気にしていなかった。

バスがもうずくツツジ台高校の前に停まると知った六花は、ボタンを押し、バスを降りることにした。当然、アカネも同じ高校なので、一緒に降りた。校門前では人混みが多く、1年から3年の生徒たちが、学校に入っていった。六花とアカネも校門を潜り、学校内に入った。六花とアカネの教室はB棟の2階にあり、階段の一番手前だった。教室内に入った六花とアカネは、ドアの前の机で話し合っていた2人の友人、なみことはっすに絡まれた。

2人は挨拶をして、六花とアカネも反射で挨拶を返した。アカネの席は教室の後ろ奥にあり、一旦荷物を置くために自分の机に向かった。アカネの机の隣には、1人の少年が座っていた。アカネは少年に挨拶をした。少年もアカネに挨拶を返し、アカネは少し、少年と一緒に話し合った。

  彼こそが、六花とアカネのもう1人の幼馴染。髪は赤く、童顔の少年。響裕太、それが彼の名前だった。

  2人の様子を見た六花たちは、ヒソヒソと話し合っていた。

「さすが、六花さんよりもずっといる男だ」

「あの2人、ベストカップルなのかな?」

「まさか、アカネはそんなことないって言ってたよ」

六花の言葉に2人は「本当ー?」と疑った。その3人に、アカネは近づき、なに話してんの?と聞いた。

「あ、アカネ!? 嫌、あのそのー……」

 なみこは困惑し、はっすは下手な口笛で誤魔化そうとした。

「何〜? 私には言えない話〜?」

アカネは3人を挑発し、さっきの話の内容を聞こうとした。アカネの挑発に負けたのか、友人だと言う理由なのかわからないが、六花はすんなりと話した。

「アカネて、あの響裕太君と付き合ってるの?」

アカネは驚き、はっすとなみこは指を口に当て、しーっ! と言った。六花はしまった! と言わんばかりに焦り、手で口を押さえた。アカネは顔を真っ赤にしていたが、すぐに答えた。

「付き合ってないよ、ただ、昔からの付き合いだから……」

指をモジモジして、視線を下に向けていた。はっすとなみこは、さっきの焦っていた姿が嘘だったかのようにニヤニヤしながら、アカネに迫ってきた。しかし何故かアカネもまたニヤニヤしていた。

六花はそんな3人から視線をずらし、裕太のほうを見た。裕太は友人の内海将と話し合っていた。話の内容は聞こえなかったが、2人の話は盛り上がっていたそうだった。すると裕太が突如、六花のほうを向いた。六花は気づき、アカネたちのほうに視線を直した。

裕太は何だったんだろうと思い、内海に視線を戻す。裕太と内海は今年の4月、入学式で初めて会った。最初はただのクラスメートだったが、最初に話をかけてきたのは内海だった。1人で弁当を食べる裕太を見た内海は、「一緒に食べないか?」と誘い、裕太は困惑しながらも、「いいよ」と返事した。それ以来、2人は友人となった。

「どうしたんだ、裕太?」

「なんか、宝田が俺を見ていたような気がして……」

内海は「まーたかー」と言い、裕太の背を叩いた。

「お前、いくら六花さんが好きだからって、それは流石に引くぞ」

「嫌々、気のせいじゃないから」

内海は冗談のつもりで言ったが、裕太には通じていなかった。

響裕太は今、宝田六花に恋をしている。初恋は今年の4月、学校行事の球技大会で初めて六花と同じチームに入った時、勝った時の六花の笑顔が心に来て、裕太は初恋を経験した。

 時間が経ち、現在は昼休み。朝の雨が嘘だったかのように、空は晴れ、太陽が丸見えだった。裕太は購買部で買った、ホットドッグの見た目をした、「スペシャルドッグ」の袋を開けていた。内海は現在自販機で飲み物を買って行っており、裕太1人で待っていた。

「内海遅いなー」

裕太は教室の出入り口を見ながら呟いた。裕太は食事をしようとした時、アカネが近づいてきた。

「響君、今日は1人?」

「わ、新条さん!?」

アカネは笑いながら、「アカネでいいよー」と言いながら、裕太の腕を軽く殴った。

 アカネにとっては、裕太は保育園の頃からの付き合い、六花よりも一緒にいる幼馴染だ。六花はそんな裕太を羨ましいと思っている。しかし裕太はあまり女性付き合いが無いため、苗字呼びにさん付けをしている。アカネはその呼び方は気に入っておらず、アカネと名前で呼ばれたいと思っている。

「で、今1人なの?」

「え、あぁ、内海は今、飲み物を買いに行ってるけど、もしかしたら今から帰ってくると思う……」

裕太は左手首に付けていた腕時計を確認した。

「そっか、じゃあ、私も入れて3人で食べる?」

裕太は間抜けな声を出して、顔を赤くした。クラスの人気者であるアカネが一緒にご飯を食べるとは、ラッキー過ぎると言われている。しかしアカネは裕太の鼻を摘み、「ウッソー♪」と高い声で言った。アカネは指を離し、裕太は鼻を抑えた。

「じゃあ行くね。私、六花たちとご飯食べるから。またね〜」

アカネはそう言い、裕太から離れた。裕太は鼻を抑えながら手を振り、サヨナラをした。

 アカネはウキウキしながら教室を出ようとすると、近くの机から話し声が聞こえた。アカネはその話を盗み聞きしてしまった。

 話をしていたのは問川や他のバレー部の仲間だった。

「ねぇ、ターボーイはどう思う?」

「えー、あのオタクゥ? 無理無理、絶対にないわー」

「じゃあ、一緒にいる響君は?」

「それこそないよ、あんな子わ!」

「だよねー、響君て目立たないから、なんか付き合えないよねー!」

バレー部達は笑い合っていた。

 それを聞いたアカネは手に持っていたパンを握り締め、唇を噛んだ。それを、話し合っていた問川が気づいた。

「あれ、アカネ、どうしたの?」

「ううん、なんでもなーい」

アカネは明るい声を出し、教室を出た。

 六花が待っている場所に向かう途中、アカネは誰にも聞こえないぐらいの小さな声で呟いた。

「……最悪」

 

 2

 今の時間は午後の4時だが、まだ6月という事もあり、昼のように明るい。裕太は、友人の内海と共に下校していた。内海の家は近いが、裕太の家は遠かった。行きと帰りは自転車だったが、今朝の雨のせいで、自転車は持って来ていなかった。今日はバスで帰るようだ。

  内海の家に着くと、門を開け、内海は家の中に入った。

「じゃあまた明日な」

「うん、またね」

裕太は手を振り、バス停に向かった。車が走る道路の右端に黄色のバス停が見えた。時刻表を確認すると、次の来るバスは12分後だった。幸いにも、近くにコンビニがあり、バス待ちのついでに、何か買おうと入店した。コンビニの中は涼しく、太陽に当たった体を冷やしてくれた。裕太は飲み物を買おうと思い、冷蔵庫に向かった。裕太は上の棚にあったコーラを手に取り、レジに向かった。

 会計を済ませ、バス停に戻ろうとした時、地面が揺れた。裕太はコンビニ戻り、揺れが収まるのを待った。しかし揺れは治らず、それどころか、揺れは次第に大きくなっていく。すると、今度は遠くから、謎の爆音が聞こえた。窓から外を見ると、ビルとビルの隙間から見える景色に、黒い煙があった。裕太はコンビニから出ると、そこに居たのは、首が長く、青色の体をした、怪獣だった。

 怪獣は車を蹴り飛ばし、口から火の玉を放ち、街を次々と破壊して行く。裕太は内海に連絡した。内海はすぐに電話に出て、焦った声で言った。

「裕太、お前無事か!?」

「内海! そっちは!?」

「なんとか! お前も逃げろ、死ぬぞ!」

わかった。と裕太は内海に伝え、電話を切った。怪獣が向かっている方向と逆の場所に行き、怪獣から逃げようとした。

 すると、何処からか子供の泣き声が聞こえた。裕太はその泣き声の聞こえる場所に向かった。裕太が見た景色には、倒れている母親、その近くで膝をつき、母親の体を揺さぶり泣く女の子。

「ママー、ママー!」

「い……きなさい。私の事はいいから!」

母親は少女に逃げさせようとしたが、少女は言うことを聞かず、母親の近くに座っていた。裕太は背負っていたバックを捨て、母親と少女の方に向かった。

「大丈夫ですか!?」

裕太は母親に尋ねた。母親は弱々しい声で言った。

「良かった、この子を連れて逃げてください。私の事は、気にしないで」

「何を言うんですか!? 早く貴女も!」

「私は、この子が幸せなら、私は嬉しいです」

母親はニコッと笑うが、目から涙が流れていた。しかし裕太は見過ごせず、母親をおぶり、少女に言った。

「俺に付いてきて!」

裕太と少女は走り、怪獣から離れた。

怪獣が歩く先には学校が見えていた。体育館の中では、女子バレー部が練習をしていた。彼女らはまだ今の騒ぎに気づいていないようだった。怪獣は学校の少し離れた場所で止まり、体育館に狙いを定めた。怪獣は口を大きく開け、火球を発射した。火球は体育館に命中し、跡形も無く消滅した。

裕太は怪獣から逃げ切ったと確認すると、一回少女の母親を降ろし、周りを確認した。安全だとわかった裕太は、携帯を取り出し、119と連絡した。しかし連絡が出来なかった。どうやら怪獣の出現により、電話交通も混んでいた。何回も電話をする裕太をみた母親は尋ねた。

「なんで、助けてくれたんですか?」

裕太は連絡を止め、真剣な声で返した。

「だって、命は1つしかないです。死んだら生き返れない。だから、残りの時間を楽しまなければいけないんですよ。そんな時間を少なくするのは、1番の愚行なんです」

裕太はまた何回も電話したが、電話は掛らないままだった。何十回も連絡すると、

「はいら医療センターです」

ようやく繋がった。裕太はよかっと心で思い、現状を話した。

救急車が来るのは約5分。裕太はそれまで何が出来るかと考え、近くに落ちていた木の棒と、持っていたタオルを使い、母親の折れた足を固定した。

裕太は安心して深呼吸した。しかし、裕太は気を抜いてしまった。

突如、ガンッ! と大きな音が鳴り、上を見ると、ビルの半分が崩れて来た。裕太は咄嗟に、親子を突き飛ばしたが、裕太は間に合わず、ビルの下敷きになってしまった。

母親は何が起きたか知らなかった。横には娘がいたが、あの少年がいなかった。母親は周りを見渡した。そして、ビルの残骸を見た。その瓦礫の下から血が流れてきた。母親は気付いた。この血はあの少年の血だと。

後ろからサイレンが鳴り、救急車が着いた。車から人が降り、母親の状態を確認した。

「大丈夫ですか!? 早くこちらへ!」

救急隊は親子を救急車に乗せようとしたが、母親は焦った声を出した。

「あのビルの中に、人がいるんです! 助けてください!」

母親は必死に頼んだが、救急隊はそれどころではなかった。怪獣はいつ来るのかわからない。今少年を救出すれば、怪獣が近づき、こちらも殺される。救急隊は母親を担ぎ、娘と一緒に、救急車に乗った。

母親は必死に訴えたが、救急隊は聞かず、その場を去ってしまった。裕太は、瓦礫の中に埋まり、心臓の鼓動は、遅くなっていった。

 

3

ここはどこだ? と裕太はまわりを見渡した。そこは暗闇だった。裕太は底なしの穴に落ちて行くかのように、落下していた。何も無く、裕太は「死んだのかな?」と呟きながら、落ちて行った。だが、落ちて行く中、誰かが裕太を呼んでいた。

「裕太……! 裕太……!」

裕太は幻聴と思いながらも、その声の主に聞かせるために、大きな声で叫んだ。

「誰!? 誰なの!? 俺を呼んでるのは!?」

聞いたことのない声だった。内海でも立花でも、アカネでもない。しかし声の主は、その裕太の声に反応し、言葉を変えた。

「裕太、君はこのままでいいのか?」

裕太は質問に対し、疑問に思った。このままでいいのか、その言葉の意味がわからなかった。すると声の主は、また言葉を変えた。

「さっきの出来事を思い出せ!」

思い出せ、裕太はさっきの出来事を思い出した。暴れる怪獣、破壊されていく街、次々と犠牲になっていく市民。すると裕太は、ハッ! と目を広げた。

「思い出したか? このままでいいのか!?」

裕太は即答した。

「よくない! あの怪獣のせいで、無差別に死ぬ人がいるなんて、そんなの許せない!!」

「そうだ! ならどうする!?」

裕太は手を伸ばし、叫んだ。

「怪獣を倒す! 俺に力をくれ!!!」

手を伸ばした暗闇は、眩い光になり、裕太の手を誰かが握った。そして、やがて辺りを包んで暗闇は、光に包まれた。

 

4

街の真ん中で休む怪獣。街は建物など微塵もない状態になり、人も避難して行った。内海は怪獣を見て、「こんな時、ウルトラマンが居れば……」と思ったが、そんなのは現れない。ウルトラマンは架空の存在、この世には居ない。すると怪獣は動き出し、また街の中を歩いた。内海はまずいっ! と思い、逃げたが、運悪くコケてしまった。内海は首を後ろに振り向き、怪獣を見た。怪獣は徐々に近づき、内海は「ここまでか……」と死を確信した。怪獣が火球を放とうとした瞬間、突如空に眩い光が現れた。光が消えた瞬間、怪獣は吹き飛んだ。内海は閉じた目を開いた。そこには、怪獣と同じ高さを持った巨人がいた。機械のような体、赤と白の色、そして頭には鶏冠があった。内海はその巨人を見て、初めて思ったのは、新しい敵、世界が終わるではなかった。彼が思ったのは、小さい頃憧れたヒーローだった。

「ウル……トラマン……」

巨人は構え、怪獣に立ち向かった。巨人は怪獣の顎を蹴り飛ばし、身体に向かって回し蹴りを繰り出した。怪獣はまた吹き飛び、巨人は着地した。怪獣は怯んだが、隙を与えずに火球を放ち、巨人は火球を喰らい、倒れた。巨人は立ち上がれず、怪獣を見た。

「やはりまだ力が出ない。まだ裕太と融合されてないのか……」

巨人は先程、瓦礫に潰れた裕太と融合して、共に怪獣と戦っていた。 しかしまだ融合は完璧ではなく、裕太も焦っていた。

「な、何が起こってるの!?」

裕太は自分と同じ高さの怪獣を見て驚き、また今の見ている光景にも驚いた。怪獣によって破壊された街、そこにいる怪獣。裕太は理解す るのに苦労している。

「裕太! それは後にしてくれ! 今はこっちに集中しろ!」

巨人は裕太に喝を入れ、怪獣に体当たりした。後ろに引いた怪獣に隙を与えず、顔面に右ストレートを繰り出した。しかし怪獣はパンチを繰り出す前に火球を放ち、巨人を吹き飛ばした。

飛ばされた巨人はビルに当たり、背中にダメージを受けた。怯んだ巨人は、ビルから立ち上がろうとするが、その隙をつくように、怪獣は巨人に体当たりをした

なんとか怪獣を受け止めきれたが、怪獣の力は予想よりも強く、押し返すことが出来なかった。腕に力が入らず、ビルの中にめり込んでしまう。さらには、額のランプが点滅した。額のランプはウルトラマンで言うカラータイマーの様なもので、巨人が戦える時間を伝える物だった。

「ここまでか……」

と裕太は諦めそうに言うが、声が聞こえてきた

「負けんじゃねーよ!」

声の主は内海だった。巨人は内海を見ると、内海は腕を押さえながらも、大声で言った。

「負けんじゃねーよ! あんた、ウルトラマンみたいなもんだろ? だったら負けんなよ! 俺たちの町を守ってくれよ!」

内海は頼んだ。涙を堪えながらも、彼は自分の住む町を守って欲しかった。しかし、彼自身には出来ない。彼にはそんな力はなかった。だからこそ、現れた巨人に祈った。裕太は内海の声を聞いて、声を張った。

「だよな……。こんな奴のせいで、俺たちの町を壊されるなんて、そんなのお断りだよな!!」

裕太の感情は巨人とリンクして、今まで入らなかった力が上がり、怪獣を押し出した。怪獣の首を掴み、天高く持ち上げ、怪獣を投げ飛ばした。怪獣は吹き飛び、背中を強打した。怪獣が立ち上がろうとした瞬間、巨人は怪獣の首に向かい、飛び蹴りした。怪獣は怯み、巨人はその隙をついた。腕を十字に組み、力を溜め、左の二の腕を怪獣に向けて、溜めた力を解き放った。

「グリッドビーム!!」

光線は怪獣に直撃、怪獣は断末魔をあげ爆発した。

その様子を見た内海は喜び、痛めた腕を忘れるかの様に飛び跳ねた。内海はもう一度巨人を見ると、巨人は膝をつき、体を光らせ、消滅した。内海は、巨人が消滅した場所に向かった。

内海が見た光景は、崩落したビルの瓦礫の上に友人の響裕太が倒れていた。内海は裕太に近づき、体を揺さぶった。幸いにも意識があり、ホッとした内海はすぐに病院に電話した。

裕太は内海が気づかない小さな声で呟いた。

「……グリッドマン」

その2人の光景を、ひとりの男が見ていた。

 

5

暗い部屋の中、1人の人間がモニターを見ていた。映っていたのは、先程の戦いだった。巨人は怪獣に光線を放ち、怪獣に勝ったのを見ていた。それが悔しかったのだろうか、下唇を噛み、持っていたカッターナイフを突き立てた。

モニターは切り替わり、今度はマスクを被った様な顔を持つ男が映った。

「いやー、まさか君のショーに邪魔者が入るなんて、ビックリしたねー」

男は笑っているかの様に話し、部屋にいる者は、カッターを放し、男と話した。

「でもいいさ。どんな物語にも、人の楽しみを邪魔する者はいるからね」

「でも、この巨人は君の恋を邪魔するかも知れないよ?」

「大丈夫さアレクシス、そんなことをする奴はどんな手を使ってでも排除するから♪」

「素晴らしいね!やはり君を選んでおいて正解だったよ」

「ウンウン、じゃ、もう寝る時間だから、おやすみー」

モニターの男は、彼女に「おやすみ」と返し、モニターは消え、女は寝室に向かった。

部屋の光景は響裕太の写真がタンスの上に飾ってあった。女はその写真に興奮して、「響君に見られている」と感じ、ベッドに寝転がった。

「響君、もう少しで私の物になるからね、楽しみにしててね♪」

女は興奮しながらも、眠った。明日また裕太に会うことを楽しみに。

 

To Be Continued

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