幻想郷物語Remake   作:Koki6425

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幻想入り

どこだろうか・・・ここは。周りに何もない、ただの森。俺はなぜここにいるのかわからないままあたりをさまよう。俺の名前は速水(仮)航生だ。高校生になったばかりのどこぞの一年生だと思ってくれればそれでいい。そんなことはさておき俺は見知らぬ森で目を覚ました。かといって俺は寝ていたわけではない。普通に歩いていたのである。それなのに途端に景観が変わるという超常現象が発生した。いきなりすぎて頭が混乱している。なんとか状況を理解しようと必死に頭を回転させる。・・・が・・・何一つ理解できない。こんな不可解な現象は初めてだ。

「仕方ない・・・このあたりを散策してみるか・・・」

俺はその場を離れ、ここがどこなのか確認しようとした。

しばらく歩いた俺は妙なものを見つけた。遺跡なのか何なのかわからないが神社の参道らしきところの道を入った森の中にある不自然な人工物。誰が作ったのか定かではないがまだ新しいし、それについさっきまで使っていた形跡がある。中でほんのりと人の温かみのようなものを感じるのだ。

「人の所有物に勝手に侵入する不届き者はどこの誰かしら?」

「え!?あ、ごめんなさい!」

誰か来たようだ。この建物の所有者らしく、何かした後戻ってきたようだ。俺はその人に事情を説明しようと振り向いた。しかしそこにたっていたのは見覚えのある人だったのである。見覚えのある・・・というか知っている人だ。

「あなた・・・人間?」

「なんだ?俺が人間じゃないと?」

「そんなつもりはないわ。ただ気になっただけ」

今この人は『人間』といったのだ。つまり人間以外の生き物がいるということになる。それは野生の動物というような話ではなく、人間と似たような姿を持つ生き物のことをいうのだが・・・人間とそっくりの姿をしている生き物といって最初に思いつくのは日本の伝承で有名な『妖怪』が思いついた。でもそれは想像上の生物で実在しないのだがこの人にはその常識があるらしい。なんというか・・・異世界に飛ばされた気分だ。

「このあたりじゃ見ない顔ね・・・どこから来たの?」

「ええっと・・・目が覚めたらなんかここにいたんだよ」

「・・・つまりなんでここにいるのかわからないと」

「うん・・そう」

「それじゃあしばらくは私がなんとかするわ」

そう彼女はいってくれた。何もわからないので正直とてもありがたい。しばらくはこの人の手伝いをするとしよう。

「そういえば名前を聞いてなかったわね・・・名前教えてくれるかしら?」

「ああ、俺は航生って呼んでくれ」

「わかったわ。私は博麗霊夢、巫女をしているわ。しっかしまあ・・・うちの神社に来る変わり者もいるのね。ほとんど参拝客来ないのに」

「いける立地じゃないし、それにいける状況じゃないんだろ」

「そうね。あなたみたいにまず違う世に住んでいる人はなおさら無理ね」

霊夢にはすでに俺が幻想強の人間じゃないとばれていたようだ。さすが才能だけで異変を解決してきたというだけある。洞察力もすごい女だ。霊夢は「続きは博麗神社で」というのでついて行くことにした。とべばいいのではないかと思ったりもした。しかしそれを考えているのが読めていたのかというようなタイミングで彼女は自分は今飛べないということを教えてくれた。歩いている途中で聞いた話によると現在幻想郷は異変の解決途中らしい。それでも勘でなんとかできそうなものだが彼女曰く「飛べないからどうしても時間がかかる」らしい。そんな話を聞きながら俺たちは博麗神社に向かう。ただその途中違和感を感じた。何というのだろうか。誰かに見られているというか・・・そんな感じの気配を感じたのだ。しかしこの近くには誰もいないはずなのになぜだろうか。

(気にしてても仕方ないか・・・)

俺はそのまま黙って霊夢について行った。しかし頭から離れない。なんで視線を感じたのか考えていたが理由は一つしか思いつかなかった。今幻想郷では異変が起きている。本来ならいるはずのない人間がいるのだ。ある程度感知されても仕方がないというもの。おそらく異変の首謀者から監視されているのかもしれない。不確定要素は排除した方が後が楽だからだ。でもそれならなぜ今すぐにでも仕掛けてこないのか気になって仕方がない。それに本当に異変が理由で霊夢たちは能力が使えなくなったのかも怪しい。まあ俺もここに来てしまった以上関係者だ。それに外の世界にいても刺激を感じておらずつまらなかったので先ほど聞かれたがもちろん協力するといった。俺が能力でもあればいいのだが外の世界の一般人にそんなものは存在しない。正直雀の涙以下だが、少しでも力になりたいと思う。こんなこと本当はあり得ない事態だがそれだからこそ楽しみがある。ただ解決に協力するにあたり、どうしても必要なものがある。それは拠点だ。確かに武器は必要だが変える場所がないというのはとても寂しいものだ。外の世界に戻っても別に構わないのだが・・・そもそも帰れるのかどうか怪しい。というか何で俺はここにいるのだろうか。

「何で自分がここにいるのか・・・って顔してるわね」

「よくわかっていらっしゃる」

「確かに混乱するわよね。いきなりいたら・・・といっても突然現れたとしかいえないのが事実なのよね」

どうやら彼女でも説明できないらしい。異変でないときは紫とかが理由なのだがそれ以外は異変が起きているときか、もしくは神社に。外の世界の博麗神社に訪れたか、という理由しかないらしい。そして居間は異変が起きている最中。博麗大結界が崩壊しているからというのが理由の一つ。完全に崩壊しているわけではなくもう少しで博麗大結界を一から作り直す必要がある状態になるということだ。それで俺に助けを求めたのだろうか?だが、先ほどと同じく俺に何かできるのだろうか。俺は普通の高校生。霊夢のように霊力という不思議な力を扱い、空を飛ぶなんてこともできない。今は彼女らもできないが異変が起きる前はできていたので別の話。

「最後に確認するわ。これから先は命を落とすかもしれない危険なことをするの。もちろん死ねば戻ってはこれないし、解決のチャンスは一度しかないと思って挑まないといけないわ。今ならまだ元の世界に戻ることは多分できる。どうする?」

『死』という言葉に体が反応する。死ぬということはどういうことなのか理解できていない。俺は中学の頃は作文で「死んでもいい」などと馬鹿げたことを書いて先生にこっぴどく叱られたものだ。しかし、もちろんそれは冗談半分で書いていてそこまで気にとめていることではなかった。しかしその『死』が今目の前に姿を現そうとしている。本当にここから先に行って後悔しないのか。死ぬ間際になって何か思い残さないか。それがとても不安だった。でもここにいる以上当事者であるし、もしかしたら外の世界まで危険が及ぶかもしれない。仲のいい友達がたくさんいるのだからそんな世界を破壊させるわけにはいかない。格好つけている訳ではない。

「いいよ。手を貸そう。俺にできることは雀の涙だろうけどな」

「そう言ってくれてうれしかったわ。ありがとう」

このとき俺は『死』というものを肌で感じたような気がした。そして俺は決めたことはやる人間だと思っている。霊夢のためにも俺ができることは何だってやろう。たとえその行動で自分の身を滅ぼすことになってしまったとしても・・・。

「それで?あなたは能力とか持っているの?」

「普通の一般人がそんな特殊能力を持っているわけないだろ・・・いや、一人いる。俺の知り合いに超人離れした能力を持つ奴が」

「その話は後にしましょう。なんといってもこれから博麗神社に入るわけだから。ちゃんとお賽銭入れてってもらうわよ」

「そんなこといってるから参拝客が来ないんじゃねえの?」

「うるさいわね」

そうこうくだらない話をしているうちに神社にたどり着いた。しかし、神社は想像していたのより荒れ果てていた。血にまみれた柱と屋根、庭。血みどろの戦場なんてよく言う奴もいるがまさにその通りなんじゃないか、と思わざるを得ない状態だった。裏口に向かって続く血痕。それをたどって裏口にいくとそこには普通の魔法使い。霧雨魔理沙がいたのである。誰かと格闘戦でも繰り広げたのか殴られた痕が残っていた。魔理沙をたこ殴りにした犯人はどこかに行ってしまっていた。幻想入りしてそうそうそんな状況を目にしてしまい吐きそうになる。そういったグロい系の耐性は俺はもっていないのでやばかった。後もう少しひどかったらおそらく自主規制がかかるところだった。本当ならここでそいつをぶっ飛ばしてやりたい。探しに行こうと思ったがその必要はなかったようだ。いないのではなく、どうやら魔法のような術で見えなかったのだ。どうすればいいのだろうか。全く戦いの経験はない。この後どうすればいいのか全くわからない。倒さなければいけないのだろうが、武器も何もない状態でどう戦えばいいのだろうか。もしここにいるのが俺だけなら逃げることもできたが霊夢がいる状態のため逃げるという選択肢はない。そうなると残された選択肢は『戦って目の前の敵を倒す』だけだ。かといって俺にできる攻撃とすれば殴ることだ。霊夢が魔理沙を担いで離れようとする。俺は少しでも時間を稼げるよう俺は敵に向かって殴りかかるのだが当たらない。そりゃあ当たり前だ。相手は『人間じゃない』のだ。普通の人間の常識は通用する訳はなかろう。だがしかし、敵側が攻撃を仕掛けてきた瞬間俺の中で何かが燃えさかるような感覚に見舞われた。胸のあたりを押さえ、地面に膝をつく。鼓動が少しずつ荒くなっていくのがわかった。そしてしばらくしてその感覚は止まった。攻撃が先ほどまで当たらなかったのに普通に当たるようになり、それどころか普通に殴ったときより倍以上の威力が出ていることにも気がついた。そして落ちていた剣を拾い斬りかかる。もちろんそんな太刀筋の見えている攻撃は読まれる。だが、それはすでに予想済み霊夢だって戦えるのだ。後ろからの奇襲でなんとか倒すことに成功したのである。

 

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