幻想郷物語Remake   作:Koki6425

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制圧完了

「抑えられたな…」

撃戦と言えるほどではないもののなんとか倒すことに成功した。両者ともに体力の限界であり、敵の方はよけられなくなった俺の攻撃を受け消し飛んだ。消し飛ぶレベルの威力まで魔法をいじったのでこちらも体が保たない。笑って言えることではないが、明日は筋肉痛で休んでいるのだろうな。

全身の痛みに耐えながら霊夢の元へと向かう。50m近く離れていてもわかる彼女の状態。そこまで医学に詳しいわけではないけどなんとなくでわかる。

とにかく考えていても埒があかない。すぐに霊夢をどこかの病院に連れて行かないといけない。手遅れになる前に早く…。

「この近くに…病院は?」

「ここから2~3kmくらい離れたところにある」

急いで救急車を呼ぶ。俺からすれば飛んでいった方が早いのだがそれだと治療室にいれてもらえない可能性がある。多少危険でもなんとかなる可能性の高い方に動くしかない。救急車が来るまでの間、俺は霊夢と色々話した。何があったのかの状況報告を主として、周りの状況をその他諸々すべて聞いた。明らかに今現在の状況を考えろといわれそうだけどすぐになんとかできるように対策を考えておかないと次も同じ事が起きるかも知れない。

「ちょっと…もう少しくらい心配してくれても良いんじゃないの?」

「いや、だって心配せずともお前しぶといだろ?全くしてないわけじゃないけど何事もなく戻ってくると信じてるからな」

「…馬鹿じゃないの…」

 

 

 

数分して救急車が到着し、俺たちを乗せて病院へと運んだ。霊夢はすぐに治療室へと移された。俺は霊夢の手術が終わるまで治療室の前にある椅子に座っていた。途中で先生が来て、俺は状況説明。だがもちろんそれも嘘の内容だった。殴られたと言えば先生達は傷害で警察に訴えて、犯人を捜すよう言うだろう。だがその犯人はすでに俺が殺しているのでもういない。いずればれるのかも知れないけどそれでも今はがれきで押しつぶされたと嘘を言った。

先生達と手術が終わるまでの間椅子に座り待機していると手術中のランプが消えた。そして中から霊夢と医者の人たちが出てきた。

そして俺は医者から話を聞いた。医者の口からは「逆によくこの状態でいきられたのかが不思議」という。確かにあれだけの打撃を受けたら普通の人間ではすぐに死んでしまう。もちろん霊夢も能力が使えない今ではそこらの人間と何ら変わりない。だから別の何かの要因がないとこうはならないのだという。

先生は医者との手続きを済ませるために医者に同行。俺は霊夢のいる病室へと着いていった。部屋の中ではすでに霊夢が横になっていた。彼女の世話をしようとしていた看護師さん曰く、腕と足は骨折して動かせない状態。殴られたことで内臓はズタボロ。頭を強く打ち付けたせいか意識不明。目を覚ますには時間がかかるそうだ。

看護師の人が出て行くときに一礼して俺は霊夢の隣に座った。すごくすがすがしい寝顔だった。

「のんきに寝やがって…やっぱり心配して損した」

霊夢の手にも力は入っていない。どこかの同人誌で、寝ているヒロインを見てたら目が合ったなんてシーンがあったような気がする。まあそんなこと起きるわけはないのだが、ちょっと憧れるというのもある。

__________

「あれ?まだ意識がある」

相当な回数殴られ蹴られ吹き飛ばされ、もう何をしていたのかさえ覚えていなかった先ほどとは打って変わって今では何が起きたのかすべて覚えている。だが一つ違ったのは目覚めた場所が何もないだだっ広い真っ白な空間だった。病室なのかなとは思ったけどそんな病室聞いたことはないし、真っ白な部屋に人を閉じ込めると狂うと永琳から聞いたことがある。頬をつねってみるとあまり痛みを感じない。どうやら夢のようだ。

『大丈夫かい?』

「え?」

真っ白な虚空から飛ばされる声。私はその声がはっきりと聞こえていた。ただここは夢の中、私以外誰もいるはずがないのに何で声がするのか。それが不思議だった。何度も周りを見渡したがやはり誰もいない。仕方なくその声に応えるため、私も虚空に向かって声を飛ばした。

「誰?」

『さあ、誰だろうね?それは君ならわかると思うな』

意味不明な発言をしてきた。私ならわかると言っているがわかるわけがない。顔も見えていないし、声に聞き覚えがない。それに加えてここは夢の中。だからその声の主は私が頭の中で考えた空想上の人物と言うことになる。

1度はそう思った私だったがその考えはすぐに吹き飛んだ。私は今まで何度もこういった人物に会っている。普通ではあり得ないような事を起こしたり、その起こったことに巻き込まれたりしてきた経験から言えることだが、彼だか彼女だか知らないがそいつはちゃんと意思を持っている私達と同じ存在と言うことだ。

(もうどうしてこう私の周りにはおかしい奴が集まるのかしら…)

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

霊夢がこの病院に搬送されてから今日で10日目。俺たちの行っていた学校はその事件と地震のせいでしばらく休業。長期休みに入った。理由としてはうちの学校が避難所になったためだ。そしてビル倒壊ニよる行方不明者捜索に自衛隊が派遣されてきてビルの撤去に当たった。がれきの中から数人見つかったらしいのだがその中で生きていた人は誰もいなかった。全員押しつぶされたせいで即死だったそうだ。

当然倒壊時俺もそこにいた。もちろん先生に話を聞かれたが知らないと言って突き通した。でもまあ、それが俺にできる最善の情報操作だったと思う。

ちなみにだが倒壊したビルを建てた建設会社は責任を問われていた。耐震工事がなっていなかったんじゃないかと。だがもちろん建築の基準は満たしているのでそんなことはあり得ないと主張していた。結果的にその会社には何も被害はなかった。

そして今日、俺はまた霊夢の見舞いに来ている…とは言っても俺は毎日ここにいるから見舞いに来ているという言い方はおかしいのかも知れない。まだ霊夢は目を覚ましていない。この10日間毎日花の水を替えてはその水を捨てたりしていた。霊夢の顔はとても安らかに眠っている顔で、1度だけ起きないんじゃないかと思ってしまったこともある。だけどそれは不謹慎というものだ。今はそうは思わないようにしているがやはり心配だ。

「早く起きろよ」

「起きてるわよ…」

「…は?」

無意識に乗せていた俺の手に圧力を感じた。その正体を確認するため俺は彼女の手を見た。

霊夢は目を開けていた。だが寝起きであるのに加えて体の疲労がまだ抜けていないらしく疲れが見て取れる。俺の手を握る霊夢の手も弱かった。弱かったけど、その手には温かさを感じた。

「霊夢…どうして…」

「どうしてって言うのはひどいわね…なんか変な夢見たわ」

「のんきに夢なんか見やがって…」

霊夢は顔色一つ変えずに俺の方を見てくる。そんな霊夢を俺は抱きしめた。何故かはわからない。だけど霊夢を抱きしめたのには俺の無意識下で何か理由があったのかもしれない。俺はその霊夢に向かって言った。

「お帰り」

「ただいま」

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たぞ」

霊夢が起きてから三日経過した。同じクラスの奴にも言ったら何人も見舞いに来た。特に男子勢が大丈夫かとか言うのは当たり前として、「霊夢を傷つけた奴一発ぶん殴る」とか言ってた。絶対無理だなと俺は内心笑っていた。まあ一応、そいつは倒したからいいだろう。そんな中でも霊夢は普通を振る舞った。いつもと同じように振る舞っていた。

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