ウルトラ怪獣擬人化計画 男だけど、怪獣娘やっています!? 作:断空我
全部で十五話予定。
主人公の設定は次回くらいに掲載します。
個人的に大好きなウルトラ怪獣を選びました。
ギャラクトロンにするか悩みましたが、彼にしました。
夢を見ていた。
俺は宇宙剣豪になっており、愛刀を手に様々な相手と戦っていた。
ガルタン大王と呼ばれる存在、テロリスト星人、腕を刃にしているツルク星人。
様々な相手と戦い勝利してきた。
求めるのは強き相手。
挑むのは最強の猛者たち。
手にしているのは最強の相棒である刀。
そんな自分へ名を上げようと様々な相手が挑んでくる。
いつの間にか、自分は宇宙最強の剣豪という称号を手にしていた。
名を上げようと卑怯な手段を用いる者もいれば、真っ向から挑む者もいた。
中には自分が刀を使うのに対して銃や暗器を用いるものなど様々。
そんな彼ら相手に負けることはなかった。
いつからか強い相手を求めて、俺はある星へ足を運ぶ。
彗星に乗って強い相手、そう、宇宙の平和を守っているとされる――。
「夢……で、朝か」
目元を覆っている髪の毛を払いのける。
周りを確認してから自分がどこにいるか再認識した。
日本へ向かっている輸送船。
そこの一室。
最低限の就寝具と家具しか置かれていない。
「久しぶりの日本か」
揺れる船の中で静かに息を吐く。
起き上がろうとした時に置かれている端末が地面へ落ちそうになるのをキャッチする。
スイッチを押して時間を確認しようとするが反応しない。
「またか」
何度かスイッチを押してようやく画面が表示して時間がわかるようになった。
懐へ仕舞い、壁に掛けられている刀袋を手に取った。
両手で感じる重量、そして安心感のようなもの。
「風祭君、日本についたよ」
ノックの後に優しそうな笑みを浮かべた船長が顔を出す。
アメリカの騒動の際に知り合い、日本へ向かうということで乗船許可をもらった。
船内ではお客という扱いだったが、力仕事などを率先して引き受けていたことで、いつの間にか船員や船長と仲良くなってしまっていた。
「ありがとうございます」
ぺこりと会釈して外に出る。
船は長い旅の終着駅といえる日本へたどり着いていた。
俺は刀袋を提げて久しぶりに日本の大地を踏みしめる。
サングラスをかけなおして俺は町をぶらぶらと歩くことにした。
目的地はあるのだが、久しぶりの日本なので色々とみてみたかった。
港を出て、町へ踏み出した時。
爆発が起こる。
「……うわぁぉ」
爆風で一瞬、光と熱風が顔を撫でる。
驚いている目の前で黒くうねうねしている怪物がいた。
「シャドウか」
いつからか、どういう存在なのか。そのすべてが謎になっている存在。
ただ一つわかっているのは人類の敵であるということ。
シャドウの出現に作業をしていた者達は慌てて逃げていく。
「やれやれ……」
シャドウ相手に人類は対抗する術をもっていない。普通の人にできるのはとにかく、逃げる。
逃げて、シャドウが立ち去るのを待つしかないのだ。
俺はため息を零しながら荷物を投げ捨てて、刀袋から鞘に納められている一振りの刀を握り締める。
シャドウに対して、唯一ともいうべき対抗策が存在していた。
それは過去に人類と敵対していた存在の力。
懐から黒い端末、調子の悪いソウルライザーを起動する。
「ソウルライド…………ザムシャー!」
叫びと共にソウルライザーを起動して、俺の体は甲冑や鎧のような獣殻(シェル)に体が覆われる。
最後に片目へ眼帯がつけられて、俺は怪獣……娘へその姿を変えた。
怪獣娘、それは遠い過去に人類と敵対していた怪獣と呼ばれる存在の魂、カイジューソウルを宿した少女達の総称。
カイジューソウルを宿し、力を使えるものがシャドウと戦うことができる。
これ、なんとかならねえぇなか?
名乗る時に困ると思いながら愛刀の星斬丸を構える。
「星斬丸の錆にしてやろう」
”GIRLS”という組織がある。
怪獣娘を保護、人間社会との共存を支援するための機関、国際怪獣救助支援組織であるGIRLS。
まだまだ謎の多い怪獣娘たちの調査・研究。力の使い方の訓練、未知なる脅威への対策を行っている。
そのGIRLSに属した新入りのアギラ、ミクラス、ウィンダムの三人はシャドウが現れたという通報を受けて現場へかけつけていた。
「あれ?」
現場に到着したアギラは戸惑った声を漏らす。
「シャドウがいない!?」
「どういうことなのでしょう?」
首を傾げながら三人は周りを探すことにした。
直後、彼女達の背後から大きな音がする。
「うひゃ!?」
驚いた声を上げて倒れるミクラス。
少し遅れて、彼女達から少し離れた場所に巨大シャドウが落下してきた。
ブヨブヨの体を揺らしながら起き上がるシャドウ。
瞳のようなものが三人を捉える。
「ミクちゃん、ウィンちゃん!」
「大きいけれど、やろう!」
「行きましょう!」
アギラ、ウィンダム、ミクラスが身構えた時、シャドウの体に光が走った。
直後、シャドウの体が四散する。
「え?何が起こったの……?」
戸惑うアギラ達。
目の前で土煙が広がる中でゆっくりと一人の存在が現れる。
「あれは……」
「刀でしょうか?」
「シャドウを一刀両断だったよ!?」
驚く三人達の前で光に包まれて現れたのは。
「キッコ〇?」
「いや、モ〇ゾーじゃない?」
「凄い長さの髪や髭ですね」
三人の前に立っていたのは黒いスーツをきている男……だろう。
長い髪の毛と髭に隠れていて表情は見えない。
しかし、髪の隙間から覗く鋭い瞳にアギラとウィンダムはどうすればいいか悩んでいた。
「おーい!そこの人!何者~!」
「「(迷わずに聞いたぁ!?)」」
言葉を失っている二人の横でマイペースにミクラスが男へ問いかける。
「ん?」
問われた男は髪の毛を退かしてミクラスを覗き込む。
「お前、怪獣娘か?」
「そうだよ!貴方も?てか、男だからそんなことはないかぁ~」
「いや、一応、その怪獣娘なんだよ」
「え!?男なのに!?」
「信じられないことだが、ほれ」
「あ、ソウルライザーだ」
ミクラスに男はソウルライザーをみせる。
「悪いんだが、GIRLSまで案内してくれないか?久しぶりの日本で土地勘が薄れているんだ」
「いいよ~!」
「「(あっさりとオーケーした~!)」」
嬉しそうに挙手するミクラスに男は微笑む。
「悪いな。自己紹介がまだだったな。俺はザムシャーだ」
遠い昔、
怪獣と呼ばれる存在が街を破壊し人と戦うといった時代があった。
その時代からかなりの月日が流れ、人々の中から怪獣の存在は忘れ去られる。
しかし、ある日、人々の中から怪獣の魂“カイジューソウル”を宿した者達が現れた。
やがて、怪獣娘と呼ばれる存在が次々と姿を見せる。
これは怪獣娘と唯一の男であり後に“怪獣剣豪”としてその名前を広める男の物語になるはずである。