ウルトラ怪獣擬人化計画 男だけど、怪獣娘やっています!?   作:断空我

10 / 16
超獣シスターズ編は今回にて、終了。




第九話 最強剣豪VS最恐超人

「そ、そんな」

 

 どさりと音を立てて崩れ落ちるバキシム。

 

 俺は星斬丸を鞘へ納める。

 

 カチンという音が響く。

 

「な、なぜ、私の居場所がわかったのですか?」

 

 自分が攻撃を受けたことが信じられない様子のバキシム。

 

 俺を見上げてくる相手に一言。

 

「直感」

 

「そんな……バカ、な」

 

 意識を失うバキシム。

 

 致命傷を与えていないから死ぬことはない。

 

「さて、行くか」

 

 倒れているバキシムについては簡易的に拘束しておいて、後から来る連中に任せるとしよう。

 

 地面を蹴り、目の前の壁を切り裂く。

 

 ドアを開けている暇も惜しい。

 

 もわっと土煙が舞う中、俺の瞳は闇の向こうを見据える。

 

「やぁっと来たね!」

 

 闇の中から笑顔で姿を見せたのは獣殻を纏った怪獣娘、

 

 額に角、首元に緑色に輝く結晶のようなペンダントが付いている。

 

 手には武器というべきなのだろうか?独特なデザインの刃を握り締めていた。

 

 ニコニコと笑顔を浮かべている相手に俺は問いかける。

 

「お前は誰だ?」

 

「僕はエースキラー!最恐の超獣だよ!」

 

「俺はザムシャーだ」

 

「そっか!キミがザムシャーなんだ!うんうん、わかるよ!キミからとても強い力を感じる。あぁ、楽しみだな!キミを壊せるなんて!」

 

 姉がやられたのかどうか聞かず、俺がザムシャーであると知ると嬉しそうに笑顔を浮かべている。

 

 やはり、普通ではないらしい。

 

「やりあう前に聞きたい。アギラは無事か?」

 

「アギラ?あぁ、お姉ちゃんが連れてきた子のこと?そこにいるよ?」

 

 エースキラーが指さす方をみると柱に拘束されているアギラの姿があった。

 

「ザムシャーさん!」

 

「アギラ、大丈夫か?」

 

「うん、ボクは大丈夫……」

 

 手足に鎖が巻きつけられているが危害を加えられた様子はない。

 

 そのことに俺は安心した。

 

「ね、ね!もういいよね?やりあおうよ!」

 

「あと一つ」

 

「ぶー!僕ははやりたいのにさぁ!」

 

「何で俺を狙う?」

 

「ん~、知らない!いいよね?もうやるよ!」

 

 言うや否やエースキラーは刃を手に襲い掛かる。

 

 速度は俺が対峙してきた相手の中でかなりの速さを持っていた。

 

 星斬丸を抜かずに後ろへ下がる。

 

 振り下ろされた斬撃は地面に巨大なクレーターを作った。

 

「おぉ!凄いね!今の躱すんだ!ほとんどのガラクタはみんな今ので壊れちゃうんだ!」

 

「そうか」

 

 楽しそうに話すエースキラーは武器を構える。

 

「刀、抜かないの?」

 

「どうだろうな」

 

「抜いたほうがいいよ?僕、強いから」

 

「気が向いたらやるさ」

 

 俺の言い方にムッとした表情のエースキラーは額の角を前に伸ばす。

 

「じゃあ、少し驚かせてあげる」

 

 にやりと笑ったエースキラーから俺は距離をとる。

 

 直感で嫌な予感がした。

 

「超振動波!」

 

 放たれた衝撃波は真っ直ぐに俺を直撃。

 

――ゴモラの技!?

 

 声を上げる暇もないまま、胸部に衝撃が襲い掛かる。

 

 視界が暗転する中、瓦礫が上に覆いかぶさってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レッドキング、ウィンダム、ミクラスはザムシャーからのメールによって気絶しているバキシムを拘束。

 

 倉庫内で戦っている二人の様子を伺おうとした時。

 

「悪いが妹の邪魔はさせんぞ」

 

 ベロクロンが三人へ光弾を放つ。

 

 回避する中、レッドキングが前へ飛び出す。

 

 拳同士がぶつかりあう。

 

「おい!お前の妹っていうのはどんな技もコピーできるんだって?」

 

「おや、プロフェッサーのデータを調べたのか?その通り、我が妹”エースキラー”は怪獣娘の技をコピーできる凄い超獣だ。まさに最恐の超獣といっても過言ではない」

 

「一つ、聞きたかったんだが、お前らはどうしてザムシャーを狙う!」

 

「愛しい人を狙え、プロフェッサーが我々に伝えた最後の指示だからさ、何より、私は愛しい人が欲しい。妹が壊した後でも!」

 

「ざっけんな!てめぇはぶっ飛ばす!」

 

「やってみるといい!」

 

 拳同士のぶつかり合い。

 

 レッドキングVSベロクロンの戦いが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何、今の?」

 

 拘束されているアギラは驚いていた。

 

 ザムシャーが距離をとった途端、エースキラーから衝撃波のようなものが放たれて近くの瓦礫の山の中に消える。

 

「ん~、誰からもらったか忘れたけれど、超振動波っていうんだ!地面を掘るために使う振動を攻撃に転用できるんだ!凄いよね!」

 

 笑顔で話すエースキラー。

 

 瓦礫に埋もれたザムシャーが起き上がる様子はない。

 

 エースキラーは首を傾げた。

 

「あれ~、今のでやられちゃったのかな?つまんないなぁ、強いって聞いていたのにぃ、せっかく、色々と楽しめると思ったのにぃ……どうせだから、キミで試してみようか!」

 

 にこりとほほ笑みながらエースキラーがアギラに顔を近づける。

 

 息をのむアギラに顔を近づけてエースキラーは尋ねた。

 

「そうだ!僕のおもちゃになるか!下僕になるか選ばせてあげる!」

 

「それって、違いがないんじゃ」

 

 相手の呼吸が感じられるほどの距離まで見つめられて、アギラは戸惑う。

 

「ううん!僕のおもちゃになったらサンドバックみたいに手に入れた技の試し相手になるけれど!下僕なら僕の言うことを聞いていれば、生きていられるよ?ほら、違う!」

 

 笑顔で嬉しそうに語るエースキラー。

 

 しかし、話している内容はまともとは思えないものだ。

 

「キミは可愛いからね!特別に選ばせてあげる!どっちになっても可愛がってあげるよ?」

 

 笑顔を浮かべるエースキラー。

 

 純真無垢、しかし、赤子のように無垢であるからこそ、残酷なことを平気でできる。

 

 そのことをアギラは理解してしまう。

 

「ヒッ」

 

 怯えた声を漏らすアギラ。

 

 ソウルライドしようにもソウルライザーは奪われて、体の自由は鎖で奪われてしまっている。

 

 顔を近づけるエースキラー。

 

 ニコニコとアギラの頬へ触れようとした時。

 

 背後の瓦礫が音を立てて吹き飛ぶ。

 

「痛いな、ったく」

 

 土煙の中から無傷のザムシャーが現れる。

 

 獣殻に傷一つない。

 

「うわっ!凄いね!今の平気だったの」

 

「まぁな、何発か過去にくらっているし、角材に頭をぶつけた方がひどい」

 

 後頭部をさすりながらザムシャーはエースキラーの前に立つ。

 

「アギラから離れろ」

 

「えー、気に入ったのに」

 

「仲良くしたいなら別の方法で仲良くしろ」

 

「別の?オモチャと下僕以外にあるの?」

 

 平然と尋ねるエースキラーにザムシャーは呆れたようにため息を零す。

 

「これは、一度、無力化させた方がいいんだろうな」

 

 先ほどまでとザムシャーの表情が変わる。

 

 笑みや優しさ、そういうものが一切なくなった表情。

 

「出来るといいね!レーザー攻撃!」

 

 両手を前にして赤いレーザーが放たれる。

 

 ザムシャーは回避した。

 

「続いて、高熱火炎!」

 

 緑色の結晶から放たれる高熱火炎がザムシャーを焼いた。

 

「よしよしよし!どうだ!」

 

 バキュン!と高熱火炎が切り裂かれた。

 

 星斬丸をザムシャーは抜いている。

 

「今の、シラリーの技だな?」

 

「誰かは覚えていないなぁ、他にもお姉ちゃんたちの技も持っているよ!」

 

 同時に放たれる光弾、ミサイル。

 

 ザムシャーは歩きながら飛来するものを切り裂いていく。

 

「この程度か?」

 

「まだまだ!くらえ!」

 

 エースキラーが雷撃を放つ。

 

 雷撃をザムシャーは星斬丸で受け止める。

 

「悪いが少し痛い目をみてもらうぞ」

 

 星斬丸を鞘へ戻して体勢を落としながら走り出す。

 

「いいよ!いいよ!潰してあげる!火球!」

 

 クリスタルから放たれる火球は一兆度のもの。

 

「それはゼットンの技か!」

 

 放たれる火球をザムシャーは回避しようとする。

 

 しかし、周囲をバリアーで包囲された。

 

 

 

 

 

 

――逃がさない、僕の勝ちだ。

 

 

 

 

 

 

 エースキラーが勝利を確信した時、目の前の火球とバリアーが切り裂かれた。

 

「星斬丸、惑星斬り!」

 

 鞘に戻して瞬時に放たれた一撃はエースキラーの首元と胴体を狙う。

 

 回避することが間に合わずエースキラーは吹き飛んで瓦礫の中に埋もれる。

 

「っつぅ」

 

 ザムシャーは肩を抑えた。

 

「完全に回避は無理だったか」

 

 ゼットンの技までコピーされているのは予想外だった。

 

 一兆度の火球は完全に躱しきれず、肩の獣殻が溶けている。

 

 中の皮膚まで焼けていた。

 

「ザムシャーさん!」

 

「アギラ、すまないな、巻き込んでしまった」

 

 謝罪しながら刃で鎖を斬る。

 

「どこもケガはないか?」

 

「ボクは大丈夫、でも、向こうは……!」

 

「安心しろ、命は取らないさ。それに獣殻に守られていた」

 

「そう、なんだ」

 

 未だ心配そうに瓦礫の方を見ているアギラ。

 

 そんな彼女の姿を見てザムシャーはポンと頭を撫でる。

 

「え、なに?」

 

「お前は優しいな」

 

「むぅ」

 

 頬を膨らませるアギラ。

 

 直後、瓦礫の方が大爆発を起こす。

 

「なに?」

 

「アギラ、ソウルライド、しておけ」

 

「え、でも」

 

「取り返しておいたから」

 

 ザムシャーから受け取ってソウルライザーを起動する。

 

 炎で包まれる瓦礫の中から姿を見せるのはエースキラー。

 

 しかし、先ほどと異なり瞳は赤く、見境問わず破壊を繰り返している。

 

「破壊!ハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイスルハカイスル!」

 

「暴走しているな」

 

 エースキラーはカイジューソウルの暴走で意識がない。

 

 このままでは危険だ。

 

「アギラ、援護してくれるか?」

 

「え、でも」

 

「悪いが、片腕をやられているからとどめをさせない。俺が攻撃を防ぐからお前の自慢の角でエースキラーにとどめをさしてくれ」

 

「は、はい!」

 

「大丈夫だ。お前に傷一つ、つけさせはしない」

 

 ザムシャーの言葉に頷くアギラ。

 

 エースキラーは光弾や光線、ミサイル、火炎などを次々と吐き出していく。

 

 駆け出すザムシャーにも攻撃を繰り出す。

 

 片手で星斬丸を操りながら目の前の攻撃のみを無力化させる。

 

 そんなザムシャーの後ろをアギラは走った。

 

「今だ!俺の背中を踏み台にして飛べ!」

 

 アギラは頷いてザムシャーの背中を蹴って宙へ跳ぶ。

 

 そんな彼女を標的としてエースキラーが攻撃を仕掛けようとする。

 

「こっちだ!」

 

 ザムシャーの声に反応が遅れる。

 

「行け!アギラ!」

 

 アギラの角がエースキラーに直撃。

 

 強力な攻撃を受けたエースキラー。

 

 目を回しながらエースキラーは地面に大の字で倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空港

 

 

「助かったよ、チャールズ、ジーン」

 

「いやぁ、俺達はなーんにも出来なかったよ!」

 

「そんなことないさ、二人が持ってきた情報があったから、超獣対策ができたんだからさ」

 

 空港で俺とピグモンはチャールズとジーンの見送りに来ていた。

 

「あの子達、どうなるんだい?」

 

 ノルバーグの指示で襲撃してきた超獣の怪獣娘はGIRLSが保護した。

 

 エースキラーも目を覚ましてからは暴走をしていない。

 

 星斬丸の一撃で意識を失ったことが暴走の原因だった。

 

「しばらくはGIRLSで事情聴取だな、更生の余地あれば情状酌量もありえるさ」

 

「その時はピグモンたちが面倒みるです!」

 

「ノルバーグの件は念のため、こちらでちゃんと調べるわ。彼女達の名前とかね」

 

「悪いが頼む」

 

「今度はこっちへ遊びに来てね?」

 

「あぁ」

 

「ピグモンも行くです!」

 

 握手を交わして二人は空港のゲートへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、超獣たちによるザムシャー襲撃事件は終わったのである。

 

 

 




ある意味チートな怪獣娘、エースキラーだと思う。

ゼットンも大概だけど、技をコピーできるのは凄いと思う。ちなみに、コミックだと、コピーした技はかなり弱い……。


次回も楽しみにしていてください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。