ウルトラ怪獣擬人化計画 男だけど、怪獣娘やっています!? 作:断空我
お付き合いいただいてありがとうございます。
番外編を投稿する予定なのですが、書きたい話が多くて、出来上がり次第、出す予定です。
「マァァァァイフレェェェェンドォォォォォォォ!」
「うるせぇええええええええ!」
目の前の男を殴り飛ばす。
全力ではないが相手はきりもみ回転して床に倒れる。
「何をするんだ!」
「朝から煩すぎるんだよ!近所迷惑を考えろ!」
殴ってしまったことに後悔はない。
コイツは人とは思えないくらい頑丈な体をしているからな。
「それで、JJ、何の用だ?」
目の前にいるのはスーツを着こなしたチョイ悪い顔をした男。
名前はJJ。
どこかチャライ印象を持っているが刀を手にすればその力は俺に匹敵するかもしれない人物だ。
本人は刀なんて振るえないといつもいっているけれど。
「決まっているだろぉ!大事なイベントがあるんだ!」
「寝る」
話の内容は予想していたが、タイミングが悪い。
俺は布団を頭にかぶる。
「うぉおおおおおい!約束しただろう!布団から出ろ!せめて、夜明のこぉひぃぃぃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
とにかくうるさい。
それが俺の友人であるJJに対してのイメージである。
あれから寝ようとしたのだがJJが煩すぎて、寝ることもできずに早朝から長蛇の列にならぶことになってしまう。
「あぁ、眠い」
「だらしないぞ!マァイフレンド!」
「うるさい、なんでお前はそんなにテンションが高いんだ」
「わかりきっているだろう!おじょうさんに会うためだ!」
「あぁ、はいはい、くそっ、眠気が酷くて頭に入ってこない」
「何かあったのか?」
俺の様子に気付いたのかJJが問いかける。
「別に、寝ようとしたところで長電話がきて……ふぁわぁ」
寝ようとしたところでアギラ、レッドキング、エレキングの順番に電話がきた。
狙っていたのか偶然なのかわからないが、俺は寝ることができなかった。
アギラは別に問題ないのだが、エレキングが厄介だった。寝ようとすれば電話の向こうから絶対零度の声が聞こえてくる。逆らったら最後、俺の命はなかっただろう。
ちなみにレッドキングはデートのお誘いだった。
「JJはともかく、なんで湊兄妹がいるんだ?」
「久しぶりだな、直人」
「アサヒが行きたいっていうんだよ」
「だって!滅多に会えないんですよ!こういう時くらい行くべきじゃないですかぁ!」
俺の前で赤、青、黄の三色の服装をしている三人。
長男の湊カツミ、次男の湊イサミ、長女である末っ子の湊アサヒ。
仲の良い兄妹たちまで来ているなんて有名なイベントなのだろうか?
「はい!直人さん!」
俺が尋ねようとしたところでアサヒが俺に飴玉を差し出してくる。
「ハッピー!」
「あぁ、サンキュー」
頷いてアサヒから飴玉を受け取る。
「ザムシャーさんも楽しみですよね!」
「あぁ、そのことなんだが」
「お、始まったみたいだぞ?」
イサミの言葉に俺は列の先頭をみる。
そして、固まった。
「ん?どうした?」
「悪い、俺は用事を思い出して」
前に桃色の法被を着た集団がいた。
あぁいう集団は苦手である。
条件反射のように逃げの体勢に入った。
「そうはいかないですよぉ、マァイフレンド!」
列から抜け出そうとしたところでJJに腕を掴まれる。
「おい、何すんだ!?」
「抜け出すことはゆるさなぁい、ここで一緒におじょぉうさんを見るんだ!」
ギギギと腕に力を籠められる。
これでは抜け出すことは出来ない。
「さぁ、列に戻りなさぁい」
「わかった、わかったよ」
「これで直人さんも楽しめますね!」
笑顔のアサヒにいわれて俺は頷くしかない。
「ところで、直人!」
「なんだ?」
「今度、父さんと母さんが会いたいって」
「あぁ、うん、時間を作っていくわ」
カツミに言われて俺は頷く。
湊家はセレクトショップを営んでいる。
父親が独特なデザインの服を作り、母親は科学者という少し変わっているが家族愛はとても強い。
そこはとても羨ましいと思う。
温かい家庭というのはあそこなんだろうな。
「なぁ、カツミ」
「うん?」
「今度、家に行くときは妹もつれて行っていいか?」
「え!直人さん!妹がいるんですか?」
「あぁ、アサヒと歳は近いぞ」
「ハッピーな関係になりたいです!」
「多分、仲良くなれるんじゃないかな?少し、不器用なところはあるけれど」
「おいおい、そこは兄譲りかぁ?」
「からかうなよ」
イサミを睨む。
「それよりさぁ」
尋ねようとしたら前の方から急に大きな歓声があがった。
「あ、はじまったみたいですよ!」
きゃー!と手を振るアサヒ。
アイドルを見て興奮する少女みたいなイメージだなぁ。
実際、来ているのはアイドルなんだろうけれどさ。
「ところで、カツミ、これは一体」
「Oh!皆さん!今日は来てくれてアリガトウ!」
壇上からヒラヒラと手を振る美少女。
その姿に俺の思考回路が停止する。
ウソやろ?
目の前の相手に動きが止まる。
「直人?どうした?」
「あ、いや、俺は用事を思い出したので、即座に帰ろうかと」
「無理だって、列が進みだしているし……JJさんが凄い睨んでいる」
イサミの言うとおり、俺が抜け出さないようにJJが凄まじい瞳でみている。
逆らうことができず列は最前になった。
「今日もキレッキレですね!」
JJは彼女の前に立つと笑顔で握手する。
壇上の上に立つ美少女。
茶色よりの長い髪に白い肌、そして澄んだ瞳。
頭部と体を覆っている金属的な獣殻。
怪獣娘、キングジョーが壇上にいる。
JJと話し込んでいるからこちらに気付いていない。
今のうちに抜け出すか。
「ところで今日は僕の友達を連れてきたんです」
なぬ!?
「Oh!それは素敵です!」
ニコニコと、しかし、瞳は一切も笑っていない状態でこちらをみている。
「JJの友達のKNと申しますぅ!」
誤魔化すようにピクピクと笑顔を浮かべながら目の前の怪獣娘さんと握手をする。
怪獣娘、キングジョー。
彼女はファッションモデルとして主に活動している。
大怪獣ファイトというイベントにはでないが様々な広告塔で活動しており、人気の怪獣娘の一人。
「今度、大きなイベントがありますので、絶対に来てくださいネ!」
握手をする。
グググと凄まじい力に冷や汗が流れた。
「はいぃ、か、必ず」
ウソをつけば赦さない。
そんな瞳へ正直に答えた。
「さて、帰るか」
JJに恨み言を十分ほど告げてからわかれる。
湊兄妹たちとは今度、会う約束を交わした。
星斬丸が手元にないから少しばかり違和感があるから早く家へ。
「ダーレダ!」
急に視界が手で塞がれる。
耳元で囁くような声に俺は少し考えて。
「キングジョー」
「Oh!流石です。ザムシャー!」
振り返ると怪獣娘の姿ではなく、私服姿のキングジョー。
ファッションモデルだけあって服のセンスは素晴らしい。
「久しぶりです!会いたかったデスヨ!」
笑顔で抱き着いてくるキングジョー。
バランスを崩さずに彼女を抱き留める。
「危ないだろ……あと、誰が見ているかわからないし」
「大丈夫です!変装はバッチリですから!」
「そういう問題じゃ……あぁ、いいや、それで何をしているんだ?」
「う・め・あ・わ・せ」
笑顔で顔を近づけるキングジョー。
断れば、どうなるかわからない。
何より。
「告白の保留しているんデス!これくらいは当然ですよネ?」
――告白の保留。
これで分かったと思うがキングジョーが俺に告白している最後の一人。
五人目の少女である。
「降参、付き合うよ。デートに」
「流石です!」
「だから、何度も抱き着くな!」
「ハグくらいさせてくださぁい!」
「あぁ、もう!」
逃げることも出来ずに俺はキングジョーの腕を抱き着かれながらショッピングモールを歩いている。
普通なら気付かれるかもしれないのだが、人ごみであり、そもそもこんなところでアイドルと遭遇するわけがないという先入観からか、誰も気づく様子はない。
本当なら引きはがしたいのだが、彼女は全力で抱き着いてきており、無理やり剥がそうものなら泣く。
泣かれると俺の負けである。
「ザムシャー、聞きましたけどシスターは大丈夫なのですか?」
「ン?あぁ、マナのことか?今は大丈夫だ……勉強のために保護施設にいるけど」
「そうなのですカ?」
「怪獣娘の力の制御で少し問題があるらしくてな、我夢と藤宮にみてもらっている」
「それなら大丈夫ですね!あの二人は天才ですから!」
「そうだな」
「それに、私とザムシャーをくっつけたキューピッドでもありマス!」
「……そうだね」
実のところ、俺とキングジョーが接点を持った原因はそれだったりする。
藤宮の暴走を阻止するために我夢、そしてキングジョーと色々あった。
本当に大変だった。
まさか、結婚前提の告白をされるなど、誰が予想できようか!!
普通、主人公っぽい我夢に惹かれるんじゃないの?
「この服はザムシャーに似合います!」
「そうか?少し色合いが俺の好みじゃないんだが」
「ザムシャーの色はブラックなどばかりです!明るい色もチョイスしましよう!」
「そういうもんかねぇ?」
俺の横で話し続けるキングジョー。
明るい性格であり、なにより話をすることが大好きな彼女はいつも笑顔で楽しそうにしている。
まぁ、そこに惹かれるところもあったり――。
「っ!?」
背後に殺気を感じたぞ!?
俺は後ろを見る。
しかし、そこには誰もいなかった。
「気のせいか?」
「どうしました?」
「いや、何でもない」
この後、キングジョーに頼まれて彼女に似合いそうな服を選ぶなど、とにかくファツションデートのようなものだった。
「こういうデートでいいのか?」
「デハ、アソコへいきますか?」
「やめろ!」
遠目のピンクなホテルを指さしたキングジョーへ叫ぶ。
「私はそういう関係になっても」
「もう少し、自分を大事にしなさい!」
「ムゥ~、ですが、ザムシャーと一緒になりたいという気持ちにウソはありません!」
「それは嬉しいけれど、でもな」
「あ!」
キングジョーの指さす方へ視線を向ける。
「Chu!」
頬に柔らかい感触。
振り返るとくるりと回りながら離れるキングジョー。
「ウフフ、隙ありデス!」
笑顔で微笑むキングジョー。
今回は俺の敗北である。
ちなみに、このやり取りをミクラスに目撃されてしまい。写真を収められたばかりか、それをGIRLSのグループメッセに拡散。
後日、エレキング、レッドキング、アギラ、ピグモンたちにお説教を受けた。
火に油を注ぐようにキングジョーがいつの間にか撮影していたキスの瞬間をメッセに張り付ける。
これもすべてJJって奴のせいなんだ!
五人目はキングジョーでした。
果たして、うまく書けているか謎ですが……。
軽くキャラ紹介
JJ
ウルトラ怪獣擬人化計画の第二期のアニメに登場した人物。
ちなみに中の人はウルトラマンオーブにでてきたあの人だったりする。
夜明のコーヒーとか、色々な名言の多い人!
湊カツミ、湊イサミ、湊アサヒ
ウルトラマンR/Bに登場した仲の良い兄妹たち。
もうすぐ劇場版が公開するから出した……というわけではなく、やりたい番外編の伏線のためにでてもらいました。
ちなみに、三人はウルトラマンに変身しないよ!