ウルトラ怪獣擬人化計画 男だけど、怪獣娘やっています!?   作:断空我

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この作品はアニメなどの展開にいきつつ、オリジナル展開が起こります。




第一話 剣豪とGIRLS

「このあたりはあんまり変わっていないなぁ」

 

 俺は怪獣娘達の三人と共にGIRLS東京本部へ来ていた。

 

 GIRLSは出来て日が浅く、建物も新築同然だ。

 

 そんな建物を見上げながら中に入ろうとしたところで三人娘に止められてしまう。

 

「あの、本当にGIRLSに所属しているのですか?」

 

「あぁ、身分証は……ないんだが、このソウルライザーが証明、ってあら?」

 

 バチンと音を立てて起動しようとしたソウルライザーの画面がブラックアウトした。

 

「真っ黒だ」

 

「壊れてしまったのでしょうか?」

 

「そうみたい……!?」

 

 アギラ達は急に俺から距離をとる。

 

 どうやらソウルライザーが壊れたことで俺が暴走するかもと思っているのだろう。

 

 ソウルライザーは怪獣娘が暴走しないようにする安全装置でもある。それが壊れたことで暴走の危険性があがったと判断したのだ。

 

「大丈夫ですよ~“ザムザム”は暴走しないですから~」

 

 GIRLSのゲートから風船を手にした少女がやって来る。

 

 朱色の長い髪を左右に結って、GIRLSの制服を纏っている人物。

 

 手には「おかえりなさい」と書かれたプラカードがあった。

 

「お帰りなさい、ザムザム!」

 

「よぉ、ピグモン」

 

 やってきたのは怪獣娘“ピグモン”。

 

 俺と同じGIRLSの古参メンバーの一人である。

 

 常に笑顔を絶やさず子供が大好きで、面倒見が良い相手だ。

 

 カイジューソウルに覚醒したのも人間が大好きだったことが理由だったはず。

 

「アギアギ達は現場であっていると思いますが彼はザムザム、私達と同じ怪獣娘なのです」

 

「男なのに?」

 

「はい、困ったことに男性唯一の怪獣のため、怪獣娘のカテゴリーに入っている可哀そうな人なんです」

 

「言い方!もう少し考えろよ……やれやれ」

 

 俺はため息を零す。

 

 事実なので否定はできない。

 

 隣でウィンダムとアギラが憐れむようにこちらをみている。

 

 俺だって納得してないからな。

 

 心の中で思いながらピグモンを先頭にGIRLSの中に入る。

 

「ところでザムザム」

 

「何だ?ピグモン」

 

「どうして、連絡が遅れたのです?」

 

「これの調子が途中から悪くなってな。さっき、壊れたみたいなんだよ」

 

 俺はピグモンに起動しなくなったソウルライザーを渡す。

 

「大丈夫なのです~?」

 

「あぁ、問題ない」

 

「じゃあ、すぐに修理して治します~~」

 

「頼む」

 

 ピグモンに壊れたソウルライザーを差し出す。

 

 途中で俺と四人は別れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピグモンさん、あの方は本当に怪獣娘なんですか?」

 

「はいです!唯一で貴重な男子の怪獣さんなのです」

 

 ピグモンは三人へ図鑑を見せる。

 

 怪獣の情報が記載されている本だ。

 

【宇宙剣豪 ザムシャー 体長53メートル、体重5万5千トン 出身地:不明。

 名刀 星斬丸を手に様々な相手と戦い勝利を収めている】

 

「宇宙剣豪……」

 

「何かカッコよさそう!」

 

「見た目がおっかない……しかも、刀を使うんだ」

 

「はい!GIRLSでは古参メンバーです!」

 

「でも、今まで私達、みたことありませんでしたよ?」

 

 ウィンダム達がGIRLSへ入って日が浅い。けれど、彼のことは誰からも聞いていない。

 

「実は」

 

「特殊任務で海外にずっといたんだよ。よーやく、帰ることができてな」

 

 話の途中に彼らの前に一人の男性がやってくる。

 

「え、誰?」

 

「ワイルドです。おまピトに出てきそう……」

 

「…………………イケメン(ポツ)」

 

「やっぱりさっきの姿よりも今の姿がカッコイイですよ!ザムザム!」

 

「「「え?」」」

 

 ピグモンの言葉に三人は相手の顔を見る。

 

 整った顔立ちで肩まで伸びている髪を後ろで束ね、目の部分はサングラスで隠れていた。

 

 頬など余分な肉はなく、整った顔つき、目元はサングラスで隠れているが部分的なパーツだけでもイケメンだとわかる。

 

 

「さっきはまともに自己紹介できなくて悪かったな。GIRLSに所属しているザムシャーだ。よろしくな」

 

 ニコリと微笑むザムシャーにミクラスは元気よく、ウィンダムとアギラが戸惑いながら挨拶を返す。

 

「しっかし、久しぶりにGIRLSの制服を着たわ~」

 

「ザムザムはずっと海外にいましたからね~」

 

「制服を保管してくれていたの、ピグモンか?」

 

「いえ、エレエレですよ」

 

「…………どっかのタイミングで感謝を言うわ」

 

「その方がいいですね~」

 

 にこりとほほ笑むピグモンと引きつった顔をしているザムシャー。

 

「あの、海外といっていましたけれど」

 

「ん?あぁ、ちょっと悪さを働く怪獣娘と力を暴走させる怪獣娘の面倒を見るために海外へいっていたんだよ……二年くらい」

 

「ながっ!」

 

「まー、元から風来坊気質があったからなぁ。特に困ることはなかったな」

 

 ザムシャーはそういうとアギラとミクラスの間へ腰かける。

 

「ねぇねぇ、その袋に入っているのは?」

 

「ん?あぁ、これか」

 

 ミクラスの質問にザムシャーは細長い袋からあるものを取り出す。

 

「そ、それは!?」

 

 ウィンダムは息をのむ。

 

「刀?」

 

「そ、俺のカイジューソウルが覚醒した時に現れた名刀、星斬丸だ」

 

「ザムザムは色々と変わっている怪獣娘なのです。研究も兼ねて海外で検査も受けていたんです」

 

「ほへー」

 

「あ、そうです!久しぶりの日本ですからザムザムに三人の指導をしてもらいましょう~」

 

「え、おい、俺は日本に戻ってきたばかりだぞ!?」

 

「大丈夫です!ザムザムならできます」

 

 笑顔のピグモンにザムシャーは困った表情を浮かべている。

 

「いや、しかし、こいつらも嫌がるかもしれないだろ。怪獣娘にカテゴライズされているとはいえ、男だし」

 

「大丈夫です!」

 

「よろしくお願いします」

 

「お願いします」

 

 ぺこりと三人が頭を下げた。

 

 その結果、ザムシャーが三人の監督役(仮)になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜。

 

 

 三人を送り届けて戻ってきたザムシャーはピグモンの書類整理を手伝っていた。

 

「相変わらずピグモンは仕事を抱え込んでいるんだな」

 

「そんなことはありませんよ~」

 

「普通の人がやる量を超えているという自覚を持ちなさい」

 

 ピグモンと同じくらいの速度で書類を終わらせるザムシャー。

 

「誰かに頼られるというのは嬉しいのかもしれないけれど、無理はするなよ」

 

「そういうザムザムこそ、色々と抱え込まないでくださいね~」

 

 会話をしながらも書類作業の手を緩めることはない。

 

 本来ならかなり遅い時間に終わるはずの書類作業もザムシャーがいたおかげで早い時間で終わる。

 

「あ、ザムザム」

 

「なんだ?」

 

「この後の予定は?」

 

「んー、飯食べて寝る」

 

「それでしたらピグモンと夕食に行きませんか~?」

 

 体を少しモジモジしながら尋ねてくるピグモンにザムシャーは考える。

 

「良いかもな。久しぶりに色々と話したいし」

 

「ではレッツゴーです!」

 

 笑顔のピグモンは嬉しそうにザムシャーの手を引く。

 

「お、おい」

 

 バランスを崩しそうになりながらもピグモンとザムシャーの二人は夜道を歩きだす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ザムザム、海外はどうでした?」

 

「うーむ、色々なことが経験できたかな。オーストラリア支部やアメリカ支部に属している怪獣娘に振り回されることもあったが見聞を広めることも出来た」

 

「体のことは?」

 

「相変わらず不明、どうして俺だけが怪獣娘なのか、カイジューソウルがどうして宿っているのか、まったくもって不明だ」

 

「そうです~」

 

「ま、お前が暗くなる必要はない。いつかは俺以外にも現れるだろう……多分」

 

 そういいながら目の前の食事にザムシャーは口をつける。

 

「それにしても、俺がいない間に色々と怪獣娘が増えたみたいだな」

 

「ザムザムがいたのはかなり初期の話じゃないですか、当然です」

 

「まーな。ところでピグモン」

 

「何です?」

 

「良いお相手は見つかったか?」

 

 ザムシャーの問いかけにピグモンはテーブルへグラスを置いた。

 

「あと一年ですよ」

 

 にこりと笑みを浮かべながらピグモンは告げる。

 

「?」

 

「あと一年、私の相手がいなかったらザムザムとお付き合いをさせてもらうという約束、ピグモンは忘れていませんから」

 

「……」

 

 地雷を踏んだ。

 

 ザムシャーは即座に理解した。

 

 笑顔を浮かべているピグモンだが、その目はいつもと違い、獲物を狙う狩人……そのものである。

 

「まぁ、そうだけどさ。ほら、探す努力というものを」

 

 無言の圧力。

 

 ザムシャーは抵抗をやめる。

 

 これ以上は自分の外堀が埋められてしまう。

 

「そういえば!」

 

 話題を変えるためにアギラ達のことを話す。

 

「あの三人、大物になりそうだな」

 

「ザムザムがそういうなら期待大ですね!」

 

「おいおい、俺の一言でそういう評価なのかって、お前がそういうこというわけないよな」

 

「勿論です!ピグモンはちゃーんとみんなのことを見ていますよ!」

 

「わかっているって……だけど、俺が面倒を見ても大丈夫なのか?」

 

「大丈夫です!それと……」

 

 ピグモンから告げられたのは最近発生している暴走怪獣娘の話。

 

 楽しい時間はあっという間に過ぎる。

 

 ザムシャーとピグモンは別れてそれぞれの帰路につく。

 

「久しぶりの日本…………色々と楽しいことがありそうだ」

 

 台の上に置いた星斬丸をみながらザムシャーは眠りについた。

 

 

 




簡単なオリキャラ紹介


怪獣娘名:ザムシャー

性別:男

人間としての名前:風祭直人(かざまつりなおと)

身長:180センチ程度

体重:(測定忘れのため不明)

趣味:旅、強者と戦う、山に行くこと。

苦手なもの:恋愛、電子機器

備考:男でありながらカイジューソウルを宿し、怪獣娘に変身することができる男。変身できる原因などは不明。今も調査中。幼いころから自然に囲まれて過ごしてきたことから人間としてのスペックがかなり高い(本人談としては雪山で獣のように三日三晩過ごしていたこともあるという)。本編開始前に特殊任務で海外を旅してきた。
本人は自覚していないが異性に好かれやすい。
五人ほど、好意をよせられているが回答は保留中。



一日一話更新を予定しています。
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