ウルトラ怪獣擬人化計画 男だけど、怪獣娘やっています!?   作:断空我

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今回、ある意味のメインヒロインが出てきます。


何か、評価をたくさんもらえて、驚いています。

これからも楽しみにしていてください。



第四話 相談事とインパクトな再会

「あれ、ザムシャーさんじゃない!」

 

 休日のお昼ごろ、

 

 アギラは仲良しのミクラス、ウィンダムと共に町中を歩いていた。

 

 楽しく三人でクレープを食べていた時、ミクラスがある方向を指さす。

 

 人ごみの中を流れる様にすいすいと進んでいく人物。

 

 間違いない、確かに自分たちの教育役を務めているザムシャーだ。

 

 講義はピグモン、訓練、その他などはザムシャーが面倒を見てくれている。

 

 遠征においては同行してもらえなかったが頼りになる人だとアギラは思っていた。

 

 そんな彼は相変わらず背中に刀袋を下げているがいつものスーツ姿ではない。

 

 黒を基調としているがラフな格好をしている。

 

 完全な私服姿だ。

 

「何か用事でもあるのでしょうか?」

 

「ハハーン」

 

「ミクちゃん?」

 

 ミクラスが何か気付いたようなポーズをとる。

 

 その顔はニヤリとしていた。

 

「きっと、あれだ!デートだよ!」

 

 面白いものをみつけたというようにミクラスは笑みを浮かべる。

 

「「デート!?」」

 

 ミクラスの言葉に二人は叫ぶ。

 

 デート、それは年頃の女の子がきけば飛びつきかねない話。

 

 男女一度はやってみたいこと。

 

 その言葉を聞いた二人は衝撃を受ける。

 

「デート、た、確かにザムシャーさんはそういうことがあってもおかしくはないお年頃でしょうけれど……アギさんはどう思いますか?」

 

 隣を見たウィンダムは言葉を失う。

 

「で、デート、ザムシャーさんがデデデデデデデデデデデデデデ!」

 

「アギさん!?」

 

 ガタガタと体を震わせるアギラの姿にウィンダムは叫ぶ。

 

 なぜ、彼女がこんな奇行に走っているのかわからず心配する。

 

 しかし、アギラは壊れたラジカセのようにぶつぶつと同じ言葉を繰り返していた。

 

 斜め四十五度で叩けばなんとかなるだろうか?

 

 そんなことをウィンダムが考え始めた時。

 

「あ、行っちゃうよ!」

 

「行こう」

 

 小さく、けれど決意ある声でアギラは駆け出した。

 

「アギさん……!?」

 

「アタシ達も行くよ!」

 

 慌てて走り出したアギラを追いかける二人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 尾行されていることを知らないザムシャーはマイペースに進んでいく。

 

 そんな彼の姿を見てアギラはぱしゃりと端末のカメラで写真を撮る。

 

「アギさん、何をしているんですか?」

 

「写真撮影」

 

「それは、と――」

 

 ウィンダムの言葉を遮るようにミクラスが指さす。

 

「あ、あのお店に入ったみたい」

 

 ミクラスの視線を追いかけると。

 

「ここって」

 

「確か、女の子に大人気のスイーツ店ですよね?」

 

「どうする?入る?」

 

 ミクラスが店内を覗き込もうとして固まった。

 

「ミクちゃん?」

 

「あ、な、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

 信じられないものをみたような声を上げるミクラスに周りがぎょっとした表情を向ける。

 

「ちょっと、どうしたんですか!?落ち着いてください!」

 

 慌てて、ウィンダムがミクラスに駆け寄る。

 

「落ち着けるもんか!あれ!あれぇ!」

 

 半ば泣き叫ぶミクラスの視線。

 

 その先にいたのは彼女が尊敬する大怪獣ファイターであるレッドキング。

 

 彼女が楽しそうにケーキを食べている。

 

 向かい側にいる相手はザムシャー。

 

 普段みることのない笑顔のレッドキングにミクラスはショックを受けている。

 

「お二人で、デートなのでしょうか?」

 

「ミクちゃん!」

 

「……アギちゃん!」

 

 二人はがしりと互いの手を握り締める。

 

「何でしょうか……これ」

 

 自分が可笑しいのだろうかと本気で考えてしまうウィンダムだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

「どうしたんだよ」

 

「いや、誰かが叫んでいたような気がして」

 

 有名なスイーツ店内。

 

 そこでザムシャーの向かい側に座るレッドキング、横に小さいがザンドリアスがいる。

 

「なぁ、レッドキング」

 

「何だよ?」

 

「お前、本当においしそうな顔して食べるよな」

 

「なっ!!」

 

「ザムシャーさんはおいしくないんですか?」

 

 ザンドリアスが問いかける。

 

 彼女は先日、暴走した怪獣娘で現在はレッドキングが指導役と面倒を見ている。

 

 レッドキングへ会いに行った際に普通の人なら死ぬようなことをさせられそうになっていた場面に遭遇してしまい、スイーツ店へ誘うことで救った。

 

 彼女はザムシャーに襲い掛かったということで負い目があるのかザムシャーへおずおずと話しかけた。

 

「おいしいぞ。それよりも笑顔を浮かべて味わっているレッドキングをみているほうが楽しいかもな」

 

「なっ!なぁああっ!」

 

 顔を真っ赤にするレッドキング。

 

 その横でザンドリアスが呆れたようにため息を零している。

 

「スパルタから助けてくれたことは感謝するけれど、この人、超鈍感かも」

 

 ぽつりと言葉を漏らしたザンドリアス。

 

 幸運なのか、言葉は二人に届いていない。

 

「さて、甘いものを食べたところで少し真面目な話をするか」

 

「何だよ」

 

「最近のシャドウについて、変なシャドウの報告……聞いているだろ?」

 

「あぁ、シャドウの上位種、シャドウビーストに変な姿をしている奴のことだろ。ザムシャーは実際に遭遇してみてどうだったんだよ」

 

「強かったな。本気で挑めば倒せるだろうが、新入りとか戦いなれしていない奴はキツイな」

 

「……そっかぁ、じゃあ、先輩としてオレらが頑張らないといけねぇな!」

 

 隣で青ざめているザンドリアスを置いて、二人は真剣な話をする。

 

「さて、前置きはこれくらいにして、お前に相談があるんだ」

 

「え、あれだけ重要にみえたのに前置きだったの!?」

 

「重要だったんだがな、俺にとってはこっちが重要になるんだよ」

 

「ザムシャーの重要な話って、あれだよな?」

 

 以心伝心。

 

 互いの考えていることがわかるくらいレッドキングとの付き合いはある。

 

「あぁ、あれだ」

 

 真剣な表情でザムシャーはソウルライザーを取り出す。

 

 端末を開いてメール画面を開く。

 

「前に文字化けしていたということで改めてメールを送りなおしたんだがな……内容がこれなんだよ」

 

 覗き込むレッドキングとザンドリアス。

 

「「え?」」

 

 メールを見た二人は息をのむ。

 

【殺す】

 

 ただ一言、しかし、とても恐ろしく感じる内容だった。

 

「(ナニコレ!?とっても怖いんですけれど!誰が送ってきたの!?)」

 

「あー、こりゃ、相当、怒っているかもしれねぇなぁ」

 

「そうだよなぁ、会いに行くべきなんだけどさぁ、どうもすれ違ってばっかりなんだよ」

 

「……ザムシャーは死にたいわけか?」

 

「俺にそんな趣味はない……」

 

「あのぉ、ザムシャーさん。このメールの送り主って」

 

「あぁ、相手は」

 

 ザムシャーが相手の名前を告げようとした時、端末に警報が鳴り出す。

 

「タイミングが悪いな。行くか」

 

「うし!オレも行くか」

 

「ザンドリアスはついてきてもいいが、どうする?」

 

「え、私!?」

 

「どうせだからついてこい!色々と知るべきだからな!」

 

 立ち上がったレッドキングはザンドリアスを脇に抱えて走り出した。

 

「……まぁ、指導係は俺じゃないし、いいか」

 

 支払いを済ませてザムシャーは走り出す。

 

 既にレッドキングはソウルライドして戦場へ向かっている。

 

 ザムシャーもソウルライザーを起動した。

 

 獣殻を身に纏い走り出した時、中学生の女の子を襲おうとしているシャドウの姿がある。

 

「星斬丸!」

 

 叫びと共に鞘から抜いて目の前のシャドウを切り裂く。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、はい!」

 

 頭の左右をドリル型の団子?の少女は頷いた。

 

「ここは危険だ。すぐに安全なところまで逃げるんだ」

 

「はい!」

 

「良い子だ」

 

 ザムシャーは少女の頭を撫でながら立たせる。

 

「あ、あの、貴方は?」

 

「ただの宇宙剣豪だ」

 

 ザムシャーはそういって駆け出す。

 

 目の前にはうじゃうじゃと湧き出ているシャドウの姿。

 

「さてさて、暴れるとするか」

 

 星斬丸で次々とシャドウを切り裂く。

 

 背後から襲おうとする個体もいるが振り返らずに一撃で突き立てる。

 

 鞘に星斬丸を収めて周囲を見た。

 

 敵はもういないか。

 

「ザムシャーさん!」

 

「アギラか」

 

 息をきらせてやってくるアギラ。

 

「その様子だとシャドウと戦闘していたみたいだな」

 

「はい、その、近くにいたので」

 

「ケガはないか?」

 

「大丈夫です。ザムシャーさんは?」

 

「問題ない」

 

 二人は同時にソウルライザーを解除する。

 

「GIRLSには連絡しておいたからまもなく調査が入るだろう……お前は一人か?」

 

「いえ、ミクちゃん達と」

 

「いつもの仲良しトリオか」

 

「ザムシャーさんは?」

 

「俺はレッドキングと」

 

「デートですか?」

 

 震えるような声でアギラが問いかける。

 

 その瞳は不安げに揺れていたのだがザムシャーは気づかない。

 

「ん?いや、相談だよ」

 

「相談?」

 

 首を傾げるアギラにザムシャーはため息を零す。

 

「あぁ、相談事、こっちの意見を聞きやしない、わからずやのことでな」

 

「そう、わからずやなの?」

 

「あぁ、こっちが事情を説明してもメールに返事をしない。既読スルーをやらかす全く困った奴だよ。そもそも昔から苦労する奴なんだよ。不器用な癖に一匹狼を気取って、自分の好きなことには全力投球、そのことに巻き込まれる方のことも」

 

「あの、ザムシャーさん」

 

「うん?なんだ、アギラ」

 

「後ろ」

 

「あ?後ろ?」

 

 アギラに言われて振り返るザムシャー。

 

 すぐに前を向く。

 

 だらだらと彼から汗が滝のように流れていた。

 

「さて、アギラ、俺は帰る」

 

「え、あの」

 

「いいか、俺は何も、見なかった!いいな!それじゃ」

 

 逃げようとしたザムシャーの首に白い尾が巻き付いた。

 

 抵抗する暇もないまま後ろに引き寄せられる。

 

 そこにいたのは怪獣娘。

 

 頭に鋭く尖った触覚を持ち、桃色の長い髪、スタイルの良い美女。

 

 だが、鋭い眼光がそれらを台無しにしていた。

 

 絶対零度ともいうべき視線。

 

 その視線を向けられているザムシャーの顔が青くなっていく。

 

「え、エレキング……」

 

「久しぶりね、ザムシャー」

 

「元気そうで」

 

「いいえ、私は怒っているわ。一切の連絡も寄越さず……知っているわよ?海外で色々とやらかしていることを」

 

「何のことでございましょうか?」

 

 目の前のエレキングの威圧にザムシャーは言葉を失っていく。

 

 余計なことを言えば、最後、自分の命はない。

 

「まぁいいわ。あなたのことについてはベッドの上で話をしましよう」

 

「え!?」

 

 離れたところにいたアギラが驚いて顔を赤らめる。

 

「悪いが、遠慮しておこう!報告も、あるし、なぁあああ!」

 

 一瞬のスキをついて逃げ出すザムシャー。

 

「そう、でも、逃げられないわよ」

 

 どこまでも絶対零度の視線でエレキングはザムシャーを見ていた。

 

 直後、爆音のような音を立てて追いかけるエレキング。

 

 命がけの鬼ごっこが開始される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一時間後、ボロボロの状態でGIRLS本部に運び込まれるザムシャーの姿があったらしい。

 

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