ウルトラ怪獣擬人化計画 男だけど、怪獣娘やっています!?   作:断空我

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著しいキャラ崩壊があります。

この怪獣が好きな人はすいません!


第七話 超獣と怪獣

 

空港。

 

 そこでピグモンはある人たちを待っていた。

 

 片手に風船、もう片方の手にようこそ!と人の名前が書かれている。

 

「ピグモン!」

 

「ジーン!お久しぶりですぅ!」

 

「あれれ、僕は無視なのかい」

 

「お久しぶりです!チャールズさんも!」

 

 ピグモンが出迎えた相手はオーストラリア支部からやってきた応援。

 

 ジーン・エコーとチャールズ・モーガン。

 

 今回の超獣対策のためにオーストラリア支部からかけつけてきたのである。

 

「あれから二日が経過しているけれど、大きな騒動はありません」

 

 再会を喜ぶのは程ほどにしてピグモンは二人をGIRLS日本本部へ連れていく。

 

 用意しておいた会議室で今後の対策などについて話し合う。

 

「オーストラリア本部でも超獣について、過去の資料などについて調べたところ、いくつかわかったことがあります」

 

 ジーンが資料を表示する。

 

「超獣とは怪獣を超える能力を持った改造生物のことをいいます。過去の資料によると超獣と怪獣が戦った際、怪獣が敗北したことから超獣は怪獣より強い存在と認識されているようです」

 

「まー、超がついているからね。怪獣より強いってことだ」

 

「チャールズ!」

 

 肩をすくめるチャールズにジーンが注意する。

 

「何か、聞き捨てならないな」

 

 チャールズの言葉に反応したのはレッドキングだ。

 

「超獣だか何だか知らないが今は同じ怪獣娘だろ?そんな相手にオレ達が負けるわけない!」

 

「師匠、落ち着いてください」

 

「レッドキングさんの言うとおり!」

 

「ミクさんも落ち着いてください!」

 

 着席しているレッドキング、憧れのレッドキングに同意するミクラス。

 

 慌てて落ち着かせようとするザンドリアスとウィンダム。

 

 彼女達も超獣と遭遇する可能性があるのでこの場に集められていた。

 

 その中でアギラはそわそわしたように周りを見ている。

 

「あの……」

 

 手を挙げたのはアギラ。

 

「ザムシャーさんの姿が見えないですけど」

 

 その言葉にエレキング、ピグモン、チャールズ、ジーンの表情が険しくなった。

 

「え?……何か不味いこといっちゃった?」

 

「さぁ?」

 

 戸惑うアギラにミクラスが首を傾げる。

 

「ザムザムのことですが」

 

「大変だよなぁ、ザムシャーも超獣に狙われているんだし」

 

「チャールズ!!」

 

 ジーンが遮ろうとするも時既に遅く。

 

 会議室内が静まり返る。

 

「あれ、どうしたの?」

 

「チャールズ……」

 

 呆れた表情のジーンがチャールズを見た直後。

 

「……………きゅう」

 

 脳の処理が限界を超えたアギラが可愛い声を出して倒れる。

 

「大変だ!アギちゃんが気絶したぁ!」

 

「お、お、お、お、お、お落ち着け!アイツのことだ!早々やられるなんてことはない!」

 

「し、師匠も落ち着いてください~!助けてぇ!」

 

 気絶するアギラ、慌てるミクラス。

 

 悲鳴を上げるザンドリアス、そのザンドリアスを振り回すレッドキング。

 

「カオスね」

 

 光景を見たエレキングがぽつりと漏らす。

 

「もう!皆さん、静かにしてくださぁい!」

 

 ピグモンがぴょんぴょん跳ねる。

 

 会議室内が落ち着いたのはそこから三十分後のこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、ふぅ、逃げ切れたか?」

 

 俺は建物の陰に隠れて周囲を警戒する。

 

 あれから四時間。

 

 ひたすら逃げ回って体力を消耗している。

 

「まさか、あんなことになろうとは……」

 

 ため息を零しながら外に出ようとした時。

 

「あれ、ザムシャーじゃん」

 

 びくぅ!と体を震わせながら後ろを見る。

 

「なんだ、ゴモラか」

 

「なんだは酷くなーい?」

 

 後ろにいたのは茶髪のショートカットでボーイッシュな印象を持つ少女。

 

 GIRLSに所属する大怪獣ファイトのホープと呼ばれる怪獣娘。

 

 ゴモラである。

 

「気分屋、お前に構っている暇はないんだよ」

 

「酷い!私の扱いが酷い!」

 

「ゴモラの扱いなんてこんなもんだ」

 

 怪獣娘ゴモラ、とにかく楽しいことが大好きで、周りも楽しめるように巻き込む。

 

 迷惑をすることもあるらしい、主にアギラが被害を受けていると聞いていた。

 

「およよよよ~」

 

「……ウソ泣きは満足したか?俺は行くぞ」

 

「待って、待って!冗談だから!本当に待って」

 

 去ろうとしたところでゴモラに腕を掴まれる。

 

「何だ?」

 

「どうしたの?珍しく焦っているようにみえるけど」

 

「……き、気のせいだ」

 

「そうかなぁ?」

 

 ニコォとゴモラが笑みを浮かべる。

 

 その目をみて俺は嫌な予感がした。

 

 ゴモラという怪獣娘は楽しいことが好きだ。

 

 自分と周りを巻き込むトラブルメーカーでもあるが、周りも笑顔にするから仕方ないなぁという扱いになる。

 

 ただし、俺は例外だ。

 

 ゴモラに巻き込まれると大抵、碌な目にあわない。

 

 主にエレキングの追及という精神攻撃になるが。

 

「どうしたの?なーんか重たそうな女に捕まりそうで全速力で逃げてきたという顔をしているけれど」

 

「どういう顔だ。しかも変にピンポイントだな」

 

「そうかな?昼ドラをみたからかもしれない!」

 

「あ、そう」

 

 ともかくゴモラと話をしていて時間を取られるのもマズイ。

 

 さっさと逃げることにしよう。

 

「じゃあ、俺は」

 

「見つけたぞ!」

 

 最悪だ!

 

 振り返ると逃げていた相手が目の前にいた。

 

 片手に婚姻届けを持って。

 

「どこで手に入れた!?」

 

 つい叫んだ。

 

「フッ、こんなこともあろうと何枚か所持していたのだ。さぁ、これに署名と捺印をするんだ!そうすることで私達は結ばれる!」

 

「いやいやいや!初対面で結婚に至ることがおかしい!どうして、そうなるんだ!?」

 

「フフフ、出会ってひとめぼれ、結婚、それが私の望むことだ」

 

 胸を張ることじゃないと思う。

 

「普通!そこは知り合って期間を置くべきものだろう!?相手のことを何一つ知らないだろ!」

 

「そうだ!しかし、長い時間をかけて知っていけばいい!結婚して逃がさないように包囲して、ジワジワと」

 

「洗脳だ!」

 

 我慢できずに叫んだ俺は悪くないと思う。

 

 普通ではない。

 

「ねーねー」

 

「なんだ?」

 

 裾を引っ張られて振り返る。

 

「ザムシャーはあの変な人とどういう関係なの?」

 

「……困っているところを助けた。それだけの関係だ」

 

「何だと!この私の美脚に触れて、さらには……む、胸も押しただろうに!」

 

「はぁ、ザムシャーのいつもの病気か」

 

「待て、俺を病人扱いするな」

 

「え~、だっていつもザムシャーがやっていることじゃん、ザムシャーの毒牙にかかったのはこれで何人目なんだろうか?そもそも一人に絞ればいいんだよ!私とか」

 

「何の話をしている!?」

 

 俺は叫ぶ。

 

 突然の事態に理解が追いつかない。

 

 ふと、俺は気づく。

 

 向こうがやたらと静かだった。

 

 ゴモラと前を向くと、相手はどこから取り出したのか写真と俺を交互に見ている。

 

 なんだろう?

 

「どうしたのかな?」

 

「さぁ、今のうちに逃げる……」

 

 とするか、と言おうとしたところで目の前をミサイルが通過した。

 

 通過したミサイルは近くの信号機に直撃、爆発を起こす。

 

「ふ、ふふふふふ」

 

 飛来した方をみると俯いて笑っている美女の姿。

 

 自然と嫌な予感というものが頭をよぎった。

 

「あぁ、なんということだ!貴様、貴様が!私達の探している相手だったとは!なんという偶然!なんという悪戯だろうか!」

 

「どうしたの?あれ」

 

「さぁ?」

 

 首を傾げていると纏っている外套を脱ぎ捨てた。

 

 中から現れたのは獣殻。

 

 赤い髪のような突起の集合、そして、額に伸びる二本の角。

 

 鋭い爪。

 

 間違いない、相手は怪獣娘。

 

 しかも。

 

「超獣、か」

 

「その通り」

 

 ふっふっふっと相手は笑う。

 

「私の名前はミサイル超獣!ベロクロン!貴様を倒すために海を越えてやってきた!!さぁ、ザムシャー、私と戦え!勝てば婚姻届けにサインをしてもらおう!!」

 

「最後で台無しだ!」

 

 カッコいいなと心の中で思ったら最後で台無しだ。

 

 本当にひどい!

 

「ザムシャー、ここは私に任せてよ!」

 

 星斬丸を取り出そうとしたところでゴモラが止める。

 

「ゴモラ、相手は超獣だ。それに狙いは俺だ。だから」

 

「まーまー!ソウルライド!ゴーモラ!」

 

 俺の呼び止める言葉を聞かず、ソウルライドしたゴモラはベロクロンへ駆け出す。

 

 ベロクロンとゴモラは互いの拳を受け止める。

 

「おー!やるじゃん!」

 

「貴様、貴様は一体なんだ!!」

 

「私?ゴモラだよ!」

 

「そんなことは聞いていない。貴様はザムシャーとどういう関係なのだ!」

 

「うーん、深い関係だよ?」

 

 ウソである。

 

「なん、だと!」

 

 相手は真に受けたようだ。

 

「フフフ!照れ隠しであろう?私に本心を悟られまいという魂胆だろう。貴様のようなチンチクリンを好きになるはずがない」

 

「……チン、ちくりん?」

 

 気のせいだろうか、背筋が冷たい。

 

 ベロクロンはゴモラへ見せつける様に体を前に揺らす。

 

 ぶるんと体の一部が揺れた。

 

「フフフ、そんな体で満足できるものか!」

 

 挑発するベロクロン。

 

「決めた!」

 

 気のせいだろうか、ゴモラは笑顔の筈なのに絶対零度のようなものを感じる。

 

「徹底的に叩き潰す!大きければよいことじゃないってザムシャーに証明してみせる!」

 

「ふふふふ、大きさが正義だ!」

 

 バチバチと火花を散らしあう二人。

 

 何だろうか。

 

「目的、代わってない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先手はゴモラ。

 

「エンヤーキック!」

 

 奇妙な叫びと共に放たれる蹴りをベロクロンは華麗に回避。

 

 回避しながら手を前に伸ばす。

 

「テリブルスラッシュ!」

 

 叫びと共に放たれる光弾がゴモラに迫る。

 

「よっと!」

 

 くるくると回転しながらゴモラは尻尾で光弾を叩き落す。

 

 叩き落したが尾には少しばかり焦げ跡がついていた。

 

「うひゃ~」

 

 焦げ跡を見て驚きの声を漏らす。

 

 続けて放たれる光弾。

 

 ゴモラは飛び回るようにしながら躱す。

 

 直撃した個所から爆発を起こすもゴモラに決定打を与えられない。

 

「ええい!ちょこまかと動きおって!」

 

 光弾を放ち続けるベロクロン。

 

 隙間を縫うようにしてゴモラが接近する。

 

「エンヤアターック!」

 

「しまっ!」

 

 近づかれたベロクロンが防御しようとするが遅い。

 

 放たれた一撃を受けたベロクロンは地面に倒れる。

 

「うし!」

 

 倒したと思った直後、ベロクロンの背中や後頭部の突起物からから無数のミサイルが空へ舞い上がる。

 

「うへぇ!?」

 

 飛来するミサイルの雨。

 

 ゴモラは咄嗟に両手を交差して防ぐ。

 

「これで終わりではないぞ!」

 

 口から巨大なミサイルを放った。

 

 そのミサイルはゴモラのいた場所に直撃する。

 

 大爆発と爆風が周囲に広がった。

 

 吹き飛ばされないように周囲へ大きな瓦礫が飛ばないように星斬丸で弾き飛ばす。

 

「フフフ!これで、私とお前の邪魔をする相手がいなくなったぞ!フフフ、フハハハハハハハ!」

 

 大きな叫びをあげるベロクロン。

 

 既に勝敗は決したと彼女は思っていた。

 

 しかし。

 

 ズボン!

 

 彼女の真下の地面に穴が開いて、そこからゴモラが姿を現す。

 

「は?」

 

 目を丸くするベロクロン。

 

 にこりと笑いながらベロクロンの口の中にゴモラは自らの角を押し込む。

 

「はぐぅ!?」

 

 慌てて引きはがそうとする。

 

「遅いよ!超振動波!!」

 

 ゴモラという怪獣は角から振動波を出す。

 

 振動波を使って地面を掘って突き進んでいくことができる。

 

 怪獣娘であるゴモラはその超振動波を攻撃技として使用することができた。

 

 掘る際にも使えるが攻撃として使う場合、広範囲に攻撃できる上に、特定の相手にダメージを与えることもできる。

 

 何より。

 

「それだけ固いなら中に流すしかないよね!」

 

 バチンと超振動波が終わってゴモラは角を抜いた。

 

 かなりのダメージがあったのか相手は地面に大の字で倒れる。

 

「ブイ!」

 

「大丈夫なのか?」

 

 ピクピクと痙攣しているベロクロンをザムシャーがのぞき込む。

 

「普通、私の心配をすべきじゃないかな?」

 

 ゴモラはベロクロンのミサイル攻撃などでダメージを受けたのか煤だらけの上に獣殻の一部も傷だらけになっている。

 

「お前ほどの猛者がそうそうやられるわけないだろ……まぁ、レッドには無理だろうけれど」

 

「酷いなぁ!まぁ、事実だけど」

 

 ぷりぷりと怒るゴモラ。

 

「さて、気絶しているコイツをGIRLSに連行してくれ。色々と情報を吐き出すはず……おい、何で尻尾が俺の腹に巻き付いているんだ?」

 

 ニコニコと笑顔を浮かべているゴモラ。

 

 その顔は面白いものをみつけたという表情。

 

「あ、もしもし!エレキング?うん、私~、実はね。ザムシャーを見つけたんだ。え、うん、超獣もいたけれど、倒したよ?それでねぇ!ザムシャーが婚約届を………あ、うん、わかったよ」

 

 通話が終わったのはゴモラがこちらをみる。

 

 その目は面白いものを見つけたというものと哀れみが向けられていた。

 

「今すぐエレキングが来るって、色々とお話がしたいそうだよ?」

 

「……今すぐにこの尾を!」

 

「嫌だよ。面白そうだし……何より」

 

 ゴモラは視線を逸らす。

 

「私の命も危ないし」

 

「…………なんか、すまん」

 

 ザムシャーは謝罪するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあら、負けちゃったみたいですね」

 

 そんな彼らの様子を遠くのビルからバキシムはみていた。

 

 日傘をさしながら困った様な表情をしている。

 

「お姉ちゃん、負けたの?」

 

「そうみたいです。でも、標的の姿は発見したから良しとしましょうか~。ところで、ちゃんと手にしましたか?」

 

 バキシムは後ろにいたフードをかぶっている少女へ問いかける。

 

「うん!ちゃんと手に入れたよ!」

 

 にこりと頷いた少女の首元が怪しく輝いていた。

 

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