神の後悔、聖女再生   作:木桜 春雨

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宿屋の朝、最初は姉妹で通すはずでしたが、親子に変更です


旅の始まり

「おはようございます」

少年は階段を降りると少し緊張した様に朝の挨拶をした、宿屋の女将はにっこ

りと笑顔を返すと、お腹空いてるだろう、すぐに用意するから座りなよと声を

かけた。

「あんたの母さんは街へ出かけたよ」

「そうですか、父さん達は」

「母さんと一緒だよ」

しげしげと女将は少年の顔を見つめた。

 一週間前にやってきた家族、母親と息子、そして父親が二人という組み合わ

せ、決して珍しい事ではない、目の前の少年のどちらかの父親らしいが。

 二人の男は背も高いが、一人は体格もよく、顔に傷もあり、腰に下げた剣や

雰囲気からして、いかにも剣士という感じだ、そしてもう一人はというと、こ

ちらも剣士という感じだが、顔つきがどことなく陰気で口数も少ない。

 だが、目の前の少年は髪の色も明るい金髪だ、男はどちらも黒、どう見ても

実の親子とは思えないのだ。

「母さんは一人で行きたがっていたけど、二人がね」

「父さん達は、母を愛していますから、その」

 少年は少し俯きながら小声で呟いた。

 当初の設定、自分と聖女は年の離れた姉妹で貴族で二人の男は護衛の騎士と

いう設定で旅を続ける予定だった。

 だが、道中、出会った人間からいぶかしむような視線で見られて急遽、変更

ということになったのだ。

 

 

 目の前に出されたスープとパンを食べながら少年は、ほっとした、自分の演

技も少しずつだが、うまくなっていると思ったのだ。

 最初の頃、母さんと呼ぶのは大変だった、照れてしまってなかなかうまくい

えなかったのだ、不自然過ぎると何度も言われたものだ、それからすぐに二人

の騎士を父親ということにしようと父さんと呼ぶ練習、正直、これは自分より

も男達の方が問題だった。

 野宿しながら道中、寝る前、暇さえあれば練習だ、正直、今までの勉強、城

の中で家庭教師について習うより難しい。

 しばらくして実践あるのみと宿に泊まる事になったとき、最初の家は緊張し

て父さんと呼ぶたびに不安になったものだ。

 

「おかわりは」

「お腹いっぱいです、ありがとうございます」

「そうかい」

おかみは少年の顔をまじまじと見た、あどけなさの残る少年の顔つきかを見て

いると、あの二人のどちらかが父親など、信じられない。

 父親に似てなくてよかったねと思いながら、食器をかたづけよとしたとき、

ドアが開き、一人の男性が入ってきた。

「こ、侯爵様」

 女将が驚いた顔になったのは無理もない、この宿は決して高級とはいえず、

訳ありでも貴族が立ち入るような場所ではないからだ。

 しかも、入ってきた男性はこの国でも有名なきぞくだったからだ。

 

 

 

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