指揮官が代理人になりまして   作:スツーカ

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な ぜ か 続 き ま し た


第2話

「さぁ感動の再会だよ。胸を張ってほら」

 

「いやー45のやつどんな顔するかなー驚くかなー……ってなると思います?」

 

 それなりに広く清潔な研究所の廊下を歩く白衣とメイド服。どちらも病気か引きこもりかと疑いたくなるほどの色白だが、少なくとも俺の方は今までもこれからも色白である。どうも皆さま、代理人あらため指揮官です。元は男性の人間でしたが、なんやかんやあって敵の戦術人形"代理人"になってしまいました。詳しくは前回をご覧ください。あの時二つ返事した俺も悪いが、まさか敵の戦術人形に入れられるとは思いもしなかったよ……また45を始め404小隊に会えるのはすごく嬉しいんだけどさ。もうちょっとこう、あるじゃん。しかも他の人間や人形に逆らえないって何さ。夜の営みが確実に受けに回されるじゃん。

 

「今セッ〇スするとき受けしか出来ないって思った?」

 

「人の心読むのやめてもらえませんか?」

 

「はっはっはっ、その辺りは相手と相談してやりな。一応404小隊のメンバーには制限緩和の権限を付与させたからね」

 

 結局相手次第じゃないか。片手で数える程度だが45と夜の営みをしたことはある。が、最初優位でも結局逆転されて搾り取られていた。前の姿でこれなら、もし45が求めてきたら、もう終始やられっぱなしな未来しか見えない。

 いかんいかん、こんな事考えるより目の前の事だ。ペルシカ女史に聞けば俺が死にかけてから3週間は経過している。俺にとっては数日も経ってない感覚だが、向こうにとっては3週間経過した事実に変わりはない。殴られるかもしれない。問い詰められるかもしれない。泣かれるかもしれない。それでも甘んじて受け止めよう。そして……

 

 

 

 

 

 プシュー

 

 ペットボトルから炭酸が抜けるような音と共にあの不健康そうな天才科学者ペルシカが入ってきた。

 

「今から指揮官君が来るけど中身入りは初めてだから間違っても殺しにかからないこと。いいね? それじゃ指揮官君、入ってきて」

 

「失礼します」

 

 聞き慣れない低い女性の声と共に入ってきたのはメイド服姿の色白女。間違いない、あの実験室のような部屋でカプセルに入れられていた鉄血の代理人だ。でも雰囲気と目つきは元の代理人の情報とは全く違う。まるで指揮官みたい。

 

「その、指揮官……だよね?」

 

 9が恐る恐る不安そうに聞く。それもそうだ。だって目の前にいるのは敵だもの。パッと見は敵、でも雰囲気と目つきは指揮官そのもの。この矛盾した存在に私の電脳はエラーを出しかけた。

 

「あぁ、その……なんだ。心配させて済まなかったな」

 

 けれども出かけたエラーはピタリと止んだ。姿と声は変わり果てても目を逸らして頬を掻く仕草と口調は指揮官そのものだった。あぁ、本物だ。本当に指揮官が帰ってきてくれた。

 

「指揮官!」

 

 一目散に駆け寄り抱きしめる。男の筋肉質な感触も指揮官の匂いも無い。でも中身は本物だ。もう何があっても離さないし、死なせない。指揮官は命を張って私を守ってくれた。今度は私が守り抜く。

そう固く決意しつつ久しぶりの指揮官を堪能することにした。

 

 

 

 

 

「えーっと、どういう状況なんだ?」

 

「指揮官は黙ってて」

 

「ア、ハイ」

 

 今の状況を確認しよう。鉄血人形の代理人となった俺は感動の再会を果たすや否や、椅子に座らされUMP45にいわゆるだいしゅきホールドの体勢で無理やり抱きつかれている。さらに9が背後から抱きつき、左腕にはG11が器用に抱きついて寝ており、右腕は416がまんざらでもない表情で寄り添っている。要するに、身動き出来ない状態だ。

 

「……45は何をしてるんだ?」

 

「マーキング」

 

 マーキングって……

 

「薬品と彼奴らの匂いするから私たちで上書きしてるの」

 

「そ、そうか……」

 

 一応IFFはG&Kのものになってるから誤射の心配はないはずだが。というかそんなに薬品の匂いがするのか、それとも単に45の嗅覚センサーが鋭いだけなのか。しかし感動の再会を果たしたとは言え身動きできないと暇でしょうがない。少しでも腕を動かそうとするとG11と416がさりげなく止めにかかる。まるで「この腕は私のものだ、許可なく動かすな」と言わんばかりに。この子たち前からこんな感じだったっけ?

そうだ、会ったら1つ言いたいことがあったんだ。

 

「なぁ、1ついいか」

 

 45の動きが止まった。45だけじゃなく全員の意識が向けられ、G11もなぜか既に目を覚ましている。

 

「その……なんだ、心配かけて本当に申し訳なかった」

 

「……バカ、すっごい心配したんだから」

 

 涙を浮かべ上目遣いで見つめる45、今までこんな表情を見せたことはなかった。……よっぽど心配かけたようだ。

 

「本当にすまない。どうか許してくれ」

 

「……みんなの言うこと何でもしてくれる?」

 

「あぁ、何でもするさ」

 

 それが償いになるなら。この言葉にさっきまでの泣きかけた45の顔が嘘のように笑顔になる。

 

「9、416、今の録音した?」

 

「バッチリ録ったよ!」

 

「えぇ、清々しいほど完璧にね」

 

 あっ、45お前まさか言質取る為にやりやがったな! してやったりみたいな顔しやがって! 確かに45と皆に心配かけた代償に何かしようとは思ったが、45の顔からして碌なことにならないぞこれは。やばい、逃げようにも9と416ががっちり腕を掴んで離さない。ペルシカの「人間と人形には逆らえない」の1文が脳内で反復する。この状況と逆らえないプログラムから導かれる答えはただ一つ。

 

「まずは、指揮官にオンナの子の事、じっくり教えてあ・げ・る♪」

 

 犯される。45がするりと服を脱ぎだし両脇の二名も器用に俺のメイド服を脱がし始めた。そうだ、G11は参加してないから止めてくれるかもしれn

 

「じゃ終わったら言ってね。あたし隣の部屋で寝てるから」

 

 G11お前裏切ったな! あっ、45やめっ、そこ触るな!

 

 

 

 開放されたのは約1時間後。何されたかって? 妙につやつやで満足気の45と真っ赤な顔で死んだ目した俺を見て察してください。とりあえず男としての尊厳は木端微塵にされたことは言っておく。

 




この後は未定です。指揮官が45にナニされたかは御想像にお任せします

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