ガンダムビルドファイターズ-Sailing to the Sunshine-   作:陽@曜花推し

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第16話:限界を超えて(リメイク版)

ついに、この日がやってきた。

 

第14回全日本ガンプラバトル選手権 中高生の部 個人戦 静岡予選 決勝。

 

会場となる巨大ドームを少し離れた場所から見つめる俺の横には、昨日、夕暮れの内浦で俺への想いを真っ直ぐに伝えてくれた、大切な彼女である梨子の姿があった。

 

「陽君、緊張してる?」

 

梨子が心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。その優しい瞳に見つめられ、俺は苦笑交じりに頷いた。

 

「まあな……相手は大会2連覇中のディフェンディングチャンピオン、志木城隆利さんだ。だけど、あの人を倒さなきゃ本選の切符は手に入らない。ここまで来たんだ、止まるわけにはいかないさ」

 

「そうね。私も全力で応援するから。何があっても、陽君の隣にいるわ」

 

梨子がはにかむように微笑む。命がけの事件を乗り越え、恋人同士になった今、彼女のその言葉がどれほど心強いか分からない。ああ、いいな、彼女がいるってこんな気分なんだ。最高に幸せだ。

 

「お熱いですわね。ですが、私たちが後ろに控えていることを忘れないでいただきたいですわ」

 

背後からツッコミを入れてきたのはダイヤだった。振り返れば、決勝の大舞台ということで、Aqoursのメンバー全員が勢揃いして俺たちを見守っていた。すっかり二人だけの世界に入り込んでいて忘れていた。

 

「まぁまぁ、いいじゃんダイヤ。それよりも陽、ちゃんと準備はできてる?」

 

果南がからかうような笑みを浮かべつつ、真面目な顔で聞いてくる。

 

「ばっちりだ。機体の整備も完璧、シチュエーションもこれ以上ない。相手が誰だろうと抜かりはないさ」

 

「この決勝戦、今回も浦の星の体育館でライブビューイングが上映されているわ。マリーの調べによると、昨日の事件の噂もあってか、いつも以上の観客数で大盛り上がりらしいデース!」

 

鞠莉がスマートフォンを片手に華やかに笑う。内浦のみんなも期待してくれている。自然と背筋が伸び、闘志が身体の奥から湧き上がってくる。

試合開始まであと10分。そろそろ控室へ向かい、最終調整をしなければならない。

 

「はー君、なんだか楽しそうだね」

 

千歌が嬉しそうに俺の顔を覗き込んできた。

 

「あぁ、強敵と戦えるんだ。うずうずしやがる。だから心配すんな。全国大会の切符、必ず掴み取って戻ってくるから」

 

「うん! 信じてるよ!」

 

千歌の力強い返事を皮切りに、メンバー全員から次々と熱いエールが送られる。

 

「相手はめちゃくちゃ強いけど、はー君なら絶対にやってくれるって信じてるからね!」

曜がトレードマークの敬礼と共に拳を突き出す。

 

「がんばルビィ!!」

ルビィが小さな拳を握りしめて応援してくれる。

 

「これ、マルからの差し入れずら。マルの貴重なのっぽパンをあげるんだから、必ず勝ってくるずらよ」

花丸が大事そうに抱えていたのっぽパンを俺の手元に押し込んできた。

 

「先輩、思いっきり暴れてきなさい! ヨハネの魔力が先輩の背中を支えてあげるわ!」

善子がいつものポーズで不敵に笑う。

 

「さあ、全国の舞台はもう目の前です! 陽、あなたのガンプラバトルのすべてを見せてきなさい!」

 

ダイヤが凛とした声で俺を鼓舞する。

 

「陽、思いっきり楽しんでくるんだよ」

 

果南が優しく微笑み、鞠莉も「お姉ちゃんたちも応援してるからね!」とウィンクを投げかけてくれた。

 

そして、最後に梨子が、自身のバッグから丁寧に包まれた一つのケースを取り出した。

 

「はい、これ。陽君の相棒よ」

 

手渡されたケースを開けると、そこには完璧な仕上がりを見せるデスティニーガンダムシグムントが収まっていた。

実は昨日、梨子は夜遅くまで俺の部屋に残り、シグムントの装甲カラーをそれまでのコバルトブルーから、原型機であるデスティニーガンダム同様の、深みのある本来のブルーへと塗り替えてくれていたのだ。

 

「塗装は完璧よ。私の、私たちの想いも全部乗せてあるわ。だから……行ってこい!」

 

「おう! 行ってくる!」

 

みんなの応援が、これ以上ないほど胸に響く。プレッシャーなんて微塵も感じない。俺の背中には、 Aqoursが、そして内浦のみんながついている。負ける気が全くしなかった。

 

控室に入ると、そこにはすでに腕を組んで待っていたジュンヤの姿があった。

 

「遅かったな、陽哉。女どもと別れを惜しんでいたか」

 

「ジュンヤ……お前、本当にセコンドに入ってくれるんだな」

 

「当然だ。お前が拉致監禁の痛手を引きずらず、あの志木城という男とどのような決戦を繰り広げるのか、この両眼で見届ける義務がある。それに、お前の背中を守るのは、この俺の役目だ」

 

ジュンヤはそう言うと、俺の肩を乱暴に、だが温かく叩いた。

 

「昨日施したモーションの最終調整、忘れるなよ。次元覇王流の極意を落とし込んだあの格闘戦、見事に使いこなしてみせろ」

 

「ああ、分かってる。お前が後ろにいてくれるなら百人力だ。最高のバトルを見せてやるよ」

 

俺とジュンヤは拳を突き合わせ、熱い闘志を共有した。

 

実況『さあ、大変長らくお待たせいたしました! 第14回全日本ガンプラバトル選手権 中高生の部 個人戦 静岡予選決勝がいよいよ始まります! まずは入場いたしますは、大会2連覇のディフェンディングチャンピオン、志木城隆利選手! 一昨年、昨年と神代恵里菜選手との死闘を制し、全国への切符を掴み続けてきた絶対王者!』

 

会場に凄まじい地鳴りのような歓声が響き渡る。

 

実況『対しますは、今大会初参加ながら、様々な非公式大会での優勝経験を持ち、今予選でも無類の強さ、圧倒的なまでの機体制御を見せて勝ち上がってきた超新星、新堂陽哉選手! この2人が一体どのような次元の戦いを見せてくれるのか、今から興奮が止まりません! 両者、入場です!』

 

重厚な扉が左右に開き、眩い光が差し込むステージへと足を踏み入れる。セコンドの位置には、威風堂々としたジュンヤがぴたりと付き従っている。

反対側のゲートから、志木城さんが歩いてくる。その隣には、彼を支える神代菜穂さんの姿もあった。

 

ステージの中央、バトルシステムの前で俺たちは対峙した。志木城さんは俺の顔を真っ直ぐに見つめ、静かに口を開いた。

 

「この日を待っていたよ、新堂君。キジマ先輩から君の噂は聞いていた。あの先輩に公式戦で二度も勝ち、昨年先輩を苦しめたルーカス・ネメシスをも超えたファイター。そのような強者と、この決勝という最高の舞台で戦いたかった」

 

「俺もですよ、志木城さん。地方予選の決勝で、2連覇中のチャンピオンとぶつかれるなんて最高だ。でも、そうでなきゃ面白くない。だから……全力であんたを倒して、俺が全国に行きます」

 

「素晴らしい闘志だ。それはこちらのセリフでもある。俺にとっても、今年が中高生の部での個人戦は最後になる。だからこそ、有終の美を飾るためにも、君という最強の挑戦者を倒して全国へ行く」

 

スタッフ「両者、まもなく時間です。システムへガンプラをセットしてください」

 

スタッフの促しに従い、俺たちはそれぞれの操縦ブースへと入る。ジュンヤはブースのすぐ後ろ、セコンドのコンソール前に陣取り、鋭い眼光で戦況を見守る構えを取った。

 

 

《GUNPLA BATTLE Combatmode startup. Mode damage level set to "A"》

 

《Please set your GP-Base》

 

《Please set your gunpla》

 

俺はGPベースをスロットに差し込み、ブルーに塗り替えられたデスティニーガンダムシグムントをセットする。

 

志木城さんがセットしたのは――艶消しブラックで美しく塗装された、見慣れない禍々しさと機能美を併せ持つ機体。ダブルオーガンダムをベースにしながらも、ストライクフリーダムを参考にしたという、GNスラスター内蔵の大型肩アーマーが圧倒的な存在感を放っている。ツインドライヴではなく、背面に増設されたコーン型とスリースラスター型を組み合わせたシングルドライヴ仕様。

 

これがあの人の愛機――「ゼルクガンダム」か!

 

 

《Beginning [Plavsky Particle] dispersal. Field068, space Celestial Being》

 

 

プラフスキー粒子がステージを満たし、周囲の景色が、ガンダム00の最終決戦の舞台であるコロニー型外宇宙航行母艦「ソレスタルビーイング」が秘匿されていた、ラグランジュ2の漆黒の宇宙空間へと変貌していく。

 

「新堂陽哉、デスティニーガンダムシグムント、出るぞ!!」

 

「志木城隆利、ゼルクガンダム、出撃する!!」

 

2機のガンプラが仮想空間へと解き放たれ、漆黒の宇宙を猛烈な勢いで加速した。

 

「……一気に突っ込んでくるか! ならば!」

 

俺は背面の対艦刀「レーヴァテイン」を引き抜き、大型のビーム刃を展開。ゼルクガンダムに向けてスラスターを全開にする。

お互いに一切の躊躇なく、一直線に距離を縮めていく。

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

俺がレーヴァテインを振り下ろすのと同時に、ゼルクガンダムがマウントアームから細身の巨剣「GNバスターソードⅡ」を引き抜き、迎え撃つ。

激しい金属音と共に刃と刃がぶつかり合う――が、その瞬間、信じられない感触が手元に伝わってきた。レーヴァテインのビーム刃が、ゼルクの剣に触れた瞬間に綺麗に切り裂かれ、霧散したのだ。

 

「何っ!? ビームを切り裂いた……!?」

 

「俺のバスターソードには粒子変容塗装を施してある。生半可なビームの刃では、この剣を折ることはできん!」

 

至近距離での志木城さんの声。すかさず、ゼルクの機体から強烈なプレッシャーが放たれた。

 

「ファング!!」

 

ゼルクガンダムの腰部や肩部から、6基の**GNファング**が射出され、瞬時にシグムントを取り囲むように展開した。

 

「やっぱりオールレンジ兵器持ちか……! でも、この動き……!」

 

縦横無尽に襲いかかるファングの軌道。それはオートの規則的な動きではない。ファイターの意志が直接乗った、極めて緻密で不規則なマニュアル操作によるものだった。6基の遠隔兵器を完全にコントロールしている。これが王者の技量か!

 

「だったら、こっちだって! プリスティス!!」

 

両腕のフラッシュエッジ3からビームブーメラン「プリスティス」を放ち、迫り来るファングを迎え撃つ。宇宙空間を光の軌跡が複雑に交錯する。数はあちらが上だが、シグムントの圧倒的な機動性で紙一重の回避を続ける。

 

「そこだ!!」

 

ファングの猛攻に意識を割かれていた一瞬の隙を突き、ゼルクガンダムが大型肩アーマーの内蔵GNスラスターを爆発的に吹かせ、神速の突撃を仕掛けてきた。粒子変容塗装のGNバスターソードⅡがシグムントのコクピット目掛けて一閃される。

 

「くっ……!」

 

間一髪、シグムントを横へ滑らせて斬撃を躱す。回避されたことで一瞬だけ体勢を崩したゼルクの背後を狙い、反撃のレーヴァテインを振るおうとしたが――。

 

「ファング!」

 

残ったファングが完璧なタイミングで射線を遮り、俺の接近を阻んだ。

 

「邪魔だぁぁ!!」

 

レーヴァテインを力任せに振り回し、襲いかかるファングを2基、立て続けに叩き落とす。しかしその隙に、志木城さんは残ったファングを冷徹に操作し、俺のプリスティス1基を正確に撃破していた。

 

お互いに一度距離を取り、漆黒の宇宙空間で対峙する。シグムントのプリスティスは残り1基、ゼルクのファングは残り4基。

 

「楽しいな、新堂君。やはり君は本物だ。これほどのガンプラバトルは久しぶりだよ」

 

操縦ブースの通信から、志木城さんの高揚した声が聞こえてくる。

 

「当たり前でしょ、そんなの! こんなに強い人と全力でやり合えてるんだ、楽しくないわけがない! だからこそ、負けたくない!」

 

「その通りだ。だからこそ、俺は求め続けてしまう。勝利を。俺が、一番ガンプラバトルを愛し、一番上手いのだと証明するために!」

 

「……へっ、そいつは俺のセリフだ! 俺が世界で一番、ガンプラバトルが好きだってことをここで証明してやる!」

 

お互いに再び武器を構え直す。次の瞬間、志木城さんの瞳の奥に、凄まじい闘志の炎が灯った。

 

「それを証明するために、俺たちは今ここにいる。ならば、行こうか……トランザム!!」

 

ゼルクガンダムのシングルドライヴが臨界まで高まり、機体全体が爆発的な赤色の粒子に包まれて発光する。

 

「ならば……ヴォワチュール・ルミエール、フルドライヴ!!」

 

シグムントも背面のウイングを最大展開し、光の翼を限界まで広げる。

赤と青の光条が、ソレスタルビーイングの宇宙空間を信じられない速度で激しく交錯し、一瞬のうちに数十回もの斬り結びを行う。キィィィン! と高密度の粒子が弾ける音がドーム内に鳴り響いた。

 

「まだまだぁぁ!!」

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

突如、ゼルクガンダムの動きがさらに一段階、跳ね上がった。まるで機体とファイターの意識が完全に同調しているかのような、人知を超えた滑らかな超絶機動。

 

「チッ、動きが変わった……! まさか、アシムレイトか!?」

 

セコンド席のジュンヤがコンソールを叩いて叫ぶ。

「陽哉、気をつけろ! 奴は機体と感覚を同調させている! スピードに惑わされるな!」

 

「気分が高まる……! この感覚、今なら行ける! ファング!!」

 

志木城さんの叫びと共に、残る4基のGNファングに加え、両腕の**GNガントレット**の先端からワイヤーで繋がれたGNソードショートが切り離され、計6基のファングとなって襲いかかってきた。

 

「させるか! プリスティス!」

 

俺は残された最後のプリスティスを射出し、ファングの網を破ろうとする。俺が鋭いカッティングでファングを2基、さらにガントレット由来のファングを1基破壊した瞬間、志木城さんの操作するファングがプリスティスを完全に噛み砕いた。

さらに、死角から迫った最後のファングが、シグムントが構えていたレーヴァテインの1本を根元から爆破する。

 

これでお互いに遠隔機動兵器はすべて消失。だが、俺の手元に残された武器は、たった1本のレーヴァテインのみとなった。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

トランザムの赤い残像を引き連れ、ゼルクガンダムが2本のGNバスターソードⅡの柄を連結させ、アンビデクストラスフォームへと変形させて振り下ろしてきた。超重量と超高速が合わさった凄まじい一撃。

残された1本のレーヴァテインで受け止めるが、シングルドライヴとはいえアシムレイトとトランザムが重なったゼルクのパワーは圧倒的だった。ギチギチと火花を散らした後、俺のレーヴァテインは力負けして遥か彼方へと吹き飛ばされてしまった。

 

しかも、ゼルクのトランザムは未だに途切れていない。手ぶらになったシグムントの眼前で、大型の連結剣が容赦なく振り上げられる。

 

「貰ったぁぁぁ!!」

 

完全に体勢を崩したシグムント。このままでは一刀両断にされ、パーツごと真っ二つに破壊されてしまう。ここで、終わりなのか――。

観客席の誰もが、王者の勝利と、俺の敗北を確信しただろう。

 

だけどな……終わるわけにはいかねぇんだよ! 梨子と、Aqoursのみんなと、全国に行くって約束したんだ!!

 

「こんなところで、俺はぁぁぁぁぁッ!!」

 

ドクン、と心臓が激しく波打った。

頭の中が異常なほどに冴え渡り、周囲の空間がスローモーションのように変化していく。トランザムによる超高速のはずのゼルクの剣の軌道が、はっきりと目に見えた。

シグムントは紙一重のバックステップで、その必殺の連結剣を完全に回避してみせた。

 

これには、会場全体から割れんばかりのどよめきと悲鳴のような歓声が沸き起こった。

身体が、猛烈に熱い。志木城さんの動きが、アシムレイト発動前と同じように手に取るように分かる。……そうか、これが、ジュンヤとも体験したあの感覚。俺の意志が、シグムントのプラフスキー粒子と完全にシンクロしている。俺も今、アシムレイトを発動させていた。

 

手元の武器はすべて失った。だが、まだあるじゃねぇか。最高の相棒が創り上げてくれた、この強固な四肢が、この拳が!!

 

シグムントが両拳を握りしめてファイティングポーズを構えたのを見て、志木城さんもまた、俺の覚悟を瞬時に察知した。

 

「格闘戦か……いいだろう、受けて立つ!」

 

志木城さんは連結させていたGNバスターソードⅡを潔くパージし、両腕を鋭く構えた。

お互いが宇宙空間を蹴り出したかと思った次の瞬間には、2機のガンプラは凄まじい速度での殴り合いに突入していた。

 

シグムントのストレートがゼルクの顔面を捉えれば、ゼルクのGNガントレットによる重いアッパーがシグムントの胸部を激しく叩く。

ガツン! バキィン! と鈍い衝撃音が操縦ブースを通じて、アシムレイトしている俺たちの肉体に直接突き刺さる。痛ぇ、頭が割れそうに痛ぇ、胸が苦しい……! だが、それは相手も同じことだ!

 

「おおぉぉぉぉッ!」

 

「はぁぁぁぉぉッ!」

 

互いの渾身の右拳が顔面に同時にクリーンヒットし、2機のガンプラは激しく後方へと吹き飛んだ。ようやく挙動が止まった時、互いの機体はすでに文字通りの満身創痍、ボロボロになっていた。装甲には無数のひびが入り、内部フレームが露出している。当然、ファイターである俺たちの体力も限界を迎えていた。

 

観客席では、Aqoursの面々が息を呑んでその光景を見つめていた。

 

「あれって……アシムレイト、だよね!?」

 

曜が驚愕に目を見開いて叫ぶ。

 

「アシムレイト!? 話には聞いていましたが、まさか2人とも……!」

 

ダイヤが扇子を握りしめたまま震える。

 

「ていうか、志木城選手も陽も、動きの次元が違いすぎるよ!」

 

果南が戦慄し、鞠莉も「アシムレイト同士の、魂のぶつかり合いなのね……!」と息をのむ。

 

「アシムレイトって、何ずらか?」

 

状況が掴めない花丸が尋ねると、ルビィが涙目になりながら必死に説明した。

 

「簡単に言うとね、ファイターの強い精神力で、機体の性能を限界以上に引き出すことができるの。だけど……その代わり、ノーシーボ効果で、ガンプラが受けたダメージと同じ痛みが、ファイターの身体にも直接伝わっちゃうの……! 腕が壊されたら、本当に腕が折れたような激痛が襲うの……!」

 

「そんな……! ということは、今の陽兄ちゃんの身体は……」

 

花丸が青ざめる。

 

「アシムレイトを発動させてからのあの凄まじい殴り合い……先輩は今、想像を絶する激痛と戦っているはずよ」

 

善子がいつになく真剣な、痛ましそうな表情でステージを見つめる。

 

「梨子ちゃん……」

 

千歌が隣の梨子の手を握りしめる。梨子は真っ青な顔をしながらも、胸の前で強く両手を組み、ステージ上の陽哉へ届くように祈り続けていた。

 

「大丈夫……陽君は絶対に、絶対にやってくれるって、信じてるから……!」

 

その反対側の席では、菜穂もまた、祈るように拳を握りしめていた。

 

「隆利……勝って、お願い……!」

 

ステージ上、ゼルクガンダムのトランザムが完全に終了し、粒子が燃え尽きたように消失した。

 

こちらのシグムントも、ヴォワチュール・ルミエールを維持するエネルギーは残されていない。

 

「ぐぅ……っ」

 

「……はぁ、はぁ、はぁ……っ」

 

シグムントも、俺自身も、完全に限界を超えていた。

 

現在のシグムントの損壊状態は最悪だ。頭部はメインカメラを含め半壊、右腕は先ほどの殴り合いで完全に損失し、左足は膝関節から下が丸ごと吹き飛んでいる。

対するゼルクガンダムも同様に満身創痍。しかし、先に動いたのは志木城さんだった。

 

ゼルクはアームを強引に回転させ、マウントされていたもう1本の「GNバスターソードⅡ」を展開した。刀身が左右に割れ、内部のキャノンが露出する。

 

「これで、終わりだ……! GNバスターキャノン!!」

 

トランザムは切れているが、残されたすべてのエネルギーを注ぎ込んだ、極大の光条がシグムントのゼロ距離目掛けて放たれようとしていた。

こちらのシグムントは、破損した脚部のせいで回避行動が間に合わない。今度こそ、本当に終わりなのか――。

 

いや、まだだ。ここまで来て、梨子の想いを受け取って、みんなの期待を背負って、諦められるわけがねぇだろうが!!

体中が引き裂かれそうに痛い。機体も動かない。だけど――限界なんて、そんなもん知るか!! 超えてやるよ、今ここで!!

 

「力を貸せよ、俺の最高の相棒……シグムントォォォォォッ!!」

 

俺の魂の叫びに呼応するように、半壊したシグムントのツインアイが、これまで以上の凄まじい輝きでベタ赤に発光した。

奇跡的に、先ほど吹き飛ばされた1本の「レーヴァテイン」が、偶然にもシグムントの左手のすぐ近くに漂っていた。残された左腕を泥臭く伸ばし、その柄をガッチリと掴み取る。

 

ズガァァァァァンッ!!

 

ゼルクのGNバスターキャノンが放たれるのと同時に、シグムントは残されたスラスターを一瞬だけ爆発的に点火。斜め上方へと軸をずらし、直撃を間一髪で回避した。放たれた閃光がシグムントの右肩をかすめて吹き飛ばすが、止まらない。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

バックステージからジュンヤの「征け、陽哉ァッ!!」という咆哮が鼓膜を突き刺す。

シグムントは推進力の残骸をすべて使い、ゼルクガンダムの懐へと一瞬で肉薄。左腕の一閃で、キャノンを構えていたゼルクの右腕を付け根から一刀両断に切り落とした。

 

「何っ……!?」

 

志木城さんが驚愕に目を見開く。その視界の先で、シグムントは残されたすべての力をレーヴァテインのビーム刃に込め、ゼルクガンダムのコクピットハッチへと、真っ直ぐに突き立てた。

 

「これで……とどめだぁぁぁぁぁッ!!」

 

深々と突き刺さる対艦刀。ゼルクガンダムのシステムが完全に沈黙し、志木城さんは静かに微笑んだ。

 

「……見事だ、新堂君。俺の、負けだ……」

 

直後、ゼルクガンダムは凄まじい光の爆発を起こし、宇宙空間の光の粒子となって霧散していった。その大爆発の衝撃に巻き込まれ、シグムントもまた残された左腕を失い、完全にダルマ状態となって沈んでいく。だが、そのツインアイは、勝利の輝きを失っていなかった。

 

《BATTLE ENDED》

 

実況『し、試合終了ぉぉぉぉぉッ!!! 勝ったのは、新堂陽哉選手!!! 今年の静岡代表の座を勝ち取ったのは、凄まじい執念で限界を超えた超新星、新堂陽哉だぁぁぁぁッ!!!』

 

「陽君が……勝った……!!」

 

梨子の目から、溜まっていた涙が一気に溢れ出した。

 

「梨子ちゃん、はー君やったよ! やったんだよ!!」

 

千歌が狂ったように梨子に飛びつき、二人は涙を流しながら抱き合った。

 

ホログラムの解除のアナウンスが流れると同時に、俺と志木城さんは、極度の精神的疲労とアシムレイトの反動により、操縦ブースの床へと同時に崩れ落ち、意識を失った。

 

「は、陽君!!」

 

「隆利!!」

 

梨子や千歌たち、そして菜穂さんがステージへと駆け上がる。セコンド席から飛び出してきたジュンヤが、素早く俺の身体を抱き起こし、駆けつけた医療スタッフと共に、俺たちを大急ぎで医務室へと搬送していった。

 

それから、約20分後。

 

「……ん、あれ……ここ、どこだ?」

 

眩しい天井の光に目を細めながら、俺はゆっくりと意識を取り戻した。なんで俺、ベッドで寝てるんだ?

 

「よかった……目が覚めたのね、陽君……っ」

 

すぐ横から聞こえてきた愛おしい声。視線を向けると、そこには目を真っ赤に腫らした梨子が、俺の手をぎゅっと握りしめて座っていた。

 

「梨子……? ああ、そっか、思い出した。俺、決勝戦で……ぶっ倒れたんだな。ててて……体中がめちゃくちゃ痛ぇ……」

 

「大丈夫のようだな、一応は」

 

カーテンの仕切りが開き、菜穂さんに支えられながら、俺のベッドの脇へと歩み寄ってくる志木城さんの姿があった。

 

「心配したんだからね。隆利が先に目を覚ましたんだけど、君がなかなか起きないから、梨子ちゃん今にも泣き出しそうだったんだよ?」

 

菜穂さんが少しからかうように言うと、梨子は「ちょ、菜穂さん!? 恥ずかしいです……!」と顔を真っ赤にして俯いた。梨子……本当に心配かけちまったみたいだな。愛おしさが胸に込み上げる。

 

俺は何とか激痛に耐えながら、上半身をベッドの上に起こした。

 

「志木城さん……」

 

「君と全力で戦えた。負けたことは、正直に言って酷く悔しい。だが、それ以上に、これほどまでに魂が震え、心が躍る戦いができたんだ。ファイターとして、これ以上の満足はない。最高のバトルをありがとう」

 

志木城さんはそう言って、右手を差し出してきた。

 

「志木城さん……。ええ、俺もです。あなたのような本物の強敵と戦えて、本当に良かった。ありがとうございました」

 

俺はその手をしっかりと握り返し、互いの健闘を称え合って握手を交わした。その様子を、医務室の入り口の壁に寄りかかり、腕を組んで見ていたジュンヤが「フン、いい戦いだったぞ、陽哉」と満足そうに不敵な笑みを浮かべた。

 

「あのさぁ……いつまで『志木城さん』って呼ぶつもりなのかな?」

菜穂さんが腰に手を当てて、呆れたようにクスリと笑った。

 

「へ? あ、いや、いつまでと言われても……」

 

「私たち、みんな同い年なんだしさ。ねぇ?」

菜穂さんの言葉に、梨子も「そうよね、陽君。もうさん付けじゃなくてもいいんじゃない?」と同意する。

 

確かに、最初に水族館の裏で会った時、友人になれたらと言い出したのは俺の方だ。今さら名字にさん付けなんて、よそよそしすぎるな。

 

「そうだな。俺たちはもう、固い拳を交わした友人なのだろう? 陽哉」

志木城さんが、悪戯っぽく微笑みながら俺の名前を呼んだ。

 

「――それもそうだな、隆利」

 

俺がそう言い直すと、隆利は嬉しそうに頷いた。ガンプラバトルって、本当に面白いよな。あれだけステージの上で派手に殺し合いに近い殴り合いをした相手と、こうして一瞬で最高の友達になれるんだから。こんなに素晴らしいことはない。

 

「また、いつでもバトルをしてくれるか?」

 

「もちろん。何度でも相手になるさ。……あ、でも、その前に表彰式に行かなきゃな」

 

まだ身体は完全には回復していなかったが、観客席や運営の皆さんをこれ以上待たせるわけにはいかない。俺はベッドから立ち上がり、隆利とジュンヤ、そして梨子たちと共に医務室を後にした。

 

医務室の重い扉を出ると、そこには待ちきれんばかりの様子でAqoursのメンバーが全員待機していた。

 

「はー君!! よかったあぁぁぁ!!」

 

「なかなか目を覚まさないから、本当に心配したんだよ!?」

 

千歌と曜の凸凹コンビが、勢いよく俺の体に飛びついてきた。

 

「お、落ち着けって、お前ら! 痛い痛い! まだ体中が痛いから! ……って、隆利?」

 

ふと隣を見ると、隆利が菜穂さん以外の女子に全く免疫がないせいで、顔をトマトのように真っ赤にして完全にフリーズしていた。

 

「千歌、曜、ちょっと離れてくれ。俺は大丈夫だから。隆利はあまり他の女の子に慣れてないんだ、勘弁してやってくれ」

 

俺が苦笑しながら言うと、二人は「あ、ごめんなさい!」と慌てて隆利から距離を取った。

 

「ピギィッ!!」

 

すると今度は、固まっている隆利の真面目そうな顔を見て、ルビィが怯えたように悲鳴を上げてダイヤの背後に隠れてしまった。

 

自分を見て女の子に怖がられたことに、隆利は目に見えてガーンとショックを受けている。

 

「あ、いや、気にするな隆利! ルビィは極度の男性恐怖症で、俺以外の男には誰にでもああなんだ。お前が怖いわけじゃない!」

 

「そ、そうなのか……。俺と似たようなものか、理解した……」

 

隆利はホッとしたように胸を撫で下ろした。

 

「呼び方が変わってるずら。もしかして、友達になったずらか?」

花丸がのっぽパンを齧りながら尋ねる。

 

「おう。昨日の敵は今日の友、ってやつだな」

 

「こ、これはまさしく……! 激しく殴り合った二人の漢が、『なかなかやるな』『フッ、お前もな』と認め合う、漆黒の契約の儀式……!」

 

善子が中二病全開のポーズで目を輝かせる。いや、うん、だいたいそんな感じかもしれない。

 

「ふふふ、いいわ。あなたもヨハネの眷属、リトルデーモンに加えてあげるわ!」

 

突然の堕天使の勧誘に、隆利は「け、眷属……? い、嫌な予感が……」と激しく戸惑っている。

 

「すまねぇ隆利、こいつは重度の中二病なんだ。悪い奴じゃないから気にしないでくれ」

 

「り、了解だ……」

 

「陽ーーーっ!! おめでとうデース!!」

 

今度は鞠莉が、もの凄い勢いで俺の正面から抱きついてきた。

 

こ、これは……!! 胸元に伝わる、恐ろしいほどの柔らかさ!! いつ押し当てられても変わらぬ極上のマリー・クオリティ!!

 

しかも、鞠莉は勢い余って隣にいた隆利まで巻き込んでまとめてハグしたため、隆利もその至高の恩恵に預かる形になっていた。隆利はさらに顔を真っ赤にして完全にオーバーヒート寸前だ。

 

だが、そんな俺たちの至福の時間は一瞬で凍りついた。

 

「……何をやっているのかしら、陽君?」

 

「そんなにおっぱいが好きなのかな、隆利?」

 

俺と隆利の背後から、底冷えするような極低温の声が響いた。振り返ると、そこには般若のような笑みを浮かべた梨子と菜穂さんが立っていた。目が、完全に笑っていない。

 

「ひぃっ!?」

 

俺と隆利は恐怖に激しく身を震わせ、大慌てで鞠莉から離れた。女の嫉妬、ガンプラバトルより百倍怖ぇ。

 

「鞠莉、とりあえず離れなさい。……とにかく、会場の皆さんが表彰式を待ちくたびれていますわよ」

果南が鞠莉を引き離し、ダイヤが呆れたように扇子で俺たちの頭を軽く叩いた。

 

そうだな、これ以上待たせるわけにはいかない。

 

「行くか、隆利」

 

「ああ、行こう、陽哉」

 

再びステージへと入場すると、会場を埋め尽くした観客から、割れんばかりの拍手と大歓声が巻き起こった。その中には、誇らしげに腕を組んで見守るジュンヤの姿もあった。

表彰式が執り行われ、俺の手には静岡予選優勝の特大のトロフィーが手渡された。

 

次は、いよいよ全国大会。ようやく、あの聖地「ヤジマスタジアム」に行けるんだ。

さて、全国の舞台には、一体どんな化物じみた強敵たちが待っているのやら――。

 

 

 

 

――北海道、とある格式高い喫茶店。

 

「へぇ、あのガンプラ学園の志木城が負けたのか……? 相手は……新堂陽哉。なるほど、どっちにしろ面白くなってきやがったぜ!」

 

カウンター席でスマートフォンの速報画面を見ていた一人の少年が、獰猛な笑みを浮かべた。

 

「何やってるんですか、星斗。サボっている時間はありませんよ。さっさと働いてください」

 

背後から現れた姉の聖良が、容赦なく少年の耳を引っ張り上げる。

 

「痛っ、ててて! ちょ、聖良姉、耳引っ張んないでよ! 今、重要な情報収集を――」

 

《北海道代表:鹿角星斗 / 使用ガンプラ:ガンダムアストレイ シャドウフレームリヴァイ》

 

 

 

 

――鹿児島、鹿児島県立薩中高等学校・ガンプラバトル部。

 

「静岡代表が決まったぞ、大河」

部長が部室のドアを開けて告げる。

 

「どっちが勝ちました?」

黙々と工具を動かしていた少年、湊大河が顔を上げた。

 

「新堂陽哉だ」

 

「へぇ……面白くなってきた。それに……これで全国に行けば、あのダイヤ様に会えるかもしれない! あの圧倒的な大和撫子感、半端ないって! もうドストライクなんだよ! この熱い思い、必ず伝える……!」

 

「お前、大会で勝つこととその不純な気持ち、どっちが大事なんだよ」

部長が呆れ顔で突っ込む。

 

「いや、『仕事と私、どっちが大事?』的な感じで聞くのやめてもらっていいですか? どっちも大事に決まってるんですよ!! あの『未熟DREAMER』のライブ動画を見てから、俺は完全に惚れてるんです! ようやく運命の人にたどり着いたんだ!」

 

「……ま、いっか。がんばれよ、大河」

 

《鹿児島代表:湊大河 / 使用ガンプラ:ガンダムエクシアⅢ》

 

 

 

 

 

――大阪、賑やかな市内を歩く一人の少女。

 

少女は、先日自分の所属するガンプラ心形流の道場で起きた、頭の痛い出来事を思い出していた。

 

『やっぱマリュー・ラミアスのおっぱいが最高じゃーーーっ!!』と叫ぶ老人の珍庵。

『ミサキちゃん、また怒らせてしもた! どうすればええんですか、師匠ーーーっ!!』と泣きつくマオ。

 

『それよりもこれ見てくださいよ師匠、マオさん! この新作のウイニングふみなを!!』と興奮するミナト。

 

一体いつから、我がガンプラ心形流はこんな色ボケと煩悩の集団になり下がってしまったのか。

 

『おお、李衣菜。どや、このマリューのフィギュアのおっぱいは! 再現度が半端ないで!』

 

『李衣菜、ミサキちゃんの機嫌を直す方法一緒に考えてーな……』

 

『姉さん、どや、このウイニングふみなのボディラインは!!』

 

ふざけるな。おっぱい老人に、学習能力のない尻に敷かれ野郎に、肖像権ガン無視の変態野郎が。こいつらのせいで、優秀な弟子たちが少しずつ心形流から離れていっているのが分からないのか。

 

(回想終了)

 

 

「もうええ……もうこいつらには頼らへん。ガンプラ心形流は……うちが立て直したる! あの煩悩集団の好きにはさせへん! だから……絶対、うちが全国制覇したるんや!!」

 

少女、鷹山李衣菜は拳を強く握りしめ、大阪の空を見上げた。

 

《大阪代表:鷹山李衣菜 / 使用ガンプラ:Gヴァルキリー》

 

 

 

 

 

――東京、都立暁高校の開放的な屋上。

 

「……陽哉が勝ったか」

 

静かにスマートフォンの画面を見つめていた少年が呟く。

 

「ここにいたのね。あら、あの子が勝ち上がってきたの?」

 

背後から歩み寄ってきた朱莉が、画面を覗き込んで微笑んだ。

 

「どう、日向? あなたの可愛い弟分が全国に出てくる気分は?」

 

少年――神宮司日向は、穏やかだが非常に鋭い瞳で空を見上げた。

 

「楽しみだよ。またあいつと、公式の舞台でガンプラバトルができる。それに……あいつの元気な姿が、この目で見られるからな」

 

「そうね。いきなり静岡の田舎に引っ越しちゃったから、向こうでうまくやれるか心配だったけど。まぁ、スクールアイドルのマネージャーなんて楽しそうなことやってるし、安心したわ」

 

「そうだな。こっちにいた頃は、俺と朱莉と……あと数えても両手で足りるくらいしか友達がいなかったもんな、あいつは。小学校の頃から友達が少なかったから、高校では無理やり生徒会に引っ張り込んで、関わる機会を増やしてあげようと思ったんだけどさ」

 

「ふふ、途中で転校しちゃったものね。でも、あの子が元気にやってるならそれでいいわ。それで、勝てそう?」

 

日向は不敵に、そして絶対的な自信を込めて笑った。

 

「あいつにゃ悪いが、俺が勝たせてもらう。俺にとっても、今年が最後の選手権だからな」

 

《東京代表:神宮司日向 / 使用ガンプラ:ガンダムレギルス改》

 

 

 

 

舞台はいよいよ、全国大会へ。

 

日本全国から集う、一癖も二癖もある最強の強敵たちが待ち受けるヤジマスタジアムの舞台で、陽哉は勝ち上がることができるのか。

そして、その前に――決勝戦で完全に大破してしまったデスティニーガンダムシグムントの修理と、さらなる強化は間に合うのか!?

 

 

 

続く

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