流星堂の新米教師(仮)   作:テレサ二号

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どうもテレサ二号です!!

こちらの作品の投稿がしばらく空いてしまってスミマセン。
さて今回はポピパ二章です。
時間軸と内容が微妙に違うとかは気がついても突っ込まない方向でお願い致しますm(_ _)m

では本編です!!


#13 二重の虹

担任「市ヶ谷先生今お時間よろしいですか?」

 

昼休みに昼食を食べていた碧志は担任に声を掛けられていた。

 

碧志「ご飯を食べながらでも良いですか?」

 

担任「構いませんよ?」

 

碧志が会話を促すと担任は本題を話始めた。

 

担任「最近市ヶ谷さんの成績が落ち気味なのはご存知ですよね?」

 

碧志「少しずつ下がってきていますが学年一位は維持していますし、特に問題ないと認識しておりますが」

 

担任「きっとバンド活動が彼女の勉強時間を奪っているのだと思います。そろそろ将来の事を考えて……」

 

碧志「お言葉ですが、有咲の事は本人が決めますのでバンドの両立ができていないなんて絶対に有咲には言わないでくださいね?」

 

担任「ですが、市ヶ谷さんには一流大学に入学して貰って……」

 

碧志「それは我々教育者のエゴでしょ?俺は有咲の意思を尊重したいと思っておりますので、余程成績を落とさない限りは俺からは言うことはありません」

 

担任「………………」

 

担任が言葉を失うと碧志は『話はこれで終わり』と言わんばかりに歴史の資料に目を通し始めた。

 

 

しかし担任が有咲を呼び出して、その事を伝えたと知ったのは数日が経ったあとだった。

 

沙綾「最近有咲の様子が変なんです」

 

碧志「変?あぁ、確かにここ数日は盆栽の手入れが行き届いてないから、俺が水やりしてるな」

 

沙綾「碧志先生って細かい所に気がつきますよね。何で彼女いないんですか?」

 

碧志「余計なお世話だっての!俺だってモテるんだぜ?」

 

碧志は十数枚の手紙を差し出した。

 

沙綾「ラブレターですか?」

 

碧志「残念、これはただのスカウトの手紙だよ」

 

沙綾「あぁ、この前凄かったですもんね。ただ今の有咲にそれは見せないでくださいね?」

 

碧志「そもそも受ける気無いからさ」

 

碧志は全ての手紙をゴミ箱に捨てた。

 

碧志「それで?有咲のどこがおかしいんだい?」

 

沙綾「ライブをしたがってるんですけど、それがテスト最終日なんですよね」

 

碧志「ふーん、教師としてはあまり関心しないな。まぁ有咲の兄としては特に言うことは無いけど」

 

沙綾「ただ最近はあまり寝てないみたいで、少しストレスが溜まってるんじゃないかなって思ったんです」

 

碧志「なるほどね。確かにいつもの有咲ならテスト最終日にライブを入れたりしないかもね」

 

沙綾「何かに追い込まれてるみたいに余裕が無さそうで、何か心当たりはありますか?」

 

碧志(さては担任の先生が成績が下がってきてるのを有咲に釘を刺したな。それで有咲が意地になってるのかな?)

「心当たりがあるけど、こればっかりは有咲が乗り越えなきゃいけない事だから。『周りの期待に答えるのは能力あるものの義務だ』って俺の仲間がいつも言ってたな……」

 

沙綾「周りの期待ですか?」

 

碧志「あぁ、ただ有咲も人の子。何でもそつなくこなしてるように見えても人に見えない所で頑張ってるタイプだから、そこだけは分かってあげてね?有咲は人に弱味を見せるのが苦手な子だから」

 

碧志は沙綾に有咲の事を任せた。

 

 

 

しかし沙綾の悪い予感は当たってしまった。

 

碧志「有咲と牛込さんがケンカした!?」

 

勉強とバンド活動の両立に疲弊していた有咲が些細な事でりみにキツく当たってしまい、りみは逃げるように蔵から去ったと沙綾は碧志に相談を持ちかけた。

 

碧志「確か牛込さんは今日風邪で欠席だったよね?」

 

沙綾「そうなんです。この後みんなでお昼なんですけど、有咲の事も心配で……」

 

碧志「なるほどな。よし、牛込さんの様子は俺が昼から見てくるよ」

 

沙綾「お昼からお休みなんですか?」

 

碧志「ライブに向けて仲間と打ち合わせがあってね?丁度授業も無いから半休を貰ってるんだ」

 

沙綾「りみの事お願いしてもいいですか?」

 

碧志「あぁ、そっちは有咲の事頼むな」

(さて有咲、変わる時は今だぞ?お前の最高の仲間がキッカケをくれる。あとはお前次第だ)

 

碧志は沙綾に別れを告げるとそのままバンド仲間の元へ向かった。

 

 

_______________

 

 

 

それから碧志がりみの家に向かったのは三時前だった。

桃華オススメのゼリーを持ってお見舞いを兼ねてりみの家を訪れた。

 

『ピンポーン』

 

りみ「はーい」

 

碧志「りみさんのお見舞いに参りました、副担任の市ヶ谷碧志と申します。りみさんはご在宅でしょうか?」

 

りみ「私です、今開けますね?」

 

りみは碧志をリビングに招き入れると自分もソファーに腰かけた。

 

碧志「体調はどうだい?」

 

りみ「だいぶ熱は下がりましたけど、明日はまだ学校に行くのは厳しそうです」

 

碧志「そっか、体調が万全になるまではゆっくり休んでおいた方がいい。授業で分からない所があれば俺を頼ってくれ」

 

りみ「ありがとうございます。…………その有咲ちゃんは元気にしてますか?」

 

碧志「最近は家にいても部屋に閉じ籠ってばかりでね。全く困った妹だよ」

 

りみ「私、有咲ちゃんに悪いことしちゃって」

 

碧志「話の概要は山吹さんから聞いた。君が謝る事は無いよ。今回の事は有咲がちゃんと向き合って乗り越えなきゃいけないことだ。スマナイが妹を頼むね」

 

りみ「はい♪勿論です♪」

 

碧志「お土産のゼリーはとても美味しいらしいから、冷やして食べてね。俺はこれでお暇させて貰うよ。お大事にね」

 

碧志はりみの家を後にした。

 

 

 

 

 

家に帰る途中に碧志は香澄と沙綾に出会った。

 

碧志「お疲れ様、練習どうだった?」

 

沙綾は困ったように首を横に振った。

どうやら練習も上手く行かなかったようだ。

碧志は二人の肩を叩いた。

 

碧志「有咲と話してみるよ。牛込さんはまだ風邪が完全に治っていないから明日も休むと思うってさ」

 

沙綾「そうですか…………ありがとうございます。よろしくお願いします」

 

碧志は帰宅するとコーヒーを淹れ、有咲の元へ向かった。

 

碧志「有咲いるか?」

 

有咲「あぁ、勝手に入っていいぞ」

 

碧志はテーブルにコーヒーを置くと椅子に腰掛けながら部屋を見渡した。

こうしてゆっくり有咲の部屋を見渡したのは初めてかもしれない。

 

有咲「なんだよ、人の部屋をじろじろ見んなよな。恥ずかしいだろ」

 

碧志「あぁスマナイ。コーヒーでも飲まないか?」

 

碧志は砂糖を2つ入れて有咲にコーヒーを差し出した。

 

有咲「ありがと」

 

碧志「勉強頑張ってるみたいだな」

 

有咲「まぁ、学生の本業だからな」

 

碧志「…………担任から何か言われたのか?」

 

有咲「!!!」

 

碧志「図星か」

 

有咲「何で知ってるんだよ!?」

 

碧志「有咲に話す前に俺に話して来たからな。まぁ俺が有咲の好きにさせるって言ったせいで担任が有咲にプレッシャーを掛けたみたいでスマナイな」

 

有咲「何言ってんだよ!碧志は何も悪くないって!!」

 

碧志「一教師としてなら有咲に釘を刺すべきだったんだろうけど、多少成績を落としたって有咲には自分のしたい事をしてほしいって兄としての気持ちを優勢しちゃった」

 

碧志はイタズラに微笑んだ。

 

有咲「大丈夫、勉強はしっかりしてるし次のテストでは絶対にいい成績残すから!」

 

碧志「成績はそんなに気にしなくていいって。ただ友達に酷い事を言ったんだって?それはそのままにしていいのか?」

 

有咲「………………」

 

碧志「みんな有咲の事待ってると思うぞ?」

 

有咲「今日の練習、私のせいで気まずくなっちゃって。おたえは帰っちゃうし、香澄と沙綾には嫌な思いさせて、りみには嫌な事言ったの謝れて無いし」

 

碧志「最低だな」

 

有咲「ホント最低だよな」

 

碧志「落ちる所まで落ちたんだ、もう落ちようが無いぞ?あとは上がるだけだな♪」

 

有咲「でも私がいるとポピパの雰囲気が悪くなるんだ。私なんていない方がいいかもな」

 

碧志「ポピパを辞めたいのか?」

 

有咲「………………」

 

碧志「では有咲ちゃんに問題です。5-1は何でしょう?」

 

有咲「はぁ?そんなの4に決まってるだろ?」

 

碧志「おぉ、流石は学年一位」

 

有咲「バカにしてんのか?」

 

碧志「ではここにバンドの法則を代入します」

 

有咲「バンドの法則?」

 

碧志「さて、ポピパにはメンバーが5人います。有咲ちゃん1人がポピパを辞めました。さてポピパには何人残るでしょうか?」

 

有咲「………………」

 

碧志「その答えは自分で確認しな。ちなみに俺たちは5-1は0になったよ。俺は何があっても有咲の味方だからそれだけは覚えておいてくれ。ただ仲間に悩みや弱味を見せる事は俺は強い事だと思うけどね」

 

有咲から返事は無かった。

しかし碧志はそのまま自分の部屋に戻って明日に備えた。

 

 

 

_______________

 

 

 

 

翌日、碧志は自分の部屋でテストに向けて資料を纏めていた。

 

有咲「碧志いるかー?入ってもいいか?」

 

碧志「入っていいぞ?」

 

有咲は静かに部屋に入るとソファーに腰掛けた。

その手に持ったお盆にはコーヒーが置かれていた。

 

碧志「この前とは立場が逆だな。あ、机の上にはテストに関する資料が置いてあるから見たらダメだそ?」

 

有咲「見ねえよ!社会だけは絶対100点取ってやるからな!」

 

碧志「この前とはうって変わって元気だねー」

 

有咲「今日、香澄と沙綾と話して来た」

 

碧志「そうか」

 

碧志は机に向かうと再びパソコンとにらめっこを始めた。

 

有咲「どうなったか聞かないのか?」

 

碧志「愚問だろ?有咲の顔を見れば分かるさ」

 

有咲「そっか……」

 

碧志「ただまだ牛込さんとは仲直りできてないんだろ?」

 

有咲「うん」

 

碧志「だったらやるべき事は分かってるな?」

 

有咲「うん!!」

 

碧志は有咲に振り向き微笑んだ。

 

碧志「有咲大人になった」

 

有咲「そ、そうか?」

 

碧志「あ、そうだ。今度のライブ楽しみにしてるから」

 

有咲「おう、楽しみにしてろよな!!」

 

碧志は笑顔で有咲を送り出した。

 

碧志「俺もそろそろ決断しないとな」

 

碧志の机の上にはテストの資料の他にレターセットが置かれていた。

 

 

 

_______________

 

 

 

 

次の日の昼休み、碧志は職員室近くの廊下から有咲達を眺めていた。

 

碧志「牛込さんとは仲直りできたみたいだな」

 

ノートを渡しながら何かを話している。

きっと上手く行ったのだろうと確信した碧志は自分の生徒達を微笑ましく見ていた。

そんな碧志のスマホが鳴る。

 

碧志「Good morning?」

 

??「残念ながらこっちは夜の11時だ。日本との時差は13時間だから」

 

碧志「そうだっけ?」

 

??「まぁそんな事はどうでもいい。日本に帰れる日にちが決まった」

 

碧志「いつなら大丈夫だ?」

 

??「1月10日から1月30日まで正月の休暇を長く取っていいとの事だ。だからその間でライブをしてもらえると助かる」

 

碧志「そうかワガママ言ってスマナイな」

 

??「どうせいつものひさとの思いつきだろ?」

 

碧志「でも俺も賛同しちゃったから」

 

??「久しぶりにお前らとやれるんだ。俺にとって悪い話では無い。それに碧志にも話したい事がある」

 

碧志「話したい事?」

 

??「それは日本に帰ってからゆっくり話そう。それじゃあ、日にちが決まったら連絡よろしく」

 

碧志「ちょっと待て!推薦の件はどうするんだ?」

 

??「碧志に一任するよ。俺から希望する相手はいないから。それじゃ」

 

電話を切られた碧志はひさとに電話をして次回の打ち合わせの段取りをするのだった。

 

 

 

 

_______________

 

 

 

その夜、夕食を食べている碧志と祖母に有咲はライブのチラシを差し出した。

 

有咲「あの……これ……」

 

碧志「あぁ、今度のライブのチラシか」

 

万実「うちの蔵でやるんでしょ?おたえちゃんと話進んでるわよ?」

 

有咲「ばーちゃん知ってて隠してたな!?」

 

碧志「実は俺も知っててさ、エフェクターは俺の貸す予定になってるし」

 

有咲「はぁ!?私だけのけ者かよー!!」

 

碧志「そうだ有咲、今度のテストで公約の480点以上取れたらいいものやるよ」

 

有咲「いいもの!?」

(碧志を1日好きにしてもいい権利とか!?//)

 

碧志「まぁテストの結果も踏まえてライブ楽しみにしてるよ。ちょっと蔵借りるな?」

 

碧志は自分のギターケースを持ってリビングを後にした。

勿論そのギターはレスポールでは無い。

 

万実「ちょっと前まではギター弾くのを躊躇ってたのに、ここ最近はずっと楽しそうに弾いてるのよ?この前も『ばーちゃんに聴いて欲しい』って色々聞かせて貰ったんだから」

 

有咲「えぇ!?ばーちゃんだけズルいぞ!!」

 

万実「テストのご褒美にお願いしてみなさい」

 

万実は有咲にイタズラに微笑んだ。

 

 

 

_______________

 

 

 

迎えたテスト最終日の放課後、碧志は手早くテストの採点を終えポピパのクライブに向けて帰路に着こうとしていた。

 

担任「市ヶ谷先生!」

 

碧志「どうされました?」

 

担任「市ヶ谷さんのテストの結果が出たのでご報告をと思いまして」

 

碧志「どうでした?」

 

担任「500点満点中492点の学年一位です」

 

碧志「そうですか」

 

担任「驚かないんですか?」

 

碧志「驚きませんよ?だってできると信じてましたから。それより落とした8点を反省して貰わないといけませんね。それではお先に失礼します」

 

碧志は勝ち誇ったような満面の笑みを浮かべると職員室を後にした。

 

 

 

碧志が蔵に到着すると碧志以外のお客さんは皆到着しているようだった。

 

万実「碧志、こっちこっち!」

 

万実に呼ばれ、横に着席するすぐにポピパのライブが始まった。

蔵でのライブとはいえ、久しぶりのライブにメンバーの気持ちが高ぶっているのを碧志は肌で感じた。

 

 

 

_______________

 

 

 

 

 

一通りライブを終えるとポピパのメンバーは充実感に満ちた表情をしていた。

アンコールがこれ以上無い事を確認してから、碧志は立ち上がり香澄の前に立った。

 

香澄「碧志先生?」

 

碧志「戸山さん。いえ、Poppin'Partyの皆さん」

 

有咲「な、何だよ改まって」

 

沙綾「結婚のご報告?」

 

有咲「それだけは絶対ねぇ!!」

 

碧志「皆さんに渡したい物があります」

 

たえ「焼肉の無料券かな?」

 

りみ「おたえちゃん?この流れで焼肉の無料券は無いと思うよ?」

 

碧志は背広の胸ポケットよりレターセットを取り出した。

 

碧志「Poppin'Partyの皆さんをNon Stop Emotion!!の解散対バンライブ『Tomorrow Never Knows~誰も知らない未来へ~』に招待致します」

 

香澄「えぇ!?私達、碧志先生達のバンドの解散ライブを観に行けるんですか!?」

 

有咲「マジかよ!?ファンの間ではチケットは間違いなくプレミアが出て、ネットでも生中継されるって聞いたぞ!?」

 

たえ「そっか……焼肉の無料券じゃないのか……」

 

沙綾「おたえ……焼肉はちょっと置いておこうか?」

 

ポピパのみんなが顔を見合わせて笑う、しかし碧志だけが首を傾げていた。

 

碧志「ちょっと意味合いが違うな。その中にチケットは入ってないし。開けてみてくれ」

 

一同「???」

 

香澄が手紙を開くと1枚のカードのような物が入っていた。

カードには下記内容が記載されていた。

 

 

_______________

 

 

 

~挑戦状~

Poppin'Party様

 

我々Non Stop Emotion!!は貴女方に

挑戦状を贈ります。

挑む勇気があるなら我々の解散ライブ、

『Tomorrow Never Knows~誰も知らない未来へ~』

のステージの上で待ってます。

必死に練習して過去一の演奏ができるように

しておいてください。

我々は頂点で玉座に座って待っています。

 

Non Stop Emotion!!一同

 

 

_______________

 

 

香澄「これは挑戦状?」

 

碧志「そういう事。観客じゃなくて対バン相手として俺は

Poppin'Partyを推薦します!!」

 

一同「・・・・・。えぇーーーー!!!!!」

 

 

 




いかがでしょうか?

ポピパの二章の裏側っぽく描いてみたので、表ではどうなってたの?って方はバンドリアプリのポピパ二章を見てくださいね(^^)

そしていよいよこれから碧志達のバンドの解散ライブに向けて動いて行きますよ!!
次回の主役はロゼリアです。

それでは評価・ご感想・お気に入り登録ドシドシお待ちしております。
特に評価・感想は執筆の励みになりますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

ではまた次回、ほなっ!(^^)ノシ

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