今回はシリアス回になるので、ほのぼの系を楽しみにしてる方はすみません。
では、早速本編です!!
事件は碧志が休みの日曜日に起きた。
発端は沙綾から有咲への一本の電話だった。
沙綾「もしもし有咲?今、商店街の花屋さんの近くにいるんだけど、碧志さんが花束を買ってるみたいだよ?しかもスーツでバシッと決めてるし。尾行しない?」
有咲「40秒で支度する」
それから碧志を尾行する沙綾と有咲が合流するのはしばらくしてからだった。
有咲「お店は良かったのか?」
沙綾「今日ウチのお店休みだから」
有咲「そっか」
沙綾「それにしても花束なんて持ってどこに行くんだろ?誰か意中の女性でもいるのかな?」
有咲「!!」
沙綾「花束を渡す相手が有咲だったらどうする?」
有咲「!?」
~~~~有咲の妄想~~~~
碧志「こんな花束お前に比べればちっとも美しくないけど、俺から美しくなったお前に贈りたいんだ。受け取ってくれるか?」
有咲「わ、私は全然美しくなんかねーよ//」
碧志「お前が美しくないと言うのなら、この世に美しいという言葉は意味を持たなくなる。愛してるよ有咲」
有咲「碧志……//」
~~~~妄想終了~~~~
有咲「うへへへへ……//」
沙綾「ダメだこりゃ……」
しばらく歩くと碧志は電車に乗る為に駅へ向かった。
続けて二人も電車に乗り、別の車両から碧志を観察していた。
沙綾「どこに行くつもりかな?今は彼女はいないって言ってたけど」
有咲「今は!?って事はこれからできるかもしれないって事じゃん!」
沙綾「まぁ碧志さんイケメンだし、普通にモテると思うよ?」
有咲「な!?私にどうしろってんだ!!」
有咲は落ち着かずオロオロしだした。
そんな有咲を沙綾は笑いながら見ていた。
沙綾「オロオロしてる有咲って可愛いね(笑)」
有咲「かわいくねー!!」
しばらく電車に揺られ、数駅先で碧志は下りた。
その電車の風景にどこか有咲は見覚えがあったが、まだ確信が得られない。
しばらく歩いていると街並みから住宅地へ、住宅地から霊園へ碧志は足を進めた。
霊園に入った時点で有咲は碧志がどこへ向かっているのか理解した。
しばらくすると沢山のお墓が並び、その中で市ヶ谷と彫られたお墓の前で碧志は足を止めた。
有咲と沙綾は碧志の声がギリギリ届くくらいの物影に隠れて碧志の言葉を聞いた。
碧志「綺麗にされてる。きっとばあちゃんだな」
碧志は花束を墓石の前に起き、持っていたバッグから線香と数珠を取り出した。
そして線香に火を付けると墓石の前で手を合わせた。
しばらく無言で祈ったあと、碧志は独り言を話始めた。
碧志「久しぶり。全然来れなくてゴメン。俺は俺で頑張ってたよ。今日は来なかった間の事を話したくてここに来たんだ。俺さ、社会の教師になったんだ」
碧志はスーツ姿を見せびらかすように一周した。
碧志「似合ってるかな?父さんと母さんが喜んでくれたら嬉しいな。大学でバンドやってたんだけどさ、大学で辞めて教師の道を選んだよ。父さんと母さん、叔父さんと叔母さんの葬式の時の約束を思い出してさ。有咲のそばにいる事を選んだよ」
有咲は顔を赤らめ沙綾は有咲をツンツンしている。
碧志「有咲が自分の人生を自分の好きなように決めれるまでは、俺がそばにいるよ。久しぶりに会った有咲はホント美人になってて少し慌てたよ。それに沢山友達もできてて、ちゃんと学校にも行くようになってて安心したよ」
有咲はますます顔を赤くした。
碧志「俺は俺で頑張るし有咲は俺が守るから、父さんと母さん、叔父さんと叔母さんも心配しないでくれ」
有咲がほんの少し微笑んだ。
碧志「それと今日は四人に1つだけ、お願いがあってここに来たんだ」
有咲・沙綾「??」
碧志「もし、"ひさと"がそっちに行きそうになったら、途中で追い返してやってくれないかな?頼むよ」
碧志は少し泣きそうな声を出しながらも、最後に精一杯の笑顔を作った。
有咲はそんな碧志の表情を見たのは初めてだったので、とても心を揺さぶられた。
碧志「それじゃ、また来るよ」
碧志は来た道を再び戻り始めた。
沙綾「父さんと母さんって事は、碧志さんと有咲の両親はここで眠っているの?」
有咲「そうだな。ただ沙綾が思ってるのとは少し違うかも。私の話受け止めてくれるか?」
いつになく真剣な表情の有咲に、沙綾は茶化さず素直に頷いた。
有咲「まず、碧志と私は本当の兄妹じゃないんだ」
沙綾「え?」
有咲「じいちゃんの息子の子供が私で、じいちゃんの兄貴の息子の子供が碧志で私達は元々は親戚同士なの」
それから有咲は自分達の過去について話始めた。
遡ること11年前の正月、碧志と有咲はこの日を一生忘れる事はないだろう。
恒例となった親戚達の集まりに参加していた有咲の家族と碧志の家族、当時有咲は4歳碧志は13歳であった。
不足していた食べ物の買い出しに出掛けた有咲の両親と碧志の両親を乗せた軽自動車に、飲酒運転をした乗用車が正面から突っ込み四人は帰らぬ人となった。
遊び疲れて眠った有咲と有咲の面倒を見る為に残った碧志は事故を免れたが天涯孤独の身となってしまった。
そんな二人を引き取ると言い出したのが有咲の祖母である、市ヶ谷万実である。
有咲「両親の葬式の日、いつまでも泣いてる私を碧志が優しく撫でてくれたのは今でも鮮明に覚えてる」
沙綾「ありがと話してくれて。でも何で私には話してくれたの?」
有咲「成り行きだっての。…………それに沙綾は大切な友達だから//ボソッ」
沙綾は優しく微笑むと有咲に抱きついた。
紗綾「可愛い♪」
有咲「可愛いって言うな……」
それから帰りながらしばらく黙っていた二人だが、沙綾が何かを思い付いたように声を上げた。
沙綾「そうだ!いいこと思い付いた!」
沙綾は思い付いたことを有咲に話した。
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碧志「これは……イベントのチケット?」
有咲「ら、来週にサークルってライブハウスでバンド演奏するんだ。じ、時間があるなら来てくれると嬉しい……//」
碧志「そっか……了解した!」
有咲「べ、別に碧志に頑張ってる所を見て貰いたい訳じゃねーから!」
碧志「はいはい、楽しみにしてるよ♪有咲達のバンドの名前、何て言うんだ?」
有咲「この一番上に書いてる"Poppin'Party"ってやつ。ポピパって呼んでくれると嬉しい」
碧志「そっか……可愛い名前だな」
有咲「か、かわいくねーし!名前は私が考えたんだ……」
碧志「そっか……有咲はポピパの仲間が大好きなんだ?」
有咲「す、好きじゃねーよ!……ただ大切な友達ではある……ボソッ」
碧志「友達、大切にしろよ!」
碧志は有咲の頭を撫でると部屋に戻って行った。
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それから日にちがあっという間に過ぎ、ライブ当日を迎えた?
碧志「出るバントは…Poppin'Party、Afterglow、ハローハッピーワールド、Roseliaの4組か。全部ガールズバンドみたいだな」
碧志は入り口を通るとかなりの客に驚きながらも、有咲達の曲を聴いてくれる人がこんなにもいることに少し喜びを覚えた。
しばらくするといよいよライブイベントが始まった。
香澄「どうも!Poppin'Partyです!早速一曲目行くよー!」
碧志はポピパも明るい曲に心を踊らされながらも、冷静にポピパを分析していた。
走り気味だけど小粋なリズムを出す香澄のギターに、技術力の高い沙綾のドラムとたえのギターがしっかり主旋律を作り、有咲のキーボードとりみのベースがしっかり持ち味を出している。
碧志「いいバンドじゃないかPoppin'Party」
久しぶりのライブハウスということもあって、碧志はテンションが上がりながらもしっかりバンドの演奏を分析し、楽しんでいた。
続いてAfterglowが演奏を始めた。
Afterglowは全体的に高い技術力と力強いボーカルの歌声で観客を魅了するバンドだった。そして何より、自分達なりの演奏を知っていてそれを楽しんでやっているという印象を碧志は受けた。
ハローハッピーワールドは碧志の予想を遥か斜め上に行く演奏スタイルだったが、自由でいてとても楽しそうに演奏する姿に碧志は心奪われた。
碧志「こころさんとはぐみさん頑張ってるな」
自分の学校の生徒達の楽しそうな姿を見れて、碧志も笑顔になっていた。
最後にRoseliaの演奏が始まった。
正直碧志が一番心を動かされたのがこのRoseliaである。
特出した技術力に圧倒的とまで言えるボーカルの歌唱力とオーラに碧志は釘付けになっていた。
碧志「昔の俺達を見てるみたいだな……」
碧志はどこか懐かしい気持ちになりながら、Roseliaの演奏をしっかり瞳に焼き付けた。
そして、ライブ終了後興奮冷めやらぬと言った様子で有咲達は碧志の元へ駆け寄ってきた。
香澄「今日は来てくれてありがとうございました!」
有咲「どうだった?」
碧志「みんなの個性が出てていい演奏だった!」
沙綾「惚れ直しました?」
碧志「元から惚れてねーよ♪」
碧志は紗綾の頭を軽くチョップした。
碧志「最近のガールズバンドのレベルって高いんだな、驚いたよ。特にRoseliaだっけ?凄いバンドだな」
香澄「友希那先輩達は凄いバンドです!でも私達も追い付けるように頑張りますね♪」
碧志「そうそうその意気だよ!ポピパは前向きな歌詞や演奏が素敵だから、その長所を伸ばすといいよ!」
ポピパのメンバーと碧志が楽しく話していると、まりなが声をかけてきた。
まりな「ポピパのみんなのお疲れ様♪」
そして碧志に声を掛けようとした瞬間、まりなは驚きでフリーズしてしまった。
香澄「まりなさん、今日もありがとうございました♪ってどうしたんですか?」
まりな「もしかして市ヶ谷君?市ヶ谷碧志君?」
碧志「そうですけど、どちら様ですか?」
まりな「月島!月島まりなだよ!中学の同級生の!」
碧志「月島まりな?。あっ!月島!?久しぶり!!」
碧志は感動のあまりとっさにまりなの手を握った。
その瞬間まりなは顔を真っ赤にした。
碧志「ホント久しぶりだな!良く俺が分かったな?」
まりな「さっき有咲ちゃんが碧志って言ってたからもしかしてと思って」
有咲「??」
碧志「それで?ギターまだ続けてるの?」
まりな「うん、プライベートでたまに弾くくらいかな。バンドには所属してないよ?」
碧志「そうなんだ!俺も似たようなもんだな」
有咲「ちょっと待って!?何でそんなに二人は仲良さそうなんだ?」
碧志「前に中学の同級生の影響でギター始めたって言ったろ?その同級生が、この月島なんだ。月島、積もる話はまた今度飯でも食いながらしないか?」
まりな「ふぇ//。い、いいよ?//」
碧志「じゃあ、LINEのID交換しようぜ?」
トントン拍子で話が進んでいく。
LINEの交換を終えると碧志はまりなに別れの挨拶をした。
碧志「じゃ、また今夜にでもLINEするよ♪またな!さぁ、みんな帰るぞー♪」
碧志を先頭に帰路に着いた。
沙綾と有咲の作戦の内容は有咲の頑張っている姿を見てもらい好感度を爆上げする予定だったが、まりなというまさかの伏兵の台頭に失敗に終わった。
有咲は二人のやり取りを見て、この世の終わりのような表情を浮かべながら帰路に着いた。
有咲「そういえば私、まりなさんの前で碧志の名前呼んだかな?」
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自宅に帰り着いたまりなは部屋でリラックスしながら今日の出来事を思い出していた。
まりな「市ヶ谷君、ホントにこっちに帰って来てたんだ//」
まりなはLINEの画面の市ヶ谷碧志という名前を見て微笑んだ。
そしてまりなは"NSE"と書かれたポスターに写る数名の中にいる碧志を見た。
まりな「市ヶ谷君、やっぱりカッコ良くなってたな//。食事……誘ってくれるな?」
まりなは顔を赤らめて、ベッドに飛び込み足をバタバタさせるのだった。
いかがでしょうか?
今回は有咲と碧志の過去について触れさせていただきました!
有咲の両親についてはほとんど原作では触れてないので、勝手に脚色を付けさせていただきました。
お許しをm(_ _)m
そして、シリアスだけでは終わりませんでしたよー!
次回以降、まりなさんの可愛い所も出せて行けたらいいなと思っております。
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できたら優しいお言葉をいただけると励みになります(笑)
ではまた次回!ほなっ!(^^)ノシ