小さな花の唄   作:まどっち

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初投稿です。
よろしくお願いします。
桂花視点です。


01

  北郷一刀が天の国へ還った。

 

 

 

 華琳様が呉蜀の同盟を打ち破り、和議を結んだ。

 事実上の大陸制覇の夢を成し遂げたのだ。

 

 長い戦の時代も終わり、これから始まる平和の時代への祝宴が開かれる中、一刀と共に暫く姿が見えなくなっていた華琳様が、目の下を腫らして帰って来た。

 酒を浴びる程飲み、既に出来上がってる周りは気付いていなかったみたいだけど、私だけは見逃さなかった。

 

 だけど、聞いてみても

 

 「酔いが回っただけよ。少し風に当たっていたの」

 

 とだけ言って宴の中へと消えていってしまった。

 

 

 私は、何も言えなかった。

 私は、何も聞けなかった。

 一刀は?なんて、聞ける訳がなかった…

 

 

 

 

 翌日、宴も終わり呉蜀の人間達は自分の国へと帰って行った。

 戦が終わったらはい平和です、という訳にもいかない。

 三国での同盟、国境や道の整備。

 やる事は山ほどある。

 

 これから忙しい毎日が始まるという最初の朝。玉座に全ての将が集めまれた。

 だけど、その中に一刀の姿は無かった。

 

 「皆、酔いはしっかりと覚めているかしら?」

 「華琳様。まだ北郷の馬鹿が起きて来ておりませんが」

 「そうね。その話をしないとね」

 

 華琳様の顔に影が差した。

 

 「一刀は、天の国へ還ったわ」

 

 

 

 静寂。

 誰も、声を発する事が出来なかった。

 風や稟は勘づいていたみたいだけど、他は華琳様の言葉の意味を理解出来ていない様だった。

 

 「あ、あの…華琳様…?お言葉ですが、お戯れにしては、少々…」

 

 華琳様の言った事の意味を理解出来なかったのか、理解したくなかったのか、春蘭は顔を少し引き攣らせながらなんとか言葉を捻り出す。

 

 「これは、嘘でも遊びでもなく、事実よ」

 

 暫くの静寂の後、沙和が膝から崩れ落ちる。

 そして、泣き出す者、呆然と華琳様を見続ける者、ただじっと拳を握り締め、震える者。

 ざわつく一同を見て、華琳様が声を上げる。

 

 「今は泣きなさい。今は怒りなさい。でも、私達にはこれからやらなければならない事が山ほどある。

 私達が掴み取った平和、今まで死んでいった、奪ってきた民達の願った平和。

 そして、一刀が作ってくれた平和を、私達が繁栄させる。

 その義務がある!」

 

 「だから、今は泣いて、泣き終わったら仕事に入りなさい」

 

 

 それだけ言い残し、華琳様は玉座を後にした。

 去っていく華琳様の頬には、涙があった。

 

 

 

 私は、悔しかったのだろうか。

 私は、羨ましかったのだろうか。

 

 一刀は華琳様の隣にいた。

 私が居たかった場所、焦がれた場所。

 私が、憧れた場所。

 

 一刀が居なくなって清々した。

 これで、憧れの場所へ行ける。

 これで、華琳様の隣へ立てる。

 

 そう思った。

 けど。

 だけど。

 何故、こんなに、辛いんだろう。




文章書くって大変ですね。
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