【ステージ!セレェクト!】
轟ブレイブのステージセレクトによって転移した場所は、テレビで見たことのある、馬鹿でっかいサッカー場。
俺と轟ブレイブはそこの中央で相対していた。
「変身してくれ、体育祭までには仕上げたい」
「んまぁそれに関しちゃ良いんだけどさ…」
俺はジクウドライバーとジオウライドウォッチを取り出し、まずベルトの方を腰に巻いた。
【ジクウドライバー】
「俺はもうちょい君と話したかったが」
「ンブッ…!くっ…流石にプロ。精神を揺すんのに長けてんな……」
「別にそんなんじゃ…。まぁいい」
ライドウォッチを回転させ、ライダーの顔を完成させた後に起動。
【ジッオウ…!】
そしてベルトにセットし、右手で叩くようにロックを解除。ライドウォッチが挿さっていない方を持ち、
「変身」
と呟き右に回した。変身音声が流れる。
【仮面ライダー!ジッオウ…!】
【ジカンギレード!ケン!】
「行くぞ」
変身が完了した俺はジカンギレードをケン状態で召喚し、轟ブレイブに向かって突っ込んだ。
『ガシャコンソード!』
『コ・チィーン!』
「…はぁっ!」
それに対して轟ブレイブは、ガシャコンソードを呼び出し氷モードに。
剣先を地面につけ、俺の方向に切り上げた。
すると、原作体育祭にて見せたドームを覆い尽くせそうなレベルの氷を形成。俺を氷漬けにしようと迫って来た。
【タイムチャージ】
【フィニッシュタァーイム!】
【5】
回避は勿論普通の攻撃も対策にならない為、
【4】
迎撃には必殺技クラスの威力が必要だ。
【3】
俺はライドウォッチの必殺技発動スイッチを入れ、ベルトのロックを解除し回転させる。
【2】
そして助走の勢いのままライダーキックを放った。
【タァーイムブレェーイク!】
「オリャァァァア!」
"バキーン!"
【1】
氷は粉々に砕け、轟ブレイブの姿を再び視認。
「クソッ。やっぱこれじゃ終わんねぇか」
『カ・チィーン!』
【ゼロタイム!】
そう言いながらソードを炎モードに変更し、左手に持ち替え、低い姿勢から突きの動作を行う。
「喰らえっ…!」
"ボォォォォォオ!"
円形で氷と比べれば範囲も小さいが、速いし当たれば溶けそうな程の熱量を感じる。
【ギリギリ斬り!】
が、当たらなければどうということはない。
タイムチャージケンの特殊効果で少し反応が速くなった俺は、まさにギリギリのところで右斜め上の方向に避けた。
そして更に踏み込んで、上段から斬りかかる。
狙うは手首だ。
「上かっ!」
"ガキィン!"
「おっと防がれたか」
しかし轟ブレイブの防御が間に合ってしまいソードを取り落とさせることは出来なかった。
まぁ、それで終わりじゃないけどな。
俺はがら空きの胴体に蹴りを放ち、ジカンギレードを【ジュウ】に変え3発ほど撃ち込む。
「がっ!?」
吹っ飛ばされた勢いでゴロゴロ転がっていたが、
『コ・チィーン!』
「ぐっ、ぉあっ!」
片膝立ちまで体制を整えて自らの前に分厚い氷の壁を生成した。こっちから向こうが見えないようにワザと透明度を落とす工夫もしている。
『カ・チィーン!』
"ジュォォォォオッ!"
だが、防音までは完璧とは言えないな。
ま、こればっかりは仕方がない。ライダーの武器の宿命だ。
(さて、何かを焼いた音が聞こえたが…どうくるんだ?)
てっきり『透明化』のエナジーアイテムで奇襲してくると思ったが……。
とりあえずは何が来てもいいよう、ジカンギレードを構えておく。
氷の壁を壊そうかとも考えたが、何か罠があるかもしれない。
例えば、ワザと何かを燃やす音をさせて『何かを準備しているんじゃないか』と察した俺が、後手に回らないよう焦りながら氷を破壊する俺に不意打ち。……とかな。
それとも、ただ単に休憩しているのか。
「どちらにせよ、この壁は壊しとこう」
【タイムチャージ】
轟ブレイブの行動が後者だった場合は体力が戻らないうちに戦闘に持って行かなきゃだし。
【5、4】
前者だった場合は…まぁ、臨機応変に対応しよう。
【3、2、1】
【ゼロタイム!】
【スレスレ撃ち!】
ジカンギレードの
だが、全壊には至らなかった。
「…なら、もう一度____!」
俺が再びタイムチャージのボタンを押そうとした瞬間。
"ボォォォォォォォォォォオオオオッ!"
世界が紅に染まった。
「ドアッチィィィィィィィィイ!?」
俺はあまりの熱さと、体に纏わり付いた炎を消そうと地面に体を擦る。
なんかもうビックリし過ぎて一周回って冷静になったのか、気が狂ったのかは分からんけど、何となく状況は理解した。
恐らく轟ブレイブは地面からあの炎の攻撃、しかも、威力を見る限り必殺技を使って攻撃してきたんだ。
多分、最初の何かが焼ける音の正体は地面。
地面に向けて炎の突き技を放って穴を開け、大体俺がいる位置まで地中を移動。
そしてその位置で『タドルクリティカルフィニッシュ!』を発動させ俺を攻撃…。
(かんっぜんにやられたな…)
一杯食わされた。
エナジーアイテムの存在ばかり頭が行って、ここまで考えつかなかった。
いやそもそも、エナジーアイテムに頭が行ってなくても思いつかなかっただろうな。
ヒーロー科とは言え学生が、一応プロの俺にここまでダメージ与え、発想でもこちらの上をいった。これはもうあいつの勝ちだな…。
「轟ー。聞こえるか?【降参】!俺の負けだ!」
俺は地面に大の字で寝転がりながら声高らかに、叫んだのであった。