オリ主ジオウの逆転ヒロアカ   作:無個性のソーイお茶書き

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俺の…私のオリジン【前半】

「轟ー。聞こえるか?【降参】!俺の負けだ!」

 

俺が焼き開けた穴の奥からジオウの声が聞こえてきた。それを聞いた俺は……いや、私は。

 

「…やた…!やった!やったぁぁぁぁぁあ!」

 

小さな声で叫ぶという我ながら器用な事をやりつつ小躍りしていた。なにせ、どうやったら勝てるかをずっと考えてできてやっと叶ったのだから。

 

もちろん、実力がプロに届いたってことの嬉しさもあるが、それ以上に喜ばしい事が私にはあるのだ。

 

 

 

 

それは、約10年ほど前の話。

 

私の個性が【半熱半冷】と判明した時のことだ。

 

その時の私は自分の力を試したくてウズウズしていた。だから、親父に頼んで個性を使うことができる施設に連れて行ってもらって、実際に使ってみた。

左の、炎を。

 

 

その次の瞬間にはその部屋は大火災と化していた。

 

 

「………!!?」

 

「これは…っ!とんでもない力だなぁっ、焦凍!だがやり過ぎだ!」

 

所々溶けている場所があったのを覚えている。

 

恐らく、マグマも形成したんだと後で察した。

 

これには流石の親父も慌てて私を助けに来たが、当時の私はそれに気付かず、右の氷を使って消化しようとした。

 

 

そしたら今度は大爆発が起きた。

 

 

その部屋丸々無くなったのだ。

 

所謂、水蒸気爆発とやらが発生したのだろう。

 

…ただ、不幸中の幸いと言うべきか、そこは親父が個人的に管理していた場所であり、人がいなかった。

 

が、その代わりに親父が全治何ヶ月単位の怪我を負ったのだ。

 

………私を、爆発から庇ったせいで。

 

この事は、親父が事実を捻じ曲げ、ヴィランにやられたとマスコミに報道させられる。

 

4、5歳の娘の個性暴発によって大怪我なんて報道されたら親子共々今後の人生が狂いかねないし、色んな所から狙われるだろう。

 

その辺はしっかりと考えているあたり流石だなって思った。

 

……そりゃあ、当時の私からしたらショッキングな話だったさ。

 

しばらく家に引きこもって、誰とも会わない生活を送ったし、飯も喉を通らない。

 

唯一暖かくない蕎麦は食べれたけどな。

 

…で、お姉ちゃんが

 

「焦凍…。お姉ちゃんと一緒にお外で遊ぼ…?」

 

私を気分転換に外へ連れ出してくれた。

 

最初は渋った私だったけど、お姉ちゃんに真顔で、

 

「太っちゃうよ?」

 

こんな恐ろしいことを言われたら出かけるしかないだろう。

 

…話が逸れたが、ともかく出かけたわけだ。

 

近場の公園や、ゲームセンター。オモチャ屋。

コンビニやスーパーでアイスを買って2人で食べたこともあったなぁ……。

 

オモチャのアクセサリーも買って貰ったし。

 

いや『太る』って言われて外に出たのにアイスを食べるなんて矛盾しているが。

 

……まぁ、そうやって出掛けている内に、少しずつ元気が出てきたんだ。お姉ちゃんには本当に感謝している。

 

…そして、何日か経って、また公園に行った。

 

お姉ちゃんは学校の用事があるらしく、今日は黙って一人で外出してみたんだ。

 

そしたら……。

 

《ガァガァッ!》

 

「いやっ!?こないでっ!危ないよぅ!」

 

私の光るアクセサリーに反応したのか、カラスに襲わた。…けど、そのカラスは普通のやつじゃなかった。

 

「なんでこんなにおっきいのぉぉぉ?!」

 

実に2メートル以上のでっかいカラス。

動物にも個性が宿ると聞いた事はあったけど、実際に見るのは初めてだった。…初めて見たのが襲われる時なんて、私もついてない。

 

だけど、今から見たらそれはとんでもない幸運だった。…何故かって?

 

【仮面ライダー!ジッオゥ…!】

 

「待たせたな!」

 

《ガァッ!?》

 

____颯爽とカラスに飛び蹴りをかましながら登場した、私のヒーローと出会えたから。

 

「大丈夫か、小さなお嬢さん」

 

「ひゃ、ひゃい!」

 

ビックリと男と思われる人と出会ってめちゃくちゃ緊張したのを覚えているが、こちらを振り向かず、敵に集中する師匠。

 

それもそのはず。

 

《ガァァァァァァア!》

 

「うわっタフネスだな!」

 

まだカラスは死んでいなかったから。

 

しかも、地上じゃ分が悪いと悟ったのか、強烈な風を起こして空に飛び立ち、こちらに隙がないかを伺っている。

 

不安になった私は師匠に話しかけた。

 

「ど、どうするの?カラスさん、お空に……」

 

「ん、心配すんなよ。空中戦くらい、俺だってできる!」

 

すると、師匠は白とオレンジの丸い何かを取り出して絵柄を、顔が揃うように合わせたのち、てっぺんのボタンを押して、ベルトにつけて回した。

 

【フォーゼ!】

 

【アーマータァーイム!】

 

【3.2.1.フォーゼ〜!】

 

「すっごい!ロケットになちっちゃった!」

 

あまりにロケットロケットした見た目に当時の私は大興奮。舌を噛んで痛い思いをしつつも、師匠に憧れの視線を送る。

 

「まあ、安心して見てろ。すぐに終わらす」

 

ボォォォォォオ!という発射音と共にロケットと化した師匠がカラスに激突。

 

 

「宇宙に、行ってやるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

 

「行ってらっしゃぁぁぁぁぁい!」

 

 

 

小さな手をブンブン振って師匠を見送る私。

 

引き込もっていたのはなんだったのかと思うほどのテンションの上がり方である。

 

…その数十秒後、遠い空で()()が見えた。

 

…まぁ、そこでトラウマスイッチが入った私はガタガタと震え出した。

 

爆発が、どうも苦手になっちまったらしい。

 

「ふぅ、お片づけ終了っ!……って、大丈夫か小さなお嬢さん。ヤケに震えているが……」

 

師匠の、簡単な質問に対しても答えらなかった。

 

「……何か、嫌な事でもあったのか?」

 

はいか、いいえで答えられる質問に気を使って変えてくれた師匠。とりあえず私は首を縦に振った。

 

「………俺でよければ相談に乗る。そこのベンチで話そう」

 

そう言いながら変身を解いてベンチにどかっと座る師匠。……私は素直に隣にポスンと座って、ボソボソと話し始めた。

 

私の、苦悩を。

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