オリ主ジオウの逆転ヒロアカ   作:無個性のソーイお茶書き

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俺の…私のオリジン【後半】

【side 約10年前のジオウ】

 

なんやかんやあって4、5歳の轟に出会った。しかもカラスに襲われるところを助けた形で。

 

そんで、カラスを宇宙で始末した後に話しかけたらブルブル震えだしたから話を聞くことにした。

 

……が、内容が想像以上に重かった。

 

まだ顔に火傷の後がないから、家族と喧嘩したとかそんな軽い感じだと思ってたのに。それにこれ、明らかに原作より強化されているよね?

 

性別聞いたら『女』って答えたし、男女違うだけでこうも変わるのか?

 

「お父さんも怪我しちゃったし、こんな個性欲しくなかったよぉ…」

 

…うーん、何とかしてあげたいな…。だってこのまま放っといたらヴィランに堕ちそうだし。

 

用はこの子の体に対して個性が強すぎるんだろ?

 

レベル1の村人にレベル100の勇者の力を与えたってその力で自滅するだけだし。

 

ん?レベル……?

あ、そうだ。いい方法思いついた。……けど、あまり乗り気がしない。

 

だって、それは俺の力の一部を手放すことになるのだから。

 

でもこのまま放っといたら原作崩壊しそうなんだよなぁ。…ま、なるようになるべ。

 

「……いい方法がある」

 

俺は、そう切り出した。

 

 

 

 

【side 今の轟】

 

「おじさんそれ本当!?」

 

「おじっ……!?そ、そんなに老けて見えるのか…。まだ20代なのに…」

 

師匠は幼い私の言葉にひどく落ち込んだ様子で肩を落とした。

 

けれど、好奇心の塊だった私は率直に言った。

 

「教えて!わたし、なんでもするから!」

 

「ん?今なんでもって…」

 

「はい!なんでもです!」

 

後から考えると、ちょっとヤバいセリフである。

 

師匠は一つ咳払いをして気分を切り替えたのか、真剣な表情で、

 

「俺と契約して仮面ライダーブレイブになってよ」

 

と言ってきた。

 

「かめんらいだー?」

 

勿論当時の私が仮面ライダーを知るはずもなく、キョトン、と首を傾げる。

 

そんな私の様子を見て察したのか、仮面ライダーについて丁寧に分かりやすい説明をしてくれた。

 

「仮面ライダーは、昔のヒーローみたいなもので、皆の憧れだったんだ。そして、君にそのライダーの1人である『仮面ライダーブレイブ』になってもらいたい」

 

「どんなのなの?」

 

「えーと、能力は炎と氷を操れる剣を持って戦う、かな。…でも、肝心なのはそこじゃない。君は、【レベル】を知ってるか?ほら、ゲームとかの」

 

「なんとなくは分かるけど…」

 

「『仮面ライダーブレイブ』にはその機能が採用されている。確か、最大レベルが150とかだったかな?…で、君の力もこれから成長していくに連れてそのくらいになると思う……いや、下手したらそれを超える。けど、君の場合は【個性の強さ】のスタートラインが既に50くらいに達しているんだ。こんなの成長しきる前に君の体が壊れてしまう」

 

まだこんな幼い子供にするには難しい内容で、少しクラクラしつつも師匠に質問をする。

 

「え、ぇえと…、じゃあ、どうするの?」

 

「仮面ライダーブレイブにもレベル1や2は存在する。…もしかしたら、君の個性が仮面ライダーの力に引っ張られてレベルが君の体に合うレベルまで落ち着くかもしれない、ってことだ。ま、用はとにかく変身しろってことだよ」

 

そう言いながら師匠は青と銀の丸い何かを取り出して、絵柄を揃えて私に差し出してきた。

 

「それは【ブレイブライドウォッチ】。俺が使えばアーマーになるが、持ち主が変わると、そのライダーの変身するためのアイテムに成りかわるらしい。…まだ俺も試してないが、やり方は知ってる。ただ、なりたい自分を思い浮かべて、そのボタンを押すだけさ」

 

「……」

 

私はその【ブレイブライドウォッチ】を手にとって、なりたい自分、とやらを考えてみた。

 

……頭の中に浮かぶのは、先程の師匠とカラスの戦闘の風景と、自分の個性で傷つけた父親の姿。

 

______自分も、師匠のようにヒーローになって人を助けたい。その為に、自分の個性を制御して、誰も傷つけないようになりたい!

 

……私がこの結論に至るまで、そう時間はかからなかった。

 

覚悟を決めてボタンに親指を立てて、一呼吸置いて、ウォッチを起動させた。

 

【ブレイブ!】

 

"ズパァァァァン!"

 

「わっ!?」

 

「おわっ!?」

 

するとブレイブライドウォッチが鋭い光と共に妙な音を出した。

 

…やがて、視界がクリアになる。

 

……私の手にはブレイブライドウォッチが消え、代わりに派手な色をして、何かをセットできそうな穴が空いたアイテムと、その派手なアイテムの空白にセット出来そうなものが6個膝の上にばら撒かれていた。

 

「……よし、じゃ、早速変身してみよっか」

 

「えっ……?」

 

「俺がレクチャーするからさ、ね?」

 

師匠は私を立ち上がらせ、派手なアイテムを腰に押し付ける。

 

すると自動でベルトが巻かれてピッタリフィット。

 

……口頭で変身の仕方を教わり、私は『仮面ライダーブレイブ』として、初変身を迎えることになる。

 

『タドルクエスト!』

 

小さい方のアイテム…ガシャットと呼ぶ青いものの起動ボタンを押した後、顔の前まで移動させ、クルッとひっくり返し、決め台詞。

 

「変身!」

 

ひっくり返したまま派手なアイテム(ゲーマドライバー)にセットする。

 

『ガシャット!』

 

青い騎士のキャラクターをタップして、後はそのまま待機。

 

『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム?』

 

『I'm仮面ライダー!』

 

変身音声が流れ終わり、全身に力がみなぎるのを感じると共に、個性が殆ど使えないことが直感的に分かった。

 

……でも、一つ文句を言うなら。

 

「ねぇ…なんでこんなずんぐりむっくりなの?」

 

2頭身しかないから機敏に動けない。

 

当時の私は怒りすら感じていたと思う。

 

「ふぐっ……!」

 

「あ!今笑った!」

 

「いやー悪い悪い。そのレバーを引けば戦えるような体型になるからやってみ?」

 

ムスッとしながらも指示に従ってレバーを展開させる。

 

『ガッチャーン!レベルアップ!』

 

『タドル巡るタドル巡るタドルクエスト〜!』

 

「お、おぉぉお!」

 

その言葉に間違いはなく、普段の身長の何倍もの大きさになった自分にかなり興奮した覚えがある。

 

『ガシャコンソード!』

 

「おおおおおおお!」

 

自動で剣も出てきてさらにテンションが上がる。

 

試しに左手で持って個性を発動させたけど、軽く炎を纏うくらいでそれ以上はどんなに頑張っても炎は吹き出したりしなかった。

 

「……やた!やった!やったぁぁぁぁぁあ!」

 

すごい!本当に出ない!

 

もうテンションマックスで小躍り(エイサイハラマスコイ踊り)してた。

 

「お、おい……っ!その姿でそれはやめてくれっ!腹がよじれる…!」

 

「むっ!この踊りをバカにしたな!いくらおじさんでも許さないよ!」

 

昔のアニメでものすごく気に入っていたダンスだったからかなりカチンときた。因みに今でも踊れる。

 

「えいえい!怒った?」

 

「怒った!」

 

そこで更に小突いてくるもんだから、思わずチョップしに掛かっちゃったんだけど、あっさり躱されて地面に激突してしまう。

 

「俺に勝とうなんざ10年早いわ!」

 

まあ、沸点の低かった私はその師匠の言葉に、こう返しちゃったんだ。

 

 

「じゃあ10年以内に勝てたら結婚して!」

 

 

「……はい?」

 

まぁ、そこから壮絶な言い争いの末にそれを認めさせた訳だけど、今思い返してみても、自分の行動なのに訳が分からない。

 

……けど、結果オーライだった。

 

師匠を超えるため師匠に特訓してもらったり、疲れた時に互いに労いの言葉をかけたり、一緒に街に繰り出して買い物をしたりする内に、その…あれだ。

 

惚れちゃった。

 

だから、私は今日……約束の10年が後1日で経ってしまうという日の為に全力を尽くしてきた。

 

 

……そして、勝利した……!

 

 

ニヤニヤが止まらない!

 

師匠が、ジオウが、仮野面太(かりのめんた)が!

 

私だけの者となる!これでやっと1つになれる!

合法的に襲い掛かれる!

 

ありがとう幼い私ッ!

君はもう1人の私のヒーローだっ!

 

……あ、でも、もし浮気でもしたら…。

いやしないと信じているけど、もしやったら…。

 

 

私だけしか見れないよう。

 

 

私以外何も考えられないよう。

 

 

調教してあげなきゃね。

 

 

フフフ……。あぁ、とても楽しみだ。

 

 

 

 

 

………あ、そうそう、私だけしか見れないってことは、師匠を独占できるってことだ。

 

 

 

 

 

まさに、私だけの特権。

 

調教した師匠の姿は私以外には絶対に見せない。

 

たとえそれがどんな奴でも。

 

…………そう、例えば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こ れ を 読 ん で い る 君 ら に も ね 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後の方でビックリして欲しくてこの演出にしてみました。

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