ちょっとした短編集   作:ミストラル0

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今回は西暦チームの原作との違いがメインとなります。


ゆゆゆい編③ 西暦勇者の事情

「村上って千景さんと同じ苗字ですよね?」

 

その質問を口にしたのは樹だった。それは単純に千景と時雨があまり似ていないという事と、樹の“妹”としての勘だ。

 

「それはね、ちょっと色々あってちーちゃんの親権ぶんどったからだよ」

 

「いや、親権ぶんどったって………」

 

「あのクソ親といい、近隣住民といい………」

 

「しぐしぐ、またオーラ漏れてるから!」

 

何を思い出したのか、時雨からはドス黒いオーラが皆が視認出来るレベルで噴き出していた。

 

「もう思い出さなくてもいいわ、あの人達とは既に赤の他人なのだから。今の家族は………姉さんだけよ」

 

「はうっ………やっぱちーちゃんは可愛いよぉ」

 

「ちょっと、恥ずかしいわ!」

 

そんな時雨を鎮める為に千景がそう告げると時雨はオーラを霧散させて千景に抱きついた。

 

「かふっ………御先祖様達のそんな姿が見られて満足です」

 

「びゅおおおおお!い、インスピレーションが爆破するんだよぉ!」

 

その様子に三名程おかしくなっているが、皆慣れたように反応は薄い。

 

「御先祖様?つまり君はちーちゃんの子孫?」

 

「はい!村上雨月です!時雨様!」

 

「時雨様!?」

 

「ウッチーの家は村上神社って神社で時雨さんを奉ってるんですよ」

 

「奉ってるって神様じゃないんだから………あっ」

 

そう言いかけて時雨はある事に気付いた。

 

「そうだ、私の力って神様から戴いたものだから“半神”みたいなもんだった………」

 

「えっ?」

 

項垂れる時雨に対し、風達勇者部の面々は耳を疑う。ひなた曰く、どうやら時雨は神樹様とは別の神様から力を受け取った少女で、厳密には勇者では無いのだとか。

 

「半神と言ってもまだまだ高校生だから普通に接してくれると嬉しいかな」

 

「はぁ」

 

と、自己紹介が済んだところで時雨がある事に気付いて風へと近付いていく。

 

「クンクン」

 

「えっと………何か?」

 

「お兄ちゃんの匂いがする」

 

「お兄ちゃん?」

 

「あっ、私ね、半神とはいうけど狐系の半妖みたいな状態でね、鼻が良いんだよ」

 

「はぁ」

 

「で、風ちゃんからはお兄ちゃんの匂いがするんだよ………他の勇者部の子からもするけど、風ちゃんが一番濃い」

 

ここで勇者部の一同はある事に気付いた。

 

「時雨さんって異世界から召喚されたんでしたっけ?」

 

「そうだよ」

 

「間にもう一人お兄さんいませんでした?」

 

「いたよ」

 

「戦術オーブメント、覇王流、斬艦刀………これらに聞き覚えは?」

 

「あるよ?」

 

ここで風達はほぼ確信に至り、最後の質問を行った。

 

「そのお兄さん、亡くなってない?」

 

「その質問が来るって事はやっぱりかぁ」

 

「やっぱりあの魔王様の妹かぁー!!」

 

「まさか天野先輩の妹とは」

 

「あっ、今は天野って苗字なんだ」

 

「天野雪兎先輩、学校、大赦での渾名は『魔王』と呼ばれてる私達の先輩で風先輩の彼氏です」

 

「さっきの単語でなんとなく察してはいたけど、魔王って………お兄ちゃんはっちゃけたか」

 

兄の趣味をよく知る(自身も影響を受けた)時雨は大体何をやらかしたのかを察した。

 

「ということはそっちのガールは私のディセンダント(末裔・子孫)ってことね?」

 

「イエス!幸音です、アンセスター(御先祖様)

 

「うたのんの子孫もやっぱルー語使いだった」

 

「というか、四国以外封鎖されてる世界でよくそんな英語知ってるよね」

 

そんな事を話していると、いつものようにアプリから樹海化警報を報せるアラームが鳴る。

 

「それじゃあ、今回はチーム西暦が力をお見せしましょうか」

 

「あっ、勇者アプリが私達の仕様に変更されているので説明しておきますね」

 

「お願いするね、東郷ちゃん」

 

尚、その戦闘は戦術オーブメントの特性をいち早く理解した千景と元々知っていた時雨によってレクチャーを受けた西暦勇者によってあっという間にバーテックスが殲滅されて終わるのであった。




戦術オーブメント
英雄伝説シリーズより雪兎が勇者アプリに組み込んだ強化プログラム。アプリという事でプログラムとしては東京ザナドゥに近いが、アーツやクォーツ等、英雄伝説シリーズのものが使われている。
マスタークォーツは各メイン精霊をマスタークォーツに落とし込んでおり、神樹様が力を失ってからも利用出来るようにしていた。
ARCUSⅡをモデルとしているためかサブマスタークォーツとして2体目の精霊を使う事や他の勇者の精霊をサブにしたりもでき、大赦で量産された際には適正のあった防人達が使用したとされる。

勇者図鑑③
名称・村上雨月:ムラカミウヅキ
年齢・11
出身・愛媛
戦闘スタイル・巫女、結界術
イメージCV・水樹奈々

時雨に引き取られた千景の子孫にあたる娘。巫女としての適正が高く、神樹館組の四人のサポートをメインとしている。
巫女なのに勇者としても戦場に立ち、扇を使った結界術で防御面をサポートしている。
独自うどんは月見きつねうどん。

勇者図鑑④
名称・白鳥幸音:シラトリユキネ
年齢・11
出身・香川
戦闘スタイル・戦輪
イメージCV・東山奈央

白鳥歌野の子孫にあたる娘。戦輪を使ったトリッキーな戦い方をする遊撃担当。歌野と同様に農業と蕎麦を好み、ルー語も使う。
独自蕎麦は野菜天麩羅蕎麦。
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