ワラキー異世界渡航劇   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

前回のあらすじぃ!
ブロックダンジョンにてゲイムキャラを見つけたワラキー一行。
しかし、ゲイムキャラから話を聞いている途中に犯罪組織マジェコンヌのリーダー『マジック・ザ・ハード』が現れ、ゲイムキャラとワラキー達へと襲い掛かる。
そして、ワラキーもまた新たな力。
『タタリ─七夜志貴─』へとなり、戦いへ挑むのだった!



殺人貴は女神と踊る

刃と刃がぶつかる音が鳴り響く。

腕に伝わる振動、横に縦にと振るわれる命を狩る為の武器をナイフを振るう事で逸らし、防ぎ、弾く。

七夜志貴の本来のスペックなら既に腕にガタが来ている頃合いだが、そこは死徒としてのスペックでカバーする。

 

「はぁ!」

 

「目障りだ!」

 

だが、俺は一人ではない。

仲間がいる。

俺の隙を埋めるようにネプギアが飛び出し、MPBLで斬りかかる。

だが、対峙する敵、マジックもまたそれを振り向き様に鎌を横に振るうことで弾く。

 

アイエフ達にも参加はしてほしいが…アイツらの目的は俺達の抹殺の他にゲイムキャラの破壊だ。

だから、リンダを警戒してもらうためにもその場で守ってもらっている。

 

「くっ!」

 

「その程度か?温い!」

 

「蹴り穿つ…!」

 

「鬱陶しい!」

 

「悪いね、こっちは何がなんでも勝たなきゃならないもんでさ!」

 

「チッ、だが!」

 

「ぐっ……元気だねアンタ!」

 

そのままネプギアを蹴ろうとする所に俺が割って入り即座にマジックの横腹を蹴り、吹っ飛ばす。

その途中でマジックに腕で足を防がれた上、硬質化でもしたのか足に嫌な痛みが生じる。

 

…しかし、流石は七夜…素早い動きが出来る。

 

七夜の体術……使ってみると分かるが無茶苦茶な動きだ。

言うなれば、今している動きに追加で別の動きをその場でしろという無茶ぶりを出来てしまうようなもの。

だからこそ人外を狩れてきたということでもあるが。

 

マジックを追い詰めているようにも感じなくはない。

だが、アイツは本気できていないことは分かりきっている。

それに、俺を警戒して深入りしてこない事もあって決定だになりにくい。

 

「貴様……その目は何だ」

 

「ん?ああ、これか。何、ちょっとした玩具だよ。

女神特有の無茶苦茶な武器でもなければ、便利なもんでもない。ただ、少しだけ…そう、少しだけ『死』が視えるってだけでさ」

 

「死が視える……?」

 

よく分かっていないようだ。

当たり前か。

これは、インチキだ。

同時にそれでしかない物でもある。

 

「直死の魔眼っていう、面白味のない眼でね。

万物には等しく死ってのがある。それに触れやすくなる眼なだけさ」

 

「志貴さん、それって……!」

 

「何故正気を保てている?そのような眼を常に発動していれば狂うだろう」

 

あらゆる物の死が視える。

それは強いとは思われるかもしれない。

だが、同時に精神、脳に負担になるのは事実。

当たり前だ、どんな物にもってことはつまり、大切な人の死も視えちまう。

 

ネプギアの死の線が、視える。

それをなぞるようにこのナイフを振るえば、紙を破るように簡単に切れてしまうだろう。

 

諸刃の剣なのだ、これは。

だけど、正気でいられる。

 

「まあ、狂っちまいそうな程の激物なのは否めないが……俺を信頼してくれている奴や、俺の帰りを待ってくれる奴がいるんだ。それの為なら狂わないなんて簡単な条件、余裕だろう?」

 

「…ズェピアさん」

 

「……ふん、何はともあれ、貴様らとの遊びはここまでにしておこう」

 

「本腰入れて来るか…!ネプギア、あっさりやられるなよ!」

 

「分かってます!」

 

明らかに威圧感が強くなった。

これは、まずいか?

 

『奴さん、相当俺らが邪魔らしいな』

 

─負けるわけにはいかない

 

『お人好しなことで』

 

─うっさい

 

仲間の為だ。

お人好しな訳じゃない。

それくらい、分かってほしいもんだね。

 

「ふっ─!」

 

「疾ッ─!」

 

マジックと同時に動く。

互いに一瞬だけ速さが音を越える。

向かうは、前にのみ。狙うは、喉元。

 

「チッ、速さは互角か……だが」

 

「っ、女神といえど、人外は人外か……!」

 

「力ならば、私が上のようだな──ぬっ!?」

 

「私もいることを忘れないで!」

 

「候補生風情が……」

 

再び鎌とナイフの刃がぶつかり合う。

だが、力では負けているせいで押されていた。

踏ん張って押しきられないようにしているとネプギアがMPBLでビームをマジックの横から放つ。

 

後ろに跳ばれて避けられたが、直ぐ様ネプギアはマジックへと飛翔し、MPBLを振るう。

これもまた、鎌により防がれる。

力量差はネプギアも把握している。

少しだけの拮抗の後、弾き飛ばされてしまう。

だが、拮抗しているとき、俺は見た。

 

ネプギアが俺を見ていたのだ。

 

(ああ、任せてくれ……!)

 

俺に時間をくれたのだ。

僅かながらも確実にこの牙を奴に届けるための時間を!

 

「弔毘八仙──!」

 

七夜志貴のアークドライブ。

つまりは、ゲージ技に当たる技。

閃鞘・迷獄沙門。

 

マジックに向かって真っ直ぐステップ。

ふざけているわけではない。

こういう体術なのだ。

 

「これは…!」

 

マジックが驚いているが、別に驚くことではない。

残像が発生しているだけ。

それだけのステップなのだ。

 

だが、メルブラをやったことがある人は分かると思うが、何だこれは体術なのか?な動きをするのが七夜暗殺術である。

それに死徒の身体能力を上乗せする。

 

人外の身体能力を持った男が人外を殺すための術を用いてくる。

 

ただそれだけで人外からすればどうしようもなく悪夢なのである。

よって、メルブラにあるようなゆっくりなステップではない。

マジックに届くまで、たった2秒。

 

咄嗟に鎌で防ぐ体勢を取るが、甘い。

ガー不なんだ、この技。

 

「─無情に服す!」

 

「ぐっ!?」

 

「やった……!」

 

(浅いか……!?)

 

直死の魔眼によって捉えた鎌の『線』とその先にあるマジックを斬る。

腹をかっ捌く筈が、どうやら体を少し横に移動させられたか、横腹を少し裂くに留まった。

 

惜しいが、鎌は潰せた。

鎌ごと斬られたマジックは横腹を抑えつつ、後ろの俺を睨む。

 

「貴様……!」

 

「確かにアンタには力で負ける。

だが、技術と仲間では俺の勝ちらしい」

 

「……侮っていたのは認めよう。だが……!」

 

「何……!」

 

「消えた…!」

 

マジックが突如として消えた。

今のは、転移か!

 

俺はすぐにゲイムキャラを守っている皆の方を見る。

 

「な、アンタは!」

 

「やめてくださいですぅ!」

 

「下っ端とモンスターを倒した所に突然現れるなんて卑怯よ悪党!」

 

「ふん、やかましい連中だ!」

 

〔っ─!〕

 

「くぁっ!」「キャア!」「うわぁッ!?」

 

「皆さん!」

 

「チッ、アイツ!」

 

マジックは本来の目的の方を優先したようで、ゲイムキャラの方まで転移し、アイエフ達を衝撃波でこちらへ吹き飛ばしてから持ち手が斬られた鎌を手にゲイムキャラへと近付く。

 

「さ、流石はマジック様……!」

 

〔くっ……せめて候補生に力を──〕

 

「させんッ!!」

 

〔ぁ───〕

 

「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

マジックが鎌を振り下ろす。

 

動けないルウィーのゲイムキャラにその刃は吸い込まれていき──

 

 

 

 

「……呆気ない物だったな?」

 

「あ、ぁ……」

 

「そんな……!」

 

「貴様……!」

 

 

 

 

─ゲイムキャラの破片が飛び散る。

 

守り切れなかった。

その事実を俺の頭はすぐに理解する。

 

このままでは、ゲイムキャラが封じていた古代兵器が……覚醒する。

 

マジックはゲイムキャラの破片を見ながら興味を失ったように視線を外し、俺達へ向ける。

 

「さあ、覚醒するぞ。犯罪神様が創り出した女神を殺すための兵器が!」

 

「流石、マジック様!」

 

瞬間、全体が揺れる。

 

この揺れ、古代兵器の封印が解かれたからか。

だとしたら、どれだけの数を封印してたって言うんだ!

 

『流石に厳しいね、これは』

 

─けど、ここで逃げたら、ルウィーだけじゃなくゲイムギョウ界が危ない

 

『その眼にも限界はある。忠告してやるが、今から現れるであろう奴等を視すぎるなよ。

脳が破裂するぞ』

 

─分かってる

 

揺れが収まる頃、マジックの方に上から巨大な何かが降りてくる。

 

「これが、古代兵器キラーマシンだ!」

 

キラーマシンと呼ばれた機械は機械でありながら禍々しい気配を放っていた。

にしても、キラーマシンって……あれだ。

 

初代のラスボスが竜なゲームに出そうだな。

 

「キラーマシン…」

 

「とてつもなく大きいです……!」

 

「だが……っ、デカいだけはあるか」

 

「志貴さん!大丈夫ですか……?」

 

「どうしたの?」

 

「ククク……やはり負担は無視できぬようだな?」

 

「ハッ、たかだか脳が破裂しかけてるだけだろ?

破裂自体してなけりゃ、ノーリスクさ。

体にガタが来てなけりゃデカいガラクタ程度、解体してやる」

 

頭痛がするが、問題はない。

ただ許容量をオーバーしかけてるだけだ。

問題は、ない。

 

「アンタ……」

 

「何、少し意地になって見栄を張りたいなんて、餓鬼臭いだろう?まあ、気にしないでくれよ。

それより……助けなきゃだろう?」

 

「志貴さん……でもっ」

 

「何、消滅してないってことはまだ生きてはいるだろうさ。なら、破片を手に入れるぞ」

 

「…はい!」

 

よし、やる気はあるな。

 

「威勢はいいな。だが…キラーマシン!」

 

〔…………〕

 

「……」

 

「……」

 

「…壊れてるんじゃないですか?」

 

マジックの呼び掛けに応じないキラーマシン。

マジックはキラーマシンを見ると、ピタリと静止している。あらぁ。

 

ネプギアの一言に、更に場が沈黙する。

どういうことだ?

動くには動いていた筈だが……

 

封印されている間に経ってしまった年月で使えなくなってしまったのか?

 

「キラーマシンさーん!起きてくれよ!」

 

〔……〕

 

「起きないです」

 

「チャンス?」

 

「おいおいおいおい…!起きろってんだよ!オラァ!」

 

「蹴って直るなんてそんな古典的な……」

 

〔ギ、ギ──〕

 

「やりましたマジック様!」

 

「よくやった」

 

「へへ!」

 

どうやらキラーマシンはアナログテレビだったようだ。

困った、動き出してしまった。

赤いモノアイが光る。

 

「キラーマシン、奴等を殺せ!」

 

〔命令、承認──排除開始──〕

 

「おいおい……ご都合展開にも程があるだろう」

 

「壊しても構わんぞ?まだ他にも数千といるのだからな」

 

「数千!?冗談じゃないわよ!」

 

「話してる場合じゃなさそうよ!」

 

遂に動き出したキラーマシンは、巨大な腕に持つ鈍器に近い剣を二つ持ち、俺達に襲い掛かってくる。

 

「せいぜい遊んでいるが良い……目的は果たした。

私は戻る。」

 

「はい!マジック様、お疲れ様です!」

 

「…上手くやるんだな」

 

「はい!」

 

マジックはそう言ってリンダにこの場を任せて去っていった。俺を睨み付けながら。

 

目をつけられたな、こりゃ。

 

「もう一仕事やるとしますかね」

 

「刃が通らなそうだけど……」

 

「それを通すための代物はあるんでね」

 

「それじゃ、任せたほうが良さそう?」

 

「そうだな、任せてくれ。だが、巨大ロボットとの戦いなんだ、殺りたい奴はいるんじゃないか?」

 

「悪のロボットとの戦い、燃えるわ!」

 

「ほら」

 

「ハァ……分かったわ。下っ端は私とコンパで倒すからキラーマシンは日本一とネプギア、七夜で倒してちょうだい」

 

「承りました、お嬢さん」

 

「だ、誰がお嬢さんよ!?」

 

少し気取った呼び方にアイエフは顔を赤くして怒る。

 

─おい、何してくれてんの?

 

『何、ちょいとばかしからかってみたくなってね』

 

─後でお怒り受けるの俺なんだけど

 

『そこはモテる男の専売特許って奴さ。

よかったじゃないか、腕をもがれないだけマシッてもんだろ?』

 

─いや腕を…ってお前知ってるのかよ!

 

『アンタの中にいるんだ、知るなと言うほうが無理だろう?』

 

くっそこのポエマー……

殴れるなら殴ってるのに。

 

『そんな暇あるならさっさとあれを解体するんだな。

そろそろ維持できなくなってくるぞ』

 

はいはい。

 

実際、魔力リソースを割いての変身だからな。

残り時間的にも全力でいかないと。

 

「さて、第二ラウンドといこうか。からくりを斬る日が来るとは思わなかったが…」

 

「固そうな見た目だけど…私のドリルは天を突くドリル!悪のロボットなんて砕いちゃうんだから!」

 

「一部のファンに怒られそうだからやめた方がいいぞ、それ」

 

「そう?」

「それより、志貴さん!無理しちゃダメですからね?」

 

「分かったよ、約束だもんな?君に言われちゃ断れない」

 

あーくそ!

コイツに口調引っ張られる!

思わせ振りな口調だからやめろってんだよぉ!

 

『なら、解除すれば良い。その瞬間倒れて足手まといだろうがね』

 

─こ、こいつ……!

 

『クク、そら、来るぞ!』

 

─絶対に仕返ししてやるからなぁ!!

 

〔女神、確認……抹殺、抹殺、抹殺……!〕

 

「往きます!」

 

俺たち三人は、キラーマシンを倒すべく向かっていった。




目覚めてしまった古代兵器、キラーマシン。
マジックを退かせることは出来たが今度はキラーマシンが襲い掛かる。

次回、超次元ゲイムネプテューヌmk2 with ワラキー
『殺人貴、線を斬る』

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