ワラキー異世界渡航劇   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。
今回も文字数多めになってます。

では、どうぞ


遥か彼方からの贈り物 後編

浮上した先に待っていたのは館の中だった。

 

これは俺の精神の世界。

映し出すのが簡単なのがこの館だっただけの事。

ああだが……

 

「久し振りの我が家といった感じだなぁ…」

 

オーフィスとこの館で出会い、俺のこの世界での活動が本格的に始まった。

そう、あの出会いは運命であった。

誰もがそのような運命と出会う。俺もまた、そうだった

 

オーフィスが俺よりも先に歩いてソファーに座る。

 

「座って」

 

「分かったよ」

 

俺はオーフィスに言われるまま隣に座る。

嬉しそうにしているのが分かる。

無表情だけど、それを読み取れるだけの年月を共に生きているからな。

 

「すぐ戻ってこれなくてごめんな」

 

「不測事態なら仕方ない。帰ってきてくれる?」

 

「ああ、必ず。…でもさ」

 

「ここで得た仲間。…大切なもの、増えた?」

 

「…ああ」

 

「そっか」

 

くすりと笑いながらこちらを見るオーフィスに俺も笑う

 

家族以外に得れた同じ位守り通したいと思った物。

今のゲイムギョウ界で得た絆、縁…。

それはとても尊い物だ。

俺はそれを守りたい。

 

「オーフィス。どうやってここに?」

 

「カオスもいる。ネコだけど」

 

「……え、ネコカオス?」

 

頷くオーフィス。

ネタキャラ化してまで来たのか教授…

 

「それに、我も本当の我じゃない」

 

「どういう事だってばよ」

 

「この世界に来れたのは我とカオスの一部の力」

 

「…つまり、あの二人は来れなかったから力だけを送ったのか」

 

教授は付き添いなのかな。

……それでも、ありがたい。

 

「フリージアが分割思考でようやく割り出したけど、もう穴は小さかった。だから力だけを送ったの。

…貴方の器じゃタタリの全ては入りきらなかった。

だから、我はそれが出来るようにこの力を与えに来た」

 

「無限の力の一部って…逆に俺の体が爆発するんじゃ」

 

「大丈夫。無理矢理だけど(容量)を上げるだけ」

 

「知ってはいたけど何でもありだな…いいのか?」

 

「うん、貴方の為なら」

 

「っ……!」

 

俺は笑顔で構わないというオーフィスを抱き締める。

力だけの存在がその力を与える…それはその存在の死を意味する。

それを理解していて、それでもいいなんて。

 

家族が大事だというのに。

力だけの存在だからって家族の姿をしてるんだ。

俺は、辛い。

 

オーフィスも抱き返してくれた。

自然と、涙が出てくる。

 

「ズェピア、愛してる」

 

「知ってるよ…!」

 

「…でも、応えてくれない?」

 

「俺は、父親、だから」

 

「でも、我は、好きだよ?」

 

「…ごめんな…!」

 

「…うん」

 

未だ、恋心を俺に向けてくる娘に謝罪する。

オーフィスは背中を擦ってくれる。

 

「大丈夫…大丈夫…」

 

「でも、お前が…お前を犠牲にするなんて……!」

 

「犠牲じゃないよ」

 

「犠牲だろ…だって、消えるんだぞ……!」

 

「犠牲じゃない。我は無事だよ」

 

この子は何を言っているんだろう。

俺は久し振りにオーフィスの言葉を理解できていなかった。

 

「今度は、我が助ける番。我が、貴方の中で支える。

我の声はしないかもしれないけど、傍に居るから」

 

「っ、ああ…!」

 

「ん、分かったら、泣き止む」

 

「…これでいいか?」

 

「十点」

 

「何点中?」

 

「我風に無限点中十点」

 

「手厳しいもんだ」

 

何とか涙を拭って、抱擁をやめる。

手厳しい採点とは裏腹に嬉しそうな顔。

 

「じゃあ、我から二つ言いたいこと。それを言えば……また、あっちで待ってる」

 

「ああ、なんだ?」

 

「カオスに伝えてほしい。

カオスまで消えなくていいって」

 

「…分かったよ」

 

教授なりの優しさだったんだろうが、余計なお世話だったらしい。

後で慰めておこう。

 

「最後に、しっかり女の子の気持ちを考えること。

変なところで鈍感なズェピアには大事な事。

復唱して」

 

「えっと…?」

 

「復唱して!」

 

「はい!しっかり女の子の気持ちを考えること!」

 

「ん、よろしい」

 

駄目だ、今のオーフィスには別の意味で勝てない。

何か、従わなきゃいけない感じがする!

くそぅ、俺はパパだぞぅ……!

 

でも、これが言いたいことだったのなら…この奇跡もしばらくはお別れか。

 

その予見通り、オーフィスの体が光り出す。

 

「オーフィス…」

 

「また泣きそうにならない。

待ってる人が向こうだけじゃなくて、ここにもいる。

…さっさと行くこと!」

 

「うおぉ!?」

 

オーフィスは泣きそうになる俺に活を入れるように体の向きを無理矢理変えて強く掌で背中を押す。

そのまま、俺は扉まで吹っ飛ばされる。

 

「そこを開ければ、こことはしばらくお別れ」

 

「この扉を…っ、なあ───」

 

その言葉を聞いて、俺は他に方法は無いのかと聞こうとして、振り向こうとするが

 

 

 

「───行ってらっしゃい」

 

 

 

ズルいじゃないか。

それを言われたら、何も言えない。

だってそれは、いつもオーフィスが行ってくれるときの声色だったから。

 

だから、俺は振り向けない。

ただいまは、今じゃない。

 

俺は扉を開けて、一言。

 

「──ああ…行ってきます……!」

 

そうして俺は、この部屋から出ていった。

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

 

カオスさんを連れてルウィーの広場まで行った私達はアイエフさんともう一人子供?を見つけたので声をかけました。

 

「アイエフさん!」

 

「来たわね…って何その…何?」

 

「ネコですの」

 

「いや、あれをネコは無理があるでしょ。どうみたってワレチューの同類か何かでしょうが!」

 

「そこのツッコミすることでこの作品での存在感を確かとする中二少女よ。それは、あれかね?

実は吾輩がタイプムーンからの刺客、ネコカオスちゃんと知っての言葉かね?吾輩傷付くなぁー!

吾輩知ってるのよ?そこのコンパ氏がコンパイr」

 

「アウトォォォ!!それ以上言わせないわよ!?

それ以上壁を壊すと殺されるわよ!」

 

「おっと…ついこの作品をぶっ壊してやろうと思って重大なる事実を暴露してしまうところであったか」

 

「えっと……ネコさん、どういうことです?」

 

「気にしたら負けという事ですよレディ」

 

「うーん?ネコさんがそう言うなら、気にしないですけど……」

 

「あはは…」

 

苦笑するしかない。

というより、本当にそこの女の子は誰なんだろう。

 

「あの、貴方は?」

 

「がすとは、がすとですの」

 

「ほう、吾輩はサイゼ派であるのだが。

まあしかし、自己紹介をされたのだから吾輩もすべきなのは自明の理科系男子…我こそはネコk」

 

「私はネプギアで、こちらはネコカオスさん、コンパさん、日本一さんです!」

 

「よろしく!」「よろしくなのです」「…」

 

話がややこしくなる前に先に私が紹介した。

話を聞くと、がすとさんは錬金術師であるらしく、直せるかもしれないと言ったらしい。

 

コンパさんも錬金術師がどんな方かは知ってるらしい。

そして、がすとさんはこう見えて凄腕との事。

 

「現物を見せてほしいですの」

 

「はい、これです!」

 

「詐欺師だったりしないでしょうね?」

 

「む、確かにがすとはお金は大好きですの。

でも、時と場所は考えますの。

……ふむふむ、これは…多分、直せると思いますの」

 

「本当ですか!?」

 

「ただ、素材が必要ですの」

 

「どんな素材?」

 

「これだと、『レアメタル』と『データニウム』が必要ですの」

 

「それじゃあ早速行きましょう!」

 

私がそう言うと、皆が賛同してくれた。

アイエフさんもまだがすとさんを信用してないけど仕方無しといった風に苦笑する。

 

「じっとしてるよりはマシか…ネプギア、ズェピアは?」

 

「その内起きます。ですよね、カオスさん?」

 

「にゃにゃにゃ…うちの最強担当を信じるであるよ」

 

「…行きながらでいいから話聞かせなさいよ?」

 

「はい!」

 

じゃあ早速、その二つの素材を手に入れに……!

 

「待つですの」

 

「何です?」

 

「素材の場所、分かるですの?」

 

「「「「あっ」」」」

 

「やれやれですの」

 

「いやはや、お先真っ暗になるところであったな」

 

危うく、ラステイションでの悲劇が再来するところでした……。

でも、教えてもらえるし、大丈夫…だよね!

 

「…そのネコも来るの?」

 

「当たり前だのクラッカーだな」

 

カオスさん、戦えたんだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルウィー国際展示場に来た私達は目当てのモンスターを探す。

がすとさん曰く、ここと世界中の迷宮が怪しいらしい。

がすとさんに何かあったら困るので、ルウィーで待って貰うことになったから、私達が頑張らないと。

 

後、アイエフさんにはしっかりと話した。

すると、健気な子ねとだけ言って、それっきり何も言うことは無かった。

 

「ネコさん、寒くないですか?」

 

「なぁに、吾輩は特殊訓練を受けたスパルタネコであるから寒さには完全なる耐性があるのだよメロン少女」

 

「羨ましいです~」

 

「でも、その体にはなりたくないわ」

 

「ヒーローにすら遠ざかれる吾輩はやはり引きこもってるべきなのでは?」

 

「関係無いから」

 

皆仲良しで何よりです。

ズェピアさんも、ここにいたらカオスさんと一緒にボケてアイエフさんからツッコミを受けてたのかな。

 

「あれじゃない?」

 

「硬いな見た目だけど…」

 

「こういう相手は吾輩得意なんだよね。ほら、ドラ○エとかでもさ、かぶとわりは基本じゃん?

そういうのをやりまくった吾輩には楽勝なのは当然よ」

 

「あ、危ないですよ!」

 

カオスさんは硬い殻に身を包んだモンスター、『メタルシェル』に歩いていく。

でも、自信満々だし、もしかしたら……?

 

「ようパル○ェン、元気?吾輩?吾輩は最近録画してたアニメ全部消されたからげんなり気味よ。ユーは?」

 

『……』

 

「ああ、コミケで目当ての同人誌買えなくて引きこもってる?吾輩分かるよ、それ凄い分かる。

でも、吾輩はこの前それ買えた身だからさぁ」

 

『…!』

 

「怒るなってブラザー。吾輩と汝の仲じゃないの。

今度特別に貸してやっから汝の持ってるレアメタルをくれたりしない?」

 

『…、……』

 

「それは俺の家宝?ならば仕方無い!我等はやはり戦いの宿命に囚われしライバル!

吾輩とお主、勝てば望むものが手に入る!

昔ながらの海賊流儀で行くとしようぜ!

んじゃ、やっとく?」

 

『ニックキュー!』

 

「ファイっ!うおぉ!吾輩の15分間で培ったかぶとわりを喰らえぃ!」

 

『……』

 

何故か会話が成立して、『メタルシェル』が何故か喋って唐突に戦闘が始まってカオスさんがその拳でかぶとわりという技を放つ。

 

…全く効いてないみたいです。

 

「汝ベリー硬すぎにゃい?防御ダウンエフェクトもねぇし、自分サレンダーいいっすか?」

 

『…』(ふるふる)

 

「ああ、ここOCGだから認めない?そう……。

ああ、ちょっとタンマ!吾輩日を改めてもう一回挑戦───ギニャァァァァァァァ!そんなネコに本気出されてもにゃぁぁぁ……!!」

 

カオスさんは土下座して許しを請うように降参を宣言しるけどモンスターがそれを許すわけもなく、全力の体当たりをぶつける。

カオスさんはそれにやられてしまい、こちらまで吹っ飛んで来た。

 

「…えーと……」

 

「この馬鹿ネコ!空気を壊してやられてんじゃないわよ!」

 

「正直、いけると真面目に思ってた時代があった……」

 

「ネコさん、やられちゃいましたです…」

 

『…!』(グッ)

 

何となく嬉しそうな『メタルシェル』にこれから集団で倒すのは気が引けてしまう。

けど、やるしかないし、この空気のままなのも嫌なので皆で武器を構えて戦闘を始めた。

 

「ネコさんの仇は取るですよ!」

 

『…!?』

 

「何となく謝らなきゃいけない気がするけど、やられてください!」

 

…少し罪悪感を覚えるのは、気のせいじゃないと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に世界中の迷宮に来た私達。

レアメタルはゲットしました。

その代わり、何か哀しいものを背負った気がします…。

 

「ネコ、アンタはもう戦うんじゃないわよ?」

 

「あれば吾輩のせいじゃにゃいよ。もっとおぞましいシナリオのせいだってば」

 

「ハァ…」

 

「カオスさん…あまりふざけすぎるのは良くないですよ」

 

「む?それ取ったら吾輩に何が残るのか…

真面目にやればよいのだな?」

 

「ところで、ヒーロー的勘を言いたいんだけど、あれだったりしない?」

 

真面目、真面目と何度も呟いているカオスさんは置いといて…

日本一さんの指差す方を見ると、そこには巨大な人の顔のモンスター…『川島教授』……だったっけ?

 

「キモいわね」

 

「でも、頭をよくしてくれそうな顔してるですよ」

 

「それより、早く倒すわよ!キラーマシンが増える前に早くね!」

 

「それもそうですね…カオスさん?」

 

カオスさんがいつの間にか『川島教授』の前に立っていた。

アイエフさんは額を抑えて溜め息。

 

「ちょっと、アンタまた…」

 

「ゆ、許せん……!」

 

「アイエフさん、何だかカオスさんが怒ってます!」

 

「ハァ?何でよ?」

 

プルプルと震えて怒りを抑えきれないといった様子だった。一体どうしたんだろう?

 

「吾輩と同じようなカオス度しやがって許せんぞぉ!

この教授!吾輩が直々に葬り去ってくれるわぁぁぁ!」

 

「待ちなさい!また吹っ飛ばされて終わり──」

 

アイエフさんの言葉を遮るようにカオスさんの目がキランと光る。

え、一体何が──

 

 

「ネコ、ビィィィィィィムッ!!」

 

 

「「ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

 

「ハァァァ!?」

 

「ビーム!カッコいいわ!ヒーローっぽい!」

 

私とコンパさん、アイエフさんはカオスさんが目から黒いビームを放ち、『川島教授』を撃破したのを見て驚愕した。

日本一さんはビームに目をキラキラと輝かせて興奮している。

 

『川島教授』が倒れた場所には『データニウム』と思わしき物が落ちていた。

 

「にゃにゃにゃにゃ…これで吾輩こそカオス界のゴッドとして君臨できるというわけよ!」

 

「いやいやいやいや!待ちなさい!何でネコがビーム出してんのよ!」

 

「それ言ったら魔界の技とか撃てるチミもおかしいんじゃね?まあ、これ気にしてたらメルブラで生きていけないよアイエフ君」

 

「メルブラって何よ!?しかも私のはしっかりと習得した技だから!」

 

「ただのメイドとか割烹着のドクターとか小学生が死徒とやりあえる世界に決まってんじゃーん。

吾輩の出身ゲーね、これ。

てか、それは元々ヒ○の技じゃん?他にもリ○ル・ス○ーの技じゃん?」

 

「それ以上世界の法則に突っ込むなダメネコォォ!!」

 

「ぐほぉぁ!?ネコに対して容赦ないツッコミ……

ソウルフレンドが悶えるのも納得の強さというもの…

く、お主には景品としてこの拉麺屋『泰山』の無料券をくれてやるわ!」

 

「いやいらないわよ!」

 

二人を見ていると何となく、ズェピアさんとのやり取りに似ているなと思って、家族は似るものなのかなと思うと自然と笑えた。

 

私は『データニウム』を回収してから二人に話し掛ける。

 

「回収できましたし早く戻りましょう!」

 

「…そうね、時間も有限だものね」

 

「キラーマシンに気付かれる前にルウィーに戻るですよ!」

 

カオスさんも何だかんだで強い事が分かったし、早く戻って、がすとさんに直してもらわないと!

 

私達は目覚めてるかもしれない他のキラーマシンに見つかる前に急いでルウィーへと戻るのだった。

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

 

 

「行っちゃった」

 

でも、そうしたのは我。

だから、悔いとかはない。

 

我は本物の我じゃないから、構わない。

 

……でも。

 

「あの時抱き合った温もりは、我のもの」

 

これだけは本物の我には秘密にしておく。

後は、好きにするといい。

 

…折角ベッドとかあったんだし、もう少し何かしてもよかったかも?

 

「…それは、駄目だから」

 

ストレートに行きすぎて良くない。

 

……うん、もういい。

あんまり長く居ると寂しくなるだけだから。

それに、約束したから、こっちでもズェピアは平気。

 

取られないかだけ心配だけど、そこは本物の我に任せるとしよう。

 

あっさりと、けれど濃い時間を過ごせた。

それだけで十分。

後はもう、現実の時間だから。

 

 

 

─夢から覚めるときだよ、ズェピア

 

 

 

頑張ってね。

それで、帰ってきておかえりと言わせて──





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