タイトル見たら思うこと
─ああ、こいつはタイトルのセンスが皆無なんだな
ではどうぞ
ルウィーに着いて、がすとさんに頼まれていた素材を渡す。
がすとさんは渡された素材を確かめてから頷いてこちらを見る。
「ご苦労様ですの。これでゲイムキャラを直せますの」
「よかった~…」
「それはすぐ出来るの?」
「素材さえあれば後は簡単ですの。がすとを信じるですの」
「お願いしますです」
「さあ、真理の扉を開くのだ、がすとよ。
吾輩が神を手にするためにも、にゃぶん!?」
「ふざけてないの」
頭にチョップを落とされたカオスさんは頭をさすった後に煙草を吸いだす。
……猫って煙草吸えるんだ。
あ、コンパさんが煙草を取った。
「ネコさん、体に悪いから駄目ですよ!」
「ちょ、返せ!吾輩の素敵アイテムを返せメロン少女よ!」
「駄目です!私が目を光らせている間は煙草なんて吸わせないですよ!」
「ぐぬぬ…この世界のドクター枠はお主だったりするのか!」
うん、コンパさんにカオスさんは任せてがすとさん達の会話に加わろう。
……そういえば、ズェピアさんが吸血鬼の姿は錬金術師でもあったとか言ってたような。
「それじゃあ、やるとしますの」
「此処で、ですか?」
「さっさとやる方がそっちにとっても好都合だと思うですの。寒くもないし、ここでやるですの」
「そりゃ、そうだけど…」
「待てぃ、あったカフェレストラン!」
「そっちのガストじゃないですの」
「ええいそんなことはどうでもよろしい!
吾輩の紳士なハートがそれはやめておけと囁いているのよこれが!
汝はヌクヌクと教会でやるべきなのである!」
ま、マトモな事を言ってる!?
さっきまでコンパさんと言い合っていた筈のカオスさんがいつの間にか来たのも気になるけど、それよりもマトモなのに驚きです。
「いいですの?」
「ま、ネコもこう言ってる事だし教会でやりましょう」
「そうですね、急ぎすぎるのも良くないですし…」
「うむ、さて、早く教会に行くとしようか」
「ネコさん、早く残りの煙草も渡さないと痛いですよ」
「Oh…では、吾輩は先に行っているのでゆるりと来るがよろしい!」
「あ、待ってくださいです~!」
カオスさんとコンパさんは走って教会まで行ってしまった。正確には、カオスさんがコンパさんから逃げて、だけど。
「行っちゃいましたね…」
「忙しないですの」
「まあ、ツッコミしなくて済むのはありがたいわ…」
「アイエフ、帰る道中も凄かったもんね」
「役が定着してるですの」
「うっさい、ほら行くわよ」
「はい」
アイエフさんはうんざりとした様子(でも、満更じゃないのは私も日本一さんも分かってる)でルウィー教会へと歩いていくので私達も一緒に。
…ズェピアさん、起きてるかな
・
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・
・
教会に着いた私達はミナさんを探していると、カオスさんとコンパさんがラムちゃんとロムちゃんと一緒にいました。
…カオスさんは、ラムちゃんに弄られてますけど。
「うにゃぁぁ!?やめ、やめるのだやんちゃ系幼女!
ネコカオス愛護団体に訴えるぞ!」
「うっさい変なネコ!教会で暴れまわってコンパを困らせて許さないんだから!」
「ラムちゃん、ネコさん可哀想…(オロオロ)」
「ナイスですよラムちゃん!さあ、その煙草を処分しますです!」
「にゃ、にゃんだとぉ!?意図せずして2対1の構図ができるとかシナリオはどうなっている!?」
ラムちゃんに拘束されて、コンパさんがカオスさんの煙草を没収しようとにじり寄って、それをロムちゃんがオロオロと見ている。
……どうしよう、これ。
「放っておくわよ」
「ええ!?」
「別に実害出る訳じゃないし、いいのよ。
それより、ゲイムキャラの事はこっちで説明するからアンタはズェピアの所に行って様子見てきてちょうだい」
「おお、名案!」
「あのネコ、少し気になるですの。やっぱり解剖して……」
「物騒なこと言わないでよ!?」
「錬金術師としては気になって仕方がないっていうジョークですの」
「えっと、じゃあ、見てきますね」
「ええ、お願いねネプギア」
私は、アイエフさん達にゲイムキャラさんの事を任せてズェピアさんの寝ている部屋まで少し急いだ。
オーフィスちゃんの事、疑ってる訳じゃないんだけど心配なものは心配で。
すぐに部屋の前に着いた私は、扉をノックする。
「ズェピアさん、ネプギアです。起きてますか?」
……。
返事がしない。
まだ起きてないのかな……。
取り合えず、中に入って様子を見ないと。
「失礼します」
扉を開けて、中へ入る。
ズェピアさんの寝ているベッドまで行くと、まだ寝ているズェピアさんが居た。
「ズェピアさん…」
もう少しで起きないだろうか。
あれから少し時間は経ったし、オーフィスちゃんも頑張ってると思うし。
ベッドの横にある椅子に座って、少し様子を見る。
早く起きて、また声が聞きたい。
私はズェピアさんの手を握る。
温かいけど、動いてはくれない。
何時になったら、目を覚ましてくれるんですか。
皆、心配してますよ。
目を閉じて、両手で握ったズェピアさんの手を額に当てる。
早く、起きてと願いながら。
…馬鹿だな。
こんなことしても、意味はないのに。
そう思って、目を開ける。
そして、絶句する。
「ぁ──」
「…」
私は、目が合った。
目を開けたときには、上を向いたままだったのに。
既にその顔は、目を開けてこちらをじっと見ていた。
起きたと思って、喜ぶ。
喜ぶ、筈だったのに。
「…」
その目は、黒く、濁っていて。
目が合った時、ズェピアさんは握り返してきて。
その口が、三日月のように笑って───
「ぁ、ズェピア、さん…?」
「…」
そんな、オーフィスちゃんは失敗したの?
今のズェピアさんは、凄く、怖い。
今までのような優しさも消え失せた只々怖い顔をして。
「ネプギア」
「ぇ、ぅぁ……?」
ようやく発した声は誰かの声が何重にも重なって聞こえて、色々な感情の声が聞こえて。
自然と、私は声も体も震えていた。
あの時のズェピアさんは、何処に───
「なんちゃって」
「え──」
え?
「いや、おはようございますネプギアさん!
大復活ズェピアさんでございますよ!
やっぱ俺がボケないとね!」
「ぇ、な……!」
「起きて早々渾身のギャグ!
ホラー編って感じでタタリを使ってまでやってね!」
こ、この人は……!
私は握られていない方の手を離し、握り締める。
今のズェピアさんは目がいつものように黒いだけで光があるし、顔も怖くないし、声も何時も通り。
「あ、あれ?」
ズェピアさんはようやく気付いたのか困惑したような声を出す。
困惑したいのはこっちです。
「あの~…ネプギアさん?」
「……んの」
「へ?」
「ズェピアさんの……!」
「え、KO☆BU☆SHI?ま、待て!」
「ズェピアさんの馬鹿ァァァァァァァ!!!」
私は拳を力一杯握り締めて、それをズェピアさんの顔めがけて放つ。
その拳はズェピアさんの顔にしっかりと当たり、ズェピアさんをベッドから床へと吹き飛ばして叩き付けた。
「うごっはぁぁぁ!!?」
「ハァ…ハァ…!ズェピアさん!!」
「お、おう…じゃなくて、はい…!」
殴られたことで悶えているズェピアさんに私は近付く。
やり過ぎたと思ったのかズェピアさんは申し訳なさそうにしている。
「ズェピアさんは、本当にっ……!」
「わ、悪かっ──うおっ」
「ずっと、ずっと心配してたんですからね…!」
慌てて謝ろうとするズェピアさんに聞く耳持たずに私は抱き付いた。
ああ、温かい。
ちゃんと、起きてくれている。
こんなにも嬉しいことはない。
思わず、泣きそうな声になってしまうのも、仕方がないんです。
ズェピアさんも抱き返して、頭を撫でる。
「ごめんな」
「本当ですよ…!また無理をして、それで倒れて……目か覚めなかった時、どれだけ不安だったか!」
「ごめん」
「起きたと思えば、怖がらせるし…」
「いやホントその、ごめんなさい」
「ふふっ」
「ん?」
私はまた慌てて謝るズェピアさんがおかしくて、笑ってしまう。
「もう大丈夫ですか?」
「ああ、もうあんなことで倒れないよ」
「オーフィスちゃんと、しっかり話しましたか?」
「ああ。やっぱり会ってたんだな」
「はい」
「そっか。あの子もこの世界を少しでも見たんだな」
子の成長を嬉しがる親のように、ズェピアさんは優しく笑う。
やっぱり、家族に会えて嬉しかったんだ。
「心配かけたな、それに寝過ぎたようだし」
「お寝坊さんですよ、ズェピアさん」
「ぐぬぬ…この失態は取り返すから、許してちょーよ」
「変な謝罪ですけど…許します、相棒ですから!」
「いいのかそれで?」
「いいんですよ、それで」
「そうか、なら、それでいいよ」
そこまで怒ってる訳じゃないからいいんです。
今は、ただこの人の鼓動を聞いていたい。
……あれ?
これって付き合ってる感じがしますよね?
恋人ってこんな感じだったりしますよね?
(これはもう、相棒というより恋人の関係に近いんじゃ)
そこまで考えて、やめた。
告白もしてないのに舞い上がるのはよくない。
というより、オーフィスちゃんに失礼だからやめた。
勢いに任せて何してるんだろう私。
「ネプギア、その」
「はい?」
「ずっとこの状態っていうのはよろしくないので離れてもらえると助かる…」
「あ、すいません。すぐに退きますね」
「ああいや、謝るのは俺の方だから…」
「もうその件は許しましたから、これ以上はやめましょう?」
「うっ、はい…」
弱気な感じのズェピアさんをもう少し見たいと思ってしまったけど、これ以上はまた誰かに見られて勘違いされそうだから退くことにしました。
立ち上がったズェピアさんは何から話そうかと考えている様子だったので、私から話題を振ろうと思って話し掛けます。
「もう大丈夫って言ってましたけどタタリはどうなったんですか?」
「ん、ああ…オーフィスのお陰でこの体でも少しならタタリを使えるようにはなったみたいだ。
それ以上をやるならまた変身しないといけないが、以前ほどのデメリットは発生しないはずだ」
「本当ですか?」
「ああ」
「それは良かったですね!」
「そう、だな」
「取り合えず、アイエフさん達の居る所まで戻りながらこれまで何があったか説明するのでついてきてください」
「ああ、分かった」
私はズェピアさんが寝てる間に何があったのか細かく説明しながらアイエフさん達の居るであろう所まで向かう。
ミナさんの仕事部屋に居るだろうから、そこに向かってるけど…合ってますよね?
──────────────────────
マジか、とネプギアの話を聞いた俺は思った。
俺の寝ている間に教授を連れてゲイムキャラを直す為の素材を手に入れに行っていたなんて。
それに、錬金術師 がすとか。
○○のアトリエ…あ、口出し厳禁?ですよね。
とはいえ、錬金術師というのなら興味が出てきた。
「会うのが楽しみだな」
「そうなんですか?」
「錬金術師なんだろう?俺も、錬金術で色々と造ったりしてたから興味が少々ある」
「錬金術って面白いんですか?」
「まあ、飽きないという事においては事欠かさないよ」
「へぇ~…」
ネプギアは錬金術をよく知らないからか曖昧な反応だ。
まあ、だよね。
そうこう話を聞いている内に着いたようだ。
ネプギアは扉をノックする。
「ネプギアですけど、居ますか?」
『はい、入ってきてどうぞ』
「はい!失礼します」
部屋からミナさんが入室の許可をくれたので入る。
「失礼しま~す…」
「「「「ズェピア(エルエル)(お兄ちゃん)!」」」」
「うおぅ!?」
入った瞬間、日本一とコンパ、ラムとロムが嬉しそうに俺の名前を呼ぶ。
ミナさんはミナさんで静かに微笑んでいる。
かなり心配かけたようで、心苦しい。
じっと俺を見ているのが『がすと』、だろうか。
想像してたよりも小さい。
ネプギアからの話でも小さいとは聞いていたが。
「皆、心配かけて…ごめ、ん…」
謝罪しようとしたらアイエフが近寄ってくる。
俯かせながら来るから怖い。
「…ッ!」
俺の前まで来たアイエフは俺の右頬を平手打ちする。
かなりの音が響いた。
俺にも、頬の痛み、そして心に痛みが走る。
アイエフの顔はまだ見えない。
「…アイエフ」
「確かに、アンタのタタリは強いわ。
女神化と同じぐらい、それは認める。
でも、これ以上変身してその後倒れるようならもう使わせないわ!」
「分かってる」
「本当に分かってる?アンタが無茶をしたら悲しむ奴が居るってこと。…本当に分かってるの?」
「アイちゃん、ギアちゃんも怒ったと思うですし、あんまり…「コンパは黙ってなさい!」はうぅ…」
「いい?ネプギアも分かってるだろうけど、こいつの分かってるは分かってないのよ。
だからルウィーで倒れたんじゃない」
「それは擁護できないかな、私も」
「はい」
ネプギアは短く返事をする。
日本一も苦笑して、反省しなよと目で伝えてくる。
ロムとラム、勿論ミナさんも何でこうなったかは知ってるのだろう。
だから、何も言わずに見ている。
「それで?」
「ああ、しっかりと反省したよ」
「…そう。ならいいのよ」
怒ってるだけじゃない。
アイエフは纏め役だからこそ、こうして俺をひっぱたいてでも叱ったのだろう。
顔を上げたら、彼女は不安そうな表情をしていた。
彼女のこんな顔はサマエルに腹を抉られた時以来だった。本当に申し訳無い。
「あんまり、心配かけないでよ」
「ああ、ごめん」
「ったくもう…ごめんなさい、時間取らせ過ぎたわね」
「もういいですの?」
「痛い目見たんだから、多少は懲りてるでしょ」
がすと以外は事情を把握してるからか何も言わなかったが、がすとも察してたのだろう。
ルウィーのゲイムキャラを直すのに必要な素材は俺が居ないときに集めたらしいし、後はここで直すだけだろう。
自己紹介もそれが終わってからで良いはずだ。
ミナさんがアイエフに構いませんよと言う。
「さて、話も終わったようですし…がすとさん、修復にはどれ程掛かりますか?」
「そこまでの時間は掛からないですの」
「では、今からでもお願いします」
「分かったですの。作業はここで?」
「ええ、お願いします」
直すのには時間は掛からない、か。
凄腕ってのは本当らしい。
「それなら、俺達はどうすればいいんですか?」
「幸い、キラーマシンはまだ少ししか動き出していません。ルウィーを攻めるにしてもまだ時間は掛かるでしょう」
「それまでは待機ですか」
「はい。修復が完了したらブロックダンジョンまで向かってください」
「分かりました!」
「私たちも一緒に行くわ!」
「行く…!」
「ロム、ラム…」
流石に不味いだろうとミナさんを見る。
「構いませんよ」
「いいのか?」
「戦える者はルウィーには居ます。
ホワイトハート様…ブラン様のルウィーを守るのはこの子達だけではないのです」
「ミナちゃん…!(キラキラ)」
「ありがとう、ミナちゃん!」
「その代わり、無事に戻ってきなさい。いいですね?」
「うん!」
無事に戻ってこい、か。
俺達にも言えることだな。
話は良い感じに終わったし…って待て。
教授は?
「どうやら、話は終わったようだな諸君」
「ああ、教授…」
後ろから久し振りに聞くジョージボイスが嬉しくなり振り向く。
そこには、カオスはカオスでもネタ方面のカオスなネコが居た。
ああ、そうだった。
そういえば、そうなってましたね……。
「ふっ、友よ。オーフィスはどうやら、貴様を起こすのに成功したようだ」
「その体で真面目に話されても…まあ、そうだな。
ありがとな、教授」
「何、私は可能性があったから手を出しただけのこと。礼を言うならば、戻ってから言うのだな。
さて、オーフィスがそうなったのならば私もまた…」
「ああ、それだけどさ」
「む?」
「一緒に居ても喧しいから消えなくて良いってさ」
「……え~?」
一気に場の空気が変わる。
真面目から混沌へ。
それは、ジョージボイスが気の抜けたような声を出したからに他ならない。
「吾輩の存在放置な訳?」
「そうなるな」
「汝らのパーティにINするの?」
「ですね」
「煙草は?」
「駄目です!」
「録り溜めしておいたアニメは?ドラマは?」
「おじゃんね!」
「拒否権は?」
「ない(にっこり)」「あるわけないでしょ」
教授…カオスネコは皆の言葉にがくりと崩れ去る。
新たな仲間が出来た。
こんな姿になっても、教授は弱くない。
獣自体は普通に出せそうだし。
「まあ、これからよろしく頼むよ、教授」
「ぬぅ…吾輩はネコらしくそこら辺で温もっても」
「ダメに決まってるでしょ」
アイエフはため息をついてツッコミが増えそうねと疲れた様子であった。
いやー何の事かな。
ワラキーさん誰が悪いのか分からないなぁ…(目逸らし)
何はともあれ、事態は良い方向に進んでるようだ。
よしよし、良いことぞ。
無事に目が覚めたワラキー。
しかし、常に良いことばかりではない!?
次回、超次元ゲイムネプテューヌmk2 with ワラキー
「監督気取り、ルウィー防衛戦!」
「真の戦いはこれからだッ!」
「真面目にやんなさいよっ!?」