憑依転生者『ノエル・シルヴァ』   作:紅ヶ霞 夢涯

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 オリジナル展開で昔話を書くか原作沿いで進めるかめちゃくちゃ悩みました。とりあえず両方書いてみて、原作沿いの方がいいと思ったのでこっちにします。
 過去話はまた機会があれば投稿します。


第2話 邂逅

 翌日。

 

 朝早くから筋トレをして森を駆け回って刀を振り、魔力操作の練習を数時間ほどした私は、汗を拭ってアジトの裏から部屋に戻ろうとしていた。

 

 その時に目の前に全力でアジト内を走る二人の人影が現れ、私の少し前で立ち止まった。

 

「おぅテメェ、こんなとこに居たのか」

 

 そう言ってきたのはフィンラルと同様、先輩に当たる人物。髪の毛がトサカで黒いサングラスを掛け、指抜きのグローブをはめている。

 

 この人はマグナ。一言で表すならとても暑苦しく前時代的な人。

 

(で、こいつが……)

 

 マグナが言った「同期」という言葉に感動でもしているのか、異様に目の奥がキラキラと輝いている小柄な少年。服の上からでも鍛えられたことが分かる体つきをしていて、腰にはボロボロの魔導書がある。

 

 この世界で唯一(アンチ)魔法の剣を扱う主人公。

 

「オレ、ハージ村のアスタ!一緒に切磋琢磨して頑張ろうぜぇ~~~~~~」

 

 能天気な表情でよろしくーと私に手を伸ばすアスタの手を無言で握り、直後に腕を引っ張り足を払って彼の身体を上下逆さまにした。

 

「えっ」

 

 そして無防備に動きが固まった彼の腹に足を振り抜いた。

 

「ぐえっ!?」

 

 アスタは壁に思いっ切り激突した。

 

 現時点での彼の実力がどれくらいのものか気になったからこうして手を出してみたが………今はまだこの程度か。

 

 それに彼の強みは反魔法の剣を扱える以上に、圧倒的なまでの成長速度にあると私は思っている。

 

「所詮は魔力の乏しい下民の小虫ね。仮にも魔法騎士団に入団できたからどんなものかと思ったら………身の程が分かったのなら、王族の私に気安く話し掛けないことね」

 

 私の言葉に王族っ!?と驚く様子を見せる彼は土下座するように頭を下げたかと思うと、すぐさま勢いよく立ち上がる。

 

「って誰が小虫だァァ~~~~~~~~~~!!オレとオマエは騎士団の同期!王族だとか関係あるかァァー!!」

 

「そうだアスタ!言ってやれェェェ!!」

 

(羨ましい)

 

 少しだけそう思った。これだけ真っ直ぐに生きることができたのなら、一体どれほど楽だろう。

 

(ま、無理な話よね)

 

 私はどうもそういう性分ではない。

 

「言葉で言っても分からないのね。……魔力の差くらいは理解できるのかしら?」

 

 そう言って魔力で生み出した水球をアスタ目掛けて放つが、彼に直撃すると思われたそれは何故か隣のマグナに当たった。

 

 自分の表情が険しくなるのが分かる。

 

(何で……どうしてここまでやっても上手くいかないの)

 

「テメェいきなり何すんじゃボケェェェ~~!!」

 

 水浸しになってそう言うマグナの横を無言で通り過ぎ、私は足早に自室へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

<sideアスタ>

 

「ア~~一応説明すっぞ、アスタ。今の奴はノエル・シルヴァ。テメェの同期で確かに王族シルヴァ家の出身だ」

 

 マグナ先輩曰わく、俺と同期だというさっきの少女。

 

 何か高そうな服を着ていて、腰には魔導書とよく分からん剣?みたいなのがあった。その肩には俺が必死の思いで手に入れた、黒の暴牛のローブを羽織っていた。

 

「何で王族が黒の暴牛に?」

 

「あ?ヤミさんが入れたんだよ」

 

「なるほど」

 

 魔力が一切ないオレですら「面白い」の一言で入団させてくれた人だ。そういうこともあるかもしれない。

 

「んだ?あいつに何か気になるとこでもあったか」

 

「いや、気になったといいますか………」

 

 蹴られた腹を片手で抑えて立ち上がる。まだ地味に痛みがある。

 

「鍛えてるんだなぁって思いまして」

 

 彼女、ノエルがオレの手を軽く握ったあの瞬間に、オレは直感としか言えないもので、彼女は体を鍛えていることが分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 思えばこの時からオレは気になってたんだ。

 

 魔力に恵まれているだろう王族なのに体を鍛えている彼女、ノエル・シルヴァのことを。

 




 これが限界です……。
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