私と朱乃は今、教会の近くにある小さな森の中にいる。
私達の役割は教会の外にいる堕天使の捕縛または消滅させること。
そして先程、外にいた堕天使の全員の処理が終わったところだ。
朱乃が言う。
朱乃「リアス、投降してきた堕天使は拘束して冥界の専門機関に送っておきました」
リアス『そう。ご苦労様、朱乃。それじゃあ、祐斗達の応援に向かいましょう。一誠もまだ神器が使えないみたいだし、心配だわ」
朱乃『そうですわね」
互いの合意の上で行ったとは言え、私の実力不足のせいで一誠には無理な転生をさせることになってしまった。
悪魔の駒を取り込んだ際に生じた不具合もあり、一誠は神器を使えない状況にある。
『兵士』の駒を八つ使っても転生できなかったほどの実力。
まだ彼の真の力というものは見たことがないけれど、主となった私よりも上なのは間違いないのだろう。
しかし、神器を使えない状態でどれだけ、その力を発揮できるのか
消えない不安を抱えた私はこちらの処理を終えたので、すぐに魔法陣を展開して教会に転移しようとした。
その時
ドゴオォォオオオン
何が崩れるような音が聞こえた。
音がした方角には―――――例の教会。
戦闘が行われている、そう認識すると同時に私達は感じ取った。
リアス『このオーラは』
朱乃『一誠君のものですわね』
感じ取れる濃密なオーラ。
間違いなく、私を上級悪魔を超えてい。
神器を使えないはずなのに、これだけの力を発揮できるだなんて
今回の戦いでは彼の実力が分かるかもしれない。
私は一誠の心配をする傍らでそう考えていた。
もちろん、それは祐斗や小猫,北郷君達サポートあっての話だ。
協力して、どれだけ戦えるのかを確かめるつもりでいた。
でも、これは
リアス『私は彼を見誤っていたようね。多分、彼は』
朱乃『部長?」
リアス『行きましょう。といっても、到着した時には全てが終わっているでしょうけど』
一誠あなたは一体何者なの?
[リアス side out]
俺と達也は地下室を飛び出た後、教会の礼拝堂の前で少しの戦闘を行った。
そして今。
教会の壁が一部崩壊しており、ドーナシークはそこに埋もれている。
ドーナシーク『ゴブッ」
瓦礫の中で膝を着くドーナシーク。
口から血を吐いている。
さっき、俺があいつの腹に軽く一発入れたんだけど意外とタフだな。
一誠『もう終わりか?」
ドーナシーク『舐めるなよ、若造がッ!」
そう言って、俺に光の槍を投げつけてくるが、俺は胸に当たる相殺した。』
ドーナシーク『なっ!?」
まさか、相殺するとは思わなかったのだろう。
信じられないといった表情を浮かべていた。
俺は一歩踏み出して、ドーナシークに言う。
一誠『まぁ、そんなことはどうでも良い。おまえはアーシアとレイナを傷つけた。簡単に終わらせるとは思うなよ?二人を泣かせたツケはきっちり払ってもらう』
達也『ここからは,俺も混ぜてもらう。』
そういいながら達也が横に来た。
ドーナシーク『この………悪魔と人間ごときがあぁぁああ!」
ドーナシークは翼を広げて空を飛ぶ。
そして、自分の周囲に光の槍を展開し、それらを全て、俺と達也に目掛けて放つ。
さっきよりも速く、数が多い。
だが
一誠『そんなもん、効くかよ。
パワーゲイザ』
俺は降ってきた光の槍をパワーゲイザで全て弾き飛ばす。
弾かれた光の槍が周囲に着弾し、弾け飛んだ。
爆風と煙が巻き起こる中、俺はドーナシークの背後に移動して頭を掴む。
ドーナシーク『いつの間』
そして、ドーナシークが言い切る前にそのまま教会の床に叩き付けた。
叩き付けた所にはドーナシークの血と羽が飛び散る。
一誠『今のはアーシアを泣かせた分だ」
ヨロヨロしながら立ち上がるがドーナシークは血まみれでボロボロだ。
達也『まだ、立てるのか。本当にタフだな、おっさん』
ドーナシーク『クソォオオオオオ!』
ほとんど絶叫に近い叫びを上げながら手元に光を集めるドーナシーク。
その光は先程までとは違い、どんどん大きくなっていく。
小技では俺達を倒せないと踏んで、自分の全力を放つ気のようだ。
少しすると、ドーナシークの手元にはやつの体の三倍くらいの大きさの槍が出来上がる。
ドーナシーク『グオオオオオ!』
ドーナシークはその槍を握って突貫してくる。
多分、これが全力の攻撃なのだろう。
奴の全てを込めた捨て身の攻撃。
だけど
ドーナシーク『なん、だと』
達也は槍の先端をウロボロスでドーナシークの突貫を軽々と止めて見せた。
まさか、人間にに自分の全力をこうも簡単に防がれるとは思わなかったのだろう。
ドーナシークは達也と、自身の作り出した光の槍を交互に、何度も視線を移していた。
驚くドーナシークを無視して、達也は脚にを入れ光の槍を砕く。
そして、達也は呆然とするドーナシークに放つ!
達也『行くぞ蛟竜烈華斬』
ドーナシーク『ガハッ!!』
骨が砕ける感触と内臓を潰した感触が脚を通して伝わる。
こみあげてきたものを堪えきれなかったドーナシークは口から大量の血を吐き出した。
達也『これがレイナを泣かせた報いだ』
達也はそのまま脚に更に力を込めて、ドーナシークを吹き飛ばす。
勢いよく吹っ飛んだドーナシークは教会のガラスを突き破り、外の木に衝突したところでそこに倒れ伏した。
その後、ドーナシークはピクリとも動くことなく、完全に気を失っていた。
はぐれ神父と堕天使を片付けた後、僕と小猫ちゃん、そして北郷君と雪菜さんで捕らわれていたシスターことアーシアさんとレイナーレという堕天使を救出した。
正直、悪魔が堕天使を助けるなんて前代未聞のことなんだけど、草薙君の妹さんとアーシアさんに懇願されたので助けることにしたんだ。
そして、上で戦っている一誠君達の援護に向かったんだけど
そんなものは必要なかった。
一誠君達は堕天使を圧倒していたからだ。
あの堕天使から感じたオーラは並の堕天使よりもかなりの強者だった。
それを君達は圧倒していた。
それも無傷で。
すると、見知った気配が近づいてきた。
リアス『想像以上ね、彼」
リアス部長だ。
木場『部長、そちらの方は片付いたのですか?」
リアス『ええ。祐斗と小猫,北郷君達も無事みたいで良かった。貴方誰かしら。
氷麗『初めまして。お兄ちゃんがお世話になってます。義妹の氷麗です。』
リアス『そう。リアスグレモリーよ。
よろしくね。』
氷麗『はい。よろしくお願いします。』
朱乃『部長、一部の者は捕縛してあります。お任せしても良いですか?』
リアス『了解したわ。朱乃、冥界に送っておいてちょうだい』
朱乃さんはリアス部長の指示を受けて、捕縛した者ところへ向かっていった。
朱乃『それにしても、一誠君はとんでもないですね。彼は』
リアス『ええ。だから驚いているのよ。素の状態で上級悪魔を超えているんですもの』
そう、一誠君の力は明らかに上級悪魔を超えたものだった。
一誠君、君は一体何者なんだい?
リアス『とにかく、一誠達のところに行きましょう』
リアス部長に言われ、僕達は一誠君達のところに向かった。
俺は外に飛んでいったドーナシークを回収して達也と教会に戻った。
ドーナシークは生きているけど瀕死の状態だ。
ここは部長の管轄だからな。
こいつの最終的な処分は部長に任せるつもりだったから一応、死なないように手加減はしたんだけどね。
木場達と合流しようとしていると、アーシアが走ってきた。
アーシア『一誠さん!」
一誠『アーシア、大丈夫だったか?」
アーシア『はい! 皆さんが守ってくれましたから!』
達也『レイナも無事みたいだな』
レイナ『うん。私も助けてもらったから』
二人とも無事みたいだ。
レイナの傷が消えているのはアーシアに治療してもらったからなのだろう。
と、二人の後ろから部長が姿を見を見せる。
リアス『2人ともご苦労様」
一誠『部長。すいません、先に達也と動いてしまって』
リアス『いいのよ。あなた達が無事ならそれで良いわ。彼が今回の首謀者のようね」
部長がドーナシークを見ながら尋ねてきた。
一誠『ええ。瀕死の状態ですが、一応生きてます。最終的な処分は部長にお任せしようと思いまして』
リアス『そうね。彼は冥界の専門機関に送るわ。本当ならここで消し飛ばしても良いのだけれど、流石に元部下の前で消し飛ばすのは私も気が引けるわ」
そう言って部長はレイナの方を見た。
達也『リアスさんレイナは』
リアス『分かっているわ、草薙君彼女のことは貴方の妹さんとそこのシスターさんに聞いたわ。だから、彼女のことは私の方で少し取り調べてから解放するわ。本当なら、こういう処置はしないのだけれど』
悪魔と堕天使は敵対関係だ。
普通なら、消滅させる、もしくは捕縛するのだろうが………どうやら、達也と氷麗ちゃんの気持ちを考えてくれたらしい。
部長がレイナに話しかける。
リアス『えっと、レイナーレだったかしら?』
レイナ『あ、は、はい』
リアス『そう言うわけで、もう少し私達に付き合ってもらうわ。いいわね?』
リアス『あと、シスターさんについては私の方で保護させてもらうわ。勝手だと思うけど、流石にこういうことがあった以上、放置しておくわけにはいかないもの。ごめんなさいね』
アーシア『い、いえ! よろしくお願いします!』
そう言ってペコリと頭を下げるアーシア。
二人の様子に部長はクスクスと笑った。
リアス『二人とも、そんなに堅くならなくてもいいわよ? 確かに私達は悪魔で堕天使とは敵対しているけど、私はそれなりに人を見て判断しているつもりよ?
アーシア,レイナ『『は、はい!』』
この後、ドーナシークはアーシアに治療された後、冥界の専門機関に送られそこで裁きを受けることになった。
レイナは部長と少しばかり話した後、冥界の堕天使領に戻っていった。
達也が駒王町に残ればいいのでは、と言ってみたけど、今回のことをアザぜル総督に報告しなければならないと言って戻っていった。
アーシアは部長に保護されることになり、とりあえず今日は部長の家に泊まることになった。
それから、氷麗ちゃんのことだけど後日説明することになった。こうして、今回の騒動は収拾がついた。
次の日の朝。
俺は何時ものように達也達と話をしながら授業が始まるのをまっていた。
チャイムが鳴り、席に座ると、教室のドアが開き、担任の那月ちゃんが入ってくる。
那月『席につけ』
『はーい』
那月『それじゃあ、出席をとる』
それからしばらくして、出席をとり終わると那月ちゃんが言う。
那月『全員いるな。突然だが、転校生を紹介する。入ってくれ。』
転校生とそう聞かされて賑わう教室。
男子なのか女子なのか、そんな定番の話で盛り上がっていく。
転校生は出来れば女子で!
更に言えば美少女が良いです!
そんなことを考えていると、教室の扉が開いて転校生が入ってきた。
一誠『えっ?』
入ってきた転校生を見て、間の抜けた声を出す俺。
その転校生は見覚えがあったからだ。
というか、昨日も会った!
綺麗な長い金髪にグリーンの瞳のアーシアだ!
そう、転校生とはアーシアだった!
ウソだろ!?
なんでここに!?
那月『じゃあ、自己紹介を頼む』
アーシア『えっと、アーシア・アルジェントと申します! 日本に来て日が浅いですが、皆さんと仲良くしたいです!よろしくお願いします!』
「「「「よっしゃあああ!!」」」」
クラスの男子はもうハイテンションだ。
そりゃあ、アーシアは可愛いからな。
事情を知らなければ、俺も同じ反応をしていただろう。
しかし、次にアーシアが発した言葉が驚きの内容で―――――
アーシア『それから、私は一誠さんのお家にホームステイすることになりました。一誠さん、よろしくお願いします!』
な、なにぃ!?
そんな話、聞いてないぞ!?
俺は那月ちゃんの方を見てみると、笑っていた。
いや、俺は全然良いんだけどね!
とりあえず、俺は、
一誠『よろしくなアーシア!』
と、答えるしかなかった。
休み時間に男子どもから追いかけ回されたのは言うまでもない。
放課後。
俺、そしてアーシアは部室にいる。
アーシアが家にホームステイする件は昨日、俺達が家に帰った後、部長から那月ちゃんに連絡があったらしい。
部長も最初は俺に連絡をしたらしいんだけど、繋がらなかったらしく、那月ちゃんに連絡をしたとのこと。
まぁ、俺は帰ってからすぐに寝たからな………うん、しょうがない。
それで、那月ちゃんも俺に伝えるのを忘れていたそうだ。
一誠『なぁ、アーシア。もしかして、悪魔になった?」
そう、アーシアからは悪魔の気配が感じられて、朝からずっと気になっていた。
一誠『分かるんですか?」
一誠『まぁな。部長、アーシアを何で転生させたんですか?」部長が私利私欲で誰かを無理矢理、眷属にしたとは思えないけど…………。
すると、それにはアーシアが答えた。
アーシア『私がお願いしたんです』
一誠『アーシアが?』
アーシア『はい。私が一誠さんと一緒にいたくて、リアスさんに悪魔にしてもらったんです。リアスさんは悪魔になる以外の道も提示してくれました。でも、一誠さんとずっと一緒にいたくて』
うぅこれは恥ずかしいセリフだ!
アーシアちゃんも大胆だよ!
いや、嬉しいけどね!
リアス『まぁ、そういうわけなの。一誠,アーシアのことお願いするわね。アーシアの荷物は明日、お家の方へ届けるわ。』
一誠『了解です、部長』
話が纏まったところで、部室の奥から朱乃さんがケーキを持ってきた。
リアス『さて、話も終わったことだし、アーシアの歓迎会を始めるわ。ま、まぁ、歓迎会と言っても私が作ったケーキしかないんだけど』
部長は頬を赤らめて照れくさそうに言った。
頬を赤らめた部長、かわいいです!
しかし、手作りケーキか!
部長の手作りが食べられるなんて感激だぜ!
こうして、アーシアは部長の『僧侶』として眷属になり、俺達の新しい仲間になった。