「赤い……」
『赤いですね。目に悪いです』
まぁこれから住む(予定)んだし慣れとかなきゃね。
【________】
……ん?なんか雰囲気変わった?随分と音が消えたけど。
『あたりの時が止まりました。警戒態勢を取ってください』
「警戒ったってぇっ?!」
ナイフが飛んで来た!俺は後ろに飛び回避する。
『上からくるぞ!気をつけろ!』
「っく!……白か……おぁっ!?」
ナビの警告にバッと上を見ると、踵落としを決めようと飛んで来る咲夜さんが見えた。スカートの中身も。
……口は災いの元ってのは本当なんだな。
本気のナイフ投擲だったぞ。まぁ避けたけど。
何故か狙いもブレブレだったから避けやすかった。
…多分、止めたはずの空間で、俺が普通に行動できているからだろう。動揺でもしたのかな?
「な、何故貴方は止まった時の中で動けるのですか!?」
おおっと明らかに
ここは、強者の風格を醸し出しながらドヤ顔で誤魔化そう。そして誤解を解こう。俺は喧嘩に来たわけじゃない。
「さぁ?何でだろうな?……それはともかく、俺に戦闘の意思はない。ここに雇われに来たんだ。従業員募集していないか?」
あたふた咲夜さんは見てて微笑ましいが、話が進まないので心を鬼にして本題を切り出す。
「従業員……?それは有難いですが、って、美鈴?!何があったんですか?!」
『今更?』
うん。確かに今更だったな。ずっと姫さま抱っこしてたのに。
「俺を見て倒れたんだ。言っとくが、俺は何もしていないぞ?挨拶したら急に意識をなくしてな。……所で、あんたは大丈夫なのか?俺、男だが」
「え、男性?」
「……気づいていなかったのか?」
「…………お、お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
「あっ、どこ行くんだよ!?」
咲夜は、顔を真っ赤にして、逃げ出した!
『どうやらあべこべ世界で確定のようですね。後を追いましょう。この館の主人に接触するチャンスです』
お前は至って冷静だな。……で、美鈴どうしよう?
『このまま運びましょう。辛いかも知れませんが、頑張って!』
レベル30舐めんな。こんくらいなら問題ないさ。
あ、そういや時間どうなってる?
『既に解除されているようですね。正常に動作しているようです』
そっか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【side 咲夜】
男性が!男性が!吸血鬼の男性が紅魔館を訪れた!?
しかもイケメン!お嬢様の求めていた、吸血鬼の男性!
私は時を止めるのも忘れ、自身の出せる全速力でパチュリー様の図書館へと向かった。
このビックニュースを、届けるため。
美鈴のことなんて、この時は頭から抜け落ちていた。
そして、図書館入り口につき、バン!と開け放つ。
「わっ!?……なんだ咲夜じゃない。どうしたの?随分と息が切れているけれど」
私のらしくない行動にパチュリー様が心配なさっているが、それどころではない。
数回深呼吸し、心を落ち着かせ、不貞腐れて机に突っ伏しているお嬢様の目の前に立った。
私は意を決して、お嬢様に話し掛ける。
「お嬢様。顔をお上げください。嬉しいニュースですよ」
「…なによ。いい肉でも手に入ったの?」
あくまで顔をお上げにならないお嬢様。
それでも容赦なく、言葉を送らせていただきます。
「男性の、お見えです」
「さぁ!案内して頂戴!その方は何処にいるの!?」
ガバッと顔を上げ、キラキラした目でこちらを伺う
お嬢様。分かりやす過ぎです。パチュリー様も呆れてらっしゃるじゃないですか。
…でも、これで終わりじゃないですよ?
「しかも、その男性、ここで働きたいそうです」
「チャンスがドンドン舞い込んでくるじゃない!」
「咲夜それ本当?」
「えぇ。パチュリー様。物好きな男性も要るものですね」
ぴょんぴょん跳ねるお嬢様。あいも変わらず可愛らしい。……では最後に取っておきの情報を。
「お嬢様、しかも、その男性。_____吸血鬼です」
「_____えっ?」
固まるお嬢様。しかし、その数秒後。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ?!」
館を揺さぶる大絶叫が木霊しました。
お嬢様は普段のカリスマを殴り捨て、私に詰め寄ります。
「どっどどどどどういうことよ!?吸血鬼は、私とフラン以外はいない筈なんじゃないの?!」
「外の世界から紛れ込んだのかも知れませんね……。
なんにせよお嬢様?恐らく、今後二度と訪れないチャンスです。これを物に出来なければ一生独身のままで終わってしまいます!しっかり手綱を取ってくださいね!」
「ま、まっかせなさい!わっ、私のカリスマでイチコロりょ!」
あぁ。噛みました。凄く可愛いですが、今のままではカリスマではなく『かりすま』ですよ?ギャグ方面で効果を発揮します。
……そろそろ、でしょうか。
私が逃げてしまった時に、通った道にナイフをところどころに落として来たので、こちらに来てください。というメッセージは送れている筈ですが……。
それなら、もうすぐ来る、でしょうね。
"カツン、カツン"
足音が聞こえて来ました。すぐそこまで来てらっしゃいますね。
「お嬢様。第一印象が大事ですよ!」
「セリフを噛むんじゃないわよ」
「わ、わかっているわ……」
"カツン、カツン"
「失礼する」
お、お見えになりました……!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【side カイジ】
「失礼する」
第一印象は吸血鬼らしく強気な印象で。
へたに、下手に出ても、返って印象が悪くなる可能性もある。ここは大胆に行こう。
……しかし、ここが図書館か。俺の地元の図書館より広いな。見渡す限りの本本本本本。
んで、その中央には、面接台がおかれ、俺からみて
パチュリー、レミリア、咲夜さんの3人が並んでいた。全員、俺の容姿をみて、ゴクリと生唾を飲み込む。……ナルシストとかじゃなくて、実際に聞こえたから仕方ないだろ?
あっと、観察だけじゃなくて、挨拶もしなきゃな。
俺は美鈴の時と全く同じポーズで挨拶を______
「私の名は、レミリア・スカーレット!私は貴方に勝負を挑むわ!」
_____え?
「「『え?』」」
「勝負内容は簡易版チンチロリン!お椀にサイコロ3つを投げ入れ、出た目の数を足して一番大きな目になったものの勝ちの簡単なゲーム!私、咲夜、パチュリーの3人の合計と貴方の3回出た目の合計を競う!勝利者は敗者に要求を突きつけることが出来る!以上!勝負は明日の朝にやるわ!それまでは、客室を用意するのでそこでゆっくりしていること!いいわね?!」
「あっ、はい」
「よし!言質は取ったわ!」
……えーと。
なぁにこれぇ?
2月20日21時10分、不要なセリフを一部削除しました。